三章・指差確認準備中!編 -朝の風景とあれやこれ-

三章・指差確認準備中!編

朝の風景とあれやこれ

※注意※
 現地での話の為ボス達の会話も視点語りも普段の表記とは異なっております。



いつもより少し早めに起きて、ベッドメイクをしてから部屋を出る。

今日から本格的に仕事を始めるんだから、気合を入れなきゃね!


部屋を出れば、すでにインゴさんは起きていて朝食の準備をしていた。

手つきを見ててもわかるんだけど、凄く手馴れてて無駄が無い

ノボリさんといい、インゴさんといい嫁いらずだよね!



『おはようございます、朝食の準備を手伝っても良いですか?』



『支度は全て整いましたので、手伝う必要はありません。

そうですね…紅茶を入れてもらってもよろしいですか?

おはようございます、今日もとても愛らしいですね。』



キッチンに行って挨拶をすれば、私のやる事は無し…なのは良いけど

いきなり腕を掴まれたかと思ったら、そのままハグ&ほっぺチューですか!

昨日も言ったのに、これは絶対やめる気なんてないんだろうな…畜生。

そんなやり取りをしていたら、も起きてきて揃って朝食!


こっちの朝食は結構有名らしくて、フルブレックファスト?

そんな風に呼ばれてるらしいんだけど、その量と種類に驚いた。

それを当然の様に作って完食するインゴさんに、更にビックリだよ!!



『うわーい!朝からこんなに食べるとか、こっちの人は凄いんですね。』



『今日は特別に作りましたが、いつもではありませんよ。

大抵が軽めにポリッジだったり、シリアルだったり、様々ですね。』



既に身支度は終わってるから、今はゆったりと紅茶を飲んでたりする。

インゴさんが選んだ紅茶は香りが凄く好みかもしんない。

ストレートで飲んでるけど、ミルクティーでも合うとか…

よし、明日はミルクティーにしてみよう!


使った食器も片付けて、出勤する時にインゴさんが私とに鍵をくれた。

定時上がりが常のインゴさんだから不要かもしれないけど、一応って感じ?

ありがたく受け取ってから、キーケースにつける。


玄関を出てから、ネイティとリグレー(一緒に出さないとグレるんだよねー)を

ボールから出せば、それぞれに定位置の頭と肩に乗ってくる。

最近はリグレーがネイティの真似して、ナビをするんだけど

これまた優秀なんだよね!ホント、うちの子マジ天使!!


ギアステ迄の距離はイッシュと同じ位かな?

ただ昨日エメットさんに言われたんだけど、治安があまり良くないっぽい

だから仕事帰りは一人では駄目だって注意されちゃった。気を付けよう。


女子職員用のロッカーに入れば、先客が何人かいたので

自己紹介がてらに挨拶をする。

こっちの人逹はインゴさん逹の事をどうこう思ってないのかな?

普通に挨拶を返してくれたんで、私的には楽かもしんない。


昨日帰ってから作った書類を入れたファイルを持って

ネイティのナビつきで保全管理課の部屋に入れば、全員が揃ってた。



『おはようございまっす!ゲンナイ課長、ちょっと良いですか?』



ゲンナイ君のデスクに行って、書類の束を突きつけたら泣きそうだし!

