一章・共闘!ギアステ大掃除編
穏やかな時間
執務室について、トウヤ様達を応接スペースに案内した後で
私はボールからロトムを出して、不在の間の部屋のチェックをします。
部屋中を彷徨っていたロトムですが、暫くすると私の元へきました。
ふむ、どうやら問題点は無いようでございますね。
「トウヤ、6個目のボール落ち着いた?ってまだちょっと揺れてるね。」
トウヤ様のボールホルダーを見れば、なにやらまだカタカタと動いて
まるで何かを言おうとしているかの様に時折赤く光ります。
「ただ今戻りました。、頼まれてた厨房の図面ここに置くぞ。
あれ?トウヤくんの子はちょっと興奮状態みたいだね。」
全員でトウヤのボールを見ていたら総務部からが戻ってきた様です
はトウヤに近づいて揺れているボールに向かって手をかざしました。
「さん、なにするんですか?って…
あれ、動きが止まった…え?え?マジでさん何したんですか?!」
あの手をかざす仕草は、以前がしたものと同じに見えますが
さっきまで揺れていたボールが動きを止め、光る事もなくなりました。
「中の子に危害を加えるような事はしてないよ。
ちょっとなんだか興奮状態みたいだったから落ち着かせるのに
気を使っただけだから、トウヤ君は心配しないで良いよ」
そう言って、真剣な表情で詰め寄ってきたトウヤ様に
は笑いながら説明しております。
「うわっ、ちょ、シャンデラ?!」
クダリの叫びと同時にシャンデラが飛び出してきました。
えぇ、ほぼ同時に私のシャンデラもでございます。
驚いている私達にお構いなしに、シャンデラ達はのそばで
ソワソワしながら、なにやらクルクルと回っております。
「あぁ、シャンデラ達にはやっぱりわかるんだ。いいよ、はいどうぞ。」
が両手をかざすと、シャンデラ達の炎が一瞬にして大きくなりました。
これは…先日の同様、極上の生気を受け取ったのでしょうか。
その後シャンデラはにピッタリと擦り寄って甘えております。
私達のシャンデラは控え目な子ですのに、どういう事なのでしょう?
「おー、流石に本家の技はひと味もふた味も違うな。
すっかりメロメロで骨抜きになっちまったんじゃないか?大丈夫か?」
そう、本当にメロメロを受けたと言う表現がピッタリでございます!
「流石はだよね。人間だけじゃなくポケモン相手でも手を抜かないし
それでもやりすぎじゃないの?シャンデラすっかりにゾッコンだよ?」
「あれ?シャンデラ知ってるの?この子イッシュにしかいない。
シンオウでもシャンデラ持ってる人っているの?」
「一応、他地方の方も見えますからね。
なのでタイプや相性、技等は把握しておきたかったので協会経由で
こちらのアララギ博士からデーターの全部入った図鑑をいただきました。」
成程、代理とはいえ流石はチャンピオンとでも申しましょうか。
その様な勤勉な姿勢は、私達も是非とも見習いたいものでございます。
「情報っていうものは武器にもなるからね。
俺は人間でもポケモンでも女性に甘えられるのは悪い気はしないよ?
でも、ダメだよシャンデラ。君達のマスターはあっちだろう?」
ドキっとする様な艶やかな表情でシャンデラをひと撫でするその様に
なんでしょう、私、娘をとられた父親の心境でございます。
隣のクダリを見れば、シャンデラの浮気者…とブチブチと呟いております。
「そっか前に聞いた、にそのやり方教えた人ってだったんだ。
ねぇねぇ、それってボクにもできる?やり方教えて欲しい!」
「私も可能でしたら是非教えていただきたいのですが、どうでしょうか?」
この方法が可能であれば、今後の育成に色々プラスになるでしょう。
しかし、一体どうやるのか謎でございますね。
「最初はちょっと難しいと思うけど、両ボスだったらコツさえ掴めば
そこから先は早いと思うから、今度教えてあげるよ。」
やった!と喜んでいるクダリとハイタッチを交わします。
それを見てがトウヤ様達に向かって色々と説明をしておりました。
「さて、丁度時間もよろしいですね。少々お待ちくださいまし。」
私は冷蔵庫からプリンとその上の棚から使い捨てのスプーンを出して
全員に配ります。うわーと言う歓声が聞けるなら作った甲斐もありますね。
「うわっ、バニラビーンズがきいて美味しい!舌触りもすっごい!
カラメルソースもほろ苦くてちょっぴり大人テイストって感じ?
んー、すっごい幸せ!黒ボス、ありがとうございます!」
美味しそうにプリンを口に運びながら私をみて笑うを見れば
問題なく食べる事ができているようで安心いたしました。
「うわー、サブウェイマスター手製のプリンとかレアだよレア!
ちょっとトウヤ、食べるのストップ!写真、写真撮るから!!」
「自分のやつ撮ればいいだろって、トウコもう食べたのか!
オレも早く食べたいんだからさっさとしろよ!」
「このちょっと固めの食感が俺は好きだな。
そう言えば、ボス達は料理上手いよな。この前の晩飯も美味かったし。」
「ボク、料理はするけどお菓子は作れない。
ノボリもお菓子はたまにしか作らないけど、どれもすっごく美味しい!」
「だね、俺もプリンっていうか甘い物には結構煩くて拘りがあるけど
これは美味しいよ。中もすが入ってないし完璧な火加減で蒸されてるね。」
全員からこの様に褒められるとなんだか気恥ずかしいですね。
皆さんにお礼を言って私も一口食べれば、柔らかな甘味が広がります。
うまくできていた様でひと安心でございます。
「そうだ、さんはギアステで働いてるんですよね?
だったら、またオレとバトルしてもらえますか?」
あっという間にプリンを平らげたトウヤ様がに詰め寄っております
映像では拝見しましたが、出来れば実際にこの目で私も見たいですね。
「んー、手持ちの子達がしたくなったら良いけど…今の手持ちの子達は
あんまりバトルが好きじゃないから無理かもしれない。
あ、バトルしたいって言うならととすれば良いよ!
私、にはシングル、にはダブルで一回も勝った事ない。」
「トウヤ、はすっごく強い!リーグも制覇してる。
後ね、ボク、スーパーで5連敗した。でも今度バトルする時は絶対負けない!」
とクダリの言葉にお二人はとても驚いて、その後目をキラキラさせて
とそれぞれにバトルを申し込んでおります。
「「俺達は誰の挑戦でも断らないぜ?」」
ニヤリと音がつきそうな笑顔とほんの僅かに高さの違う声が重なります。
こうして並んで同じ表情をしておりますと、よく似てらっしゃいますね。
「…白ボス、私トウヤ君とトウコちゃんがバトル恐怖症にならないか
すっごく心配なんですけど。」
「の心配、ボクすっごくわかる!でも大丈夫。
二人共負けず嫌いでバトルが大好き。その位じゃへこたれない!」
「どちらにせよ、きっと心躍るバトルになるのではないでしょうか?
私も是非お二人と、後は出来ればともバトルがしとうございます。」
私とクダリ、は4人のやり取りに笑いながらのんびりと
残りのプリンを食べながら休憩時間を満喫させていただいております。
この様な穏やかな時間はどんな時であっても良いものでございますね。
出来る事なら、これからもこの様な時間が続いて欲しいものです。