三章・指差確認準備中!編 -神様再びであれやこれ-

三章・指差確認準備中!編

神様再びであれやこれ



私が好きなバトルは大好きなポケモン達と、同じ様にポケモンを好きな人が

全力で自分達の力を出し合って、絆を確かめ深めるものでしょう?

大好きなポケモン達にこんなことさせるの?


私はこんな事をするためにこの世界に残ったわけじゃない

私はこんな事をさせるためにトレーナーになったんじゃない!


挙句の果てに私の事を慕ってくれるあの子まで巻き込んで

あの子とパートナーを引き離してまで、こんな茶番に意味があるの?



「─── 教えてくれよっ!!」



全身全霊で叫ぶトウヤ君の声を聞いたら体が勝手に動いた。

ノボリさんやクダリさん、インゴさんやエメットさんが止めてるけど

も早まるなとか叫んでるけど、関係ない。

フィールドの中央で一人俯いちゃったトウヤ君に駆け寄って抱きしめた



「うおっ?!さん?」



「ゴメンね、こんな事になるならさっさと決着つければ良かった!

そうすればトウヤ君にこんな辛い事させずに済んだのに

レシラムとお別れされずに済んだのに…穏便にってのは甘かった。

謝っても許される事じゃないけど、ホントに本当にごめんなさい。」



「謝らないでください!さん達は間違ってない。

それはあいつも…レシラムも言ってたんです、さん達が正しいって!

ねぇ、さんならさっきの俺の質問に答えてくれますよね?」



私を見下ろす瞳がすっごく不安そうに揺れてる…

簡単な事にすら疑問を持っちゃうくらいに混乱させちゃって

こんなくだらない事で悩ませるなんて大人失格でしょうに!



「簡単な事でしょ?

ポケモンも人間も相手を好きになる気持ちには変わりないって

トウヤ君だって知ってるじゃないの。

大好きな人のそばに居たい、もっと仲良くなりたいなって

そう思うのは変な事?逆にトウヤ君はどう思ってるの?」



「オレは…ポケモンも人間も好きだって思い合ってるなら

一緒にいても良いんじゃないかって…それが自然だと思うんです。

勿論、それにはバトルする事が必要だったりするわけで

でも、本当に好きだったら強くなってでもバトルして

ちゃんとオレの事をわかってもらってゲット…で良いのかな?

そうやって一緒になって、絆を深めてもっと仲良くなりたいです。」



質問に逆に質問するのは狡いと思ったけど、トウヤ君は素直に答えてくれた

こういう純粋なところは大人になっても残ってて欲しいな

トウヤ君の頭を撫でてたら、アルセウス達も近づいてきてトウヤ君に擦り寄る



「うわわっ?!」



「あー、いきなりならビックリするよねー。

この子達もね、トウヤ君にごめんなさいって謝ってる。

それって、トウヤ君の考えは間違いじゃないって理由になんないかな?」



皆もトウヤ君の事が気に入ったみたい。

恐る恐る伸ばされたトウヤ君の手に擦り寄ってから頷いてる。



「そっか、良かった。それだけでオレは…オレは十分です。」



壊れたレシラムの入ってたボールを握り締めて、トウヤ君は笑った。

別れは凄く辛かったはずなのに、そうやってまた笑えるなんて凄い。

トウヤ君は凄く強い人なんだね。



「トウヤ君!君ならできる、今がチャンスです!

彼等を…神ポケモン達をゲットしなさい!!」



「「はぁっ?!」」



私とトウヤ君の声がダブっても仕方ないと思う。

何を言ってるのってか、まだそんな事を言えるの?この人達ってばっ!!



「いい加減にしてくださいっ!恥ずかしくないんですか?

ポケモン達はオレにゲットされないってわかんないですか?

彼等はオレをマスターなんて絶対に認めない!

マスターとして認めてるのは誰かなんてハッキリしてるだろーがっ!!」



そう言ってトウヤ君は私が持ってる協会からもらった空のモンスターボールを

取り上げると、アルセウス達の前に差し出した。



「なぁ、俺のポケモンになりたいって思うか?」



目の前に突きつけられたボールに全員がそっぽをむいちゃった。

それだけじゃなくて、なんだかトウヤ君にすっごい文句を言いだしたし…



「だよなぁ、んじゃさ…これならどうよ?」



「うわわっ!トウヤ君?!」



いきなり手を掴まれてビックリしてたら、ボールを握らされて

同じ様にポケモン達の前に、掴んだままのその手をつき出す。

目の前のボールを見て、ディアルガとパルキアが1歩下がると

アルセウスが鼻先でボタンを押してボールの中に入った。



「バトル無し、点滅なしですんなりとかすげー!

ってか、さんとアルセウスの仲はバトルなんて必要無い位

固い絆で結ばれてるんですね!

