一章・共闘!ギアステ大掃除編
黒い上司はご機嫌斜め
朝礼を終わらせて執務室に入ったら、フワリと紅茶の香りがした。
が戻ってきたのかな?と思ったらソファーに座ってインゴが
飲んでるだけだった。そう言えばインゴはコーヒー苦手だったもんね。
「、私達の不在中に何か…ございましたね。がこられましたか?」
え?天井裏で仕事してるからこっちに来ないとか言ってたのに?
振り返ってノボリを見たら、書類を手にして眉間に皺寄せてる…
うわー、ボク達に会わない様にって朝礼の間に書類届けに来たの?
怪我した姿を見せたくなくてなんだろうけど、水臭い!
「鬼の居ぬ間に…と、おっしゃってオリマシタ。
顔の傷は少々腫れが残っている位で、それほど心配は無いデショウ。
、この茶葉は香りが花の様で気に入りマシタ。
自宅で楽しみたいノデ、どこで買われたモノか教えて頂けマセンカ?」
インゴ、と会ったの?!って、ここに残ってたんだから当たり前か。
でも、怪我が大した事なさそうでちょっと安心!
「…インゴ、貴方随分とと親しくなられたのですね。
私達のいない間に何がありました?全部白状しやがれでございます。」
ノボリ、いつもの仏頂面プラス眉間に皺とかやめて欲しい。
そんな顔見たらチャレンジャーさんが途中下車しちゃう。
その位怖い顔、ポケモンの技よりもずっとこっちの方が怖いってば!
「その茶葉はがシンオウから持ってきた物じゃないかな?
ただ、あいつはそういう物は大抵ネットで買っていたはずだから
後から聞いてみると良いよ。
黒ボス、眉間の皺が凄い事になってて、跡が残りそうですよ?
別に何もありませんでしたよ。今までの大掃除の経過を話した位ですね。」
「エェ、そしてユノーヴァに正職員として勧誘した位でゴザイマス。」
ちょーっと待って!なにそれ、そんな事サラッと言わないで欲しい。
そう言えば、いつもは煩いエメットが随分静か。
不思議に思って見たら、何だかソファーに座って胃の辺りを押さえてる。
「エメット、どーしたの?エメットが静かだと気持ち悪いんだけど。
どっか具合悪い?それなら家に帰って寝ててもいいよ?つーか帰れ。」
「それって酷くナイ?ちょっとdamage受けて回復しきれて無いダケ。
もうちょっとしたら、落ち着くから大丈夫ダヨ。」
「オマエのソレは自業自得デス。
に手加減してもらえたダケデモ感謝するべきデショウネ。
クダリ、愚弟の事ナド放置で十分でゴザイマスヨ?」
いや、今放置できない内容を聞いた様な気がするんだけど。
ノボリがフラリとデスクから離れてエメットの傍にやってきた。
あー、エメットに死亡フラグたったかもしんない。
「エメット…私、昨晩言いませんでしたか?余計な事をしやがったら
全力で粛清すると…それでもやりやがるとか、上等だコラでございます。」
「Stop!ノボリ痛いッテバ、頭割れちゃう、割れちゃうヨ!!」
エメットの頭を掴んでホンキで力入れてるノボリが怖すぎる!
「元よりそのつもりでございますが、何か?
いっそ、腐りきった中身を出し切った方がスッキリして宜しいでしょう。」
「おーい、黒ボス。ここでスプラッタとか洒落にならないぞ。
、ちょっと説明頼む。が、何かやらかしたのか?」
ボクも聞きたい。エメットが何か叫んでるけど、今はこっちの方が大事!
「エメットがにいたずらしようとしただけなんだけどね。
タイミング悪くスイッチが入ったあいつの、鳩尾に肘つきの出足払いがね…
流石に途中で手加減もしたし、彼も防御体制とったから助かったよ。
投げ飛ばした場所もソファーだったしね。」
「に落ち度はゴザイマセン。浅慮な愚弟が諸悪の根源でゴザイマス。
昨日暴漢に襲われたナラバ仕方がない事、当然の結果でショウネ。
ノボリ、馬鹿に構いすぎルト移りマス。そろそろ離れナサイ。」
額に手を当てて首を振るに、インゴがサーバーからコーヒーを渡した。
オマケにボクにまでくれたよ?!うわー、どう言う心境の変化なの?
そしてノボリにまで…怖い、怒ったノボリよりインゴの方が怖いよ!
「…インゴ、貴方は何を企んでらっしゃるのですか?
これ以上、こちらを引っ掻き回す事は迷惑でございます。」
「早く視察に移りたいダケで、お前の迷惑ナド知った事ではアリマセン。
、本日の業務にワタクシも同行させてモライマス。
計画書類と本日の場所とソノ内容を聞かせて下サイ。
エメット、お前もいつまでそうやってサボっているつもりデスカ?」
ノボリの怖い顔もインゴには効果はないっていうか、無視してるよ!
