三章・指差確認準備中!編
若者達とあれやこれ
エキシビジョンマッチが終わった後から、バトルトレインに挑戦する
チャレンジャーが増えちゃって、ボク達もポケモンもフル回転!
だけどボクもポケモン達もバトルが大好きだから頑張れる!
午前中の運行が午後休憩近くまでずれ込んで、やっと執務室に戻ってきた。
ノボリは書類片手に弁当を食べてる。行儀悪いけど仕方が無い。
そーいうボクのデスクにも未処理の書類がどーんと山積み!
「白ボス、俺の仕事はちょっと落ち着いたからデーター入力とか
簡単な処理だったら手伝えるけど、どうするかな?」
コーヒーを持ってきてくれたの提案に乗らないわけがないってば。
「ホントは全部自分でやる!って言いたいけど、お願い!
うんとね、こっちの書類にこのファイルの中の書類のデーターを入力して
その後で、各項目ごとの合計を出して欲しいんだけど。」
「了解、黒ボスの書類は出来たので確認して下さい。
それじゃこの書類とファイルの中身をお借りします。…っと、誰だ?」
ノボリも手伝ってもらってたんだ。書類の束を渡した後で
ボクのデスクから書類を受け取ったがライブキャスターを見た。
マナーモードにしてあるみたいだけど、着信かな?
「やぁ、この前はバタバタして迷惑かけちゃったね。
…いや、こっちは大丈夫だよ。うん、トウヤ君達も一緒なんだね?
そこで待っててくれれば迎えに行かせるよ。それじゃあ待ってるよ。」
「、トウヤ様逹の他に誰かお客様でございますか?」
プライベートな話なのかもしんないけど、仕事中にが受けるとか珍しい!
だから、から受け取った書類をチェックしてたノボリが声をかける。
「えぇ、アララギ研究所で知り合いになった助手のベルちゃんが
新しくジムトレーナーになったチェレン君って子と一緒に遊びに来たんです。
それで申し訳ないんですが、この書類は休憩後で良いかな?
ここに通すのは流石に不味いから、食堂か仕事場に案内しようかと…」
「あー、その二人ってトウヤ逹の幼馴染で一緒に旅もした子だと思う。
ボク達もちょっと休憩したいから、ここで構わない。良いよね、ノボリ。」
「えぇ、私も少々休憩を入れてゆっくりしたかったので構いませんよ。」
「ありがとうございます、それじゃお言葉に甘えて…
だ、仕事の区切りはつきそうか?
アララギ博士ん所のベルちゃんが、もう一人連れて
ついでにトウヤ君とトウコちゃんも引き連れて遊びにきたんだよ。
テメェが一番近くにいるから、迎えに行ってくれ。」
『了解、丁度終わったから迎えに行く。』
『こちらでっす!うわーい、ちょっと仕事が終わらなーい!
すっごく残念だけど、よろしく言っておいてー!以上!!』
『俺の方は予定より早く終わったんで手伝ってやるから戻ってこい。』
『の優しさが目にしみるぜ!そーいう事なら全力でそっちに行く!』
インカムにいつもと違う機械音がなってボク達だけの通話に変わる。
さっきのの泣きそうな声に笑っちゃったけど、忙しいんだよね。
ジム巡りの為のポケモン達の育成は順調で、もうボク達の手が必要ない位
だけど、出向が決まってからスケジュールを詰め込んでる。
決済の書類だけでもなんとか出来上がった頃に、が戻ってきた。
その後ろにはトウヤとトウコの他にメガネをかけた女の子と
ちょっと神経質そうな男の子が立っていた。
ボク達を見て、お邪魔しますと声をかけて皆が部屋に入る。
「遊びに来てくれて嬉しいよ。俺達の仕事場はサブウェイボスの執務室に
間借りしてる状態なんで、こっちの応接スペースに来てもらおうか。
その前に、初対面の人もいるから自己紹介させてもらうかな?
