二章・初志貫徹編 -目指すは勝利、賭けろ!大食い選手権-

二章・初志貫徹編

目指すは勝利、賭けろ!大食い選手権



ダブルトレインを勝利で終わらせて、執務室に戻る途中で

図面を抱えて、小走りで横切ったが見えたから声をかけた。



「あれ、?もうお昼休憩の時間だけどまだ仕事なの?」



ボクの声に振り向いたの顔色が良くなくってビックリした。

なんだろ…ちょっと青白くなってる?



「あ、お疲れ様です!バトルはどうでしたか白ボス?

私はちょっとこの図面を運んでからご飯に入るつもりです。」



そのまま並んで一緒に歩いていたんだけど、やっぱり気になったから

もう一度、今度は覗き込む様にして顔を見てみる。

ボクの考えてる事がわかったみたいで、がそっぽむいたって事は

自分でも自覚してるって事だよね?



「…白ボス、あんまり女の人の顔を凝視するのは良くないですよー。

色々化粧崩れとか、口紅ハゲてるとか?バレるじゃないですか。」



「そういえば、化粧なんて珍しい?

でもファンデーションが白すぎ。これじゃ顔色が悪く見える。」



あ、化粧なんだ。でもが仕事で化粧してるなんて初めてかも?

化粧崩れもしてないし、口紅もハゲてないけどそれだけが気になった。



「あー、やっぱり?イッシュのファンデは色が合わないんですよねー。

えっと、黒ボスには内緒にしてもらえます?

実はちょっと寝不足で目の下にガッツリと隈が出来ちゃってるんです。」



あ、やっぱりそういうのを誤魔化すのに化粧してたんだ?

顔色はともかく、隈はしっかり消えてるから化粧って便利だよね。



「寝不足になる位何してるの?

ってか、そんな事してたら仕事に影響でるから寝なきゃ駄目。

いつもの就業後のマルチバトル、暫くお休みにするから寝て?」



「いやいや、バトルはストレス発散、息抜きなんでやめたくないです!

後2日位すれば落ち着くんで、そうしたらガッツリ寝させてもらいます。」



未だに勝ち越すことができないバトルを息抜きとか言われると凹む。

あれからずっと、何かあった以外は続けてる。

三人はやっぱり本気の子を出してないんだけど

それでも逹に勝ち越す事ができないってのが、すっごく悔しい!



「…睡眠時間を取れない様な日々との事でございますが、食事は?

勿論、三食しっかり食べてらっしゃるのですよね?」



いきなり後ろから声がして、とビックリして振り向けば

後ろで手を組んでるノボリがいた。

眉間に皺が出来てるから、今の話聞いてたかもしんない。



「えーっと、お疲れ様です?黒ボスもバトルの帰りですか?」



「ノボリお疲れ!あのね、いつからボク達の話聞いていたの?」



「二人共お疲れ様でございます。私はスーパーシングルの帰りに

二人を見かけたので驚かそうと、そっと近づいておりました。

そうですね…のイッシュのファンデが合わないからでしょうか?

それで、食事はキチンと摂ってるのですよね?」



それって、ほぼ最初からって言うんだよ!

あー、の目がすっごく泳いでるし。うん、でも諦めたほうが良い。



「そーですねぇ…それなりに食べてます?」



「そこで疑問形になる事自体がおかしいでしょう!

まさか、また栄養ゼリーや固形の携帯食ですませてるのでございますか?」



「いえいえ!ちゃんとそれなりのご飯は食べてますってば。

これからだって、食堂にご飯食べに行くんですから大丈夫です!」



ボクもノボリと同じ心配してたから、そうじゃないってわかって安心した!

そういえば、達は食堂のご飯が美味しいからって

弁当をやめたんだっけ…今日はボク達も弁当じゃないから丁度良いや。



「ねぇねぇ、ボク達も今日は食堂に行くんだけど

これから一緒にランチしない?が食べる分位なら奢ってあげるよ?」



「マジですか?タダ飯は更に美味しいですから遠慮はしませんよ?

でも私、かなり食べますけど大丈夫ですか?」



「それはよろしい提案でございますね、クダリ。

私達は貴女にランチを奢った位で、薄くなる様な財布は持っておりませんよ?」



「んじゃ、決まり。

執務室に戻って、達もいたら一緒に誘っちゃおう。」



執務室に戻ってみれば、の姿はなかった。



「二人共、先に食堂に行ってるかもしんないから行こっか。」



「そうでございますね、この時間でしたら席もあるでしょう。

、本日の特Aランチは特盛これでもか!プレート(デザート付き)ですよ。」



「うわーい!そのプレートのデザートはパフェなんで食べたいです!」



大の男でもやっと食べれる量のそれを、はペロリと平らげるんだよね。

最初それを見たときは、ボクもノボリもすっごくビックリした!

でも、美味しそうにたくさん食べる人は男でも女でも見ていて気持ち良いよね。

が自分の席に図面を置いてから、ボク達は食堂へ向かった。



「…随分と騒がしい様でございますが、何かあったのでしょうか?」



食堂に来てみれば、なんだか凄くざわついてる。

そして、ある場所に人だかりが出来てるからそっちに行ってみれば

その中心にテーブルに座っているの姿が見えた。



何やってるの?ってかこの人だかりと騒ぎはどうしたの?」



「お隣に座ってらっしゃるのは、確か整備班のマルチ担当の方でございますね

お二人共揃ってどうされたのでございますか?」



ボク達の言葉に周囲の声が少し静かになった。

の傍で立ったままでいるがボク達に笑いながら教えてくれた。



「両ボスたちもこれからランチかな?

