三章・旅は道連れ先駆け編 -もうひとりの協力者-

三章・旅は道連れ先駆け編

もうひとりの協力者



仕事が終わって家に入った時、から帰ってきたってメールをもらった。

明日も仕事だからお疲れ様って返信をしてライブキャスターをテーブルに置くと



「クダリ、ちょっとよろしいですか?」



部屋同士を繋げてあるドアからライブキャスター片手にノボリが顔を出す。

そっちにもからのメールが届いたんだろうな。



「うん、からメールが来たんでしょ?」



「えぇ、それでこれからと二人でこちらに来たいとあるのですが…」



「多分何か動きがあったって事だよね?ボクはオッケー!」



「了解しました、それではこちらへ来るように返信しますね。

この時間でしたら食事は摂られてるでしょうから、何か軽く作りますか…。」



リビングでバチュルやキバゴと遊んでたネイティが頭の上に乗って首を傾げる

多分が帰ってきたって勘違いしたのかな?

抱っこして膝の上に乗せてからボクはネイティの嘴を撫でる。

そのままノボリの部屋に行けばリグレーが出迎えてくれた。



「ボクも手伝う?」



「手伝う程の事はございませんので座っていてくださいまし。」



早速キッチンに立って、ノボリは軽く摘めるものを作ってるみたいで

言われた通りに座ってたらインターフォンが鳴って達が来た。

二人の手にはお酒の瓶があるから、飲みながら色々話したいって事かな?



「急にすまねぇな。こいつがちょっと報告してぇ事があるっていうからな。

別に明日でもと思ったが、インゴ達にも報告したほうが良いだろ?」



「特に問題が起きたわけじゃないんだが、それでも動きはあったんで

が戻ってくる前に報告したほうが良いと思ってな。」



、ジム戦お疲れ様でございました。お帰りなさいまし!

もうミッションの動きがあったというのでございますか?」



ノボリがグラスとカナッペを持ってリビングに戻ってくると

肩に登ってきたリグレーを抱っこし直してそのままパソコンの電源を入れる。

達はボク達の分もグラスにお酒を注いでくれた。

結構良いお酒っぽいけど、明日の仕事に影響が出ない程度にしておかなきゃね!



「話はインゴ達が揃ってからで良いか?っと、インゴと…エメットもいるな。」



『Good Evening!お帰り!』



『全員が揃っているという事はのMissionに関する報告デスネ?』



ライブチャットをインゴに要請したらすぐに出た。

後ろにエメットがいて、何か食べてるみたいだから食事中だったのかな?

グラスに2杯目のお酒を注ぎながらが画面に向かって頷いた。



「あぁ、今後も関わりあう人物と接触したんでな。

それとやはりプラズマ団が色々と動き始めている。俺達は接触しなかったが

その人物…まだ子供なんだが…その子達がすでにプラズマ団とやりあった。」



の報告は主要人物?になる子達と接触して自己紹介をしたってのと

その子達が2番目のジムに行く前に前にプラズマ団とバトルしたって事と…



が映画デビューとかどーいう事?!」



タチワキシティでスカウトされてポケウッドに行ったみたいなんだけど

それってジム戦とは全然関係ないよね?本人は呑気にしてるけど良いのかなー



「スカウトさんが俺とに是非って言ってなぁ…

はエキシビジョンマッチに出てるだろう?これ以上目立ちたくない

そう言って全ツッパで拒否しちまって、その分俺へのプッシュが強くてな。

タチワキジムのジムリーダーのお父さんも出演してた位だから良いかって…」



「てめぇは面白そうな事ならなんでも首を突っ込む癖をやめやがれ!

協会と揉めたばかりで、向こうに言わせるような隙を作るんじゃねぇ!」



は怒ってるけど、話を聞いたらアクションものっぽいし面白そう!

友達が映画にでるとかってそうそうある事じゃないし見てみたいな。



「別にポケウッドだけの上映みたいだから問題はないと思うぞ?

それにハチクさんだったか?とその後バトルして話もできたしな。」



ハチクさんってばジムリーダーを辞めて俳優業に専念しちゃったんだっけ

元々すっごいアクションスターだったのが撮影中の怪我が原因で引退して

それからジムリーダーになったって聞いてたけど怪我が治ったのかな?

セッカジムが閉鎖されるって聞いて驚いたからよく覚えてる。

はハチクさんからアクションスターの素質があるって言われたみたい。

リアルバトル見た事あるけど、の体の動きって凄くキマってるもんね!



