一章・共闘!ギアステ大掃除編
黒ボスと主任
のポケモン達の回復が終わって、と歩いてたんだけど
執務室のそばまできたら、中からなんだか言い争ってる声がする。
これって、ノボリと?どーしたって言うの?!
ボクとは顔を見合わせてから急いで執務室のドアを開けた。
「それを含めてという一人の人間になるのでしょう?
なぜそこまで追い詰めるかの様に責める必要があるのですか!!」
ノボリがをの視界から守るように抱きしめて叫んでる。
そしてはノボリの腕の中で、なんだろ?迷子を見つけてもらった
子供みたいな顔をして泣きそうになってる?
はそんな二人を拳を握りしめて睨みつけてるし…どーしたの?!
「おいおい、廊下まで怒鳴り声が聞こえたぞ?
いくらここが他の部署から離れてるって言っても流石にまずいだろ?」
が二人を…いや、三人か。見て呆れたように呟いた。
「あ、おかえりなさいまし。すみません…ちょっと意見の違いから
声を荒げてしまいました。ポケモン達は元気になられましたか?」
ボクがモンスターボールを見せると、がノボリから離れて
受け取るとホルダーに固定する。
いつも通りの、のんびりした顔に戻ってる。見間違えたのかな?
「わざわざ、ありがとうございました。皆、お疲れ様。ゆっくり休んでね。
んじゃ、私は仕事に戻ります。黒ボス色々お見苦しい所を見せちゃって
ホント、すみませんでした。も手当ありがと。」
そんじゃ行ってきまーすとのんびりした声では部屋を出て行った。
さっきのはなんだったんだろ?って思って振り返って僕は後悔した。
「、は仕事に戻りましたが、私の話は終わっておりません。
貴方のおっしゃる事は正論です。ですが正しい事が全て良い事でもない。
その位はわかっていらっしゃるのではないですか?」
ノボリがいつも以上に無表情だよ!これ怒鳴ってる時よりタチ悪い。
こうなったノボリは、ちょっとやそっとじゃ折れない。
んで、も絶対零度の眼差しでノボリを見てる。
「そんな事はわかってますよ?ですが俺達は付き合いが長いので
何度も同じ事を繰り返しているのを知っているんですよ。
それを踏まえた上で、あいつに話をしている。それだけですが?」
「つまりは知り合って間もない私が口を挟むな、という事ですか?」
ちょ、ノボリ!そこで突っかかるとか、らしくない!どーしたの?!
どうしようと思っての方を見れば、黙って二人を見てるだけ。
「はっきり言いましょう、そうです。
これはが自分自身でケリをつけなければならない問題だよ。
黒ボスだけじゃない、俺も口を挟めない事、それだけだ。」
、と同じ事言ってる。
ノボリはちょっと下を向いて何か考えてたみたいだけど、
すぐにに向き合った。
「の問題なのはわかりました。正論を言ってる事もわかります。
ですが、それが本当に彼女の為になるのですか?
その位はだって十分に理解してるはずでしょう?
それでも動けないでいる彼女を追い詰めても堂々巡りではないのですか?」
ノボリの言葉にの顔色が変わった。これって拙いんじゃない?
正論言うのが良い事じゃないって自分でも言ってるのに
ノボリってば言葉が足りなすぎ!
心配してるのはわかるけど、違う方法でを気遣えないのって
こんな感じで言えば、だってわかってくれるはずなのに。
「じゃあ聞くがな、どうすれば良いってんだ?
俺だけじゃない、も俺もずっと見てるだけで何もできなかった。
手を差し伸べても掴もうとしないあいつをどうしろってんだ!」
がノボリの胸ぐらを掴んだ。が怒って当たり前だよ。
でも、ノボリも一歩も譲る気なさそう。こっちのが堂々巡りじゃん!
「そばにいて抱きしめて差し上げるだけでも宜しいのではありませんか?
どんな時でもそばにいますと、貴女を支えますと思いを込めて。
人の温もりは言葉よりも遥かに雄弁だったり致します。
聡いの事です、これだけでの気持ちも理解されるのでは?」
の手の上に自分の手をおいてノボリはしっかりと見つめてる。
あぁ、この抱きしめるってのはボクが小さい時によくノボリがしてくれた。
大丈夫だよ、どんな時でも独りじゃないよ、そばにいるよって
そう言うノボリの気持ちが伝わってきて、すっごく安心したっけ。
とがびっくりした顔でノボリを見てるけど、そんなに驚く事?
「黒ボス…いや、友人として聞こうか。ノボリはに惚れた?」
え?今の話からどうしてそういう話になるの?
確かにちょっとそんな気がしなくもない時もあるけど、どーなんだろ?
