一章・共闘!ギアステ大掃除編:
それぞれの守りたい
インカムはチャレンジャーの到来を告げる事なく沈黙したままで
執務室ではがトウヤ様に計画の内容を説明しております。
「うわー、ここまでやるとか大人の本気って怖ぇえええ!
でも、さんの負担が大きすぎですよ!なんとかならないんですか?」
「元々ターゲットになる事はわかってたんだし、それを利用してるだけ。
後、あっちの出方が過激になるだろうってのは最初からわかってた事。
他になにか言いたい事はあるかな?」
ちょっと、お待ちくださいまし。への風当たりが強くなる事が
わかってた等、私達は聞いておりません!
クダリを見れば、やっぱりって凄いとか妙に感心しておりますが
問題はそこではないでしょう!
「そっか、うーん、うーん、ダメだ!もっと良い方法とか無いかって
考えてもさんのこの計画以上の良い方法が浮かばない!」
トウヤ様が頭を抱えて机に突っ伏してしまわれました。
えぇ、そのお気持ち良くわかりますとも。
「フフッ、相手の逃げ道を考えられる限りぶっ潰して追い込んで
そして自滅させるなんて実は結構簡単なんだよ?」
前言撤回致します。は凄い、凄すぎて恐ろしゅうございます。
「ただ今戻りました。トウヤ君、トウコちゃん借りちゃってゴメンね?
ボス達も外出許可ありがとうございました。」
が作業服に着替えて戻ってきました。
後ろからトウコ様も部屋に入ってきて、トウヤ様と何やら話されております。
「おかえりー、どんなライブキャスターにしたの?
って、黒なのー!白にすれば良いのに、白、良いよ良い!」
「白は汚れが目立つからダメなんですよー。私も迷ったんですけどね。
それにトウコちゃんとお揃いのはこっちだったんで、決めました。」
黒地に金のアクセントのついたシックな雰囲気のなかにも華やかさのある
どんな装いにも合いそうなデザインですね。
が嬉しそうにクダリの前にライブキャスターのついた腕を上げて
見せております。おや、早速アドレス交換でございますか。
「、私ともアドレスの交換をして頂きたいのですがよろしいでしょうか?」
「勿論ですよ!ちょっとまだ操作方法がわからないっていうか
慣れてないので黒ボスにお願いしてもいいですか?」
「構いませんよ、使う機能は限られておりますから全部覚える必要は
ございませんし、すぐに慣れると思いますよ?」
ありがとうございますと言ってはトウヤの方を振り返ってから
表情を曇らせました。
「、トウヤ君達を巻き込んじゃ駄目だよ。」
あぁ、計画にトウヤ様が参加する事はは知らなかったのでしたね。
「さんがなんと言おうとオレ達は参加しますからね。な、トウコ!」
「うん、さん優しいから傷ついて欲しくないんです。
だから全力で守ります。ダメって言っても聞きませんよ。」
二人がに向かって力強く頷いて見せますが、は首を横に振ります。
「恐らく、トウコちゃんも被害者だったんでしょ?だったら余計に駄目。
トウヤ君、あなたはトウコちゃんがまた辛いをしてもいいの?」
「え?私は大丈夫で「トウコちゃんはちょっとストップ!」…ハイ。」
はトウヤ様の隣に座ると真剣にその顔を見つめました。
その表情がどこか悲しげに見えるのは気のせいでございましょうか?
「あのね、私に関わると恐らくその飛び火をトウコちゃんもかぶる。
いくらトウコちゃんが大丈夫って言ったって
理不尽な仕打ちに悔しかったり悲しかったり憎しみみたいな余計な気持ちを
抱えてしまったり…当事者じゃなくたって経験者だったらその時に起きた
そんな気持ちを思い出して治りかけた傷口を広げてしまうんだよ?
