一章・共闘!ギアステ大掃除編
平社員の逆鱗
しばらくして、トウヤとトウコは明日も来るって宣言して帰った。
それから、ノボリはシングルの呼び出しが来てトレインで待機。
はなんだか材料を見に行きたいって外出、
も用事があるからって外出しちゃって、
ボクとが執務室に残って書類整理をしてた。
「白ボス、私この後、例の換気扇のダクトチェックをするんですけど、
その前に、準備で材料置き場の方にちょっと行ってきますね。
途中で色々寄れますけど、届ける書類があれば預かりましょうか?」
「あ、それじゃこの書類と、ノボリのこの書類をラムセスの所…
えっとバトル職員統括部門の場所ってわかる?そこに届けて欲しい。」
ボクが書類の整理をひとつ終わらせて確認済のボックスに入れるのを
見計らったみたいに聞いてくる。
こういうちょっとした気遣いって実はできない人の方が多い。
わざわざ持っていくんじゃなくて、あくまでもついでですって感じで
サラッと出来るなんて凄いなってビックリしちゃった。
「クラウドさん達がいる部署ですよね?それなら大丈夫です。
後は、他になにか御用はありますか?ついででよければやりますよ?」
「うん、今はそれだけでオッケー!
そうだ、に聞きたかった。の材料置き場にも盗聴器とかあるの?
もし、ついてるんだったら、どーして取らないの?」
ボク、さっきから気になってたから思い切って聞いてみた。
だって、そう言うのって気持ち悪い!ボクならそんな場所で仕事なんて
絶対無理!無理ったら無理!
「ついてますよー、盗聴器3つに隠しカメラ2つが。
ロッカー近くの隠しカメラはその近くにでっかい荷物を置いてます。
誰が好き好んで生着替えを見せてやるかと…。
でもね、証拠として突きつけるまではそのままにした方がいいですから。
ここはじっと我慢、こらえる、守るの3セットで防御を上げておきます。
そのうちしっぺ返しを食らわせてやりますよ。」
生着替えとか…いやいや!それってそうアッサリしてていいの?
どこまで想定内なんだかさっぱりわからないから不安なんだけど。
ったら全然心配した感じもないし。…こういう事に慣れてる?
「んじゃ、書類をお預かりしますね。何か伝言とか、ありますか?」
「ん、大丈夫!ヨロシクお願いね?」
ボクのお願いに書類を受け取っては部屋から出て行った。
その後ちょっと書類整理に頑張ったけど、つまんなくなったから
モニターに丁度映ってるノボリのバトルを見てた。
ダブルも楽しいんだから、皆もっとチャレンジして欲しいな。
『失礼します、白ボスはいま執務室にいらっしゃいますか?』
急にインカムからの声がしてビックリした!
まだドキドキしてるけど、なんとか普通の声を出した。
「うん、執務室にいる。どーしたの?」
ちょっと沈黙が続いた後には言いにくそうに答えてくれた。
『えっとですね、作業場が荒らされているんですよ。
なのでちょっと状況を把握しておきたいので、作業場が見える
防犯カメラがあればその映像を見せていただきたいんですが。』
「なにそれ!、荒らされてるって泥棒?どんな感じなの?
あーもう!聞くだけじゃわかんないから、ボクそっちに行く!」
嘘、まだここに就任して1日目なのにもうあっちはそんな事をしてきたの?
ボクはすぐにハンガーにかけてあったコートと帽子をもって
のいる場所に向かった。
ホームを通り過ぎて、職員専用の通路に出てみれば
総務部長さんもインカムの内容を聞いてたのか出てきてた。
「総務部長さん!どーして?」
「保全管理課は総務の管轄部署だよ?何かあったらそれに対応するのは
管理職なら当たり前の事。白ボスもきちんと覚えておくように。」
ビックリしたボクに部長さんは目つきを険しくした。
部長さんもいるなら、犯人がわかったら、その人絶対にタダじゃ済まない。
「すっごく耳が痛いけどりょーかい!」
二人で目的地について、ドアを開けて驚いた。
そこには見た事もない様な物が破られたり、折られたり、壊されてて
ダンボールも滅茶苦茶に切られてて、中の物があちこちに転がってる。
ロッカーにはペンキ?そんなもので『帰れバカ!死ね!」とか
見ただけで気分が悪くなる様な言葉が書かれてる。
そんな部屋の真ん中には腕組みをして仁王立ちしてる。
一瞬デスマスのマスク?って思うくらいの無表情で
何かを考えているみたいだった。
「白ボスも総務部長もわざわざ来てくださってありがとうございます。
この様な状態で、正直いって金額的にも時間的にも被害甚大です。
一応、熱絶縁に関しては私は課長から一任されておりますので
言わせて頂きます。
正職員扱いとは言え、私達は元来委託業者です。
金銭的にも物理的、時間的にもこの様な被害を受けてしまっては
それなりに対処をさせて頂く事になると思われますので。ご了承下さい。」
眉間に皺を寄せたがさり気なくインカムに手をあてた。
あ、ってばインカムのスイッチ切ってない。
つまり、今の話は全職員が聞いてるって事になる。
「つまりは警察の手を借りるという事かね?」
総務部長さんが聞こえるように少し大きな声で聞いている。
の考えている事がなんとなくわかった。うん、ボクも乗る。
「ちょっと待って!お客様相手の仕事で警察沙汰とかやめて。
そんなのギアステのイメージダウンになっちゃう!」
ボクが慌てたフリして大声で叫ぶ、確か隠しカメラもついてるんだっけ?
