3章・旅は道連れ先駆け編
社会人の優先順位
ライモンジムで勝利してから、次のジム戦にチャレンジする為の
ポケモンの育成も大体の目処がたった頃、が
「嘘っ?!いきなりそんな場所まで進んでるとか勘弁して。」
「どうした?」
昼休憩でメシを食べた後、ライブキャスターを見た後でが
そう言ってデスクに肘をついて額を抑えちまったんで驚いて近づいてから
ライブキャスターを覗いたら、そこにはホドモエシティのマップと
その近くに星印が点滅しながら映っていた。
確かこれはあの子達を追尾してるカクレオンのだったよな?
ポケモン達の育成は問題ないが別な方が…仕事では問題ありだ。
ここ最近は色々な中継駅に行っての仕事が多いから、予定変更も難しい。
「先回りをするなら急いだほうが良いんだろうが、明日は無理だ。
カナワタウンの中継駅のダクト交換と保温を終わらせないとだろう?」
「わかってる。仕事的には2日間って見積もってたけど変更するよ。
明日中に終わらせて、明後日から有給取らせてもらう。」
あの子達より先に行動したいだろうに、仕事を放り出さないのは流石だ。
こういう時、ホント社会人ってか仕事を持ってると不便で困る!と言って
デスクに突っ伏しているの頭を軽く叩いてデスクに戻る。
パソコンで在庫を確認すれば全部揃ってる。
今日中に現場に材料を搬入して、駅が閉まるのをまってダクトを外して…
おっと、その前に時間外の作業申請をしなきゃ筋が通らなくなるな。
「毎度ベストコンディションって訳にはいかないかー、畜生。」
「この位の徹夜なんざ徹夜のうちに入らないだろ、気合入れてやるぞ。」
この工程なら徹夜は確定だ。だがそれでもあの子達より先に動こうっていう
その理由が何かあるのかもしれない。だとしたら一人には出来ないだろう。
がスケジュールの書かれたホワイトボードを見て俺等を睨む。
「テメェ等、有休は2日間までしか無理だからな。
4日後、役職会議で例の救命講習受講の企画説明があるのを忘れてねぇよな?」
赤ん坊からお年寄りまで、いろんな人が集まる場所だからとが
ある企画書を提出して通ったんだが、その説明日の事なんて忘れてたぞ。
「…じゃないや、課長、明後日から2日間有休ください。
その次の日の企画説明については書類は出来上がってるから発表するだけで
特に問題は無いと思うんです。質疑応答は全部私が担当しますから。」
「そういう事なら許可するぞ。俺は流石に2日間は無理だな…
明後日だけ休みもらって速攻でバッジゲットさせてもらう。」
今後のスケジュールを見たら結構詰まってるし、俺は一応職長だしな。
丸一日こいつが1人で行動する事が凄ぇ不安だが仕方がない。
まだ休憩時間内だが、早めに作業を開始するとするか!
就業時間内に今の現場を終わらせたが
突貫作業をするのに材料を現場に運ぶ事のは良いが、その移動手段が問題だ
「、大丈夫デスカ?」
「シンゲン部長、私は最期まで頑張ったと皆さんに伝えてください。」
「冗談ガ言エルナラ 大丈夫デスネ。」
材料がかなりあるんでカナワタウン行の車輌を1輌まるっと貸し切って
現在現場に向かう事になったんだ。
俺はまだ仕事が残ってるから一緒には行けないから余計に心配だ。
「コノ車輌ハ バトルサブウェイデ使用シテイル車輌ノ中デモ古イノデ
少々揺レマスカラ 我慢シテクダサイ。コレ、渡シテオキマス。」
それはエチケット袋で吸収パッドが入ってるし、ひも付きの袋で
悪臭除去、感染予防も出来て、一般ゴミに廃棄も出来るとかスグレモノらしい。
移動距離は短めだから使う必要が無い事を祈るしかないだろう。
就業時間が終わって、今日の作業日報をボス達の執務室に持っていけば
二人共揃って書類を見ていた。俺が入ってきたのを確認すると目を細めて
「お疲れ!って言ってもこれから突貫作業だったっけ。」
「その後の有休届けも出ておりますが、そちらも急ぐのですか?
あまり無理をする様なら私達は許可する事ができないのですが…。」
「こんなの無理にも入りません。ジム戦を急いでるのはですね。
あいつに単独行動を許すと何をするかわからないんで、途中までになりますが
俺もついていきます。あいつも最近は無茶をしなくなったから大丈夫ですよ。」
「それは言えるかもしんない。でも、あんまり無理はしないでね?」
「二人共夕食はどうするのですか?私達ももう少しで終わりますので
よろしければ差し入れしますよ?」
すっかり晩飯の事を忘れてたが、二人も最近忙しそうだから甘えられない。
そう言って断れば、2人分も4人分も変わらないと言われて押し切られた。
キャメロンがカナワの車輌基地にトレインを移動させるって言うから
ついでに俺も乗せてもらう事にした。
バトルより運転の方が好きだと言うだけあって、運転が上手いと思う。
最近カズマサが合コンのセッティングに張り切ってるから俺にも参加しろとか
トトメスが俺が欲しがってた掃除機のカタログを取り寄せたとか話してたら
目的地の中継駅に着いた。ホームで電車を見送ってから現場にいけば
が既に養生を終わらせてすぐ作業にかかれる様にしてあったから
空調を切って、ダクトを交換してから外側にダクトピンを順次つけていく。
デボンで最近取り扱い始めた速乾性のボンドを初めて使うんだが
問題が無い様なら待ち時間がかなり短縮出来て作業効率もあがりそうだな。
「うし、後は乾くまで3時間だったか?一服しとくか。」
「空き時間出来たから、ちょっと出てご飯食べて来ちゃわない?」
「その必要はないぞ。今日突貫するって届けを出した時に
仕事が終わってからボス達に飯を差し入れするから待ってろって言われてな…
っと、噂をすればなんとやらってか?早速メールが来たぞ。」
ライブキャスターを一緒に覗いたら。
『|レ゚▽゚)ノシ すっごい晩ご飯持って行く!』
…俺は顔文字ってのが好きじゃないんだが、これには二人で笑っちまった。
無人駅に喫煙スペースなんてあるわけないから外に出て一服する。
ここはライモンシティと違って星がよく見えるんだな…なんて思ってたら
が真剣な顔をして話しかけてきた。
「そーいえば、シンゲンさんが例のウィルスの事を教えてくれたんだけど
なんだか色々大変らしいよね、も聞いてる?」
「あぁ、カナワタウンのSE達がシステム全部入れ替えるんだろ?