心の傷は簡単には治らない。私はトウコちゃんにそんな思いさせたくない。」
隣に座っって何かを言おうとしているトウコ様を見てそっと頭を撫でる
その様子はまるで実の姉の様な慈愛に満ちた雰囲気があります。
「嫌な目にあって悲しかったよね。辛かったね。でも負けなかったね。
トウコちゃんいっぱい頑張ったんだね。大変だったよね?」
の言葉にトウコ様の瞳に涙がたまり頬へ伝っていきます。
あぁ、それ程までに傷ついていらっしゃったのですね。
「…っ、辛かったです、なん、でこんな目にって何度も思いました。
でも、わかってもらえる様な相手じゃなくって、ポケモン使って
襲われた時は怖かった。大切なポケモンなのにどうして
こんな事ができるんだろうって悲しかった、腹が立ったんです。」
がトウコ様を抱きしめて背中を子供をあやす様にさすっております。
私もクダリも二人を除く全員がその光景に心を痛めました。
「でも、絶対に負けたくなかった。さんから言われてたから…
人の言葉なんか気にしないで自分の気持ちを通せばいいんだって
だから頑張りました、頑張れました。さん、ありがとうございます。」
「トウコちゃんがしっかり自分の気持ちを持ってたからだよ?
私は何もしてない、頑張ったのはトウコちゃんだよ。
だからね、直接的じゃなくても辛かった気持ち、悲しかった気持ち、
また思い出しちゃうから駄目だよ。
それにトウコちゃんはトウヤ君の気持ちも考えてあげて?
どうする事もできなくて、それでもすごく心配でそばにいる事しかできない
それもすっごく辛いんだよ?
それに、トウコちゃんにそういう相手の撃退法を教えたのは私だよ?
私なら大丈夫だから、二人は関わっちゃいけない。」
トウヤ様の言う様に、本当には優しいのですね。
がトウコ様抱きしめたままトウヤ様の頭を優しく撫でます。
トウヤ様がちょっと顔を歪めて下を向いてしまいました。
「…確かに、トウコちゃんの心の傷を簡単に考えすぎてたね。
うん、ごめんね。嫌な事思い出させちゃったね。」
「違うんです、私はホントにもう大丈夫なんです!
確かに思い出して、さんに大変だったねって言ってもらって
泣いちゃったけど、それは思い出したからじゃなくって…うーんと…」
謝るにトウコ様は驚いて顔を上げました。
何か色々と伝えたいようでございますが言葉が出てこないのでしょう。
その気持ち、とてもよくわかります。
「トウコちゃんは、…が自分の気持ちをわかってくれて
嬉しかったんだろう?」
が自分のデスクで頬杖をついて笑いながらトウコ様をみております。
「そうなんです!さん優しいけど、自分の事とか後回にするし。
確かに凄く強いけど、全く傷つかないとかそんな事ないはずです。
優しいから、いらない傷を自分でつけちゃいそうで心配なんです!」
トウコ様が両手を握りしめてに向かいます。
何気にの事をわかってらっしゃるのですね。
「さん、諦めて下さい。トウコを止める事はオレでも無理です。」
「そうですよ、スッパリキッパリ綺麗に諦めて下さい。
私もあの時はよくもやりやがったなって、キッチリお礼がしたいんです。
私の野望の為に逆にさんが協力して下さい!」
二人の言葉にが戸惑っているのがよくわかります。
ですが、それ以外にもどこか悲しそうに見えるのは気のせいでしょうか?
「、二人が心配なら二人とも守ればいい。
そしてボク達は、トウヤとトウコ、、ギアステ、全部守る。
とも言ってたけど、ギアステ以外の情報も欲しい。
だから、二人には協力してもらう。オッケー?」
「非常に不本意ではありますが、私達が原因でございます。
、必ずお守り致しますのであなたはひた走ってくださいまし。」
私達の言葉にはため息をついた後に頷きました。
えぇ、大切なものは全力で守りますとも。
「どっちかって言うと守られるより守って戦う方が良いんだけどなー。」
「あ、さんもですか?ぶっちゃけると私もです!絶対やり返してやる!!」
のつぶやきにトウコ様も頷かれます。
本当の姉妹の様にみえて微笑ましいですね。話してる内容は違いますが。
「やられたら3倍返しが基本だよな?」
「そこは10倍返しだろう?でも、ふたりにそれが出来るかな?」
「「そんなの余裕!」」
との恐ろしい質問に二人はとびきりの笑顔で親指を立てます。
なんと言いましょうか、お二人共マジ男前でございます。
「トウヤ、トウコがどんどん男前になってボク息をするのも辛いかも」
「奇遇ですねクダリさん。オレも男としてちょっと自信がぐらついてます。」
「ボヤボヤしていると守るはずの私達が逆に守られそうですよ?
その様な事は男として絶対に許されないし譲れないでしょう。」
えぇ、それだけは絶対に避けたいですね。
私達の男としてのプライドの為にも全てを全力でお守り致します!