二章・初志貫徹編
主任、手札を晒す。
俺が手伝うって事で、天井裏に潜っていたが
ライブキャスターを見ながら点検口から降りてきた。
「、今日はもう上がっちゃって。
後はが来ないと出来ないから。それと材料の請求朝一で頼むね。
あ、にさっさと来いやー!って言っといて。」
「もうこんな時間か…。材料の発注は追加分で連絡すりゃ良いんだな?
の奴、どんだけボス達と話し込んでんだ?すぐにこさせるから待ってろ。」
床の上に散らばった材料を片付けて、エントランスの隅に纏めてから
それじゃあってんで、俺は先に帰るために執務室に戻った。
ノックをして、ドアを開ければそこにはジャッキーもいて
全員が深刻な顔をしてやがるんだが、問題でも発生したのか?
「ボス達、お疲れ様です。課長、が仕事が進まないと言ってます。
至急エントランスに向かって仕事を始めないと、計画通りに終わらないよ?」
「丁度良い所に帰ってきたな。ちょっと帰る前に話を聞いてくれ。
三人共、これは俺よりの方がうってつけですんで任せます。」
ちょっと待て!何がうってつけかは知らねぇが、めんどくせぇ事だろう?
こいつは、いつも何かあると俺にこうやって押し付けるんだ。
ジロリと睨んでも、全く効果はないみてぇにしては仕事に向かった。
「…で?俺がうってつけって内容を聞かせてもらえるのかな?」
ため息混じりで、道具袋を腰から外してボス達のデスクに近づけば
ジャッキーが、パソコンで動画を再生した。
…これは…いつの間に撮られたんだ?
「エントランスでの騒動に紛れて、一般のお客様が撮影してたみたいです。
それが、動画サイトにアップされていたんですよ。
今は、こっちが要請して既に削除されているので閲覧不可になってますが…」
「再生数が結構だった。これって多分マスコミの人達の目にも入ってると思う。
後ね、明日の朝のニュースで一部のテレビ局が今回の事を報道するらしい。」
映像にはブレブレだが、俺とがバトルしてる姿がしっかり映っていた。
立ち入り禁止にするまでの間、エントランスにはかなりの野次馬がいたしな。
「それと、この件は既に警察に届けております。
示談になるかはわかりませんが、明日貴方とにも警察から
事情聴取のため、出頭して欲しいと要請を受けておりますのでお願いします。」
事情聴取とかめんどくせぇんだが、そうも言ってられる状況じゃねぇ。
これは、しばらくの間マスコミが煩くなりそうだな。
「あのバトルが撮られてたのは計算外だけど、別に大した問題じゃないかな?
幸いに、トレーナー達の挑発の所から映ってたわけだし。
俺等のやった事を、ポケモンの虐待だとは受け止められてはいないでしょう?」
「うん、むしろ人間に化けたゾロアーク?とか言われてた!
それと、ダブルの無敗バトルトレーナー半端ねぇ!だって!」
「確かに服装が違ってても顔が映ってるから、それも仕方ないかな?
むしろ、逆手にとって集客率アップの宣伝にできるかもしれないね。
明日にでも、広報にちょっと相談でもしてこようか。
って、冗談はこの位にしておくよ。
ボス達、後ジャッキーも、これからの話を聞いて欲しいんだ。」
俺は、今回の件でマスコミが騒いでくれた方が助かる事を説明した。
元々愛護団体とバトル施設の問題は昔からあった事で、珍しくもないが
イッシュじゃ人気者のマスコミ嫌いのボス達が絡んでるとあれば
これに食いつかないわけがねぇからな。
俺はデスクの引き出しから今日届いた書籍を取り出して、ボス達に見せた。
ボス達へのインタビューの掲載されたポケモンだいすきクラブの最新の会報で
『検証!各地方のバトル施設を徹底比較!!』
と、大きく書かれている。
内容は、他地方のバトル施設のトップのインタビューも掲載されていて
質問内容は、全てボス達が聞かれた内容で統一されている。
その中でもここ、バトルサブウェイが一番大きく取り上げられているんだ。
バトル施設という枠を超えてもポケモン達への待遇が良い施設。
職員達の愛情深さ、捨てポケモンに対する啓蒙活動と保護施設への援助
全てにおいて賞賛の言葉が並び立てられていた。
それだけじゃない、だいすきクラブ公認の優良企業としての登録も検討してる。
文末にはそう書かれている。
更に、ライブキャスターに入ったからの情報を見せる。
セカンドちゃんねるに上がってる、この騒動についての一般人の反応で、
この雑誌の内容は既にが匿名で投下済み。
おかげで、ここの施設への同情票みたいなものが凄くなっているらしい。
「…ねぇ、このタイミングでこの会報が発行されてるのって…」
「だいすきクラブのイッシュ支部長はトツカさんでしたね。
以前、お話する機会があったのでこんな企画は?とは言いました。
後テレビで報道されるにしても、コメンテーターが必ず登場しますよね?