の出た映画見たいナ!』



『オマエは黙りなサイ。その他、何か変わった動きはあったのデスか?』



おっと、話が脱線しちゃった。モニターを見ればインゴの眉間に皺が寄ってるし

さっさと本題に移れって事なんだろうけど慌てる必要もないと思うんだけどな。



「映画出演してたタチワキジムリーダーのお父さんってのが船長でな?

彼がポケウッドに行ってたせいでヒウンシティ行きの船が欠航してたんだよ。

俺等は別に空を飛ぶが使えるが、次のジムに行く連中はそこで足止めだ。」



「それってストーリイベントじゃねぇか!」



ボク達もインゴ達も最初はその言葉の意味がわかんなかったんだけど

達の前の世界ではポケモンはゲームだったって言ってたのを思い出した。

つまりシナリオ通りに話が進んでる…そういう事なんだろうな。



「私達にとっては特に気になるものでもございませんが。

あらかじめのミッションのストーリーが決まっているのなら

その部分はもしやも関与すべきものなのではございませんか?」



ノボリの話にモニターに映ってるインゴ達も頷いた。

は何かを思い出そうとしてるように上を向いてから首を横に振った。



「駄目だ…どうにも思い出せない。

だが気になるのは本当なら予定よりも早くにジム戦をやっているから

も俺と一緒に戻っても問題はなかったはずなんだ。」



の休暇届は今日までだけどは違う。

それはミッションをクリアする為の準備に色々動きたいからって事だった。



は今どちらにいらっしゃるのでございますか?」



「映画の撮影が終わった後にあいつは俺に言ったんだ。

次のヒウンシティのジム戦はまた次の時にすれば良いから帰れって…

はどうするんだって聞いたんだが、船の運行再開を確認したいって

そう言ってタチワキシティに戻っちまったんだよ。」



やっぱりの言うストーリーイベント?には関わる気なんだ。

それって危ない事じゃないのかな?は大丈夫なのかな?



、オマエの考えを聞かせなサイ。』



、その時のに何か変わった様子はございませんでしたか?」



ノボリとインゴもやっぱり引っかかってるみたい。

二人の勘が外れたのを見た事がないから、多分ミッションに関係あるんだ。

は一生懸命思い出そうとしてたんだけど同時に首を横に振った。



「気になる事は特に…いや、やたらと俺に早く帰れと言っていたな。」



「十中八九、あいつ一人で動いてるんだと思うんだが…

向こうの世界で俺等が知っている今までの出来事に関する記憶すら

ここ最近じゃ抜け落ちまくっちまって、確信は持てねぇ。」



『シナリオが存在しているのナラ、彼女は何かするつもりで残ったのダト

その様に考えるのが妥当、オマエの考えは正しいデショウ。』



多分なにかがその後起こるんだってのはボク達にもわかった。

だけどそれがなんなのか、そしてこれからにどう関係するか、影響するか

そーいうのが予想もできないってのが凄くもどかしい。

手詰まり感にボク達の間に重苦しい空気が立ち込め始めた時に

のライブキャスターが着信を伝える。こんな夜に誰からなんだろ?