いえ、これからちょっと大食い選手権?そんなのをやる予定なんですよ。

勝者には向こう1ヶ月間の特Aランチ券進呈です。

そして俺は整備班の皆と別口で同じ内容で賭けをしてる所でしてね。」



「両ボスともお疲れ様っす!

そうだ、ボス達ものりませんか?今のレートはに賭けてるのはだけ

まぁ、特Aランチ2人前での賭けだからオレ等の勝ちは見えてるっす!」



うわー、確かこの整備班の人って大食いで有名だったんだよね。

ライモンシティでやってたホットドッグ早食い大会にも参加してたっけ。

勝負と名前のつくものは勝ちたくなるのは当たり前で

だからここはそっちに賭けるのがいいかもしんないけど、は違った。



「はいはーい!私は…じゃなくて、課長が勝つに賭けまっす!

そうですね…スペシャルデザートの食券1ヶ月分とかどうですか?」



その提案に周囲がどよめいた。

これは身内贔屓なのかなって思っての顔をみたら

いつも、マルチバトルで見る様な自信満々の顔をしていた。

これはきっと何か勝機があるのかもしんない…だったらボクの取る道はひとつだ。



「本来、この様な賭け事は止めるのが上司として当然ではございますが…

勝負であれば例外という事にいたしましょうか。

私もが勝つ方に、持ち帰り用の特製弁当1ヶ月分を賭けましょう。」



「ボクもが勝つに、ギアステスペシャル高級アソート詰合せ賭ける。」



更にボク達二人共がに賭けたから一層周囲がざわめいた。



「さて、これで賭けのレートはお互いにイーブンになったね。

丁度ランチができたみたいだから、早速始めようか。」



「おーっす!気合入れて作ってやったんだからな。

食べ残したり、食物を粗末にしたら、向こう1ヶ月出入り禁止だぞ!

それじゃ、俺がスタートの合図をさせてもらうがいいよな?レディー…GO!!」



テーブルに座ってる二人が頷いて、スタートの号令がかけられた。

すっごい勢いで食べ始めた整備班の人とは対照的に

両手を合わせて、カントーの風習の食前の挨拶をしてから食べ始めた。


観戦してる他の職員達は、食事が終わってるみたいだったから

達の向かいに座って、ボク達もランチを頼んで食べる事にした。



「うおー、マジか?!がこのスピードについてこれるとか…

こいつは中々いい勝負になるんじゃねぇか?」



ボク達の前にも特Aランチが出されたから食べ始める。

でも、ボク逹は早食いする必要がないから、味わって食べる。


それにしても、食べるスピードが二人共半端じゃない。

これはホントに良い勝負って思ったときに変化が出始める。

だんだん整備班の人のペースが遅れてきた。

は全然ペースが変わんないからその差は徐々に広がっていった。



「ごちそうさまでした。」



が食べ終わって両手を合わせた時、整備班の人のプレートは

まだ半分近く残っていた。ってか、この量を2人前でこの時間?

有り得ないってビックリしたのはボクだけじゃなくて

を覗いて、全員がすっごく驚いた顔をしていた。



「うわーい!これで、うんと…4ヶ月分?特Aランチが食べれるぞー!」



ボク達よりかなり早くに食べ終わったが追加のパフェを食べながら叫ぶ。

あのね、ボク達結構食べる方だと自分で思ってたんだけど

その更に上をいって、平気な顔してるにもボク逹は驚いてるんだよ?



「いやぁ、完敗だぁ。課長のその細い身体に騙されたっすよー。

課長ならホットドッグの早食いでも良いトコ行けるっす!」



「俺なんかよりを誘った方が良いと思うぞ?

保全管理課の中で一番食うのはこいつなんだからな。」



あれだけの量を食べてるのに、食後のコーヒーをのんびり飲みながら

の隣に座っているを指さした。

周囲の視線を一気に浴びても、全然気にした感じじゃなくは笑ってる。



「フフッ…否定はしないよ?

でも俺は食事は味わって食べる方だから、時間無制限じゃないとね。」



…じゃないや、主任は底なしの胃袋だもんねー。

でもさ、ホットドッグって食べ物?うちらは違うと思ってたんだけど??」



の発言でざわついていた食堂が静まり返っちゃった。

本人はそれにビックリしてるけど、ボク逹はその発言にビックリだよ!



「…皆さん、聞きたいけど怖くて聞けない様でございますので

私が代わりにお聞きいたしましょうか…食べ物ではなくて?」



ノボリが、食後のコーヒーを一口飲んでから聞いてみれば

三人で顔を見合わせてから、揃った声で答えてくれた。



「「「ホットドッグは飲み物(だろう?)(だよ。)(です!)」」」



違うと皆が一斉にツッコミを入れたのは、間違いじゃないと思う。

それに三人が不思議そうな顔をしてる方が間違いだと思うんだけど!



そう言えば、ボクもノボリも賭けには勝ったんだっけ。

4ヶ月も、特Aランチを食べれるのはちょっと嬉しいかもしんない。

今度、またこんな賭けがあったらと思うけど

圧倒的な強さを見せる相手に挑むチャレンジャーはいないんだろうな。