一章・共闘!ギアステ大掃除編
双子達の相違点
本日の業務が全て終了し、最近恒例の達とのマルチバトルですが
なぜ、私達が見学に回らなければならないのか、納得できませんでした。
「もう!インゴとエメットも勝手すぎる!
マスタークラスのトレーナーとのバトルなんて確かにあんまり出来ないけど
だからってボク達押しのけて、とか有り得ない!」
クダリの言うとおりでございます。
そもそも、エキシビジョンマッチに向けてのバトル。
私達がしなければ、意味がないではありませんか。
「二人共、本当に彼等がそれだけの為にバトルをすると思ってるのかい?」
が私たちを見て苦笑いしております。
その様におっしゃられるという事は、それ以外にも理由が有るのでしょうか?
クダリと互いに顔を見合わせて、ほかの理由と言うものを考えましたが
全く思い浮かばなくて首を傾げてしまいました。
「ちなみに、彼等にバトルを提案したのは俺等…だからね。
二人共、なかなかに従兄弟思いだね、すぐ、その意図を理解してくれたよ。」
がクスクス笑いながら、バトルフィールドを見つめております。
フィールドでは、案の定たちが流れを掴んでおります。
「しかし、彼等もやっぱり苦労しているね。
もうちょっと、食いついてこれると思ったんだけどなぁ。」
「彼等の手持ちもバトルスタイルも私達と酷似しているのですから、
それは当たり前と言うものでしょう。…私達と同じ…まさか…!」
「…もしかしてインゴたちは達とのバトルで
ボク達に勝利の糸口を教えようとしてる…って事?」
昨日、バトルレコードの映像を見た時にも彼等は言っておりました。
『オマエ達、負けた原因は理解しているのデショウネ?』
『ノボリもクダリもバトルを重ねる度ニ、イイ形になっテルヨ?
勝つ為のポイントを見つけるノモ、段々早くナッテル。』
彼等は私達に足りないものを確かに指摘しておりました。
しかし、それが果たして簡単に出来るのでしょうか?そうは思えません。
事実、私達だってわかっていても負けてしまうのです。
「うわぁ、なにコレ!相討ちとか普段のエメットだったら有り得ない!
インゴがそれをサポートしてるとか信じられないってば。」
のハッサムとエメットのアーケオスが同時に戦闘不能になりました。
えぇ、本来であればインゴがアタックタイプでエメットがサポートタイプ
そのパターンを崩すのを今まで一度も見たことがございません。
「あぁ、そっか。そう言う事だったんだ。
うわー、すっかりの戦略に騙されちゃってたんだ。」
「フフッ、白ボスはもうわかったみたいだね。
つまりはそう言う事なんだよ。そう簡単には出来ないだろうけどね。」
「成程、確かにやの方にばかり目がいっておりました。
そして、自分達のバトルスタイルに固執しすぎておりました。」
「うん、バトル毎の敗因以前の問題はそれに尽きるんだよ。黒ボス。」
つまりはそう言う事でございますか…
『何を一番先にすればいいのか』
この場合はこちらが勝利する場合はの手持ちを倒す事が第一
なぜなら、敗因はいつも彼女の手持ちが関係しているのです。
ですが、バトルが始まればやのポケモンの攻撃力の高さに
どうしても気を取られてしまうのです。
その為にいつものポケモンを後回しにしてしまい
結局はこちらが敗北してしまうのでございます。
『勝つ為なら手段を選ぶな』
私達は通常のバトルスタイルに無意識のうちに固執していたのです。
勝つ為には、自分のスタイルを変える事も辞さない姿勢で挑まなければ
勝利の道がその場で途絶えてしまうのも、当たり前でございます。
私達が何より貫かならねばならない事は、勝利を目指す事なのですから。
「ランチの後の一服の時、にエメットが言ったらしいよ。
ボス達二人と友人だって言うのに意地が悪いよねって。
インゴも、教え方が遠回り過ぎてわかりにくいですよ、ってね。
それにはが答えたんだよ。なんて言ったと思う?」
あぁ、なんとなくですが想像はつきます。
そうですね、貴方達が他の方々と違うのはその点でございました。
「甘えるだけとか、馴れ合うとか、そう言うのはホントの友達じゃない。
ボクは達と、そんな上辺だけの付き合い方はしたくない。」
クダリの言う通りでございます。
えぇ、私もその様な付き合いなど望んではおりません。
「…後は、自分で気付かねば意味が無い…でしょうか?
