三章・指差確認準備中!編
立ち位置確認とあれやこれ
協会側の暴挙とも言える今回の件においても
達は見事なまでの立ち回りで跳ね除けてしまわれました。
「、よく頑張ったな。もこれで安心すると思うぜ?」
協会側の方々がガックリと肩を落とし、退場している中
四天王の皆様が達に近づいてまいりました。
ギーマ様が笑いながらの頭をポンポンと叩いて笑っておりますが
その様子はまるで兄の様な温かみがございます。
「今回の事でギーマさんやちゃんに凄く迷惑をかけちゃって
本当にごめんなさいっ!ちゃんは大丈夫ですか?」
「おれ達にゴメンって言葉はいらない。きみは何も悪くないだろう?
むしろこんな状態になるまで上層部を放っておいたこっちにに責任がある。
は凄く連中を怒ってたよ、あいつらを失脚させるネタを見つけて
徹底的にやりこめてやるってね。おれのマイハニーは最高さ!」
「、久しぶり…。貴女はなんにも悪くないの。」
「カトレアさん…」
「はじめまして、シキミです。貴女の事はから聞いてます。
とっても素敵な友達だって言ってたのは本当ですね。
貴女の言葉には魂や力が宿っている…そんな気がしました。」
「オレはレンブ、アデク師匠の弟子でもある。
協会の事は任せて欲しい、正義が歪められるのはもうたくさんだ。」
四天王の皆様はとしばらくなにやら話をした後お帰りになりました。
その頃には会場になった場所にはシロナ様とアデク様、トウヤ様とトウコ様
そしてアララギ博士が残るのみ。
アデク様とはバトルについて、シロナ様、アララギ博士とは
ポケモン達についてそれぞれの意見を交わしておられる様ですね。
「トウコ、もう泣くなってば!さん達が気にするだろ?
オレは平気…とは言えないけどさ、あーするしかなかったんだ。」
トウコ様は決着がつくとすぐに席を立ち、トウヤ様の元へ駆けつけました
それからずっと泣き続けてしまわれて、トウヤ様も困ってる様ですね。
「…周りの人達がね、レシラムも研究しなきゃとか言ってたんだ。
子供だからこっちで管理する様にとかって…ふざけんなって思ったけど
そんな風に言われたら、うちらじゃ何も出来ないし?どうしようって…」
「あんな大人になるくらいなら、オレは子供のままで良いって思ったけど
それじゃダメなんだ…レシラム達が笑って見守ってくれる様な
ポケモンと人間が手を取り合ってどんな時でも笑い合える世界を作る
そんな手伝いが出来る様な大人にならなきゃならないって思った。
そうじゃなきゃ、オレはあいつを迎えに行けないしな!」
「うん…うんっ!私もそんな大人になりたい!」
「なりたいじゃなく、なるんだ。
だから、レシラムの事は気にすんな。それはさんもですよ?」
「トウヤ君…でもっ!」
「でもも何もなしですっ!あーもうそんな顔してたらダメですってば!!」
トウヤ様はそう叫ぶとを抱きしめました。
横でエメットが口笛を吹きながらやるね!なんて言っておりますが
そういう場面ではないでしょうに…。
「あいつらはいつかはオレにもさん達と同じ事をしたはずです。
んで、オレは子供だからそれに逆らえない。
そんな事になったら今度こそレシラムは人間を許さない、絶望してしまう。
それだけは絶対にさせたくなかったんです。
あいつはオレの好きな様に動けって言ってくれました…待つって言った。
それがオレとあいつの選んだ真実です。それで良いんです。」
「…トウヤ君は凄いね。とっても強いんだね。」
「誰かが誰かを思うって気持ちは凄くって強くなれるんだって
さんも言ってたじゃないですか。
今迄大人なんてって思ってたけど、それだけじゃダメだって
オレはどんな大人になりたいかって、それがハッキリしました。」
「さんみたいな大人になりたいって憧れてたけど
それだけじゃダメなんですね…。
私は私らしく、強くて優しい大人になりたいです。」
トウヤ様とトウコ様に挟まれて、は何度も頷いておりました。
その表情はとても柔らかく、先程までの激昂は想像もできません。
「ふふっ、二人共そうやって考えられるって凄い事だと思うな。
ありがとう、二人の言葉に勇気と元気をもらったよ。
今迄伝説のポケモンを持ってるって秘密にしててゴメンネ。
でも、私達は向こうでも同じ様に揉めてたからさー
用心の意味も込めて教えられなかったんだ。ね?、。」
「あぁ、こんなゴタゴタは大人の俺等でも勘弁して欲しいしな。
トウヤ君には辛い選択をさせて悪かった。
早く迎えに行けるようになると良いな。頑張れよ?」
「トウヤ君達を向こう側にさせたのは、とばっちりがいかない様に
そう思っての判断だったけど、甘かったよ。
まさか連中があそこまで酷いとは思わなくて…すまなかったね。
お詫びにもならないけど、皆食事はまだだよね?
