三章・指差確認準備中!編
従兄弟同士であれやこれ
着替え終わったエメットがボールからオーベムを出して
テレポートでインゴの家にって指示を出した。
瞬間ボク達の体がふわっと浮かんで、視界がグルンって回ってから景色が変わる
次に来る落下の衝撃を逃がす体制をとって、無事到着!
この感覚ってジェットコースターみたいで結構好き。
「予定時間ギリギリでゴザイマスカ…
サッサと本題に入りマスヨ?勝手にその辺に座りなサイ。
ビール位は提供して差し上げマス。」
「書類が残ってたからネ。これでも早く終わった方ダヨ!
Ahー…二人共、そっちのソファーに座ってヨ。
ボクはインゴの隣に座って話を聞かせてもらおうカナ?」
リビングでノートパソコンを操作してたインゴの絶対零度の視線!
エメットは慣れた感じで肩を竦めてるから、いつもこんな感じなんだろうな。
インゴがキッチンに向かったから、ボク逹は部屋の様子を観察してたんだけど
なんなのこの生活感の無さ!ビジネスホテルより殺風景ってホントだった!
リビングには大型のテレビモニターとテーブルとソファーが置いてあるだけ
本棚には本が沢山あるんだけど、ポケモン関係と経済関係のしか無さそう…
無造作に持ってきた缶ビールをボク達に手渡してから
プルタブを開けて、インゴが最初にビールを飲んだ。
そして視線だけでわかる。これは早く説明しろって事なんだろうな。
それにノボリも気がついたみたいで、ため息をついてる。
「…まずはこちらをご覧くださいまし。
これはシロナ様…現シンオウリーグチャンピオンで考古学者でもある方が
私達の知りたかったポケモンについて書いてくださった資料にございます。」
テーブルの上に出された資料をインゴが手に取り、横からエメットも一緒に
それを読んでるんだけど、ページを捲る度に二人の表情が険しくなった。
ノボリがビールを一口飲んだ後で、資料の補足をする
「最近、そのポケモンの生息する地域において異常気象が発生し
街が氷に覆われ孤立しかけたそうでございます。
現在その現象は消失したと…先日シロナ様から連絡がございました。」
「…近づけば災いが降りかかる…でゴザイマスカ…
それについての見解は?オマエなら聞いているデショウ?」
「えぇ、裏付けがない状況と災いがどの様なものか不明なので
それらを直結させるのは強引ではありますが、完全否定も出来ないと…
幸い、シロナ様自身が大変興味を持たれた様でございまして
色々調べるとおっしゃっております。その結果も報告してくれるそうです。」
「その現象の起こった時期にがミッションを始めたんダヨネ?
インゴはどう考えるノ?ボクは関係があると思うんだケド…」
「無関係とは思えませんネ。これからイッシュで起こる事を
は全て知っているのデス。彼女の性格を考えレバ
事前に色々動きたいと思うハズ、動き出した…そう考えるべきデショウ。」
エメットが覗き込む様にインゴを見て話しかける。
インゴは資料を持っていない方の手を口元に持ってって考え込んでる。
この仕草ってノボリと似てる…きっと色んな事を頭の中で考えてるのかな?
「とニハ、これから言う事は話さない様二…デキマスネ?
実は今回の出向依頼に関してハ、から頼まれたのデス。
ゲンナイ逹の仕事振りを見せて欲しい、恐らく改善点が出るカラ
体調も回復シテ自分の仕事も落ち着いてる今、コチラへ出向したいのダト
先日から連絡を受けたのデス。成程、用意周到…でゴザイマス。」
「ソンナ話、ボクは聞いてないんだケド?」
「全ての指示はワタクシが出すノデ、オマエに言う必要も無いデショウ?
