「「ただいま…」」
二人で言った言葉は静かな空間に消えて行った。
「…課長さん達が隠した物を探しましょう」
「…おう」
そう返事をしたと一緒に探す。
二人の部屋をそれぞれが調べ、無いと報告しあう。
残るはリビングのみ。
「…開けますよ」
「おう」
返事を聞いて、ドアを開く。
そこには本が二冊置かれてました。
「本? これのどこが隠してるんだ?」
「…そういう事ですか」
は分かってないようですが、私には理解出来ました。
私は自分の目の色と同じ、水色の表紙の本を開きました。
そこには一つの栞、プリムラの押し花が挟まっていました。
「…これ何処で買ったんでしょうか? しかし、プリムラですか…課長さんらしいですね」
「それの花言葉ってなんだっけ?」
「“運命を開く”ですよ…の方は何でしょうか?」
「あ、こら勝手に開くなよ」
「いいではないですか」
ダメだ、と言われて取り上げられました。…ケチですね。
は本をそっと開くとカタクリの花とナスタチウムの花の栞が挟まってました。
「…私、この花の花言葉は知りません。 は?」
「さあな」
は本に目を落としたままで、素っ気なく答えた。
それでも、私にとっては充分な返事だった。
後々、調べてみると…
カタクリは“寂しさに耐える”
ナスタチウムは“困難に打ち勝つ”
という意味があった。
…あの二人にはお見通しなんでしょうね。