三章・旅は道連れ先駆け編 -立ち上がる水蒸気の場所で-

三章・旅は道連れ先駆け編

立ち上がる水蒸気の場所で



ヒオウギシティのポケモンセンターでポケモン達を回復させてる間に

メールで初バッジゲットだぜ!って送ったら、すぐに返信が何通もきた。



「こんなに沢山頑張れって言われるとその気になっちまうな。」



も嬉しそうにライブキャスターの画面を見てる。

多分私もおんなじ顔してるんだろうな…だけどすっごく嬉しいから仕方ない。



「うん、この調子でかっ飛ばして行っちゃうぞ!って思っちゃうよねー。

私はいつもお祝いする方だったけど、自分がされても嬉しいね!」



「そうだな。んで、これからどうする?かなり早めにバッジゲットしたし

先に進んだ方が良いだろう?次のジムに行く前に寄る所はあるのか?」



食堂でタウンマップを開きながら、先に進む方法を話し合う。

歩いて行っても良いんだけど、トレーナーさん達とバトルになる。

本来ならうちの子達の良い経験になるから大歓迎なんだけどねー



「うんにゃ、いっきにタチワキシティまで行っちゃおうよ。

いきなり初っ端から連戦は拙いかなとも思って余裕を持って出てきたけど

うちの子達、まだバトルする気満々だし体調にも問題なさそうだし。」



「俺の子達も余裕だし、良い流れみたいだから一気に2個目のバッジゲットして

それから後の事を考えるとするか…はそれで良いのか?

なにかやらなきゃならない事があるなら付き合うぞ?」



サンギ牧場でプラズマ団とひと悶着あるんだけど、さっきのあの子達の様子じゃ

サクっと終わらせたんだろうな…私もあの団体さんとはまだ関わりたくないしー



「タチワキシティまでの間で私の出番はなさそうだから大丈夫。」



「その言い方だとその後に何かあるんだな?」



「その事には黙秘権を行使しまっす!ま、楽しみに?しておいてよ。」



問題は2個目のトキシックバッジをゲットしてからなんだ。

なるべく目立ちたくないからイベントはスルーしたいんだけどねー。


タウンマップをバッグに入れて、回復の終わった子を迎えに行ってから

外に出て、人気のない場所に行ってからがカイリューを出した。

そのまま一気に上空まで飛び上がり目指すはタチワキシティ!

 
移動距離的にはそれ程じゃないけど、到着した後はポケモンセンターで回復。

これから先どうなるかわかんないからね、こまめな回復は大事だよ!



「さて…2戦目と洒落こもうじゃないか。」



の目がスッと細くなって挑戦者の顔…ってか肉食獣みたいな表情になる。

今ははすっかり丸くなっちゃってクダリさんに負けないくらいスマイルだけど

元々は超攻撃的だし、喧嘩も売られる前に買っちゃうぜ!だったしね。

このジム戦、穏便に終わらせられれば良いんだけどなぁ…嫌な予感がするよ。


ジムに入ればライブハウス風になってて結構お洒落だったりする。

ジムリーダー前のトレーナーさん達から即効で勝利をもぎ取れば

勝気そうな女の子がこっちを見てニヤリと笑ってから



「いくよ!アンタの理性ぶっ飛ばすから!!」



「…お嬢ちゃん、初めて会った人には挨拶からだろう?

そんな事もわからない困ったチャンにはお仕置きが必要だと思うぞ。

その小生意気な鼻っ柱をへし折ってやるから、かかってきな。」



うわーい、予感的中?!がすっかり戦闘モードに入ったし!

礼儀とかそーいうのをちゃんとしないとはうるさいんだよ。

大人げないから落ち着けって意味で袖口を引っ張ったんだけど満面の笑みで

親御さんの代わりにちょいと躾てくるとか怖すぎるってば!


ジムリーダーのホミカちゃんの手持ちはドガースとホイーガ

どっちもどくタイプだからちょっとめんどくさいなー。

ホイーガの方の特性がどくのトゲっぽいから直接攻撃は避けたほうが良いね。

鋼タイプなら毒が無効化できるけど、私もも持ってないしね。

目の前ののバトルを見た限りじゃそんな戦略も必要なさそうだけどさ!

ジムトレーナーさんとのバトルが終わってこのバトルを見ていたけど

かなり早くに勝敗がついちゃった。勿論勝者は!大人げないよ!!



「まぁ当たり前すぎだし、それなりに楽しめた方…かな?

全力でやっちまったんでお嬢ちゃんの子達の回復を急いだ方が良いと思うぞ?」



「…あーあ…負けてんなよなホミカ!ってかアンタが強いって事か。

まっ、くやしーけど一切手抜きなしだったし、清々しーし、スッキリしたし!