とに負担をかけたく無いカラ、内緒でお願いシマス…だそうデス。
アノ三人の繋がりも、このMissionに関しては一枚岩では無い様デスネ。」
資料をテーブルに置いて、ソファーに深く座り込んだインゴは
そのままタバコを取り出して火を点ける。
窓際に置いてあった空気清浄機のスイッチが入って、紫煙が吸い込まれる。
だけど、部屋の空気は重苦しいまんま。
「…やはり、どれだけ手を差し伸べても拒むのですね。
全てを拒絶し、全てを背負い、ひとり向かう先は何処なのでしょう。
ミッションは成功させるという言葉にも表情も嘘は見られません
それなのに何故ひとりにこだわるのでございましょうか。」
「ミッションを成功させるなら、一人より皆の協力を得た方が良いはず。
ボク達には人に頼る事をしろって言ってるのに、自分はしない。
あ…もしかして出来ない理由があるとか?
の業務計画書を見ると凄く上手く人を使う。
それは普段でもおんなじ、それをしないって事はもしかして…」
「このポケモンが関係してるのナラ、周囲を凍らせる位の威力があるヨネ
そんな凄いポケモンを相手にするカラRiskも大きい、危険だと思うヨ。」
「誰も危険な目に合わせたく無いカラ…彼女らしいデスネ。」
全員がソファーに身体を預けてグッタリしちゃった。
もし今考えてる事が全部当たってるなら…手詰まりになる。
いくら協力しようと動いたって後手後手に回っちゃう。だけど、だけどさ…
「…それでも私は動きますよ?空回りになるかもしれませんが動きます。
幸い業務をしながらのジム巡り、ある程度の動きはこちらでも掴めます。
それを踏まえつつ、何が出来るかわかりませんがやってみましょうか…
貴方逹は…その顔は私と同じ様でございますね。」
「黙って見てるなんてボクには出来ない。
二人の主力ポケモンの構成は技次第じゃどんなポケモンにも通用する。
後はトレーナーの能力とお互いの絆次第だけど、それは今更って感じ?
ボクのバチュルもノボリのキバゴも絶対頑張ってくれる!」
「何ソレ?二人共自分の手持ちを渡したノ?!狡いヨ!
ボクはとに探りを入れるカナ、あの二人がこの状況を知ってるノカ?
知らなくても、Mssionの内容がわかレバ動きやすくなるヨネ。」
「ワタクシはと連絡を取り合う事にシマス。
彼女も何かしらこの件に関与してるデショウ。そして手を貸したいハズ
Missionに絡む情報をコチラに流してもらう事にシマス。
ノボリ、シロナ様でしたネ?彼女が得た情報を全て受け取りナサイ。
クダリ、ポケモンの育成状況、技構成を徹底的に見直して指導シナサイ。
エメット、アノ二人は一筋縄デハ無理デスガ必ずコチラに巻き込みナサイ。
Aim for Victory…目指すは勝利…でゴザイマス。」
上から目線なのはすっごくムカつくけど、こーいう指示を出すのは
ボク達よりもインゴの方が的確だし上手かもしんない。
「あのねインゴに聞きたいんだけど、どーしてここまでするの?」
「…どういう意味でゴザイマスカ?」
ビール缶に口をつけたまま、視線だけでボクを見てるけど驚いてる?
だけど、ボクはちょっと不思議に思った。どーしてインゴはここまでするの?
いつも他人の事なんてどーでも良いって感じなのに、友人だからって理由だけ?
「それは私もお聞きしたいですね。貴方は他人に無関心でしたでしょう?
私達には色々口喧しく言っておりますが、それ以外は即切り捨て…」
「減らず口を閉じなサイ。ワタクシは自分のしたい様にするだけデス。
ソレをどう言おうが、どう思おうがオマエ逹の勝手でゴザイマス。
オマエ逹が揃ってユノーヴァに来た理由は、コレだけでは無いデショウ?
の出向中の滞在先がワタクシの家だから…違いマスカ?」
うわーバレてる?でも事実だから仕方が無い!
ボクとノボリが黙ってるのを見て、インゴは大げさに溜息をついた。
「…オマエ逹の頭は飾りでゴザイマスカ?
ワタクシの家ナラ彼女の方向音痴、乗り物酔いの問題が消えマス。
見た通り、部屋数も有るノデ問題ゴザイマセン。Privacyも保証デキマス。
男女故の過ちを危惧している様デスガ、非常にくだらないデスネ。
ワタクシはオマエと違いマスヨ、ノボリ。」
「…聞き捨てなりませんね、どういう意味でございますか?」
「オマエ逹の出場したExhibition Battle…エキシビジョンマッチは
ユノーヴァでも放送されマシタ。開会式前のPartyデノ映像もデス。
余りにもわかりやすいノデ、呆れてしまいマシタ。」
「…それこそ、私は貴方と違いますので問題はございませんが?