何事も自分で決めて動かなければ、意味がありません。」
他人に決められたレールを走る事は非常に楽なのは確かでしょう。
ですが、私はその様なものは、真っ平御免でございます。
私の言葉にクダリも頷き、それを見たが満足そうに笑いました。
「俺達がわかりにくいってボス達の従兄弟達は言うけれど、
言った本人達の方がもっとわかりにくいと、俺は思うよ。
言わせてもらうけど、ボス達はあの二人が苦手でしょう?」
やはり、にはモロバレルでございましたか。
えぇ、特に用事が無くてもフラリと現れて、散々引っ掻き回して
帰っていくのです。口を開けば私達を否定する内容ばかりで
その様な言葉など、聞きたくもございませんし聞く価値もありません。
「沈黙は肯定と同じだよ?
総務部長から聞いたんだけどね。彼等は何か有る度に電話をかけて
二人の事を聞いてくるらしい。今回も例の件での懲戒解雇の情報が
伝わってきて、慌てた様子で電話がかかってきたと言っていたよ。」
成程、以前の私達であれば、懲戒解雇等考えられませんでしたから。
この件に関してはあの従兄弟達からも散々色々と言われておりました。
ですが私達は、その言葉のままに行動する事はしませんでした。
私達は彼等の様に不用なものを全て切り捨てるという風には出来ません。
その様に割り切る事が出来ない私達を、いつも甘いとも言っておりました。
「あの二人は仕事には徹底して厳しい。
今回の事も前から色々言ってたけど、ボク達はそれが出来なかった。」
「それを急にやりだしたから、驚いたんだろうね。
そして、それを仕向けている、自分達の知らない人物がいる。
彼等の目的は俺等の仕事ではなく、俺等自身の視察という事です。
人の良い貴方達が騙されているのでは無いか…ってね。」
あの従兄弟達がその様に思っているとは想像も出来ないのですが…
自分のペースを貫き、無駄な物を不要な物を徹底的に排除する
傍若無人なその振る舞いをする、出来る人物でございます。
「貴方達が私達を騙すのなら、もっと上手くやるでしょう。
その様な人物ではないと、彼等も理解したと思いますよ?
そして、私達はそこまでお人好しではございません!
ですが、彼等の様に何事にも徹底して無駄を省く事もできません。
仕事や、それに関わっている人間でさえも容易に切り捨てる等
彼等は簡単にやってのけます。私達はそれが好きではございません。」
「ホントはそうした方が良い。でも、出来るかって言われたら無理。
上に立つ人間には向いてないって二人にはよく言われるけど、
ボク達はそれでもサブウェイマスター。ここの最高責任者。
だから、ボク達はボク達のやり方でここを守ってきた。作り上げてきた。」
私達の話を聞き、は苦笑いをされておりました。
やはり、私達が甘いと呆れられているのでしょうか?
「それはそれで構わないと思うよ。ボス達は彼等じゃない。
俺達は貴方達のそう言う人間臭い所が好きですよ。」
そう言って、はフィールドにいるとを見てから
私達の方へ優しげな笑みを浮かべて振り返りました。
そう面と向かって言われると、気恥ずかしいのですが
自分達のこれまでの行いを、大切に思っている友人達が理解して
認めてくれるという事は、なんにせよ嬉しものでございます。