苦手なのは知ってるけど、そんな甘えを私が許すわけないだろーが。



『一応こちらのトップに確認して、各書類の書式の概要を確認しました。

この項目については改善する事になってます。

それでですね、こちらの記述を皆さんで話し合って統一して下さい。

それぞれ記入欄や記述が違うのは、相手に対して負担をかけます。

効率的にも無駄が多くなるので早急に改善して下さい。』



『あぁ、この部分っすよね!確かに皆バラバラだからまとめたほうが

ボス逹の負担も減るし、その方が良いっすね。了解っした!』



私の指示に何を言ってるんだって視線が突き刺さるけど、まずは無視だ。

専従で仕事をするって自覚が無いんだろうな。

昨日確認したけど、こっちでも専従契約をすると正職員扱いみたいだし

それに胡座をかいてる様じゃ、そいつの品格が疑われるよ。



『それと、昨日作業部屋と材料置き場を見ましたが

動線に無駄が多すぎます。材料についても各職種毎にスペースを作って

使用頻度を考慮しながら整理整頓を徹底しましょうか。

これもその職場によって、やり方が違うので皆さんの意見を聞きながら

一緒にやる事にしたいんですが、よろしいでしょうか?』



『それについては下の奴等に任せっぱなしだったんで…

すんません、それじゃ駄目っすよね。わかりました。

まずは俺が状況を見て、それからにしたいんすけど良いっすかね?』



『その辺は課長に一任します。ですが急ぎましょう。

在庫のチェックも主任に任せきりでは駄目だと思いませんか?

事業計画と作業の流れを主任が把握する必要はありません。

材料はお金と一緒でしょう?それは実際に使ってる人達が管理すべきです。

その上で、ストックが乏しくなったら主任に請求する。常識ですよね?』



『あー、確かにそうっすね!んじゃ、そっちについては

オレが朝礼に出てる時に、連中に話し合いでやり方を決めてもらいます。』



はい、ここでやっちゃダメな事発見!

なんでも部下に任せっきりなんざ、駄目上司のやる事なんだぞー。

全部任せたよって感じでも、実はしっかり管理下に置かなきゃね。



『勿論その後で課長も確認するんですよね?

部下に任せる事は素晴らしいと思いますが、任せっぱなしは駄目ですよ?

そんな事をしてたら、現場の把握すら怪しくなりますからね。

基本ですから自分にも、部下にも徹底させた方が良いでしょう。』



『うっ、そうでした…確かにアニキは全部把握してましたもんね?

了解っした!他にも色々そういう所があるんで、改善するっす!』



よーし、こっちは少しずつに言われた事とか思い出してきたね。

それを全部思い出して実行すれば、私の出番は無くなる。

だけど、実際にできるのか?そして、それに部下がついてくるのか

それが問題なんだけど、それは私が口出す事じゃないしー。


とりあえず朝のうちにやりたかった事、やって欲しかった事は言った!

後は、ゲンナイ君が朝礼に出てる間に一緒に作業場とかの整理整頓だね



〈エメットだけど、保全管理課のゲンナイ課長応答して。〉



いきなり耳元でエメットさんの声が聞こえてビックリしたよ!

こっちのインカムは通話前に機械音が鳴らないんだなー。



〈こちらゲンナイです。白ボス何でしょうか?〉



〈イッシュから出向してる二人を朝礼で紹介するから、

キミがミーティングルームに来る時に一緒に来てもらって、以上!〉



うわーい、相手の返事を待たないで通信ブチ切るとか

ゲンナイ君が普通にしてるから、こっちじゃそれが当たり前なのかな?

トップの命令は絶対で、それを徹底させてるとかマジですか!



『確かに俺はともかくは職員逹に挨拶するべきだね。

これから現場もまわるんだろう?それなら顔合わせは必要かな。』



『そうですねー、業務計画書を見た感じではどの職種でも

私が手伝える事がありそうなので、そのつもりでいましたし?

ご挨拶するのも筋ですからね。ゲンナイ課長、そろそろ時間ですか?』



『そうっすね、それじゃお二人共一緒に行きますか。

皆は、聞いていたと思うがまずは作業部屋と在庫部屋の整理整頓を

それぞれ話し合って決めてくれ。結果は戻ってきたら聞かせてもらうな。

後は、この書類についての表記の統一を話し合ってくれ

その結果も戻ってから一緒に聞かせてもらう。頼んだぞ。』



ゲンナイ君の指示に大体の部下がちゃんと返事をしたんだけど

何人かはそっぽ向いちゃってるし…これはゲンナイ君がなめられてるのか

私が指示を出した事に対して不満を持ってるのか…

まぁそれについては追々ハッキリさせれば良いか。


ゲンナイ君の後ろについて、ミーティングルームに入れば

そこにはイッシュと同じ様に、各部署の上の方の人逹が揃ってた。

顔ぶれを見ると、こっちの職員さん逹はインゴさん逹の顔色を見てる

何を求められるのか、何をすれば良いのか、それをどう評価されるのか?

