二章・東奔西走編 -システムとウィルスとエンジニア達-

二章・東奔西走編

システムとウィルスとエンジニア達



がダブルに挑戦するのを、いい加減にしやがれと止めた俺は

白ボスにむちゃくちゃ感謝された。

チビ達はそんな騒ぎの中でもグッスリ眠っていやがるし

将来大物になりそうだな!


未だにブチブチ文句を言うにココアを渡して

(授乳中はカフェインはやめた方がいいからな。)一息つかせる。



「さて、の手持ちはこっちにテレポート可能になったか?」



「あ、うん!その辺はバッチリだよん。ウチの子優秀だもん。

んで、システム管理についてちょっとサブウェイマスターさん達に

相談しようと思ったんだよね。」



こいつにシステム管理を任せると防御対策は完璧になる。

システム管理と言う言葉に、両ボスの顔が引き締まる。



「以前、サブウェイジャックがあったでしょ?

システム強化はされてるっぽいけど、まだまだって感じなんだよね。

だからここの責任者さんも交えて

ちょーっと改良したいと思ってるんだけど、どーします?」



「ちょっとお待ちくださいまし。例の一件以来、システム強化と

ハッキング対策はかなり強化しております。

それでも、まだ足りないと言う事でございますか?」



「ボク達も、システム管理についてはそれなりの知識を持ってる。

その目で見ても、ここのシステムにハッキングするのは簡単じゃない。」



確かに、一般の企業に比べたら段違いの防御をしてると思うが

それでも足りねぇモンは足りねぇんだよ。



「ですが、俺の知識でも先日ハッキングが可能でしたよ?

その件はジャッキーの目の前で改善させたので今は問題ありません。

だけどね、両ボス。よく考えて欲しいですね、やりすぎって事は無い。

むしろ、どれだけやったってこの件は良い位だと思うんだけどね。」



あーって顔をして、両ボスが互いの顔を見ている。

一般人の生命をも預かる場所だから、強化は必要じゃねぇのか?



「もっちろん、トップの二人が駄目って言うならやめますよー。

別にそこまでする義理はないんだしー。

たん、、大親友のちゃんのいる場所だから

三人が面倒事に巻き込まれるのが嫌だから言ってるだけですしー。」



「…確かに、の言うとおりでございます。

では様、中央管制室にご案内しますので、よろしいでしょうか?」



「よろしーですよん!んじゃちゃん、また子供ヨロシクー。」



「ほいほい。ベビーシッターなら任せろ!

両ボス、色々と不安なのもわかります。ですがちゃんが

システム管理に携わった所は、ハッキングされません。

その実力は国際警察のお墨付きなので、どうか信じて下さい。」



、勘違いしないで。を信じてない訳じゃ無い。

ただ、やっぱりボク達はまだまだ甘いんだなって思っただけ。

それじゃ行ってくるけど、何かあったらインカムで呼んでね。」



を挟んで両隣に立って、ボス達は部屋を出た。

両手に花!逆ハーレム万歳!!とか、アイツも相変わらずだな。

結婚して、ガキまでいるなら、ちったぁ落ち着けって言うんだ。

なんにせよ、これで俺が引っ掛かってる事がハッキリするだろう。



「いやー、子供は可愛いって言うけどさ

その間に挟まれたウチの子も、マジで可愛いわー。」



が応接室のソファーに寝てるチビの間で、

寝ているネイティを見て、ウットリしてやがるし…

だが、可愛さだったら俺の子だって負けてねぇからな。

ボールからリングマとヒメグマを出して、ネイティを挟むように座らせる。

2匹ともキョトンとこっちを見てやがるが、それがまた可愛いじゃねぇか!



、グッジョブ!きゃー!もうこの可愛さは何?!

