3章・旅は道連れ先駆け編
空飛ぶ雲、めでたい雲の浮かぶ場所で
いつもの面子が揃いも揃っているのはちょっと変だよ。
だってさー、ここはヒウンシティでギアステじゃないんだし?
それでもすっかり寛いじゃってるのは気心知れた間柄だからなんだろうなぁ…
ノボリさん、クダリさん、の悪巧みが不発に終わった後
ジムリーダーのアーティさんが戻ってくるまで待機って感じでうちらは
カフェでのんびりお茶なんかしてるんだよね。
モーモーミルクをくれたマスターさんが作ったシフォンケーキを食べたけど
すっごくフワフワでビックリ!んでもって超絶美味だし!!
ってばすっかり気に入ったみたいで追加で2個注文しちゃったし。
その隣であんまり甘いものが好きじゃないはウンザリした顔してるよ。
お留守番をさせてたネイティとリグレーとも一緒になって超幸せ!
そんな感じでまったりしてたらクダリさんのライブキャスターが着信を告げた。
マナーモードなのは流石だなーとか思って見てたらメールみたいで
読み終わったあとで私とを見て、よく言われてる天使のスマイルになった。
「アーティ戻ってきたって!それじゃボク達はジムリーダーの控え室で
二人のバトルを見せてもらうから、二人共頑張って!」
成程、つまりは主人公のあの子達は無事にプラズマ団を蹴散らしたんだなー。
怖い思いしたんじゃないかな?怪我とかしてないかな?
でもやっぱり主人公だよね、私も負けてらんない。頑張っちゃうもんね!
「すっごいバトルをお見せするんで期待しててくださいね?」
「バトルは真剣じゃなきゃつまらない!…だろ?」
「あはは、うん!その通り!!」
皆とそれぞれハイタッチをして全員でジムに向かった。
あの子達はまだ来てないのかな?んじゃサクッと始めちゃいましょうかね!
がジムリーダーとバトルしてる間に、トレーナーさん達とバトルをする。
すっごい本気で、色んな人が鍛えてくれてるうちの子達が負けるわけないって!
対戦したトレーナーさんには申し訳ないけど、あっという間に撃破して
ジムリーダーのアーティさんのいるフロアへ向かったら丁度バトルが終わって
と握手してる所だったんだけど、笑顔が引つってるのは気のせい?
いやいや、きっとこの時間で終わってるんだからド本気で瞬殺されたんだろな
アーティさんご愁傷様、だけどそれは続くったら続くなんだよー。
が私に気がついて手を挙げてからなんだか奥に行っちゃった。
それってどこよ?と思ったらアーティさんの控え室なのかな?
ドアが開いたらノボリさんとクダリさん、が凄い良い笑顔で見てたよ!
うわーい、これは私もド本気見せなきゃ後から正座付きの説教だわ!
「ハハコモリ戦闘不能!このバトル、ライモンシティのの勝利!!」
ジムリーダー撃破だぜっ!アーティさんには悪いけど
タイプ相性的にも有利な、うちの子が負けるわけがないんだってば!
「あうう……キミすっごく強いんだねえ、負けたのも納得かなぁ……
そうだ!このビートルバッジ!キミに似合いそうだよね!」
「あはは、まぁ伊達に廃人施設のバトルサブウェイで職員してませんし?」
アーティさんからビートルバッジを受け取って、私はコートの襟元につけてみる
それを見て、アーティさんは笑いながら何度も頷いた。
「むう!想像以上に似合ってるねそのビートルバッジ!
バッジを3個持っていればLv40までのポケモンはいう事をきいてくれるしね
えーっとそうだ、これもあげるよ」
そう言ってジムリーダーさんからもらえる恒例の技マシンを受け取った。
えーっとこの技はなんだったっけ?あ、むしのていこうだったね。
「むしのていこう は、ダメージを与えた相手の特攻も下げるんだよね。
そういう何でもないような事が、実は大切なんだよね。」
「ホントにそうですよねー。そういう事を忘れないように頑張ります。」
「キミの事はノボリとクダリからも聞いてるよお、凄いトレーナーだって
それに、ポケモン協会とも揉めたんだって?あそこは色々大変だからね
キミならこれからもっともっと強くて優しいトレーナーになれそうだよね。」
「そんなに褒められちゃうと調子に乗っちゃいますよ?」
「むう?ボクは嘘は嫌いさ!キミは自信を持って調子に乗っちゃいなよ。」
綺麗な笑顔でそう話すアーティさんはやっぱりジムリーダーをしてるだけある。
ホント、そういうちょっとした事がバトルによっては大きく左右されるよね。
こういう人達がこれからトレーナーとして成長する子達の壁になってるのは
凄い事だと思う。例え母体のポケモン協会の内部がグダグダしてても
こうやって末端で頑張ってる人がいるから、本体もこれから良くなるよね。
そんな感じで和やかに話をしてたら後ろから声が聞こえた。
「つ、ついたぞー!って、うわわ!まだバトル中…?あ、さん?!」
あちゃー、ちょっと長居しすぎちゃったかな?
私を見てキョウヘイ君がビックリしてるけど、ジム巡りをしてるんだから
こうやって会うのはそんなに不自然じゃないはずなんだけどな?
「あー、ちょっと話し込んじゃってたんだ。ごめんね、すぐ移動するから。
キョウヘイ君もこれからジムリーダーさんに挑戦するんだよね、頑張って!」
「はい!さんは…やっぱりバッジゲットしてたんですね!
