一章・ギアステ大掃除編
刑事の上司観察
なんだかすげー暖かい空気が部屋を満たしてて、不覚にも感動した。
だってさ、から話を聞いて達がサブマスと仲良くなってるって
言われてたんだけど、実際この目で見るまでは信じらんなかったんだよね。
でも、仲良くなる事は良い事だから良いや!
「さてと、3人の秘密?そんなモンを知ってもらったんで話を進めるぜ。」
「えっと、ノボリさんとクダリさん、明日午後出勤したいんです。
事情徴収を受けるのと、後は被害届を出してきます。」
仕事に支障を出してすみませんとが頭を下げれば
慌てて二人同時に首を振る。
「仕事とかそんな事言ってらんない。
ボク達、が襲われたって聞いた時にもう決めてた。
徹底的にやって欲しいって、その為だったら事件になって表沙汰になっても
構うもんかってノボリとも話してた。」
「えぇ、元々は私達の腑甲斐無さが招いた事でございます。
ですから、例え責任問題に発展しても構わないと覚悟も決めております。」
まぁ、普通ならマスコミが騒ぎ立てそうな内容だからなー。
でも、被害にあったのはだからその心配も無いわけで…
マジでこの計画を立てたの策士っぷりには惚れ惚れするぜ。
「その覚悟は必要ねぇよ。が襲われる事なんざ想定内だ。
で、。諸悪の根源には辿り着けたのか?」
「その辺はバッチリだぜー。
を襲った奴らってのがイッシュのヤングマフィアでさ。
そう言う関係の依頼とか、他にも受けてたりしてたらしいんだよ。
今回の依頼人はその根源、それも初めてってワケじゃない。
この意味、サブウェイマスターさん達ならわかるよな?」
俺が二人を見れば、やっぱりって顔したからわかったんだろうな。
でも、すげー傷ついた顔してるけどさ、それってちょっと違くね?
なにコレ、いい歳ぶっこいてる癖に超甘くね?
「被害者ヅラすんのは勘弁しろよな。ホントの被害者はアンタ達じゃ無い
モテるつーのは自分じゃどうしようも無いかもしんないけどさ、
もっと早くに動かなきゃダメじゃん?認識甘すぎ。
今まで被害にあった子達が可哀想だよ。」
「お前言いすぎだ「、彼の言う通りでゴザイマス。」…インゴ?」
の言葉をぶった切るとかサブウェイボス、強者だな!
成程、こっちはそういうのを重々承知してたってワケね。
パッと見髪と目の色が違う位でよく似た顔してるけど、中身は違うっと。
「ワタクシ達が、散々言ってキタ事の意味をコレで理解シマシタカ?
何ヨリ最優先すべきだった事を、疎かにシタ結果がコレでゴザイマス。
ソノ甘さをオマエ達は反省シナサイ。」
「ここまできちゃったカラネー、十分にわかったと思うケドサ
人間の感情が良い物ばかりジャ無いッテ、二人なら知ってるハズ。
低俗ナ女達が騒ぐのは勝手ダケド、
その為に仕事や周囲に支障を出されてちゃダメデショ。
ボク達の立場を考えレバ、マズハ被害を最小限にしなくちゃネ。
キミ達は誰にでも優しくて誠実ダケド、それが通じない相手もイル。
ダカラこれからは、どうすれば良いかわかったヨネ?」
うわーお、従兄弟だからなのかしんないけどさ、すげー言うよね。
言いだしっぺのオレが言うのもなんだけどさ!
は眉間に皺寄せちゃってるし、は苦笑いしてる。
正論ブチかましだから、当人達も何か言いたいんだろうけど
黙っちゃったよなー。この状態どーすんだよ?
「っちもさ、正義の味方よろしく言い過ぎだと思う。
後、インゴさんも甘さばかり指摘してますけどね。
お二人が色々悩みながらも、動いていた事をご存知だったのでしょう?
そこでちょっとモーション起こして、教える事も出来たんじゃないですか?
当人の問題だからそこまで面倒見れない?自分でやらなきゃ意味が無い?
そこまで言って手を出さないなら口も出すなって感じですよ。」
がサブウェイマスター達の援護にまわるってワケか。
インゴさんがすげー睨んでるけど、全然気にしていないオマエが怖いぜ。
「エメットさんもそんなフォローなんて意味が無いです。
その位ノボリさんもクダリさんも、既に重々理解していますからね。
正直、最初は私も同じ様に思ってましたよ?
