一章・共闘!ギアステ大掃除編
招かれざる人達
仕事が終わってシャワーを浴びた後、髪を適当に拭きながら
バトルレコードを操作して、映像をパソコンへ転送する。
エキシビジョンマッチに参加するって決まってから、仕事が終った後で
とか、ととマルチバトルをしてるんだけど
未だに一度も勝った事がない。
ボク達の出すポケモンはスーパーマルチと同じだけど
達は対戦するたびにメンバーを変えてくる。
戦闘スタイルは大体わかってる、戦術もなんとなくだけど読める。
それでも、後1歩でボク達がいつも負けちゃうんだ。
今日はのサンダースに、ノボリのオノノクスとボクのアーケオスが
やられちゃって散々だった。
「クダリ、食事の用意が…。それは今日の分のバトルレコードですね。」
リビングのドアが開いて、エプロンをつけたノボリが顔を出した。
そのまま中に入って、ボクの横に座って一緒に画面を見る。
「この場合は先にサンダースを倒しておくべきでしたね。
まさか、めざパ氷70とは考えてもおりませんでした。」
「うん、今回の敗因はそれが読み切れなかった事だと思う。
いつもこうやって後から見ると、敗因はわかってるんだよね。
これだって、先にサンダースを倒してたら、多分ボク達が勝ってる。」
そうなんだ、敗因は大抵1つなんだよね。
だけど、その1つがどうやってもバトル中に克服しきれないんだ。
気がついても、こっちの体制を整えられないくらいダメージ受けてる。
「なんとしても、練習中に1勝はいたしたいですね。
やられっぱなしでは、サブウェイマスターの名折れになってしまいます。」
「うん、負けてすっごく悔しい!でもさ、楽しかったりもする。
だって、1戦毎にボク達も何かを掴んでる気がする。
ポケモンの技の組み合わせだとか、タイミング?すっごく勉強になる。」
沢山のバトルをしてても、その全部がボク達にプラスになってはいない。
だけど、達とのバトルはプラスになる事だらけ。
「確かに、負けても全力を出し切った爽快感は常にありますね。
さて、食事が冷めてしまいますので食べてしまいましょう。
私もバトルレコードの映像を転送してありますので、行儀は悪いですが
それを見ながら食べる事にしましょうか。」
パソコンの電源を切って、ノボリの部屋のリビングへ行く。
ノボリがテレビの画面を操作している間に、ボクがおかずを皿へ盛る。
大きな画面いっぱいに映し出されるバトルシーンは迫力が凄いな。
遅い夕食を二人でテーブルを挟んで食べていたら。
いきなりインターフォンがなって、ボク達は顔を見合わせた。
こんな時間の来訪者に、心当たりは無いわけじゃない。
「ノボリ、ボク、すっごく出たくない。」
「えぇ、私もでございます。いっその事バックレても宜しいのですが
後々面倒な事になるのも確定しておりますしね…。」
ため息をついてノボリが席を立った。うん、ボクもため息しか出てこない。
あ、テレビの画像消しておかないと、もっとめんどくさい事になっちゃう。
ボクは慌てて席を立ってリモコンに手を伸ばしたんだけど、遅かった。
「Hello、久しぶりダネ!元気だっ…コレってバトルレコードの映像?
Excitingな光景ダネー。」
「エメット、早く中に入りナサイ。何をやっても愚図でゴザイマスネ。
Oh…これはナカナカに良いバトルではアリマセンカ。」
「インゴもエメットもさっさと中にはいりやがれでございます。
私達はまだ食事中ですので、適当にやっていてくださいまし。」
ノボリってば既に疲れきってて、言葉もすっごく乱暴になってるし。
インゴとエメットは荷物をリビングの隅においてソファに座った。
「コレってサ、相手はギアステのワークウェア着てるって事は職員?
Wow!相手の一人ってGirlジャン!イッシュのコじゃないよね?
カントー系?オリエンタルな感じでカワイイネ!!」
「もう一人も職員でゴザイマスカ?見た事のナイ顔デスガ
職員を募集する程、人手不足では無かったと記憶しておりマスが…」
インゴとエメットも伊達にサブウェイボスは名乗ってないよね。
二人ともずっと視線が画面に釘付けになっちゃってる。
ノボリがテーブルにビールと軽いつまみを出したけど、気がついてない。
「設備の保全管理の為にに専属契約致しました業者の方々にございます。
エメット、言っておきますが絶対に変な真似をしないで下さいまし。」
うん、エメットは女の子にだらしがない!
いくらが普通の女の子と違うっていっても、すっごく心配!
あ、バトルがボク達の負けた所で映像が切れた。
「…コレは冗談でゴザイマスカ?それともオマエ達が手を抜いたのデスカ?」
「インゴすっごく失礼!ボク達バトルで手なんか抜かない。
手持ちもスーパーマルチの子達。本気も本気、超本気のバトル。」
達相手に手なんて抜いたら、瞬殺まっしぐらに決まってる。
インゴは何か考え込んだ後に、リモコンを指差した。
「彼等のバトルレコードはコレだけデスカ?まだアレバ見せなサイ。」
…何気に命令口調なのがすっごくムカつくけど、いつもの事だし。
こんな独裁者がトップなユノーヴァのギアステが可哀想だよ。
ノボリがインゴに、何か文句を言いながらリモコンを渡した。
インゴがそれを操作してテレビにはまたバトルシーンが映し出される。
これって、一番最初の映像かな?