写メだ、写メを撮って待受に使う!」



俺も勿論写メった。メインは勿論俺の子達だがな。

それを見て、が呆れた様な顔してやがるが、無視だ無視。



『保全管理課の、いらっしゃいましたら中央管制室へ

中央管制室まで至急いらしてくださいまし。』



突然、インカムから黒ボスの俺を呼ぶ声が聞こえた。

嫌な予感が当たってるって事なのかどうかは、行ってみねぇとわからないか。

溜息をついてから、椅子に掛けておいた作業服の上着を着る。



「んじゃ、行ってくる。もし時間が掛かるようなら

ギーマさんに連絡しといた方が良いんじゃねぇか?」



「そっちの件は任せておけ。お前は向こうをしっかり頼むぞ。」



了解の意味を込めて片手を挙げて、部屋を出た。

中央管制室に行くには、ちょいと道順がめんどくせぇんだよな。

エレベーターに乗り込み、社員証を読み込ませてから

予め登録しておいた番号を、ボタンを使って入力する。

すると電光掲示板の行き先が消えて、ゆっくりとエレベータが動き出した。


エレベーターのドアが開き、その後の廊下のチェックを同じ様に

社員証と、登録してある別な番号を入力して通ればやっとドアの前に着く。

同じ様な動作を繰り返して、ドアを開ければを中心にして

管制室の連中が集まっていた。…嫌な予感ほど当たりやがるってか。



「あ、さん!態々お呼び出ししちゃってすみません。

以前言っていた件ですけど、やっぱりガッツリ食い込んでるみたいです。」



ジャッキーが俺を見て情けない笑いを浮かべているが、仕方ねぇだろうな。

以前のハッキングの跡なんだが、ウィルスのオマケ付きなんだからな。



「で?はこれがどんなもんなのかわかったのか?」



「うん、やっかいだよー。システムの総乗っ取りのウィルスだよん。

これって、前回のプラズマ団絡みだっけ?その時に仕込まれちゃってる。

んで、やっかいなのは他の機能を巻き込んじゃってて駆除できないっぽ。

下手にやると、全機能が停止してブラックアウトで乙!って感じ?」



状況は俺が想像してる遥か斜め上を行きやがってたか。

だが、解決法が無いわけじゃねぇんだろう、ジャッキーと

なんだか色々と専門用語を並べ立てて話をしてる。



「成程、ではその様に取り敢えず隔離はしてみます。

そして、バックアップファイルですが…プラズマ団に襲撃された以前のを

ディスクで保管してありますから、それをチェックします。

そちらが問題無いようでしたら、それを使って新規のプログラムを作って

発症と同時に入れ替えるようにすれば宜しいんですね?」



おー、解決案が早速見つかるとか二人共流石だよな。

だが、それってそんな簡単に笑顔で言えるモンじゃねぇだろうが。



「うん、プラズマ団は解散しちゃったんだっけ?

んじゃ、これは眠ったまんまで問題ないんだけどさー。万が一がねー。

発症を促すキーワードについてはこっちでも調べるけど、難しいっぽ。

ジャッキーたんは最悪の場合を想定して動いたほうが良いよん。」



「ジャッキーたんとか、初めて呼ばれましたよ。

フフッ…なんだか擽ったいですね。えぇ、そちらは頑張ります。

本当なら、途中でさんに色々と意見を聞きたいのですが

それは、難しいですよね…残念です。」



二人の話が終わったみたいで、が俺達の傍にやってきた。

その顔はハッキリ言っていつもの、のんびりしたモンじゃねぇ。

こいつも同様、ある意味では職人みたいな意識があるからな。



「んで、サブウェイマスターさん達にお願いなんですけど?

ダーリンに聞いてみて、オッケーでたらの話になっちゃうんですけどー

しばらくこっちでお手伝いしても大丈夫っぽい?」



「ちょっと待って!そりゃ、ボク逹はその方が助かるし嬉しい。

でも、は赤ちゃんもいるしそんな事させらんないでしょ!」



「えぇ、私達としては是否お願いしたい所ではございますが

ギーマ様がそれを許すとはとても思えません。」



の提案に驚いて駄目みてぇな事を言ってるが、本音は頼みてぇんだろ?

ここは素直に好意を受け取れば良いのに、難儀な性分だよな。



「大丈夫ですよん!いざとなったら色仕掛けしちゃえば堕ちるしー。

子供逹の面倒見ながらだって、出来ない事じゃないしー。

子連れで仕事に頑張るなんて、やだ、ちょっとウマーな設定?

後、ちゃんとイチャつきたいんで、邪魔はさせません!キリッ!!」



「あー!もう!!前半に突っ込みたいのと、後半の本音にドン引きしたけど

しょーじき言えば、も一緒だったらジャッキーも心強いと思う。

こっちはともかく、最初にギーマさんのオッケーをちゃんと取って?

話はそれからにした方が良い。家庭を犠牲にするとか許せない。」



「えぇ、私も場所が違っていれば正座で説教したい所でございます!

まずはクダリの言う通り、ギーマ様の了承を得てくださいまし。

四天王の方にご迷惑をかけるわけには参りません。」



「ほいほーい、一度子供達も気になるから戻ってもいい?

ジャッキーたん、多分オッケーもらえるから、そん時はヨロシクねん!

皆さんも、子連れで仕事するけどヨロシクですー。んでは!!」



職員たちに向かって、満面の笑みで手を振るに釣られたのか

全員が笑って手を振るって光景に、俺は笑うのをなんとか我慢した。

こいつのペースに飲まれないってのは、かなり苦労するからな。

両ボスも溜息つきながらも、仕方ないって顔で苦笑いしてやがるし。


執務室では、丁度チビ達が起きたみたいでが相手をしていた。



「おっかえりー、ちゃん子供逹は問題なかったよー。

ボス達も色々お疲れ様だったでしょ?うん、今コーヒーいれますね。」



ちゃんもも、ありがとん!

んとね、ちょっと色々とダーリンにお願いしたい事が出来たから

このまま帰るけどまたすぐ来るから、そん時はもっとラブラブしよーね!」



はボールからケーシィを出してから、子供達を器用に抱き上げる。

思い立ったら即行動とか相変わらずで笑っちまう。



「ほえ?うん、それは大歓迎だよ?

もう帰っちゃうのは寂しいけど、ギーマさんによろしくね。」



「オレも寂しーぜ、マイハニー!!なーんて冗談は置いといて。

んじゃサブウェイマスターさん達と皆、お邪魔しました!

詳しい話は決まったら、ちゃんにメール入れるんで聞いてちょ。

それじゃ、またねーん!ケーシィ、マイホームへテレポートよろ!」



一瞬で達の身体が霞んで消えた。

チビ達抱えてのテレポートなんて、大丈夫なのか今更ながらに心配になったが

そこはあいつの事だからなんとかしやがるんだろう。



「はー…なんだがすっごく疲れた!

あのテンションの高さは、ボクでもついてけない。」



「私はバトルをしたので更に疲労感倍増でございます。

確かに、様が関わっていただけるなら心強いでしょうが

精神的に色々と苦労するような気がいたします。」



両ボスの言葉に俺達は何も言えなかった…いや言わないでおく。

グッタリとデスクに突っ伏した二人の傍にコーヒーを置いてから

が苦笑いしてるが、俺もも同じ顔をしてるんだろうな。

両ボス、人間は諦めが肝心な時もあるんじゃねぇか?