三章・指差確認準備中!編
出向終了であれやこれ
※注意※
現地での話の為ボス達の会話も視点語りも普段の表記とは異なっております。
出向最終日もは変わらず作業をしておりました。
トレインの帰りに、前を歩くを見かけると
いつも頭に巻きつけてあるタオルを外し、頬でしょうか?にあてております。
よく見ると、血液が付着してる様で思わず呼び止めました。
『、どこか怪我をしてるのですか?!』
突然呼び止められて驚いたのでしょう、色気のない叫びが上がり
私の姿を確認すると、どこかばつの悪そうな表情を見せました。
『インゴボスお疲れ様です。いやー怪我ってほどのモンじゃないです?』
『ですが、出血してるでしょう、見せなさい!』
手を掴めば、持っていたタオルには微かにですが血がついておりますが
肝心な出血場所がわかりません。
『どこを負傷したのですか?
いえ、答えなくても結構。取り敢えず止血と消毒を急ぎます。
このまま執務室に行って手当をしますから黙って付いてきなさい。』
握った手を引いて執務室に入れば、エメットはトレイン乗車中で不在。
を応接スペースのソファーに座らせてから、救急セットを持って
隣に座り傷の場所と程度を確認すれば、右耳のピアス部分からでした。
『ちょっと仕事で引っ掛けちゃったんですよねー。
結構勢いよくやったんで、ピアスもどこかにいっちゃいました。』
お気に入りだったのに!とか、そういう問題ではないでしょうに…
医療用のコットンに消毒液を含ませ、血液を拭き取ってみれば
引っ掛けた時に傷つけたのでしょう、ピアスホールから血が滲みます。
これはそのままにしておくとピアスホールが塞がってしまうでしょう。
『…少々痛むかもしれませんが我慢しなさい。』
普段からつけているピアスを右耳から外し、新しいコットンで消毒してから
傷ついてるだろうのピアスホールへゆっくりと差込みます。
キャッチの部分をつけてから、もう一度確認すれば血は止まった様ですね。
『インゴさんこれって…』
『そのままではピアスホールが塞がりますから使いなさい。
あぁ、丁度良い…その石は古くからお守りとしてもよく使用されますので
これからジム巡り、そしてミッションを行うお前へ贈りましょう。』
どのような物か見えないに、自分の左耳のピアスを見せれば
コーンフラワーブルーの片割れが照明の元にさらされます。
『あー、たしかにこの色ってインゴさん達の瞳の色と同じで
強力な魔除けになるかもしんない…でも、すごーく高そうなんですけど?』
『くだらない心配は不要です、黙って受け取りなさい。
お守りは肌身離さず持つものですので、勝手にそれを外す事も許しません。
元々つけているその色も似合っておりますが、こちらも似合いますよ?
さぁ、手当は終わりました。まだ仕事が残っているのでしょう?
最後だから手を抜くという事はないでしょうが、しっかりやりなさい。』
『うわわ、次の現場は急ぎの場所だったー!
んじゃインゴさん手当ありがとうございました。これ…大事にします。』
柔らかく笑ってから部屋を飛び出したを見送るとすれ違いで
エメットが戻ってまいりました。
『その救急セットって、どうしたの?怪我してるの?!』
『騒がしいですね、私が怪我をしたわけではありません。』
今までの経緯を掻い摘んで説明すれば、不満げに眉間に皺をよせました。
『…それって多分、はわかってないと思うよ?
でもさ、インゴだけ狡い!ボクもに何かプレゼントしたかった!』
『好きにすれば良いでしょう?くだらない話をする暇があるなら
さっさと書類を片付けてしまいなさい。』
尚も言い続ける片割れを無視して、デスクに向かい業務を再開します。
エメットのデスクの書類を見ればいつもよりは少ないでしょうか…
この分だと残業の必要もなさそうですね。
トレインの乗車とその他の業務を終わらせて待つこと暫し
着替え終わったが執務室にやってまいりました。
三人で応接スペースに移動してから、企業のトップとして
いえ…それだけではなく友人として、私達は労いの言葉をかけます。
『今回の出向はこれで終わりです。お前には公私ともに迷惑をかけました。
保全管理課も私も以前の様には戻らないでしょう、ご苦労でしたね。』
『ホント、には恥ずかしい所を見られちゃったし見ちゃったし?』
『あはは!忘れてくださいって言っても、お互いに無理でしょうし?』
私達との間に何と言えば良いのでしょう…共通の恥部と言いますか
秘密というものが発生したおかげで、互いの距離が縮んだような気がします。
エメットと二人でお互いを指差しながら似た者同士!と言っておりますが
本当にその言葉がぴったりでしょう。
背後からを抱きしめれば相変わらずの叫び…もう慣れましたけどね。
『、先日の言葉は口約束ではありません。
お前は独りではありません、イッシュでもユノーヴァでも
大切だ、大好きだと思ってる者がいるのだと、覚えておきなさい。』
そう言って腕の中から開放すれば、今度はエメットがを抱きしめます。
『ボクもインゴもが大好き!大切だって思ってるからね!