うわー、インゴにボク達の連敗見られるとかって勘弁して欲しい。
食事が終わって、後片付けを終わらせてもインゴ達は映像を見てた。
いつもだったらすぐにカラになるビールにも全く手を付けないで
二人とも、画面に撮されたバトルシーンに見入ってる。
何戦目かの映像が終った後で、インゴがリモコンの停止ボタンを押した。
「オマエ達、負けた原因は理解しているのデショウネ?」
「二人…ウウン、三人か、バトル職員じゃないとか信じられないネ。
この腕前だったら、リーグ制覇とか余裕でシテルんじゃナイノ?」
「わかってる、いつも敗因は一つしかない。
だけど、わかった時には立て直す余裕なんてなくなってる。」
「彼等はシンオウ、カントー、ジョウト、ホウエンのリーグ覇者で
その中のお一人は、イッシュのリーグも先日制覇してらっしゃいます。」
ボク達の返事に2人は納得したみたい。
マスターランク…って、つぶやいてる言葉は間違いじゃないよ。
それも3人揃ってとか、普通は信じらんないよね。
「オマエ達のバトルも悪くはアリマセン。
ですが、相手の方が一枚も二枚も上なダケ…それだけの話デスネ。
特にあの女性の立ち回りが Super Bravo にゴザイマス。」
うん、ももバトルスタイルは変えてない。
だけがバトルスタイルを変幻自在に変えて、ボク達を翻弄してる。
これって、簡単には出来る事じゃない。
普段、他人を褒める事の無いインゴが認めるんだから、凄い事。
「ノボリもクダリもバトルを重ねる度ニ、イイ形になっテルヨ?
勝つ為のポイントを見つけるノモ、段々早くナッテル。」
そうなんだ、少しずつだけど勝利に近づいてはきてる。
だからって勝ちを急いだりすれば、あっという間にやり込められるから
油断なんて全くできないし、強引にもできない。
エメットが出しっぱなしになってたビールに手を伸ばしたけど、
ノボリがそれを止めて、冷えたビールを差し出した。
インゴがつまみを口にして、取り替えられたビールに口をつける。
「明日、ワタクシ達もオマエ達と一緒にギアステに行きマス。
クダリは相変わらず書類を溜め込んでいるのデショウ?」
インゴがボクをみてニヤリって音が聞こえそうな笑い方をした。
何を考えてるかなんて、モロバレルなんだけどな。マジでやめて欲しい。
「残念でした。ボク、書類なんて溜め込んでない。
インゴの手伝いなんて、ボク達必要としてないから来なくて良い。」
「新しく設備の保全管理部門を増やしたんデショ?
こっちにはその部門が無いカラ、どんな仕事をシテルか視察サセテヨ。」
「…ソウデスネ。業者に委託しない場合の利点等を知りたいノデ
視察の許可を頂きマショウカ、サブウェイマスター。」
ほんっとに、この二人はやりにくい。
そういう風に言われたら、ダメだって断れないのわかってるんだから!
「私個人としては断固お断りしたいのでございますが、
その様に言われたならば、出来ないのがムカつきますが仕方ありません。
宜しいでしょう、許可はいたします。」
「ホント、用事がないなら別にわざわざ来なくてもいいのに!
でも、視察で来るんだったらついでに書類整理手伝ってもらうからね。
溜め込んでないけど、やる事は山程あるんだから!」
いっその事職員さん達に頼んで、期日に余裕がある書類も出してもらおう。
んで、2人にそれを押し付けて余計な事をしない様にしなくちゃ。
「…その位は譲歩してやりまショウカ…。
なんにせよ、明日が楽しみではゴザイマスネ。」
「インゴ、言っておくけどね。
3人の邪魔とかしたら絶対ダメ。余計な手出し、イタズラもやめてね。」
「えぇ、後はエメット。彼女に余計な事をしやがりましたら、私達が
全力で貴方を粛清させていただきますので、お覚悟しやがれでございます。」
ボク達の言葉に2人とも軽く目を開いた。
あれ?ボク達、何かおかしな事言ったかな?言ってないと思うんだけど。
「タカガ委託業者や、一職員に随分と肩入れをしているのデスネ?
オマエ達には珍しい事ではアリマセンカ?」
「ネェネェ、彼女ってドッチかの Lover …恋人なの?
違うんだったら、別にイイデショ?ボク、すっごく興味アルんだケドナ。」
今までのボク達を知ってる2人が、不思議に思うのは無理はないかも。
だけど、もっとビックリしてもらおうかな?
「3人には、ボク達が頼みこんでギアステで働いてもらってる。
ボク達にとっては、たかがって言えるような人達じゃないから。」
「恋人ではございませんが、彼等は職員以前に、私達の大切な友人でございます。
それを頭に入れて、動いてくださいまし。」
今度は目だけじゃなくて、口も開いたまんまになっちゃった。
いつもいつも、お騒がせなこの2人なんだからこの位してもいいでしょ。
小さい時によくいたずらをして、それが大成功した時みたいに
ボクとノボリは顔を見合わせて、ニヤリと笑い返してやった。