試運転じゃシングルトレインに問題があったってクラウドが愚痴ってた。」
「ちゃんがいてもこれだけ時間がかかるとか、凄いよねー。
作った人はそんな事じゃなくて、もっと有効的な何かに使えってんだよ。」
「それでももうすぐに解決するだろ?ウィルスの方もジャッキーの所で
24時間監視してて、すぐに対応できるってが言ってたぞ。」
プラズマ団がこれだけ活発に動き出したから、その問題を早く解決したい
そう思うのは当然で、関係者は凄ぇ必死に頑張ってるしな。
構内に戻って、床にブルーシートを敷いてから養生用の毛布を上に敷き
中央にダンボールを置いてテーブルに見立ててセッティングして
準備オッケーって時に、丁度二人が大きな荷物を持ってやって来た。
「やほー!二人共急に突貫とかビックリした!」
「その後有休を取るのはホドモエジムにチャレンジするからでしょう?
万全ではない状態でヤーコン様とバトルをすると痛い目にあいますよ?」
ここまでどうやって来たのか聞けば、緊急用のトロッコを使ったらしい。
職権乱用だろうと言えば、たまに点検がてら使わないと!と言われた。
「仕事と両立するって時点でこーいう事も覚悟してたんで、オッケーでっす!」
「さっきもボス達には言ったでしょう?俺等にはこの位徹夜になりません。」
「二人共、ボク達は仕事終わって来てるんだから普通に話して?」
仕事中だから、口調が仕事モードだったのが気に入らないらしい
ダチとしてって部分をこの二人はこうやってよく強調するんだよなぁ…
も同じ事を思ったみたいで、二人で顔を見合わせて笑った。
「ほいほい、んじゃ改めてー。うわーい、すっごく美味しそう!」
「ははっ、相変わらず凄ぇ量だな。どうせ二人もメシ食ってないんだろ?
俺等も今は空き時間だから、ここで食っていけよ。」
「ふふっ、初めからそのつもりでございます。
ポットにスープを入れてきたので、冷めないうちにどうぞ。」
容器から出された料理はそりゃー凄いのなんの
見た目にも栄養バランス的にも考えられてておまけに味も保証済みときた
「うわーい、やっぱりノボリさんのご飯って美味しいです!
奥さんになる人は大変かも?…あ、いっそノボリさんが嫁にいくとか?」
「貴女という人は相変わらす私の性別を無視しやがりますね!
よろしい、ではが私をもらってくださいまし。」
「あのね、そーなったらボクはを義姉さんって呼べば良いの?
それとも義兄さんって呼べば良いの?」
「それこそ性別無視しやがんなってんですよ!でもノボリさんがマイハニー…
フリフリのエプロン着てお帰りなさい?あ、王道は裸エプロンですよね!
んで、食事にします?お風呂にします?それとも私?とか言っちゃう?」
「ダーリンが望むのでございましたら、いつでも出発進行出来る様にするのが
妻の勤めでございましょう?私、ご満足いただける様に頑張りますとも!」
「それでこそマイハニー!」
「当たり前でございます、マイダーリン!」
…ノボリ、それはには通じないぞ?っつうか、ツッコミどころが
多すぎて、俺は何を言えば良いのかわからなくなったぞ!
クダリも苦笑いしてるから、状況を理解…まぁこれだけダダ漏れならするだろ。
「式は教会じゃなくギアステであげちゃえば良い。
でも二人共、そーなったら仕事はどーするの?ってか続けるの?」
「「当たり前(でっす)(で、ございます)!」
「家庭も大事でございますが、私は生涯サブウェイマスターを貫きます。
それに理解がない方では困りますが、は違いますよね?」
「結婚して仕事を辞めれなんて言う奴はぶん殴りますよ?
そんな簡単にどーこーできるモノじゃないんだから当然でしょう!」
「その通り!仕事と家庭は別でございますよね!」
「そーそー、職場に出たら仕事が一番!家に帰れば家庭が一番!だよねー!」
「あ、それってボクも!どっちか選べとかって方が無理だと思う。」
はともかく、この二人の恋愛が長続きしないって理由がわかった
世の女達がそれに納得するわけないんだぞ、自分が一番じゃなきゃ嫌なんだぞ?
それがわかっていないってのは、まだまだだよな。
「まぁアレだ。今はさっさと飯を食って仕事を始めるぞ。
職場に出たら仕事が一番なんだよな?ノボリもクダリもそれを認めるんだろ?」
こうでも言っておかないと、まだまだ話し込みそうだから釘をさすぞ。
俺は別に今特定の相手もいないし、優先順位を仕事にしたって問題ない。
恋人ができたら?その辺をうまく立ち回るのが大人の男ってモンだろう。