っと、アーティさん、さっきはお疲れ様でした!」
「下水道ではお疲れー。さっきからボクの虫ポケモンが騒いでるんだよね
キミと戦いたいって!ボクの虫ポケモン達は良いよーちょっと自慢しちゃうよ
イシズマイのつぶらな瞳もキュートだし、粘り強くて頼れるんだー!」
おーっと、これはバトル前の台詞でしょー。
ここはお邪魔しちゃいけないから、とっとと退散しちゃいましょうか。
アーティさんにお礼を言ってフロアを出ようとしたら
「さんはこの後時間がありますか?メイちゃんとヒュウも来てるんで
良かったら一緒に行動したいなって思ってるんですけど…ダメですか?」
その捨てられてる子犬の様な目は反則だと思うよキョウヘイ君!
そんな目で見られたら駄目だなんて言えなくなっちゃうじゃないか!
「私も仲間と一緒に来てるんだけど…そうだねー、ちょっとなら良いよ。
どうせなら一緒にヒウンアイス買いに行かない?お姉さん奢っちゃうよ?」
「やった!それじゃあちょっと待っててください。」
「ほいほーい、ジムの外に出てちょっと一服しながら待ってるよー。」
…うわーい、なんだかアーティさんの控え室からのろいの波動を感じるぞー。
でも可愛い子の誘いは断れないもんね、私は悪くない!…はずだ。
ジムリーダーのフロアに行くのは大変だったけど、帰りは楽チン!
あっという間に入口に戻ってから外に出て、カバンからタバコを取り出した。
イッシュって施設内の禁煙にはすっごくうるさいんだけど、道路はオッケーとか
その辺の感覚が私にしたら謎なんだよね。全面禁煙じゃないだけマシだけど。
近くの立て看板つーか銅像つーかオブジェ?そんなのに寄りかかって
タバコに火をつけて大きく吸い込むと眩暈に似た感じになる。
思わず目を閉じた時に4人がジムから出てきた。
「、勝手にあの子と約束するとかどーいう事?」
「アーティ様がジムの業務が終わったら一緒に食事をと誘ってくださったので
貴女にもご一緒していただきたいのです。まだ時間はあるので彼等との約束?
それが終わってからでも構いませんからよろしいですよね?」
そう言えばアーティさんはノボリさんとクダリさんのお友達だったっけ
あの子達との約束はヒウンアイスを一緒に食べるだけだから別に問題ないし
アーティさんのあのすっごいハハコモリの話とか聞いてみたいし?
「勿論ですよー、あの子達とはヒウンアイスを食べる約束だけですから。
皆さんは食事までの間どーするんですか?」
「ボク達はアトリエヒウンに行くつもり。そこにアーティの作品が結構ある。
虫ポケモンだけじゃなく色んなポケモン達が描かれた絵があるから見てくる。」
おー、この面子…特にとが入ってて芸術鑑賞ってのが結びつかない
すっごく違和感があるけど、まぁそーいう事なら別に良いんじゃないの?
「んじゃ、用事が終わったらポケモンセンターで合流って事で。」
「そうでございますね。ですがは迷わずにたどり着けますか?
無理だと思ったら悪あがきせずにさっさと連絡をくださいましね。」
ノボリさんの口調がちょっといつもと違うけど、恐らくこっちが素なのかな?
初めて見た時に比べて、ノボリさんもクダリさんも表情がすごく豊かになってる
それは自分でもわかってるみたいで、うちらのおかげだとか言ってくれる。
そうやって自然と変わっていけるのは凄いしちょっと羨ましいな。
私もイッシュに来てからなんだか変だけど、もしかしたら変わっているのかな?
「了解しましたよー。でもね、うちのラルトスも超優秀なんで大丈夫でっす!」
「当たり前だってんだよ。誰が親だと思ってやがる。」
「あはは、の子だもんね。色々優秀に決まってた!んじゃまた後でね!」
…いい歳ぶっこいたオッサン予備軍が4人でゾロゾロ連れ立って歩くってのは
ある意味凄い光景?あー、ノボリさんとクダリさんは問答無用のイケメンだけど
もも、黙ってりゃそこそこ見た目だけならイケメンに入るかな?
いっそ4人でナンパとかしちゃえば良いのにねー。
そのまま4人は途中で道を曲がったから姿が見えなくなった。
一人になった私はもう1本タバコに火をつける。
さーて、こっからが問題なんだよね。この後何が起こるのか知ってるんだけど
私はそれには絶対関わり合いたくなんかないんだよ。
バッグからヒウンシティのマップを取り出して場所の確認をする。
「えーっと、今いる場所は外周に行く方が近いから…」
ラルトスをボールから出せば甘える様に私に抱っこをせがむ。
よしよし、ホント可愛いよね!でも君はオスだからゆくゆくはイケメンになる?
マップをラルトスに見せて、ルートを指させばすぐに覚えてくれたみたいだ。
ホントの子ってのもあるかもだけど、うちの子優秀だわー!
あの子達と一緒にいる間は中央広場…セントラルエリアには近づけない。
この後何が起きるのか知ってて、わざわざそれに巻き込まれるヘマはしない。
だけどここから先、どんどん話が進んでいけば…そうも言ってられないし?
「出来ればそれは全力で拒否したいんだけどなぁ…」
どんな事が起きるかわかってるってのはこういう時に便利だよね。
でも、どうしても避けられない事がわかってるってのはどうなんだろねぇ…
紫煙を吐き出して、ゆっくりと空を見上げれば上空は風が強いのかな?
雲がゆっくりと形を変えながら風に吹かれて飛んでいるのが見えた。