オレも、オレもレシラムとそんな風になりたかったな…。」



「トウヤ君とレシラムも同じだと思うよ?

二人の結びつきって凄いなって、シンオウにいる時から思ってたもん。」



「マジですか?そうだったらすげー嬉しいな。

それが本当なら、さっさと大人になって迎えに行ってやらないとだなー。」



凄く嬉しそうにしてから、壊れたボールを大切にポケットに入れると

トウヤ君は私達をみて驚いちゃってる人達に向かって叫んだ。



「っと、話がそれちゃいましたけど…皆さんも、見たでしょう?

これが神ポケモン達の答えです!オレはマスターにはなれません!!

真実の伝説ドラゴンの元マスターのオレが言うんだ、これが真実です!!」



お偉いさん達に向かって、ざまぁみろ!って呟いたトウヤ君を窘めると



「そうであろうな。」



「全くその通りよね。」



いきなり後ろで声がして驚いて振り返れば

アデクさんとシロナさんがいて、トウヤ君がやった事を真似ていた。



「別に自由になって良いんだぞ?ディアルガ…」



アデクさんからボールを受け取ったにディアルガは一度擦り寄って

ボタンを押すと中に入っていった。



「シロナ離せっ!俺はこいつ絡みでの面倒事は、もう真っ平なんだよ!!」



、貴方ってそんな人だったの?!パルキアが涙目になってるでしょう!

神様ポケモンを泣かせるとか、何様のつもりでいるのよ!!」



「俺は俺様に決まってんだろうが!

パルキア、てめぇだって自由が一番じゃねぇのか?

俺はてめぇが手持ちになったって態度を変えるつもりはねぇぞ!」



とパルキアは相変わらずっていうか…

大好きオーラーを全開に向けられても、いっつもガン無視なんだよねー。

パルキアはシロナさんと一緒に必死になってボールをに持たせると

急げ!って感じでボタンを押して中に入っていった。


この状況にあちらさん側は大騒ぎになっちゃって

トウヤ君達にまで非難の声や罵声を浴びせるとかそれこそ何様なの?



「今迄お前さん達には色々迷惑をかけたし、世話にもなったから

義理立てしてこんな茶番に付き合ったが、もう良いだろう?

わしは既にチャンピオンではない、ただのトレーナーだ。

これからは自分の好きな様にさせてもらうとするぞ。」



「私がチャンピオンにふさわしくないって言うなら降ろせば良いわ。

研究者として、学者、博士としての全てを剥奪しても構わないわよ?

トレーナーとして、ポケモン達と過ごす事に変わりはないし

研究だって自分でやれば良い事なんですからね。

トレーナーとして、学者として真実から目を背ける事なんて出来ないわ。」



「キミ達は騙されて…「うるせーよっ!!」…っ?!」



トウヤ君のこんな姿初めて見たかも

げきりん後の混乱?って感じっぽいから全員で止めようとしたんだけど

それすら振り切って、とんでもない事を言い出した。



「子供扱いしないで一人前のトレーナーとして扱ってくれる

そういう人達のいう事を信じたって当然だろ?

それが騙されてるっていうならオレは別に構わない!

伝説のポケモンのマスターになった途端群がった大人達や

嫌だって言ってるのに、レシラムをポケモン研究に協力させろって

そんなトレーナーの風上にもおけない事をオレにやらせようとする

あんた達に比べたらずっと信用できんだよっ!!」



「…おまえさん達は…なんという事をしておったんだ!!」



「あぁ、がシンオウで未成年者をチャンピオンにしないって決めた

その理由がやっとわかったわ…同じ大人な事すら恥ずかしいわよっ!」



シロナさんとアデクさんまでげきりん状態になっちゃった?

でもそんな事を聞いたら誰でもそうなるかもしんない。

現に、私の後ろの方で何かがプチッと切れた音が4つ位した気がするし

怖くてそっちの方を見れないんだけど、見ないわけにもいかない。


怖々と振り返ってみれば、すっごい笑顔をしてるクダリさんと

これでもかっって眉間に皺を寄せまくったノボリさんの顔が並んで

フィールドの外に立ってるのが見えたし、私のすぐ後ろでは満面の笑顔で

だけど目はすっごく怒ってるって感じで爛々とさせた幼馴染二人組…


もうこれ以上は相手のいう事を聞かなくても良いよね?

十分に向こうの意見を尊重したし、暴言も暴挙も甘んじて受けてたんだ。

窮鼠猫を噛む…こっちの世界ならピンチなミネズミがレパルダスに反撃?

そういう事があるんだって、キッチリしっかり教えてやろうじゃないの


言っておくけどね、うちらの中で一番沸点の低いのは私であって

当然、一番先にブチ切れてたんだからね!!