二章・強者達の夢の競演編
二名様、ご案内?
と一緒に控え室に戻ったら、皆が一斉に傍に来た。
大丈夫?とか無理するなとか言われて、は苦笑いしてた。
レッドが、ありがとうってお礼を言ってる。
気絶したまんまのピカチュウが、壁に当たってたら大変だったって。
そっか、だからはピカチュウを受け止めてたのかもしんない。
シロナは自分のせいで負けたって言ってるけど、それは違うと思う。
あのバトルはどっちが勝っても不思議じゃなかった。
次にバトルしたら勝敗はわかんないと思う。
それをが笑いながら言ってる。うん、もわかってるんだね。
モニターを見れば、どっちも残すところお互いに1体ずつ。
こっちでもすっごいバトルをしてる。
皆、マルチの戦い方がわかってきたみたい。昨日とは全然動きが違う。
「間もなく三回戦目が終了になりそうですので、次のバトルの方々は
それぞれの場所へ移動して、待機をお願いします。」
進行役の声に、ボクもノボリも立ち上がる。
部屋を出るボク達にが笑いながら親指を立て応援してくれた。
だから、ボクもノボリも同じ様に親指を立てて応える。
他の人逹の動きが変わった様に、ボク達だって昨日と違う。
相手のポケモンはわかってる。後は勝利を目指して出発進行するだけ。
待機室に移動して、ノボリと二人で作戦を話し合う。
いつもだったらこんな事しないけど、今回はそーも言ってらんない。
「グリーン様のプテラは飛行タイプでもありますので
クダリの子逹には効果は抜群になってしまいます。攻撃力もございますので
まずは最初に落としてしまいたいですねぇ。」
「うん、レッドの最初の子はリザードンだと思う。
ノボリのギギギアル、ボクのアイアントにはダメが倍になる。」
「えぇ、ですが次のギャラドスとピカチュウであれば、私達の方が有利。
今回は、いかに先鋒を素早く倒すかにかかってるのではないでしょうか?」
理論上ではそーなるんだけど、それは向こうも思ってるだろうから
そう簡単には倒されてくれないはず。
だからボク達は、二人の先手を読んで動かなくちゃなんない。
「クダリはデンチュラで、プテラにでんじはをお願いいたします。
私のダストダスも貴方のデンチュラも、一撃で倒れることはございません。」
「ノボリのダストダスはリザードンにどくどくでしょ?
次のターンプテラが麻痺状態なら、リザードンにもでんじはをする。
んで、プテラにダストダスのベノムショック…だよね?」
「えぇ毒状態からの毒攻撃でダメ倍増を図り、尚且つターン毎にHPを削る。
デンチュラがこの時点でご無事であっても、アイアントにチェンジですよね?」
「うん、麻痺状態のうちにいわなだれでなんとかしたい。
ってか、麻痺が切れてもいわなだれしかないかも?」
「私もベノムショック一択でございましょうねぇ…
ともかく初手はそれで、その後には臨機応変にいつも通りでございましょう。」
「うん、やる事はどこででも変わんない。勝利を目指すだけ!」
審判員が二回戦の終わりを告げた。
さぁ、次はボク達の番。フィールドが違ったってボク逹は通常運行
二人で揃ってフィールドに出れば、すっごい歓声でビックリした。
実況の人の声が聞こえたけど、そーいえばボク達まだ1敗しかしてない。
んで、トップのシンオウ代表も1敗で、ボク逹は同率トップでもあるんだ。
「この声援に応えなくてはサブウェイマスターの名折れでございますね。
クダリ、私スタートから全速前進致しますがよろしいでしょうか?」
「もっちろん!皆がスマイルになるすっごいバトルにしようね!」
所定の位置について、ノボリと拳を合わせる。
反対側ではグリーンとレッドもおんなじ事をしてた。
うん、気合はどっちも十分。この勝負、すっごいバトルになる!
バトル開始の合図と共に、ボク逹はそれぞれ指示を出した。
もうもうと立ち上がる土煙が落ち着いて、フィールドにはノボリのギギギアル
そして、ボクのアイアントがフィールドに立っていた。
「ピカチュウ、ギャラドス戦闘不能!サブウェイマスターの勝利!」
すっごい歓声の会場を後に、ボク逹は控え室へ戻る。
バトルの内容はどっちが勝っても不思議じゃなかった。
ってか、PP切れすら心配になる位の長いバトルになった。
ボールホルダーに手を伸ばして、お疲れ様ってボールをそっと撫でた。
途中回復装置に預けて、待ち時間をそばのベンチに座って待つ。
ボクもノボリも正直言って話す元気もないくらい疲れた。
だけど、それはすっごく気持ちのいい疲労感。
出来る事は全部やりきった後のスッキリした感じもあって。
ボクは背中を壁にもたれさせて目を閉じた。
「お、もう回復してたんだ。二人共お疲れ!」
「レッド様、グリーン様…。お二人も回復にいらしたのですか?」
目を開けたら、目の前にグリーンとレッドが立ってた。
ボク逹は席を詰めて、二人にベンチに座ってもらった。
「レッドとグリーンもお疲れ!すっごいバトルが出来て嬉しかった!」
「…おれも。」
「おれもだ、しっかし二人のポケモンの命中率っつーか
急所に当たる確率も半端じゃないよな!なんだっけ?トウヤが言ってた…」
「…サブウェイクオリティ。」
「それだそれ!あれがなかったらおれ逹が勝ってたかも…って
バトルに、かもとかはいらないな。悔しかったけど、楽しかったぜ!