「…、どうした?てめぇは今どこに…って、イッシュに来てるだと?」



カロス地方にいた国際警察のがこのタイミングでイッシュに来たとか

それってただの偶然じゃないよね?の話に聞き耳をたててれば



「あぁ、ノボリの家…そうだ、同じマンションだ。

ハンサムさんが?あの人はもっと仕事をしやがれってんだ。あぁわかった。

がハンサムさんの命令でイッシュに滞在する事になったらしい。」



「それはつまり、犯罪がらみという事でございますか?」



ライブキャスターをポケットに入れてが溜息をついている。

その顔がやりきれないって感じに歪んでるのをボク達は見逃さなかった。



「最近プラズマ団の動きが活発化してるからって派遣されたところに

タチワキシティでプラズマ団が騒ぎを起こしたらしい。

現場に行ってみればがいたんだとよ。

事後処理が終わったからこっちに来て、今後ライモンシティを拠点にして

色々動くつもりらしいぜ。」



やっぱりを巻き込まないように別行動したんだね。

がリアルバトルも出来るのは知ってるけど、それでもやっぱり心配だ。



「事件に巻き込まれたのか、自分から首を突っ込んだのか…どっちにしろ

あいつはこれでプラズマ団から目をつけられるだろうな。」



「どうしても主人公と同じ動きをすれば目につくから仕方がねぇ。

恐らく、てめぇまで目をつけられると拙いと思ったんじゃねぇのか。

でな、がこっちに来たいって言ってたから良いぜって言ったんだが…」



その時の様子がわかれば今後の動きもつかみやすいかもしんない。

手詰まり感がハンパないから、頼れるものはなんだって頼らなくちゃね。



「えぇ、それは一向に構いません。

それにしてもがこちらにいらっしゃるのなら、の動きが掴み易い

そして、私達もサポートにまわる事が可能になるかもしれませんね。」



は誤魔化すのが上手だからネ、ちょっとの変化も見逃せないヨ。』



「付き合いの長い俺等でも騙されるからな…、ともかく変な行動をしたら

すかさず監視体制にはいるべきだろうな。そうでもしなきゃ捕まらないぞ。」



『こちらが探りを入れレバ距離を置くデショウ。

ワタクシ達は何も知らない姿勢を貫きマス。メンタル面をSupportシマス。』



この件は絶対に自分のテリトリーに誰も入れないつもりなんだろうな。

エキシビジョンマッチのパーティ会場の時みたいにはっきりした拒絶じゃなく

気がついたら凄い遠くに離れてたとか、そんな風になりそうだし?

そんな事を話していたらインターフォンが鳴ってが入ってきた。



「おーっす、久しぶり…でもねーよな!

いやー、の貧乏くじは毎度だけど今度もだとか勘弁して欲しいぜ。」



ベリーショートの黒髪とを無造作にかきあげながらソファーに座った

からお酒の入ったグラスを受け取って一気に飲み干した。

うわー、あの量を一気とかもお酒につよいのかもしんない。



「いらっしゃいましは無事なのでございましょうか?」



「あぁ、すげー元気だし、すっかりお姉さん状態だし?

プラズマ団を追いかけてた子供達が返り討ちにあいそうな所を助けたらしくて

その子達がなんだかすげーアイツに懐いちまってな。」



の話に全員が同時に溜息をついちゃったし…

どーして自分から危ない事に突っ込んでいこうとするのかな?

子供達っていったって、ジムリーダーを撃破するくらいの実力があるのなら

プラズマ団の下っ端なんて簡単に負かしちゃうのに!



「あいつは…俺には子供達を助ける事はしないと言っておきながらこれか?

まぁ俺等から見ればいくらトレーナーといってもまだまだ子供だったし

が助け舟を出した気持ちもわかるけど…なぁ?」



が苦笑いしながらを見て話せば、もおんなじ顔してた。

二人共長い付き合いだからがどう動くのかってわかってるんだろうな。

その隣でがテーブルに頬杖つきながら呟いた。



「あいつ、放っておいたらシンオウの二の舞やりそうだぜ?

元々は俺のミッションだったのに最後まで首を突っ込んでさー

ギンガ団とガチでぶつかった時みたいになるのが目に見えてる。そこでだ…」



は一度言葉を切ってボク達を見渡した。

その顔は国際警察とかじゃない、の仲間って感じでニヤリと笑ってた。



「ハンサムさんにも、いつもの様にやってくれって言われたし、

使えるコネと情報はとことん使いまくってに介入しようと思うんだけど

皆さんはそれに便乗する気があったりする?」



「「当然」」



とおなじニヤリと笑った。

ボクとノボリ、それにインゴとエメットもに向かって頷いた。



「うっし、んじゃ話は決まったな!俺はこれからここを拠点に動くから

つーか、の部屋の下なんだけどな!暫くやっかいになるぜ。

ちなみに、お守りだって送ったキーホルダーには発信機を仕込んどいた。」



「ちょっと待って、それってストーカーと変わんない!」



「流石にそれは行き過ぎではございませんか?」



のネタバレ?にボクもノボリもビックリしたんだけど

向かってグッジョブ!とか言ってるし…



「あいつが本気で動くならその位やらねぇと俺達に勝ち目はねぇぞ?」



「だな。マルチバトルが得意ってのは伊達じゃない。

俺等がこうやって動いてるその斜め上をあいつはかっ飛ばすからな。」



「だよなー、あいつの暴走にオレ達は何度泣かされたかってな!」



三人とも、それが当然って顔で頷きあってるし…

でもがそれだけ本気になってるって事なんだろうな。


ちょっと前まではミッションクリアする気がなかったみたいだけど、もう違う。

全力で、すっごい本気でクリアする気なんだ。