それならちゃんと演技しないとダメだね。
ボクはの肩を掴んでやめてってお願いした。
「はっきり言いましょう。私は仕事の邪魔をされるのが何より大嫌いです。
元々、そちらに請われて来たのにこの歓迎はあんまりでしょう?
誰がやったか知りませんが、この様な状況を許している職場だなんて
あなた達上の人はいったい何をやっているんですか!」
そう言って、は肩にかけられた僕の手を思い切り振り払った。
うわ、…もしかしなくても凄く怒ってる?げきりんの後の混乱?!
総務部長さんもが言っていることが正しいから何も言えないでいる。
「私が女だから?仕事も見ないで決め付けるな!ふざけるな!!
仕事に男も女も関係ない、仕事の腕でも私は譲りません。
私は自分の仕事と今までやってきた事に誇りを持っています。
あなた達だって、自分の仕事に誇りを持っているでしょう?同じです。
その誇りを踏み躙られるのをあなた達が許しても私は許しません!」
「では、お聞きします。はこの件についてどうしたいのですか?」
インカムから聞こえて来た話にバトルを終わらせたノボリも駆けつけた。
部屋の中の惨状にこれは…って言葉をなくした後でボク達を見た。
その手がインカムに触れていて、あ、ノボリも通話をオンにしたまんまだ。
「犯人発見、そして神聖な仕事部屋を荒らした言い訳くらいは聞きましょうか。
ちょうど、直属の上司と最高責任者が揃っているので逆に聞きますけど
あなた達はこれをどうするつもりですか?
私の考えはそれを聞いてからお伝えしたいと思います。」
空きっぱなしのドアの前には騒ぎを聞きつけてやってきた職員の姿もある。
その中に、総務でを凄く睨んでた女子職員もいた。
ノボリもそれに気がついているみたい。
「あのね、ボク達もここの仕事にギアステに誇りを持ってる。
それはここにいる職員も。仕事に男も女も関係ない。
少なくてもボクもノボリもそう思ってる。
ボクがの立場だったら同じ位、ううん、もっと怒ってるかも。」
「クダリの言うとおりでございます。この様な真似をされた方が
私共の職員であったならば、許される事ではございません。
神聖な仕事場所、大切な道具をこうも無残に破壊するなど言語道断。
まして、このロッカーの文字…脅迫?パワハラ?最低でございます!」
取り敢えず、ボク達の怒りはアピールしておいた。
アピール違う、ボクもノボリもそして部長さんもすっごく怒ってる。
「、君の意見は全くもって正当だ。私達は反論するつもりもない。
当事者は必ず見つける。そしてその後のことについては──」
部長さんがボク達をみて頷いた。ボクもノボリも一緒に頷いた。
「そんな事をする人はこのギアステにいらならい。いて欲しくない。」
「同じく、今まで共に仕事をしていた事すら恥ずかしい限りでございます。
その様なギアステの恥部は即刻排除、懲戒解雇させて頂きます。」
ノボリがインカムに向かってはっきり宣言した。
もそれに納得したのか頷いてくれた。
「そういう事でしたら警察への被害届は出しません。
私だってこういう事はしたくありません。仕事は楽しくやりたいです。
ここの皆さんが仕事に誇りを持っている事は、
仕事が好き、ここが好きって、皆さんの仕事ぶりを見ればわかります。
だから私もそれが出来る場所だと思ってたから、正直ショックでした。」
「ゴメンね、すごく嫌な気持ちにさせて。でもこんな事する人ばかりじゃない。
信じられないかもしんないけど、それだけは言わせて。」
ボクがにゴメンナサイって頭を下げた。
ノボリも、部長さんもそれに習ってに頭を下げる。
「シンオウのチャンピオン代理をやめてまでこちらに来ていただいたのに
このような事になってしまって、申し訳ありませんでした。」
「お互いの信頼関係にヒビを入れる様な事が起こってしまって申し訳ない。
君達の様な優秀な人材をこんな事で失いたくはない。
どうかこの件は水に流して、ギアステを良くする為に一緒に働いて欲しい。」
3人に頭を下げられたは暫く考えてから目の前に2本指を出した。
「2日、2日間待ちます。その間にケリをつけてください。
そして、これらの保証を当事者にさせて下さい。
会社の経費ではなく、当事者本人のお金でです。
熱絶縁っていう仕事は個人事業者が多いんです。
だから私達は材料を無駄になんてしません、できません。
これはお金と一緒なんですから当然です。その重みをわからせて下さい。」
「2日も不要だね、今日中に当事者を見つけよう。」
「ウン、今日中に解雇、そして明日辞令張り出しする。」
「明日の朝礼でも報告をする事にいたします。
には後ほど、私からお伝えします。謝罪させてくださいまし。」
こんな卑劣な事、通じないんだって、ボク達の本気を見せてあげる。
「…今日中に、ダメになった物の見積もりをお出しします。
後申し訳ありませんが、ロッカーも変えてください。お願いします。」
では、私はここを片付けますのでって言ってボク達に一礼して
が部屋の片付けを始めたのを合図にボク達も部屋を出る。
沢山の職員が集まってたけど、さっきまでいた女子職員がいない。
多分、絶対関係者!逃げようたってそうはいかない。
ギアステの規律と調和を乱す事は、ボク達がもう絶対に許さない!