俺は、ここで事務の仕事をしてる、よろしくね。」
「俺は、作業員をやってる、仲良くしてくれると嬉しいぞ。
これからジム巡りを始める所だからチェレン君ともバトルするがよろしくな。
んで、後ろは知ってると思うが俺等の上司のサブウェイマスターの…」
「ノボリでございます。本日はようこそいらっしゃいました!」
「ボク、クダリ!よろしくね!トウヤとトウコは今日はどーするの?」
「そんなの聞いちゃうんですか?」
「だよなー!チャレンジするに決まってるじゃないですか!!
って、さんは…まだ仕事かな?忙しいみたいですよねー。
この間のお詫びに食事でもって何回か誘ってるんですが、断られてるし…」
「社会人なら当然だよ、トウヤ。 はじめまして、ぼくはチェレンです。
ヒオウギシティのポケモンスクールの教師兼ジムリーダーでもあり
この連中とは幼馴染で旅仲間でした。」
「はじめましてえー、博士のタマゴのベルです!
私もヒオウギシティにアララギ博士からのおつかいを頼まれたので
途中、こちらに遊びにきちゃいました。よろしくお願いしますう!」
一通り自己紹介が終わった後で、立ち話もなんだよねーって事で
皆で応接スペースに移動しようとした時に、頭にネイティを乗っけて
が戻ってきた。
「し…つれ…ゲホッ…」
うわー、どんだけ急いできたんだろ。肩で息してるから上に乗ってる
リグレーが必死になってバランスとってるし…
「、少し落ち着いてからお話をした方がよろしいでしょうに。
貴女どれだけ急いで来たんですか?まさか構内を走ってはおりませんよね?」
ノボリがあげた水の入った紙コップを受け取ると一気に飲んで
その後で、くぅーっ、うまい!とかどこのおっさんなのさ。
ちょっとは落ち着いたみたいで、未だに驚いてるトウヤ達を見て手を振ってる。
「いやー、仕事が終わんなくて遅れちゃってゴメンネー。
君は初めてかな?私は、ここで作業員をしてるんだよろしくね。」
がチェレンの紹介をすると、はニヤリと笑った。
「おー、一番最初のジムだよね!
うちの子たちの調整も、もうちょっとで終わりそうだから
近いうちにチャレンジするからよろしくね?
勿論目指すは勝利しかないんで、勝たせてもらうよ?」
「ボクは新人用のジムリーダーですから、マスタークラスの貴女達になんて
勝てませんし、勝とうとも思いませんよ。」
「チェレン君、それは違うと思うぞ?俺等は他の地方ではリーグ制覇をしてるが
イッシュでは初めてなんだ、経歴なんて関係ないだろう?」
ちょっと自嘲気味?そんな感じのチェレンを見て、が目を細めて
その頭を撫でていた。腕を組んでうんうんって頷いてる。
「そーだよ、それにバトルに新米もベテランもないよ?
うちの子逹だって初のジム挑戦になるんだし、どんなバトルでも
初めてってのは記憶にずっと残るから、すっごく大事な役目だと思うな。
ポケモン達との絆を作る為のバトル、最初のジム戦の意味は大きいよ?
チェレン君だっけ?君の責任はかなり大きいと思うんだけどな。」
「あ…」
初めてのバトル、初めてのジム戦…うん、ボクも覚えてる。
仕事でこれだけバトルをやってたって、一番初めの事は全部覚えてる。
一緒に頑張って、最初のバッチをゲットした時の嬉しさは特別だった。
「どんな事でも最初ってすごく大事なんだよ?
技術は後からついてくるけど、メンタル面はこれで決まる様なもの。
自分の役目をしっかり自覚して、チャレンジャーを迎えて欲しいな。
まぁ、これは大人なトレーナーの経験談って感じで覚えててね?
