三章・指差確認準備中!編 -げきりんとあれやこれ-

三章・指差確認準備中!編

げきりんとあれやこれ



就業時間が終わり、職員達が全員帰宅したギアステのバトルフィールドに

現在、かなりの人数が集まっております。



「それにしてもイッシュで一番頑丈なバトルフィールドが

ここだったなんて、流石は廃人施設とでも言えば良いのかな。」



「何も被害がなければ良いんだがな。ボス逹、協会の方には

損害箇所の修繕費の負担を話してくれたんですよね?」



「うん、全額負担してくれるって事になってる!って、そうじゃなくて!!」



「二人共、その様な事を気にしている場合じゃないでしょう?!」



が周囲を見渡してのんびりした口調で申してますが

私もクダリもそれどころではございません。


が協会側に提示した内容に正直耳を疑ってしまいました

その内容は達と協会側の選んだトレーナーとの3VS3のバトル

達の出すのは神ポケモン各1体のみ、対する協会側は

トレーナー1人につき、3体まで所持可能。

協会が対戦相手に選んだのはシロナ様、アデク様、そして…トウヤ様。

いくら達がマスターランクのトレーナーと言っても無謀でございます!


負けた場合は神ポケモンを譲渡する事が決められており

こちらが勝った場合はバトルが終わった後で提示するそうでございますが…

相手側のフィールドには協会の上層部の方々他、名だたる博士や研究者達

そして、四天王の姿も見えております。

ギーマ様はいらっしゃいますが、の姿は見えません。

中立のオブザーバーとしてだいすきクラブのトツカ様もいらっしゃいますね。



「Well,well…アッチはすっかり勝った気でいるみたいダネ!」



「この様なBattleを提案したお前達ニモ呆れマスガ、ソレに乗った

協会側も何を考えているのデショウ…理解に苦しみマス。」



インゴとエメットの同席に3人は驚いておりましたが私達が呼んだのです。

最悪、協会側が3人に何かモーションを起こした場合を考えて、その時は

二人にはテレポートを使って彼等をユノーヴァへ転送する事を頼みました。



…ごめんなさい。私が調子にのってエキシビジョンマッチに

出場なんてしちゃったから、皆を巻き込んで大変な事になっちゃった。」



「調子にのってるのはあいつらだろう?

のせいじゃない、これは権力を盾にした暴挙だろう。」



「俺達が下手に出てやればその気になりやがって、いい度胸じゃねぇか。

対戦相手の皆には悪ぃが、とことんやらせてもらうぜ。

さて、そろそろおっぱじめようじゃねぇか。、覚悟を決めろよ。」



「…わかってる。」



のせいでは決してないのに、あれから自分をずっと責め続ける彼女は

どれだけ自分を戒め不自由な日々を送ってきたのでしょうか…

伝説のポケモンの所持はトレーナーであれば

誰もが一度は望む事ではございますが、この様な制約を受けるのなら

私なら望まれても遠慮していまうかもしれませんね。


達がそれぞれにフィールドの中に入り

あちら側でもシロナ様達が同じ様にフィールドに立ちましたが

とてもバトルをする顔つきではございません。



「今回は俺達の提案を承諾してくださってありがとうございます。

さて、余計な事は必要ありませんのでバトルを始めたいのですが、その前に

頼んでいた空のモンスターボールは用意していただけましたか?」



フィールド中にの声が響きます。協会側はごく普通のモンスターボールを

アデク様に手渡しました。



「お前さん達の要求通り、ごく普通のを用意したがこれをどうするつもりだ?」



「それはバトルが終わればわかる事です。

さて、久々の地上だ。今まで窮屈な思いをさせて悪かったな。」



がボールを受け取った後、3人がそれぞれ神ポケモンをフィールドに出すと

場内にはどよめきの声が響き渡りました。

それぞれのパートナー達の隣に立つ神ポケモン達は久しぶりの彼等との対面に

喜び、擦り寄って甘える仕草をみせております。



「じゃれつくんじゃねぇ!そもそも毎度毎度、全部テメェらのせいで

こんなめんどくせぇ事になってるんだからな!」



がしかめっ面をしてパルキアの頭を自分から離すと

彼等の入っていた、こちらもごく一般のモンスターボールを手に

アデク様の元へ近づきました。



…お前の気持ちはわかる。大丈夫だこいつらはやってくれる。」



「そっちは心配してないよ、だけどさ…」



アルセウスの入っていたボールを抱きしめていたが声をかけ

それを預かると、と共にアデク様の元へ向かいました。



「もう一度聞くが…お前さん達、一体何をする気でおる?」



「別に?以前もこの対戦方式でシンオウの協会のお偉い様を説得したけど

今回も同じじゃつまらないじゃないですか。」



「あぁ、だからそちらにハンデを差し上げます。

これで文句は言わせない。いい加減こんな茶番は飽きたんで。」



そう言うとは手にしていた神ポケモンの入っていたボールを

力任せに真っ二つに壊してしまいました。

それには流石に協会側もシロナ様達も驚いてしまった様でございます。

私達も、彼等が何をしようとしているのか見当もつきません!



「ちょ、さんさん!そんな事をしたらポケモン達が…!」



「勿論わかってるよ、トウヤ君。

こいつらは俺等の手持ちじゃなくなった。つまりフリーのポケモンだ。

そんなにこいつらが欲しいのなら、その手でゲットしたら良いだろう?