後、これ…あの家の鍵なんだけど受け取って?
もしもイッシュで辛い事があったりしたら、迷わずこっちに来てよ。
なら、ボクもインゴも大歓迎するからさ!
もっと気の利いた事をしたいんだけど今はこれで精一杯、ゴメンネ。』
『もう…もう!どうして帰り際にこんな事するんですか…っ?
ちょっと…嬉しすぎて涙腺……崩壊しちゃうじゃないですかーっ!』
受け取ったあの家の鍵を抱きしめて、は泣き出してしまいました。
ですが、以前の涙に比べれば見ていても私達は笑顔にしかなりません。
『あはは!こういう時じゃないと改めて言えないし?』
『お前はもっと素直になる事を覚えるべきですね。
さぁ、向こうの連中が待ちくたびれてるでしょうからもう行きなさい。』
『畜生…今度は逆にまた泣かせてやりますから、覚悟してて下さいね!
それでは…本当に失礼します、色々お世話になりましたっ!
ネイティ、テレポート!リグレーはテレポート後にテレキネシス!』
小さな子供の様に、目元を乱暴にこすった後で私達を指差しした後
くしゃりと笑顔を作り、私達に別れを述べての姿は消えました。
『行っちゃったね、インゴ…』
『えぇ…』
喪失感は否めませんが、こんなところで立ち止まっていられません。
来るべき日に備えて、さらに前進しなくてはならないのですから───
「ノボリ、さっきから溜息ばっかりでうるさい。」
「うるさいと言われましても…」
思った以上にバトルが長引いてしまい、執務室で急ぎの書類の処理中に
その様な事を言われても、どうしようもないと思います。
夕食の準備は私がしたかったのですが、こればかりは仕方がないでしょう。
最後の一枚に手を伸ばし溜息をつけば、応接スペースに人の気配が…
私とクダリが近づいてきたのに気がついたは
慌てて顔を逸らしましたが、その目は真っ赤で頬には涙が伝っておりました。
「おかえり!ってどうしたの?なんで泣いてるの?!」
「あの連中がに何かしたのでございますか?!」
「ぎゃー!顔が大変な事になってるので近づかないでー!
なんでもないんです、ちょっと感動的なお別れ?をしたもんで??
…ただ今戻りました!何か変わった事…を聞きたい連中がいないぞー!」
真っ赤になった目元を袖口で擦ろうとするのを止めてハンカチを渡せば、
そのまま顔を隠しながらモゴモゴと言っております
感動的なお別れ?あの連中相手にその様な事など想像もできないのですが…
「あの二人を相手に、感動的ってすっごく気になるんだけど?
あのね、とはどーせは戻ってきてもご飯食べないから
先に行って、好きなもの作って待ってるって言ってた!」
「えぇ、保全管理の方はが心配する様な事はございませんでしたよ?
私達も丁度仕事を終えたので、一緒に帰りましょう。
貴女のお好きなプリンをデザートとして用意しておりますよ?」
「一人で色々頑張ってたってから聞いてる。」
「さぁ、早く帰りましょう。もも貴女の帰りを待っておりますよ?」
「…はいっ!」
まだ目元の赤さは残っておりますが、それでも笑いながら答える表情は
とても明るく、いつもと違うようにさえ見えてしまいました。
あの連中が何をしたか知りませんが、この様な変化なら大歓迎でございます。
本音を言えば…いえ、今はが無事に帰ってきた事を喜びましょう。
「目指すはの部屋!」
「指差し確認、美味しいご飯が待ってるぞー!」
「帰る準備はオッケー!で、ございます!ではいきますよ?」
「「「出発進行っ!」」」
いつもの様にを間にして、私達三人はギアステを後にしました。