恐らくは、有名なだいすきクラブから選出されるでしょう。
その事を考慮しても、批判されるのはどちらか?決まった様なものだよ。」
一応今回の騒動が起きてすぐに、トツカさんには連絡を入れておいた。
ご意見番としてコメントを求められるかもしれないと言えば
事実をそのまま話せば、どちらが正しいかわかる事だと笑われた。
俺達は既にすげぇ後ろ盾をもってたんだ。
それも全てはここの施設の経営姿勢の成せるわざ、つまりボス達のおかげだ。
「全く、貴方は一体どこまで先を見通して動けるのでしょう!
ですが、それは私達も是非とも見習わせていただきとうございます。」
「正直言って、これはダブルバトルやマルチバトルに通じるものがありますよ。
どれだけの手札があるのか、今はどういう状況か、それを読み取って
今後の相手の動きも読み取って、その手札を配置すれば良いんです。
白ボス、それは貴方が一番得意とする分野じゃないのかな?」
「あぁ、そっか!うん、そういう風に考えれば楽しくなりそうかも。
、残りの手札を教えて?これから色々周りが煩くなるのは確定してる。
でも、それすらも使わせてもらう。まずは向こうの愛護団体を叩くから。」
「叩くだけじゃ駄目ですね。ここの会員は元プラズマ団の人間が多いんです。
どんな些細なものでも、不安要素は早急に排除すべき…そうでしょう?
大人しくしてればいいものを、先に粉をかけてきたのは向こうですからね
どんな目にあったって、文句を言える立場じゃ無いでしょう。」
ボス達の顔がバトルの時と同じ様に変わった。
なんでもモノは考え方次第なんだよ。使えるものを使うのは常識じゃねぇか。
ついでに、俺は向こうの連中のやり口についても話しておく。
自作自演で自滅するんだ、いい笑いものになるだろうよ。
「成程、そういう事でございましたか。
相変わらず下衆の極みでございますね。それならばこちらも徹底抗戦して
問題はございませんでしょうから、派手にやらせていただきましょう。」
「うん、言ってる事とやってる事が正反対とかふざけてるよね。
こんな団体にいるトレーナーのポケモン達を、保護しなくちゃって思う位。」
「確かにその通りです!ボス達、ネット関係の操作はボク達が担当します。
ギアステに同情票を集めて、向こうを晒してみせますよ?」
ジャッキーの笑顔が怖ぇぞ!
物静かな奴程、怒らせると手に負えねぇってのはシンゲン部長で
実証済みだからな、カッ飛ばねぇ事を祈らせてもらうか。
「足がつかない様に気をつけてね。うん、ボク逹は被害者ぶってみるかな?
相手を褒め殺し?それも楽しいかもしんない!」
プラズマ団と聞いて、三人の視線が更に険しくなった。
過去に色々とトラブルがあったみたいだから、仕方がないんだろうが
それを除いても、今回の件はボス達に任せてしまっても問題はねぇだろうよ。
「取り敢えず、一番大きな手札はこの会報。
そして、だいすきクラブっていう後ろ盾ですね。
それ以外としては、非常に不本意だけど俺逹の顔が出たんだったら
俺とも手札に加えられるかもしれないよ?
どうせマスコミは、そんな事をやった人物を調べるだろうからね
そうすれば、俺達の経歴なんか簡単にわかるだろうから。」
「二人を手札に加えたくはありません。
貴方逹は部下です。部下を守るのが私たちの役目なのですよ?」
「うん、そして友達なんだからね?そんな事必要ない位の対応をする。
ボク逹はサブウェイマスター、このバトルにも勝利してみせるから!」
「えぇ、すっごいバトルを期待しているからね。
後、乗りかかったバトルトレインなんだから、援護ぐらいはさせて欲しいな。」
俺の援護が怖いとか言って三人に笑われたがな、中途半端をしねぇだけだよ。
元はと言えば、最初に色々と手を出したのは俺なんだ。
最後までやらなきゃ、それこそじゃねぇが筋が通らねぇだろうよ。