これ!あたしに勝った証!…あとこれ!わざマシン使いなよ!」



が最初に、次に私も無事にバッジゲットした。

その後ちょっと話をする機会があって旅の目的を聞かれたんだけど

やっぱり大人がジムに挑戦するのは珍しいみたい。

ジムを出て、ポケモンセンターに回復に向かえば日も暮れてて

今日はこのままここに宿泊する事を決めてのんびりする。



「ポケセンは食堂もあるから助かるが、酒が飲めないのが辛いぞ。」



「んな事言ったって子供達がメインで利用する場所だもん。

色々街を見たいからこの後飲みに行くなら付き合うよ?」



食後にバーを探してたら、乗船場近くにあると教えてもらったんで向かえば

途中の看板に看板にヒウン行の船が欠航してるお知らせが張り出されてた。

そこからちょっと路地に入ると雰囲気の良いバーを見つけて中に入る。



、次の場所は確かヒウンシティだったよな?」



シングルモルトをロックで飲んでるの横でミックスオレを飲みながら

またまたタウンマップを開いて今後の道順を確認する。マップは大活躍だ。



「うん、船が欠航してるけど空を飛ぶを使うから良いんじゃない?

他の人達にとっては結構大変だと思うけど、うちらには関係ないよ。」



「…なぁ、これってストーリーイベントになるんじゃないのか?」



流石は初代からやりこんでるだけあってはわかってるね!

ストーリーを進ませてるとこういったイベントが結構あるから

予想を立てるのも簡単。今後は主人公達が動かなきゃ話が進まない。


ライブキャスターを使って地図を呼び出せば、ある画面に星マークが映る。

場所は20番道路のタチワキシティ入口近くか…



「それは主人公達の位置か?いつのまにこんな芸当をしたんだ?」



「流石にベッタリ張り込むわけにもいかないからねー

私の可愛いカクレオンに発信機を持たせて追尾してもらってるんだ。」



カクレオンなら姿を消す事ができるから後を付けてもバレない。

発信機が見えちゃうって心配も、っちが職権乱用して超小型のをくれたし

これで主人公達の動きを把握できるから大助かりだね!

ライブキャスターをのぞいてたが急に私の頭を撫でたんで

ビックリして顔を上げたらすっごく優しい顔で笑ってた。



「今までのお前は何をやるんでも投げやりっつうか、その場任せだったろう?

正直言うとな、今でもミッションクリアしたくないんじゃって心配だったんだ。」



…」



「今何かが起こって命を失う事になっても、仕方がないかで済ませる位に

俺もお前も自分が生きる事に執着を持ってないだろう?」



ポケットからタバコを取り出して火をつけてからはゆっくりと目を閉じた

両親を亡くした直後のは確かにそうだったかもしれない。

今は誰よりも生きる事の意味を見つけてしっかりと歩いてるんだと思ってた。



「正直俺は自分の思うように生きてるからいつ死んでも悔いは無いな。

仕事も充実してる、好きな事をやって、自分の好きなものに囲まれて

気心のしれた連中とワイワイ騒いで旨い酒が飲めて…幸せだなって思う。」



「ちっさい幸せだね、だけどそういうのはわかるよ。」



「大金持ちになれば幸せか?地位とか名声があれば幸せか?

そうじゃないだろう、それだけで幸せになれるわけじゃない。

不幸ってのはすぐわかるが、幸せってのは中々自分じゃわからない。

後から考えたらそうだった…そんなモンだと俺は思ってる。

そんな幸せがこれからずっと続いて欲しい、そう思って生きてるだけだ。」



「わたしもそう思ってる。だからミッションをクリアしたいんだ。」



そう言えば前にノボリさんにもっと幸せを願う事は欲張りか?って聞かれて

と同じ事を私は言ったんだよね。あの時はそれも欲張りと思ったけど



「私がノボリさんに言った答えは間違いじゃなかったんだね、良かった…」



「ノボリがどうかしたのか?」



自分の考えが間違いじゃなかった事にホッとしてたら、が首を傾げたから

ノボリさんに聞かれた事と私の返答を言えば柔らかく目を細めて笑った。



「自分から不幸になりたいなんて誰も思わないだろう?

そう思う事は欲張りとは違うと思うけどなぁ…しかしノボリも真面目だよな。」



「それは言えるね、でもクダリさんもそういう意味では真面目だと思う。

誰かを押しのけてまで自分が幸せになりたいとか思ってないでしょ?」



旅立つ前に笑いながら私達に向かって手を振ってた二人の姿が目に浮かぶ

あの二人に出会って、色々な人達と出会って私の世界が変わっていった。

今の幸せをくれたのはそんな人達のおかげなんだよね。



?」



「あー、ゴメン。なんだかイッシュに来てから幸せだなぁって

沢山の大切な人が出来て幸せな事が増えて、これからどうしようって感じ?」



「ははっ、どうしようもなにもないだろう?そのまんまで良いと思うぞ?」



なにを言ってるんだかって感じでがデコピンをしたんだけど

痛いぞーって騒ぐ気にはなれなかった。変な意味じゃないけどその痛みすら

今の幸せの一部なのかな…そんな風に思えちゃったんだよね。



「そっか…」



「うだうだ考えたり、もだもだ動いたりしたって仕方がないからな。

流れに任せながら、その時その時で動けば良いと思うぞ。

だからお前は前を見て進め、後ろ向きになるな、自分を見失うなよ?」



「…了解。」



笑いながら差し出されたの拳に自分のそれをコツンと合わせて

二人でどちらからともなく笑い合う。この空気が嬉しいし幸せだと思う。


自分の存在なんてどうでも良いって言ったら怒られちゃうから言わないけど

それでも今までの私とは違う。私の幸せがもうちょっとで良いから続いて欲しい

皆がいる事で私が幸せな様に、私がいる事で誰かにも幸せになって欲しいな。