一章・共闘!ギアステ大掃除編
大人達の悪巧み
やはり、スーパーマルチのチャレンジャー様はトウヤ様とトウコ様でした。
勝敗は私達に軍配が上がりましたが、なんともどちらもPP切れを心配する程
熱い戦いで、私も久しぶりに心躍るバトルを堪能させていただきました。
「クダリさーん、今日はいつもより容赦無かった気がするんですけど
何か嫌な事でもあったんですか?つーか、八つ当たりなら勘弁ですよ。」
バトル終了後、駅に着くまでの間もこの二人相手ならば話はつきません。
トウヤ様がクダリからもらったコーラ味のキャンディを口に入れながら
ブチブチと言っております。
確かに、今日のクダリのバトルはいつも以上に熱が入ってた様に
見受けられました。えぇ、私も同じ、でござまいますが。
「八つ当たりなんてしてない。キミ達とのバトルが楽しくて
すっごく本気になっただけ。後ね、ここはスーパー。手加減なんて無い。」
クダリがニッコリといつも以上のスマイルで答えればトウコ様も
うんうんと頷いておられます。
「手加減しないのが愛ってヤツですね。畜生、愛が痛すぎる…。」
「トウヤも負けていつまでもグダグダしないでよね!
相手が強ければ強い程、倒す甲斐があるってもんでしょ?
どんなに強いラスボス相手でも、最後には勇者が勝つっっ!」
トウコ様がトウヤ様の背中を思い切り叩いて力説しておりますが
私達はラスボス…には違いありませんがそうそう簡単には倒されませんよ?
後、あなた様方は英雄であって勇者ではございません。
「…ノボリ、自分の世界に入って、一人で色々語るのやめようか。
二人共、今日は随分早くにチャレンジにきたよね?」
クダリにはバレていましたか、えぇ、私無口と言われてますが
そんな事は決してありません。ただ、人前で話すのが苦手なだけでございます。
「失礼なことを言わないでくださいまし。しかし、お二人共成長されましたね。
バトルももちろんでございますが、身長なども…
トウコ様もでございますが、トウヤ様などはもう少しで私達と
同じになられるかもしれませんね。」
「まだまだ成長期ですからね、バトルでも身長でもお二人を抜きますよ?
あ、もしかしたらオレ…さん越したかな?」
トウヤ様の頬にパッと赤みがさしました。
そう言う所はまだまだコドモでございますね。でも、確かによりは
幾分ではございますがトウヤ様の方が背が高いかもしれませんね。
「身長だけ超えたって意味無い、年齢って越えられない壁があるんだから
そういえばノボリさん、さんは今日は来てますか?
私達、5日後にさんの情報教えてくれるって言われて来たんですけど」
えぇ、はおりますし勿論情報…と言えるのでしょうか?も提供しますとも。
「えぇ、今は仕事中かもしれませんので少々お待ちください。」
インカムで呼び出せば、笑いながらこちらに来ると言ってます。
これは何やら企んでおられますね、私も是非乗りたいものでございます。
「今丁度一区切りついた様ですので、こちらに来る事になっております。
良い情報が手に入ればいいですね。」
私が言えば、クダリが吹き出しておりますがスルーさせていただきましょうか。
お二人で顔を見合わせて照れた様に笑う姿はなんとも微笑ましいですね。
「ハイ!オレ、出来ればもう一度会いたいんですよ。
シンオウにいる時お世話になりっぱなしだったのに、お礼も言えなかったし。
だから、せめて連絡先でもゲットできればなぁって」
「うん、イッシュには必ず行く事になるからってさん言ってたから、
その時は私達がなにかお返しできればって思ってるんです。」
以前にもお二人はそんな事を言ってました。
が今回イッシュにきたのはが呼んだからですが
他になにか目的があって、こちらに来る予定があったのでしょうか?
私の疑問をクダリも感じていたらしく、二人の顔を覗き込んでます。
「あのね、二人共前にもそう言ってた。
って、どうして必ずこっちに来る事になってるの?」
クダリの言葉に二人共何やら考え込んでしまいましたが
真剣な表情で顔を上げてから私達に近づいて小さな声で話し始めました。
「さん本人の口からは、とんでもない相手と喧嘩するかもって
完璧に潰して完全勝利しなくちゃならないって言ってたけど…な、トウコ。」
「うん、その表情が凄く…なんて言えばいいのかなぁ、なんか覚悟を決めた?
うーん、Nと同じ顔だったのがちょっと気になってるんですよね。」
…Nと言えば伝説のドラゴンの片割れを所持されていたプラズマ団のトップ、
現在はドラゴンと共に消息が全く掴めなくなっていると聞いていますが。
私達が二人から話を聞いただけでしたが、あまりにも純粋すぎて
騙されて、そして暴走してしまっただけだとか…
「あんな事がなかったら、オレはあいつと友達にだってなれたと思う。
でも、あいつは自分の理想の為に戦って、負けて、そして姿を消した…
その時の顔とその話をしたさんの顔がダブるんです。」
「だから、もしかしたらさんも姿を消しちゃうんじゃないかって
私、さんが大好きなんです。友達なんて恐れ多い位ですけど
その位大切だから、もしもいなくなったら嫌だなって。」
二人がお互いを見て頷いております。
クダリが何か考えておりますが、恐らくはの言葉と
が言った言葉が同じ事について考えてるのでしょう。
私も話を聞いての言葉を思い出しましたから。
『俺達はまだ一つの場所に落ち着けないんです。
最悪とんでもない喧嘩をふっかけて完璧に潰して勝たなきゃなんないんですよ。』
これは恐らくは私達が踏み込む事を許されていない場所。
それがあの二人に共通してあるというのがなんとも気になります。
「だからオレ達、イッシュでさんがそう言う大喧嘩?する事があったら
全力で協力して、あいつみたいに姿を消さないようにしたいんです。」
「余計なお世話かもしれませんけどね、でもお節介上等です!
さんがなんて言ったって、私達は譲る気なんてありません。」
この二人ならやがどう言おうが本当にしてしまいそうで
私はちょっと羨ましくなってしまいました。
そうですね、遠慮していても仕方がないですよね。
「その時はボク達も協力させて?いや協力するね!」
「えぇ、全力で協力させて頂きます。」
私達の言葉にお二人はちょっと驚いたようですが、
サブウェイマスターが一緒なら怖いものなんてない!なんて笑っております。
「二人共、そろそろ駅に着く。あ、と…と…うん、来てる。」
「…さん?あ、さんの部屋にある写真で見た人だ!
あの人もイッシュって、え?ギアステーションで働いてるんですか?!
うわー、これはいい情報がもらえるかも。な、トウコ!」
「うわー、さんもカッコイイけどさんもイケメン!
ちょっと私、二人のファンになりそう!」
ホームにはとがおかしな程にくっついて並んでおります。
トウコ様が手を振れば、それに気がついた二人も笑って手を振ります。
二人が顔を窓に思い切り近づけて外を見る様子が子供の様で
私もクダリも思わず笑ってしまいました。
ホームに降りた時に、何が起こるのか今から楽しみなのは
私もクダリも同じようでございますね。