インゴはから渡された書類を見ながら色々と聞いて頷いてる。
ノボリは空になったカップを握りつぶしてゴミ箱に投げつけるし。
これから一緒に仕事をするボクの身にもなって欲しいよ、ホントに。
「黒ボス、には俺も言っておく。
あいつは余計な心配かけたくないからって誤魔化したり、隠したりする事が
一番心配かける事なんだってのを理解してないからね。
本当に怪我自体は問題ないよ。治療した俺が言うんだから間違いない。」
「…の言うことは尤もな事なのは理解しております。
今は勤務中で彼女は、私の部下で仕事の邪魔をされたくないと…
ですが、私は…それでも私は…」
そっか、ノボリはが自分と会うのを避けてるのが嫌なんだ。
勿論それは嫌われてるとかじゃないってわかってるけど、理屈じゃない。
今までも似たような事をされてきたから、それがトラウマっぽくなって
ノボリを凄く不安にさせてるのかもしんない。
「黒ボス、今からちょっと仕事モードをoffにさせてもらうよ。
つまり、ノボリはに避けられてるのが堪えてるんだろ?
あぁ、無理に言葉にしなくても大丈夫だ。わかってる。
それについてはあいつが全面的に悪いから、ちょっと待ってろ。」
がインカムを操作して音声を切り替えた。
「、事務所にツラ出せ。」
『、何かあった?出せるようなツラじゃないんだけど。』
「5分以内に来なかったら、のパソコンに入ってる
から送られてきた、てめぇの素っ裸の画像をここで公開するぞ。」
『ギャー!アレか?アレなのか?!つーか、なんでが持ってるのー?!
行きます!行くから、それはマジでやめてちょーだいっ!!』
…素っ裸のって言葉に、以外の全員が反応したのは仕方ないよね。
エメットがに見せてって迫ってるし。もがオッケーすれば
良いですよとか言わないで欲しい。でも、ボクもちょっと見たいかも。
の呼び出しから3分くらいでが凄い勢いで執務室に入ってきた。
あー、息切れして膝ついちゃうとか、どんだけ急いできたんだろ。
「…の…鬼畜眼鏡っ!構内は走れないし、マスクで息苦しいし…
マジで死ぬ…かと、思った…わぁあああっ!!」
「それでもツナギは脱いでくる余裕はあったんじゃねぇか。
んで、てめぇ黒ボスに何か言う事無いか?あるよな?」
ってホントに容赦ないよね。インゴとエメットが固まってるよ。
は苦笑いしてるから、コレっていつもの事なんだろうな。
ノボリはちょっと何か考えた後での傍にきてしゃがみ込んだ。
その手がマスクを外すと口の端が赤黒く変色してちょっと腫れてる。
怪我自体は大した事なさそうだけど、問題はそんな事じゃない。
「あー、黒ボス。避ける様な真似してすみませんでした。
でも、流石にちょっとこの顔を見られるのは嫌だったんですよ。
恥ずかしいというか、情けないというか…まぁ、そんな感じです。」
ノボリの手がの背中にまわってギュッと抱きしめる形になる。
インゴとエメットがすっごく驚いちゃってるけど、ボクも驚いた!
「どの様な姿になろうとはでしょう?
貴女は私達が無職になっても友人だとおっしゃったではないですか。
私も同じです。外見が変わろうと貴女は私の大切な友人なのですよ。
だから、私を避けるような事は金輪際おやめくださいまし。
大した怪我で無くて良かった。ご無事で本当に良かった!」
の顔がこの前見た時みたいに泣きそうになった。
でもすぐに首を振っていつもの表情に戻っちゃった。
「うん、ノボリさんを避けるとか、もうしないです。
ぶっちゃけると、怪我した時にノボリさんの顔が浮かんだんですよ。
あー、これはまた正座してお説教喰らわなきゃいけないのかなって。
そんなのもあって、ちょっと会いたくなかったり…?」
あ、今度はノボリの顔が変わった。
そのままを抱きしめる力を強くしてるし。
もさ、余計な事言って自分で自分の首をよく絞めてるよね。
「…成程、ご自覚はあったのでございますね。
私、何度も申し上げておりましたよね?もっと自分を大切にしろと。
いい加減学習しても宜しいのではございませんか?」
「ぎゃー!締まってる締まってる!
背骨がミシミシ言ってるので勘弁して下さい。マジですんませんでしたー!」
「ノボリ、一応女のコ。だからそんな力入れるとかやめた方がいい。」
ももやれやれって顔で、二人を苦笑いしながら見てるし、
インゴとエメットは、なんだかちょっと面白くなさそう。
「貴女の謝罪はクダリと同じで信用できません!
知り合ってそれ程経っていないにも関わらず、これで何度目ですか?!
余りにもこの様な状態が続くなら、学習装置持たせて歩かせますよ!」
「学習装置は人間に効果は「…ならば説教です。」…ゴメンナサイ。」
「ちょ、ノボリ酷い!ボクでもここまで頻繁に怒られない!
後、の言う通り、学習装置は人間には効果はないから。」
色々とゴタゴタはあったけど、なんとか丸く収まったのかな?
でもさ、ノボリの機嫌はちょっとは戻ったけど、良くなったわけじゃない。
結局はそのとばっちりはぜーんぶ、ボクが引き受ける事になるんだよね。
今のボクこそ、全力でノボリを避けたいよ!