何この人達の甘チャンっぷり、有り得ねーって。」
援護違ったー!そういえばこう言う面倒事が大嫌いだったもんな。
は、結構こういう事が放っておけなくて首を突っ込むタイプだし
は気に食わない相手なら、当事者そっちのけで徹底抗戦するタイプだし
オマエは結局、フォローって名前の尻拭いをやらされてたから仕方ないか。
「でも、私達がモーションを起こす事で、それを認めて反省して
その後の事を考えてキチンと動ける人達でもあるんですよ?
二人共馬鹿じゃないですからね、ただ全てにおいて優しすぎるだけ
自分達に関わる物の善し悪しも関係なく、全部守ろうとするその姿勢は
褒められたものではないけど、私達は嫌いじゃない。むしろ好きです。」
空になったグラスにそれぞれビールを注いでから
はおいしい水をコップに注いで一気に飲み干した。
こんだけ喋れば喉も乾くだろーな。
「前にもお二人には言いましたけど、
ミスは誰にでもあります。大事なのは繰り返さない事です。
後は、命が関わっている時は失敗しなきゃ良いんです。
自分達が一番大切な事は何かさえブレなければ、それで良いんです。
あとは自分を貫いてひた走ればオッケー、でしょ?」
うん、上手い事まとめたよな。
サブウェイボス達も最初はすげー不機嫌な顔してたけど、
今はなんだか色々納得した様な顔になって頷いてる。
サブウェイマスター達はを見て情けない顔で笑ってる。
普通の男なら色々言われて怒るだろーに、そういう所は素直に聞けるんだ。
成程ね、これがこの2人の美点でもあるってワケか。
「まぁ、そう言う事だっつーんなら言いすぎた。悪かったな。
オレは弱者の味方だから、どーしてもそっちに肩入れすんだよねー。
アンタ達も色々大変だったと思うけどさ、もうちょっとしたら
全部落ち着くと思うから、それまで我慢しておいてよ。」
「貴方の言っている事は正しいので謝らないでくださいまし。
全てにおいて私達が甘すぎたのでございます。
被害者の方々には本当に申し訳なかったと猛省しております。」
「うん、ボク達が原因なのは紛れもない事実。
そうだ、ボク達も色々動いて被害者の人達の事まとめたんだけど
もし、役に立つなら使って欲しい。」
そういってクダリさんの方かな?が、カバンから分厚い書類を取り出した。
手渡されて見てみたら、今まで被害に遭ってた人達の住所氏名年齢の他に
被害内容とそれに関してのその後の状況、万が一何かあれば証言するって
内容が書かれてあった。
「これってアンタ達が全部やったの?色々大変だったんじゃね?」
俺の傍にサブウェイマスター以外のメンツが集まって書類を見た。
その全員が書類の内容に目を見張る。
普通、一般人ならこんな事しねーし、やろうとも思わねーし!
二人は緩く笑って首を振った。
「全然大変じゃなかった。全員にキチンとゴメンナサイって言いたかったし
ボク達のした事に向き合うのに必要な事。」
「大変だったのはこの方達でございます。
そしてその周囲の方々にも同様にお辛い思いをさせてしまいました。
私達はその全て受け止めるべきだと思い、行動しただけでございます。」
「…甘チャンとか被害者ヅラとか前言撤回するぜ。
普通、こんな事したいと思ってもやらねーし、出来ない。
ホント、アンタ達の事を、知りもしないで色々言ってすまなかった。」
この書類はそれぞれに対峙した相手への謝罪とか反省とかが
現れてるだけじゃない。
文末にはそれぞれの被害者や関係者からの物なんだろうな
それぞれに違う筆跡でこの二人は悪く無い、沢山庇ってもらってたから
責めようとも思わないって書いてある。
きっと色々とやったけど、結果が出なかっただけなんだろうな。
やり方が相手に通じなかっただけで、キチンと動いてたんだ。
こりゃが言った様に、ちゃんとモーション起こして
どうすれば良いか見せる奴がいれば、被害はもっと少なかっただろう。
「この書類を作ったアンタ達とその被害者全員の想いは無駄にしねーよ。
関わった奴ら全員引っ張り出して罪を償ってもらう。」
オレは注いでもらったビールを一気に飲み干した。
胸のつかえが一緒に流されて、なんだかすげー気分が良くなった。
オレの言葉を聞いてサブウェイマスター達は綺麗な顔で笑ってから
ありがとうなんて言ってきた。いや、コレがオレの仕事だし、
当たり前の事なんだけど、改まって言われると嬉しいもんだぜ。
色々キツイ事言ってた従兄弟さん達も結局は心配しての事だし
達に関してはもう放っておけないって感じなんだろうな。
大人になっても、綺麗な心でいられるってのはすげー羨ましい。
やばいな、オレもこの二人が気に入っちまったかもしんない。