この人数で予約無しじゃ外食は厳しいから、家でになるけど
夕食をご馳走させてもらえるかな?腕をふるわせてもらうよ?」
「だな、大人の皆さんには俺とのとっておきの酒を出しますよ?」
「場所は事務所兼私の家ですけど、人数的には問題ないし?
皆さんのポケモン達へもお詫びとしてお菓子を用意しますね。
カロス地方のポフレは結構オススメですよ?」
3人が自分から誰かと関わろうとするのは初めてではないでしょうか?
あれ程頑なに他人と関わるのを避けている素振りを見せていたのに
彼等の中でこの様な変化をもたらしたのであれば
今回の一件も無駄ではなかったという事になりますね。
フィールドの中央で彼等の穏やかな雰囲気を見て
ようやくこの件が片付いたのだと実感いたしました。
「AHー、コレで問題解決ダネ!でも残念だったナ。
三人をユノーヴァに連れてくる絶好のChanceだったのにサ!」
「そんな事ボク達が許すわけない。はミッションがあるから
絶対にそっちには行かない。そんな事もわからないとか馬鹿だよね。
ボク向こうに行ってくる。皆にお疲れ様、頑張ったね!って言いたい!」
椅子から立ち上がると彼等のいるフィールドの中央へ駆け出してしまいました。
私もお疲れ様と言って差し上げなくてはなりませんね。
椅子から立ち上がってクダリを追おうとした時
不意にコートの裾が引っ張られたので驚けば、それはインゴでした。
「インゴ?」
「オマエ達は自覚が足りなさすぎデス。
ココの場所ハ?今はマダ上司と部下だという事を自覚しなサイ。」
あぁ、確かにクダリの行動は上司としては減点でございます。
ですが今更それを指摘するとはどういう事なのでしょうか?
「ボクは上司じゃないからネ!ここよりも素敵なコのいるアッチに行くヨ
皆Typeが違うケド、凄く魅力的ダヨネ!!」
とんでもない事をサラッと言いながら、エメットは私に頑張ってと言って
肩を叩くとクダリ達の所へ行ってしまいました。
この場に残ったインゴは先程からずっと私から視線を外しません。
「…最近のオマエは公私の区別が曖昧デス。自覚してマスカ?」
「相変わらず失礼でございますね、私は常に公平を期しております!
貴方の様にだれかれ構わず噛み付いてはおりませんよ?インゴ」
立っているのもなんなので、椅子に座ればインゴは溜息をつきました。
「オマエも失礼デスネ。ワタクシはの事を言ってるのデス。
先程、泣いてイルを抱きしめたワタクシを見ていた顔は
トテモ公平トハ思えませんガ?マダ無自覚だと逃げるのデスカ?」
やはりその事でございましたか…
「ユノーヴァへ出向してから彼女は変わりました。
自然に、あるがままの自分であろうとしているのです。
が誰かを頼ろうと思える様になった事を喜ぶべきでしょう?」
「本当ナラその役目をオマエがしたかった…デショウ?」
「……では逆に聞かせていただけませんか?
貴方こそをどうするつもりでございますか?
以前貴方が話していたやり方はも指摘した様に重すぎます。」
この従兄弟とこの様な話をする事になろうとは…
ですが、私は自分の意思を貫き通すつもりなので何を言われようと
その気持ちが変わる事も揺らぐ事もございません。
それだけの覚悟と強さを持たなくてはこれからやっていけません。
「オマエは短慮すぎデス。アノ時の話は最終的な段階デス。
ソコにたどり着く迄の過程トハ別物なのは当たり前でゴザイマス。
オマエのやり方は立ち止まり膝をついてイル相手を引きずってデモ
進ませようとしているデショウ?傷つけるのが目に見えマス。」
「確かに私は前に進む事を選びますが、引きずる前に抱え上げますよ?
傷つけたくないのです、大切にしたいのですから当然でございます。」
「That'll do…ソレで結構、ワタクシは退路を塞ぎマス。」
確かに彼女はちょっとした切欠で自分から闇に飲み込まれようとします。
その行動自体を止める事が出来ないのを歯痒くも思っておりました。
ですが、インゴなら…インゴのやり方なら可能かもしれません。
「非常に不本意でございますが、お願いいたします。
私はひたすら前に進む事に専念させていただきますがよろしいですね?」
「問題ゴザイマセン。その後の事は…理解してマスネ?」
「…勿論、心得ておりますとも。
皆が来ますので、この話は終わりでございます。
…皆様お疲れ様でございました!トウヤ様、よく頑張りましたね。
同じトレーナーとして私、大変感銘を受けました!!」
これ以上私とインゴが話す必要もありませんので
私は戻ってきた方々へ向かい、労いの言葉をかけさせていただきました。
エメットとクダリの探るような視線が気になりましたが
私は敢えて口外するつもりはありませんし、インゴもでしょう。
目的地不明で結果の見えぬ状況ですが瑣末な事でございます。
嘘偽り無く心の赴くまま、ありのままに、それが私の結論でございます。