3章・旅は道連れ先駆け編
過去の過ちと贖罪
天気は快晴、ジムバトル日和なんだろうけど凄く眠い。
あの子達がホドモエシティに行きそうだとわかったのが2日前
その時点でどうしても急がなきゃならない現場があったから突貫作業して
終わらせてから現在に至る…2徹の状態で空を飛んでますが?
リザードンが風を切る音を子守唄にして寝そうになった時
前の方を飛んでたを乗せたカイリューが高度を下げた。
リザードン橋と呼ばれてる跳ね橋が見えたのは良いんだけど
あの子達が誰かと話をしてる。うわーい、先回りできなかったよ!
近くの広場に降りて向かったら、ヒュウ君が凄い形相をして走って来た。
「さん!今ここを通ってった奴等ってどっちに行った?!」
「へ?いやよくわかんない。ごめんね。」
「畜生、絶対にとっ捕まえてやる!」
そう言って、ヒュウ君も凄い勢いでどこかへ走って行っちゃった。
その後で、キョウヘイ君とメイちゃんが困った様な顔をしてやって来た。
状況を説明してもらったら、プラズマ団の人と元プラズマ団の人が話してて
それにヒュウ君が割り込んじゃったらしい。
「私達、その元プラズマ団の人に家に来て欲しいって言われたんです。
でもなんだか怖くって…さん、一緒に来てくれませんか?」
「はい?」
「ぼく達に話たいって言ってたけど、そんな人の話を聞いても良いのかなって…
さん達と一緒だったら、何かあっても大丈夫だと思うしお願いします!」
「いやいや、私達は…「よし、それじゃ今から行こうか」…ちょ、!」
七賢人のなんちゃらさんのイベントだけど、別に関わらなくても問題ないし
そういう部分は極力避けていきたいから断ろうと思ったのに!
は私を見て、ちょっと考え込んでから
「そういう連中と会うのが怖いってのは子供なら当たり前だ。俺がついていく。
が行きたくないなら、先にジムに挑戦してても良いぞ。」
「そんな場所にを野放しにすると何するかわかんないでしょー!
二人共、別に行きたくないなら無理して行かなくても良いと思うんだけど?」
「…どうするメイちゃん?」
「え?えーっと待ってるって言われたから、行かないと駄目…かなぁ?」
二人がピュアで眩しいよ、世の中良い人ばかりじゃないから気をつけてね
こっちの世界じゃロリとかショタっていないんだったっけ?
っと、馬鹿な事考えるのはやめなきゃ。どーやら行く事が決まったみたいで
と二人が先に歩き出したから、慌てて追いかけた。
ジム近くの小高い丘に建物があって、ミネズミ、デンチュラ、ハーデリア達が
外に出て誰かと一緒に遊んでいた。
私達が近づくと、ズルッグがやってきて皆を守るように立ちふさがった。
「おっす!俺等はお前達を虐めにきたわけじゃないんだ。
お前偉いなぁ、そうやって皆を守ってるんだろ?よしよし、良い子だ。」
がしゃがみ込んでズルッグの頭を撫でてあげると嬉しそうにしてる。
んで、私にもいつのまにかバチュルが張り付いてたから撫でてやると
軽く放電して喜んでるし…うわーい、痺れてクラクラきちゃう位可愛いぞー!
そんなうちらをキョウヘイ君もメイちゃんもびっくりした顔で見てたんだけど
「ロット様、ほら、来ましたよ!こっちです、こっち!」
「ほう!プラズマ団に興味があるのか。」
建物の入口に2人立っていて、若い人の方がこの子達を手招きしてる。
皆でそっちに行ったら人数が増えてたからな?びっくりした後嬉しそうに
「私達の話を聞いてもらえれば、理解してもらえるかもしれません。」
「……お客人、悪いがここに入るなら、あなたというトレーナーが
どんな人物か見せてもらいたい。そうポケモン勝負でな、それでよろしいか?」
バトルは良いんだけど、誰と?うちらは4人でそれぞれに顔を見合わせた
が行こうとしたんで慌てて止めたよ。だってこれはうちらが行っちゃ駄目
やっぱり一緒に来て大正解だったかもしんない。
「あぁ、そちらの二人ではない。少年少女よ、どちらが勝負するのだ?」
「この人なんだか強そうだな…メイちゃんどうする?」
「えっと、目と目が合えばポケモン勝負だよね?」
2人が話し合って、どうやらメイちゃんがバトルをする事になったみたい。
その人…プラズマ団七賢人のロットさんの前に立ってバトル開始になる。
バトル中、が他の元プラズマ団の人達になんだか話しかけていた。
「すみません……ロット様は私達を守る為に、あぁおっしゃってるんです。」
「世間ってのは厳しいですからね。でも貴方達はそれを承知で頑張ってる
それは簡単な様で凄く難しくて大変な事だってのを、俺も知ってます。」
「元の持ち主が見つからないポケモンの世話をしてるんだ。
自己満足ってわかってるけど、せめてもの償いだよ。」
「過去は変えられないが未来は変えられる……!