「どこからその話が出てくるのか甚だ疑問に感じますが、お答えします。
私はを友人と思っております。しかし、女性の友人というのは
いないわけではありませんが、の様な方は初めてです。
私の心に一番近い場所にいる女性である事は間違いないでしょう。
今後、この関係がどの様になるのかはの言葉にもありましたが
私ですら想像もつきません。それだけ、彼女のそばは居心地が良いのです。」
確かにボク達、カミツレとかフウロちゃんとかとも結構仲が良い。
でも、とは全然付き合い方が違う。せいぜい一緒に御飯食べて
バトルの事とか話すくらいだもん。
そしてのそばが居心地が良いってのはボクも同じ。
それは達といる時も同じだから、やっぱり友達としてだと思うけど。
「二人とも口を挟むようで悪ィんだがな。ノボリはダチにもそうやって
抱きしめたりとかってするのか?相手が例えばとかでも?」
「!テメェ俺で例えるな!思わずポッポ肌になっただろうが!」
二人の話がよくわかんない。なんでそこでポッポ肌なんだろ?
「ボクも口を挟んじゃうけどさ、それって友達なら普通じゃないの?
ハグして大丈夫、オッケーとかって達はやらないの?」
ボクの言葉にノボリも頷く。あれ?なんだか話が逸れてきたかもしんない。
「あー、これが異文化ってやつか…成程ね。ノボリすまないね。
俺達の地方ではそんな抱きしめて慰めるなんて恋人である異性位にしかしない。
少なくても俺ももそういう発想はなかったかな?」
「、口調を改めなくてもよろしいですよ?
成程、それであの様な事をお聞きになられたのですね。納得いたしました。」
あ、二人とも喧嘩は終わったっぽい。違うか、これは喧嘩じゃないや。
お互いの意見の食い違いを体当たりでぶつかりあった結果って感じ?
「あー、そうだな。ぶっちゃけこの口調だと喧嘩売ってるって
よく言われちまうんだよ。だからと以外には使ってねぇんだが
お前らになら別にいいか。言っとくが別に怒ってるわけじゃねぇからな。」
あ、の口調がすっかり変わった。これってボク達も達と同じ
仲間っていうか友達って思ってくれたって事だよね。嬉しいな。
「えぇ、わかっております。むしろその口調の方がらしいかと。
ともかく、に関しましては私その様にいたしますので。
あ、でも文化の違いであるのでしたらは拒まれるでしょうか?」
ノボリがちょっと考え込んじゃった。そっかノボリはさっきのの顔
見てないからわかんないもんね。
「大丈夫だと思う。嫌がってなかった。でもちょっと泣きそうだった。」
「…泣きたくなる程お嫌だった、と言う事でしょうか…」
あ、ノボリへこんじゃった。だから違うってば!
「違う。なんかね、迷子の子供がお母さんに見つけてもらって
安心して泣き出すちょっと前みたいな顔?そんな感じだった。」
今度はとがびっくりしてボクを見てる。
もう、なんでボクの言葉に皆、いちいちそんなに反応するのかな!
「あぁ…そっか、成程な。ノボリのやり方は間違ってねぇかもな。
俺達にはできそうもないが、恐らくあいつには効果抜群かもしれねぇ。」
「だな。最初は戸惑うかもしれないが、そっちの方が変われるかもな…
さっさとケリつけて、覚悟を決めれば良いんだが。」
これはから聞かなきゃわかんない事の話なんだろうな。
でも、なんだろ…なんとなくわかった。
、そういう愛情に恵まれなかったんじゃないかなって。
それが原因で色々抱え込んじゃってるんじゃなかいかなって。
それはノボリも思ったみたいで、二人の言葉に頷いてる。
「は今までそういう愛情を与えられた事がないのでしょうか?
あぁ、無理に答えなくてもよろしゅうございます。
違うのであればそれに越したことはございませんが、
そうであるならば、私達で良ければいくらでも協力いたします。」
「うん、いっぱいギューッて抱きしめて大好きだよって大切だよって
これって、ポケモン達にする事と同じかもしんないけど、
ボク達、ポケモンも人も、心を通わせる方法は変わんないって思ってる。
どんな言葉よりもずっと相手に伝えられる方法だと思ってる。
だからにも同じ事する。ならわかってくれるよね?」
ももボク達を眩しそうに目を細めて見て頷いた。
二人に出来ない事が、ボク達にはできるかもしんない。
そうやって二人の…ううん、3人の力になれるのが嬉しいって思う。
こういう事って難しい。でも、ホンキで仲良くなりたいなら
ぶつかり合う事だってしなくちゃなんないって事もわかった。
だって、さっきまですっごく険悪だったノボリとだけど、
今じゃホラ、前より、もっとずっと仲良くなってる。
二人での事ネタにして、なんか笑い合ってるし。
お互いの距離が凄く近くなった感じがして、見てても嬉しい。
これからも、こうやって時々ぶつかり合うかもしんないけど
本気のバトルの後はいつだって、みんなスマイルになれるんだから
怖がる必要なんかないよね?