ただし、それが出来るなら…だがな。」



「会場の全員に言わせてもらうよ。正直言って迷惑なんだよ。

毎回毎回手を煩わすのも嫌だからね、これなら文句は言えないはずだよ。」



完全に自分達に不利な状態ですが、この状態で達の神ポケモンが

勝利した場合は、確かに協会側は何も言うことはできないでしょう。

ここまでお膳立てされても無理であれば、何をやっても不可能でございます。

無謀と思われたこの提案も、そう考えれば最善の方法かもしれません。



「いい加減俺等に干渉するのはやめてもらおうか、

いつも言ってるがこいつらを使ってどうこうしようなんざ考えた事も無い。

まして職場にまで迷惑をかけて、ダチまで巻き込んだんだ。

今迄は黙って好きな様にさせていたけどな、流石に堪忍袋の緒が切れた

下衆な勘ぐりで周りをウロウロされると目障りだ。

あんた等の大義名分なんざ俺等にはゴミみたいなもんなんだよ!」



「いい加減バトルもしないとだけど、最後に元俺達の手持ちに言うよ。

シンオウに帰るなら、天井が開いてるから飛べば良い。好きにしやがれ。

だがな、ここに残りたいっていうなら…なぁ、?」



アデク様から空のボールを受け取ったの肩を叩くと

フィールドの外へ向かって歩き出しました。



「あぁ、それは俺等の知った事じゃないから好きにすれば良い。

お前等も俺等も自由だ、なんだって好きな事をして構わないんだぞ?

つまりは…そう言う事だよなぁ、?」



腕組みをしたままだったも、彼の後についてフィールドの外の

トレーナーの定位置まで下がり、二人はフィールド内を振り返ります。



「「(お前等)(テメェら)の意思を全員に見せてやれっ!!」」



二人の声に神ポケモン達が雄叫びを上げて臨戦態勢に入りました。

その姿勢は彼等と共に在りたいと雄弁に語っているも同然でしょう。


慌ててアデク様、シロナ様がフィールドにポケモンを出しましたが

トウヤ様だけはボールを手にしたまま、動こうとなさいません。



「トウヤ、色々と思う事があるのはわかっとる!

だが、これもバトルだ。お前もトレーナーならば、今する事は何か

そんな事はわかっておるはずだろう!!」



「っつ…!は、はいっ!!」



協会側の席を見れば、同席した学者や研究者達はバトルではなく

神ポケモン達の行動を食い入るように見つめ、何かメモをしております。

彼等にとってはバトルすら研究対象になってしまうのですね。

それだからトレーナーとポケモン達との絆を理解できないのです。



「よっこいせ!っと。おー、派手に初手からやらかしてやがるじゃねぇか。」



「だなぁ、ときのほうこう、あくうせつだん、さばきのつぶて…

あいつら手加減する気なんてないだろう?困ったモンだ。」



指示を出すトレーナーの定位置を離れて、三人が私達の所へ戻り

私達の傍らに座り込んでフィールドを眺めております。



「ちょっと待って!二人…ってかもだから三人とも

ちゃんと定位置につかなきゃなんないんじゃないの?!」



「良いんだよ、クダリ。第一俺等は指示を出せないんだぞ?

あの場所にいたって意味がないだろう?」



「んだんだ、ポケモン達の技とか、とばっちりも喰らいたかねぇし、

俺達のやる事は今はもう無ぇから良いんだ。出番はまだ先なんだよ。

だから、てめぇも泣くんじゃねぇよ。」



二人の後ろに視線をやれば、インゴがを抱きしめ

エメットは隣でその背を撫でておりました。



「こんな…っ、こんなのバトルなんかじゃない!

無意味に傷つけあうとか、そんな事っ…許されるわけ無いよ…っ!!」



、オマエの気持ちを理解できる人間はアチラには皆無デス。

その様に泣いても意味が無いのデスヨ?」



「泣いテモ、連中には効果はないと思うヨ?」



「でもっ!」



「いい加減に腹をくくりやがれ、てめぇの優しさが通じる様な相手か?

いらねぇ情けをかけたって、しっぺ返しのカウンター喰らうのがオチだ。」



、お前の気持ちはわかる。

これが、今回が最後だ。このバトルの後の事は俺等に任せろ。

お前の邪魔も俺等の邪魔も金輪際絶対にさせないから、まぁ黙って見てろ。」



暇だから一服してくるか、等と言っている二人を全力で止めましたが。

彼等のあまりの余裕に私もクダリも無性に笑いたくなりました。



「あはは、なんだか勝つのは当たり前って思ってるのはこっちだったり?

ってか皆、げきりんしちゃってるし、ポケモン達も相当怒ってる?」



「そんな事は当然でございましょう!

信頼しているトレーナーから無理やり引き離されたのでございますよ?」



「こんな事ナンテ、普通誰も考えないヨネ!二人も相当怒っテル。デショ?」



「「当然」」



頬杖をついて、同時に目を細めてそのままフィールドを見つめる先では

対戦するポケモン達があっけなく次々とフィールドに倒れております。

神ポケモンの本気ハンパねぇ!状態でございますね。

協力していただいてるあちらのお三方とポケモン達に同情いたします。


このバトルの先に何が待っているのか、が何をするのか

私達には予想もできませんが、想像するのも恐ろしゅうございます!