なので格好を変えました……太ったからではありません。」
「ははっ、どんな格好だって構わないし、自己満足でも良いじゃないですか。
現にこの子達は貴方達にとてもよく懐いている。それが事実でしょう?」
「このミネズミ、あたしに懐いちゃって……
だから道具扱いをやめて、キチンと向かってんの!」
「どんな扱いを受けたって、この子達は一度マスターと認めた相手が大好きで
傍に居たいんです。これからそうやって向き合ってやれば良いと思いますよ。」
元プラズマ団の人達がを見て凄く嬉しそうにしてる。
自分の過去を知ってても今を認めてくれる人がいれば頑張れるもんね。
そんな事をしてたらバトルが終わり、メイちゃんは無事に勝ったみたいだ。
そこにヒュウ君もやってきてメンバーが揃ったって感じで建物の中に案内される。
「改めて名乗りましょう、私の名前はロット。」
ロットさんが名乗った後、イライラした様子でヒュウくんが口を開いた。
「…アンタ等もプラズマ団だよな?さっきのプラズマ団と何が違うか教えろよ。」
「正しく言うなら元プラズマ団だ。2年前の件を切欠に罪ほろぼしとして
持ち主と離れ離れになったポケモンの世話をしてる。で、お前は?」
「……オレはヒュウ、ヒオウギシティのヒュウ。
5年前、お前等プラズマ団に妹の大事なポケモンを奪われた情けないトレーナーだよ
何が離れ離れだ そうしたのはお前等だろっ!!」
そんな事、この人達に言っても仕方がないんだけど怒りがおさまらないんだね
その位ヒュウ君はプラズマ団が許せないんだろうな。
「そうであったか……誠に申し訳ない……」
「謝るだけかっ!それで終わりなのかよっ!!
妹のポケモンはっ!?チョロネコだよ、チョロネコはっ?」
「お前のいうポケモンはここにはいない……恐らくだが、今もプラズマ団に
こき使われているのだろう。そしてお前の言う通り、謝っても何も解決しない
だが、罪を認め、謝らねば先に進めないのだ……」
「もういいっ!謝られても、妹のポケモン、ここに居ないんだろっ!!
キョウヘイ!メイ!オレはポケモンジムに行く。
もっと強くなって、プラズマ団を全員やっつけるっ!!」
怒りと悲しみが混じった様な顔をしてヒュウ君は外に飛び出して行った。
それを追いかけるようにも外に出ていっちゃったし…
私もここにこれ以上いる必要もないから、皆に断ってから外に出た。
「!ヒュウ君は?」
「捕まえたんだけどな、絶対に許せないって言うから行かせた。」
遣る瀬無さ気に溜息をひとつついて、私をみて首を横に振る。
「わかってても怒りの方が強いんだろう。誰かを許すってのは難しい。
自分の気持ちを誤魔化したってそれは一時のモンにしかならない。
本当に許すってのはそんな簡単に出来るわけじゃないからな。」
「そうだね…」
「今はその気持ちのままでも良い、だがいつかは許せる様になって欲しい…
そうじゃなきゃ、いつまでたってもあの子は道を見失ったままになっちまう。」
は昔の自分とヒュウ君がダブって見えるんだろうな。
真っ直ぐすぎるその気性は確かに昔のに凄くよく似てるもんね。
そのまま二人共何も言えなくて黙ってたら中から2人が出てきた。
「さん、さん、ヒュウは?」
「すまん、捕まえる事が出来なくてな…多分ジムに行ったと思うぞ。
メイちゃん、その子…ゾロアをどうしたんだ?」
「ロットさんが面倒を見て欲しいって、預かったんです。」
腕の中のゾロアは周囲をキョロキョロと見渡してる。
その子を凄く優しい手つきで撫でてあげながらメイちゃんは笑った。
「そっか、んで話は終わったのかな?」
「はい、ぼく達もヒュウの後を追っかけてこれからジムに行きます。」
「そっか、じゃあ先に二人は行っててくれるか?
俺等…俺はちょっとまだやりたいことがあるんでな。行くぞ。」
「え?あ、ちょっと待ってよ!二人共ゴメン!先に行ってて!!」
は二人にそう言うとさっさと中に入っていっちゃったし。
の後を追って建物の中に入った時、いきなりゾロアークが飛び出して
部屋の真ん中に立ったと同時に視界が急にブレた…これはイリュージョン?
目の前にはプラズマ団の人が仲間の人と話をしている。
内容は現プラズマ団と今の自分達についてで世間の冷たさを受けるなら
戻っても良いのかもとか、他の組織に鞍替えしようなんて話してるのを
もう一人が怒ってそれを止めてる?そして話の中にNという言葉が出る。
ポケモンの為にと言ってる彼等の言葉に嘘は見えない。
そしてNを様付けで呼んで敬ってるのが感じられる。彼等がいなくなって
そのあとで場面が変わって一人の青年?が現れる。
あぁ、私はこの場面を知ってる。改心した彼をみて喜んでたっけ。
だけどゲームの画面で見た時よりもNの言葉は私の胸を打った。
彼の覚悟は本物だってあの時よりももっと身近に感じられるよ。
『ボクは行くよ、ポケモンの為、トレーナーの為、全ての命の為……
そして、このボクを救ってくれた友達の為に……!』
ビジョンはそこで消えて、ゾロアークは一声吠えてどこかへ行ってしまった。
このビジョンを見たのは私ととロットさんともう一人だけ。
ロットさんの声が重苦しく続いていた沈黙を破る。
「N様はポケモンの心がわかる力に優れたお方。
反面、人の気持ちや心を理解する力はまだまだ育っておられなかったのだろう…
…とは言え、プラズマ団の王としてイッシュを騒がせた。
罪を償える様、伝説のポケモンとの旅で育っておられると良いのだが…」
「N様のお戻りを待っています。N様はポケモンと話せます。
そうすればここにいるポケモン達の望みがわかります。」
ポケモンの為にやれる事ってのがこの人達はちゃんとわかってるんだと思う。
それをNが先導していたのは間違ってない。やり方を間違えただけなんだ
だから今、Nもこの人達も過去を反省して今できる事をしてるんだろうな。
過去は変えられないけど未来は変えられる。
過去に焼け尽くされたこの国をポケモンと一緒に頑張って作り直してきたんだから
この人達にも頑張ってやり直して欲しいな。