これで3勝1敗、最後の相手はシンオウ代表だろ?頂上決戦だよな。」
「確かにそうなりましたが、私達はいつでも全力でバトルをしております。
今回も、その次のバトルも同じ様に勝利を目指すだけでございます。」
「うん、やる事はどこでも一緒。勝利目指して出発進行!」
「でもよ、分が悪いんじゃないのか?
は二人のバトルの癖とかポケモンの事を知ってるんだろ?
つーか、もやりにくいかもしれないよな。」
がボク達とバトルをやりにくいって、どーいう事だろ?
ボクが首を傾げてたら、ノボリはグリーンの話がわかったみたいで
指をピッピの様にグリーンに向けて振った。
「グリーン様、は一流のトレーナーでございます。
バトルに上司も部下も関係ありません。それは私達もでございます。」
あ、そーいう意味なんだ。
ボク達が仕事上の上司だから、が手加減するとか思ってるのかな?
それは無い、絶対にありえないから思わず笑っちゃった。
「あのね、そんな事を気にしたバトルなんてつまらない。
はバトルに真剣だから、そんな事しない。」
「その通りでございます。そして、私逹の手持ちがわかってる事は
いつもと同じでございますので、分が悪いと言う事もございません。」
今度はグリーンとレッドがノボリの言葉に首を傾げちゃった。
そっか、二人はバトルサブウェイを知らないんだもんね。
「ボク達はバトルサブウェイで出すポケモンは決まってる。
だから、チャレンジャーは皆知ってるし対策もしてくる。」
「えぇ、技構成も手持ちも全て晒しております。
私逹にすればそれが平常運行でございますので、問題にもなりません。」
「へぇ…」
「そんな状態でも勝ち続けるとかすげぇな!
二人のポケモンは、イッシュじゃそんなに珍しいポケモンじゃ無いんだろ?」
「うん、一般のトレーナーでも普通にゲット出来る。」
「まぁ、厳選や育成などは致しておりますが。個体で言えばそうですね。
私達はイッシュのポケモンを使用する事を義務付けられております。
ですが、私達に辿り着くまでのトレーナーは違います。
油断をしますと、最終車両の私達に辿り着く前に途中下車になります。」
「うん、皆すっごい優秀なトレーナーばかり。
バトルも、ポケモンが好きって気持ちもどっちも凄い人逹ばかり!」
二人にバトルサブウェイの事を話したら、すっごく食いついた!
カントーにはバトル施設が無いってホントなのかな?
ボクにはちょっと信じらんないんだけど。
「そもそも動いてる地下鉄でバトルってのがすげぇよな!
でも面白そうだから、カントーに帰る前に寄らせてもらうかな。」
「…いいな。」
「だろ?確か二人の今の手持ちはノーマルってやつのなんだろ?
だったら、スーパーの手持ちでも対戦してみたいしな。」
「規定がございますので、ノーマルの私達を撃破してになります。
お二人でしたらすぐにでもスーパーへの乗車券をゲット出来るでしょう。」
「ノボリはシングルとスーパーシングル、ボクはダブルとスーパーダブル
二人でマルチにそれぞれ乗ってるから、全部に乗って欲しい。」
「いいな!あー、だけどおれは難しいかもなぁ。
チャンピオンがあまり不在とか駄目だしなぁ。」
「…おれは乗る。」
「レッド、狡ぃぞ!ってか山篭りはもうやめるのか?
それなら、お前がチャンピオンになれよな!んで、俺が乗る!」
「…やだ。」
この二人、幼馴染って言ってたっけ?まるでとみたい。
無口だけど、レッドのマイペースっぷりはに似てるし
レッドの面倒を文句を言いながらでもしっかり見てるグリーンはみたい。
二人のやりとりが面白くって、ボクもノボリも思わず笑っちゃった!
「ふふっ、お二人がバトルサブウェイにご乗車したら
きっとトレーナー達も張り切っておもてなしをするでしょう。」
「うん、いつも以上にすっごいバトルをしてくれると思う。
バトル好きなら、いつでも大歓迎!」
ボクとノボリは立ち上がって、グリーンとレッドの前に並ぶ。
そして、いつも地下鉄でお客様にするように一礼する。
「「ご乗車、お待ちしております。」」