そんな感じで神経を張り詰めてる感じがする。


全員が揃った頃に朝礼が始まり、各部署からの本日の業務計画とか

変更事項、連絡事項その他が報告される。

インゴさんは口元に手を当てて、エメットさんは腕を組んで、聞いてる。

一通りの報告が終わった後で、エメットさんが一歩前に出た



『実質的には昨日からなんだけど、改めて紹介するよ

先日、当バトルサブウェイに施設設備保全管理課を新設したけれど

それに携わってくれたイッシュの施設設備保全課から、状況の把握と

こっちでのそれぞれの仕事の状態についての再考、指導を兼ねて

事務系と作業系の職員2名に出向してもらったから。』



『イッシュの施設設備保全管理課主任のです。

こちらでは保全管理課の事務系全てに関して、お手伝いする予定です。

ですが、状況によっては各部署に作業員として出入りする事もあります。

何か問題がある様でしたら対応しますので、申し出て下さい。』



が挨拶を終わらせて、一歩後ろへ下がる。

んじゃ私も軽く挨拶しておきましょうか。



『同じく作業員をしております、です。

先日は短期間の出張でこちらにお邪魔させていただきましたが

今回はそれより少々長めの出向でこちらに来ました。

基本、私の仕事はどこに行っても施設を安全、快適に使用していただく

それにつきますので、何かございましたら遠慮なく申し出て下さい。

何分不慣れですが、滞在中はどうぞよろしくお願いします。』



私の挨拶が終わった時に、インゴさんがゆっくりと隣に立った。

それだけで、職員の表情が変わるとか…カリスマ…うんにゃ独裁者?



『彼女は先日イッシュで行われた、各地方のチャンピオン達が集った

エキシビジョンマッチにて、シンオウ代表として出場しておりました。

二人共カントー、ジョウト、ホウエン、シンオウ…

はイッシュのリーグ制覇もしてるマスターランクのトレーナーです。

当施設では作業員として勤務します。その意味を理解しなさい。

業務の妨げになるような真似は許可しません。心がけなさい。』



『これで、今日の朝礼は終わる。各自職場に戻っていいよ。』



これ以上は時間の無駄って感じで二人が切り上げると

職員の人逹が持ち場に戻っていった。その様子っていうのがなんだろ…

バチュルを散らした様って感じで、イッシュとの違いを感じる。



『ゲンナイ』



んじゃ私達も戻ろうかって、部屋を出ようとしたら

インゴさんがゲンナイ君を呼び止めた。



『なんでしょうか、黒ボス?』



『先日の件、に全て一任しました。

お前はそれを見て、どうしなければならないのかを見極めなさい。

彼等にもお前にも後は無いのです。それを頭にいれなさい。』



『…了解しました。』



うわーい、最後通告きたよ?

ゲンナイ君の顔色が変わったけど、事実を言われただけなんだし。

それをキチンと受け止めてくれなきゃ話は進まないんだけどなぁ…



「ここで潰れてたまるか…オレはアニキを目指すんだ…」



今度こそミーティングルームを出て、部署に戻る時に

うちらはゲンナイ君が小さく呟いた言葉を聞き逃さなかった。

覚悟は出来てるんだね、上等だよ!うん、最後まで面倒見てやんよ!

と二人で顔を見合わせて、頷いてから

前を歩くゲンナイ君に気づかれない様に、二人で拳を合わせた。