皆には色んな話を聞かせて欲しいな、ね?」
チェレンの肩を叩いて、は一緒に応接スペースに移動する。
ベルにとがそれぞれ旅立ちのポケモンを見せる。
今日ののお菓子はダックワース!食感が面白くて美味しい!
休憩時間ってのんびりするものだと思ったんだけど
今のこの状況ってのんびりじゃなくて大騒ぎかもしんない。
「うおー、さんの育成が半端ねぇ!いつでもジム戦できますね!」
「トウヤ、ヒオウギジムはまだ開設されてないんだよ?
だからボクがここにいるんじゃないか。」
「うわー、さんの手持ちポカブもキバゴも色違いなんですか?!
え?ノボリさんからキバゴをもらったんですか?!それって狡い!」
「トウコ様、私は友人に大切なキバゴを託しただけでございますよ?
色違い故にトレインにも乗せる事が出来ず、寂しい思いをさせるよりは
大切に育ててくれるのパートナーに…そう思ったのでございます。
だからトウコ様だけでなく、トウヤ様もその様に睨まないでくださいまし。」
「ポカブ、すっごく大切にされてるねえ!良かったねえ!
さん、この子の事よろしくお願いしますね。」
「もっちろん!ポカブ、貴方は大事な家族だもんねー?」
そう言ってポカブに頬擦りしてるを見て皆で笑ってたら
思い出したようにトウヤがチェレンに向きあった。
「そうだチェレン、お前バトルしたいって言ってたよな?」
「トウヤ、マスターランクのトレーナーとバトルはしたいと思うけど
皆さん仕事中なんだよ?個人的な事で仕事の邪魔なんかできないよ。」
「えーっとチェレン?あのね、ここはバトル施設。バトルが仕事!
だからそのお願いはオッケーだよ?んで、誰とバトルするの?」
バトルの相手を選ぶようにチェレンが三人をそれぞれ見てたんだけど
がスっと立ち上がった。
「君はととはバトルをするだろう?
それなら選択肢はひとつしかないよね?それとも俺じゃ役不足かな?」
「い、いえ!確か殿堂入りを辞退されたんですよね?
ぼく、その話を聞いて是非バトルしたいと思っていたんです。
よろしければお願いできますか?」
今迄クールなイメージのあったチェレンの顔が変わった。
うん、すっごく良い顔!チェレンは良いトレーナーだと思う。
それじゃあってんで、全員でゾロゾロ職員用のバトルフィールドに向かう。
3体仕様のシングルバトルにしようって決まったんだけど
そーいえばがシングルバトルするのを見るのは初めてかもしんない。
そう思ったのはノボリもトウヤもトウコもおんなじだったみたいで
すっごく期待してるみたいな目でフィールドを見てるんだけど
とは逆にすっごく心配そうにしてる。
「、、二人共そんなに心配そうにしてるけど、なんで?」
「なんで?ってなぁ…」
「うん、チェレン君がとのバトルがトラウマにならないかって
もうそれだけが心配で心配で…やっぱ…も似たり寄ったりだから私が…」
「お二人共、手加減無しが愛でございましょう?」
そんな話をしてたらバトルが始まったんだけど…
結果はすっごい笑顔つきでがチェレンを3タテしたよ?
その後でガックリうなだれるチェレンを慰めるのがすっごく大変だった!
「!貴方も大人げないでしょう、少しは加減なさいまし!!」
「俺もバトルサブウェイも手加減無しが愛だけど?」
ノボリ、どの口でそれを言うの?さっきまでなんて言ってたっけ?
ってかノボリの説教はには全く効果が無いみたい…
「チェレン生きてっか?」
「なんとかね。あぁ、愛が痛すぎる…。でも良い経験になりました。」
トウヤが俺もずっと思ってる!とか言ってる。うん、愛は痛いよね!
まだ落ち込んでるけど、ちゃんとお礼を言えるチェレンは偉いと思う。
これからの人材を潰す事にならなくてホッとしたよ!