その様に下衆な勘繰りをされる貴方の品性を疑いますよ、インゴ。」
インゴはあのパーティでノボリがをエスコートしてたのを言ってる?
あー、すっごい険悪な雰囲気で困るんだけど!でも知るもんか!!
二人が火花を散らして色々言い合ってるのを無視してビールを飲んでたら
隣にエメットが苦笑いしながら座った。
「ネェ、ノボリは相変わらず無自覚ナノ?」
「うん、無自覚っていうかノボリの態度はボクと同じ。
だから家族って感じに見てるんじゃないかって思う事もあったりする。」
「Hmm…インゴもダヨ。家族…ってボク達はよくわからないケド
インゴは家族としてじゃ無く、家族になりたいって思ってるみたいダヨ。」
エメットの話に、もう少しでビールが鼻から逆噴射するところだった!
無自覚なノボリより自覚したインゴとか、タチが悪いってば!
前にの家で神様ポケモンを見た時のインゴの話を聞いてるから
インゴが本気出したら、とんでもない事になりそうなんだけど!
「インゴ、あんな感じデショ?だから何も言わないケドネ。
今の関係を壊したく無いみたいダカラ、馬鹿な真似はしない事は保証デキル。
ボクも同じ気持ちダカラ、そんな事は絶対にさせないカラ安心してヨ。
万が一の時はインゴを殴ってデモ助けるカラ。」
「その同じ気持ちってどっち?大体エメットの安心とか信用出来ない。
でも、頼めるのってエメットだけ…すっごく嫌だけどお願いする。」
「…ホント、クダリって昔カラ、ボクに失礼だよネ!
どっちとかソンなの教えたらつまらないデショ?内緒ダヨ!
大丈夫キミのお願いはちゃんと聞くカラ、ボクを信用しなヨ。
Ahー…ノボリとインゴの喧嘩ッテ昔カラ変わんないヨネ
あの二人、凄く似てるノニ絶対お互いにソレを認めないシ?」
ノボリってば、とうとうインゴの隣に座り込んで本格的に口喧嘩始めたし…
二人共、確かに似た者同士。二人が認めなくてもそれはホント。
昔の二人の顔と、今の二人の顔がダブって見えるかもしんない。
それを見て二人に見えない様に指差して、聞こえない様に話すエメットも
なんだか昔のいたずら大好きで良く両親に怒られた時の顔をして笑ってる。
「あはは、そーいえばそうかもしんない。
昔のインゴに戻ってきてる?でも俺様は勘弁して欲しいかもしんない。」
「そんな事は、一番ボクが思ってるヨ!
ホント、人使いがハンパじゃなく荒いんだからネ。もっと勞って欲しいヨ。
二人は今日はユノーヴァに泊まるのカナ?この家、まだBed無いカラ
ボクのFlat…アパート?で良いなら泊めたげるケド。」
ライブキャスターで時間を見れば日付が変わろうとしてる。
明日も通常運行だから、そろそろ家に帰らないとマズイかも。
「ううん、明日も仕事だから今日はもう帰る。
ノボリ、そこで手を出そうとしないで!二人共リアルバトルになったら
止めるのはボク逹で、すっごく大変なんだからね!」
「了解!そういう事なら、さっさとこの争いを終わらせなくっちゃネ。
インゴ、Stop !普段のキミはそんなに熱くならないヨネ?
本気になっタラこの家も無事じゃなくなるデショ、やめて欲しいナ。」
「お黙り(なさい)(ナサイ)!!」
振り向いて同時にいう言葉と表情は昔のまんまで
ボクとエメットはとうとう我慢できなくて大笑いしちゃった。
我に返ってお互いの顔を見て、そっぽ向くとかホント笑える!
それぞれに大切なものを失ってから、ボク逹は変わった。
と、と出会ってから、またボク逹は変わったと思う。
でも、こういう変わり方なら別に良い。むしろ大歓迎かもしんない。