-一章・孤軍奮闘編:上司達と部下達の交流-

一章・孤軍奮闘編

上司達と部下達の交流



総務部長との対決に完全勝利した俺は足取りも軽く執務室へ戻った。

失礼しますと声を掛けて中に入ると両ボスが俺に詰め寄ってきた。



、スーバーブラボーなバトルでございました!

私、ダークライの異名を持つあの方が書類関連で敗北する姿を

初めて見ました!おつかれさまでございます!」



「ホントのポケモンバトルと同じ位凄かった!

皆、が勝った時拍手してた!最後に握手してたから仲直りもオッケー?」



ノボリ…勢いに任せて背中叩くのは良いが、地味に痛い。

後、クダリは俺の手を握って降るのは良いがバランスとりにくいんだが。

って、部長とのやり取りを見てた?皆が拍手?どういう事だ??



が総務部へ行ったあとで、パソコンに映像が流れ始めたのでございます。

貴方と総務部長が写っておりまして、実況中継されたのでございますよ。」



「ホントはそう言うのダメ。でも皆それよりも勝負が気になって見てた。」



はぁ?あのやり取りが生中継でギアステ中を流れたってのか。

暇な奴もいたもんだなぁ…と、感心するのは置いといて。



「勝ったとか負けたとかはわかりませんが、一応俺の案件は通りそうで

ひと安心しましたね。あれは近いうちに実現させてみせますよ。」



「えぇ、私達も貴方の提案を聞いて成程と納得しておりました。

上層部の方もきっと反対される方はいらっしゃらないと思いますよ?」



上層部にまで映像が流出してるって、それを諫めずに見てるとか、マジかよ

まぁ、不本意ではあるが、顔を覚えてもらったって事で良しとするか。



「それはなによりです。ところで、定時過ぎたのでお暇しても?

先程教えて頂いたショッピングモールへ行って買い物を済ませたいんですが。」



ライブキャスターの時計は定時を少し過ぎた位の時間を表示している。

それを見ながら、教えてもらった道順を思い出す。



「うん、全然オッケー。色々と備品とかを動かしたりで大変かもしんない。

後もう少しで終わりそうだから、その後での寮行って手伝う!」



「電気水道については昨日のうちに通しておりますので問題ないかと。

引越し祝いにイッシュお勧めのワインを持っていきますよ?」



手伝いはともかく、そのワインって魅力に負けて俺はどうぞと言っちまった。

昨日世話になったんだから今日は俺がもてなしてやるか。



「それでは、後ほどお待ちしてます。では、失礼します、お疲れ様でした。」



俺が二人に向かって一礼すると笑いながら手を振っていた。

部下にする仕草じゃないだろう…まぁ、三人だけのときはこの位いいか

俺もあいつらにはなんでか知らないが甘くなるな。


男子トレーナー専用の更衣室に入ってみれば、何人かが帰り支度をしていた。

その中にカズマサを見つけたので軽く手を上げて挨拶する。



さん!総務部長さんとのリアルバトル見てましたよ。格好良かったです!」



「あれは、リアルバトルじゃねぇよ。ディスカッション?ま、そんな所だ。」



そんな話をしていたら、他に着替えていたトレーナーさん達も集まってきた。

あそこの切り返しが凄かっただの、あの反撃はタイミングが良かっただの

気分は画像が流出したアハンウフンな女優って感じがする。



「そう言えば、さんは寮に住むんですよね?ボクも寮に住んでるんで

案内しますから一緒に帰りませんか?」



カズマサの提案に、周囲から迷うなよ!とかお前に案内できるのか?等と

ツッコミが入り更衣室が笑いに包まれた。

途中ショッピングモールへ寄る事を言えば、荷物持ちを手伝ってくれると言う。

好意に甘えさせてもらう事にして、着替えを終わらせて俺達は店へ向かった。

ちなみに、ショッピングモールまでの道は俺が先導した。

カズマサときたらいきなり、全く逆の方向へ行こうとするんだから仕方ない。

こいつの方向音痴はマジで筋金入りだな!



「寮のベッドには布団がないので買ったほうがいいですよ?

後は料理をするならコンロがついてますから鍋とかも買ったほうが良いですし

食器も必要ですね。ローテーブルはありますが他の人は結構ソファとかも

置いてますよ?」



備え付けのものはパソコン、デスク、ベッド、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ

掃除機、テレビ、エアコン、ローテーブル…結構揃ってるなと感心した。

カズマサに色々と聞きながら必要な物をカートに入れる。

ホームセンターだけじゃなくスーパーにも寄って、食料を適当に

酒を厳選して買ってみると結構な荷物になった。



「カズマサ、お前飛行タイプのポケモンっているか?

この荷物の量だから、歩くのはしんどい。いっそ空を飛ぶで帰ろうぜ。」



寮までの道を思い出し、それを空を飛んだ時用に脳内変換する。



「あー、ボク持ってないんですよ。さんは大きい荷物もって先にどうぞ?

ボク後からこっちの食料品とか持って行きますから。」



「さっきの状況から言って、お前が道に迷う確立は100%だから却下な。

俺の手持ちに2体いるから好きな方乗ってくれ」



俺はモンスターボールからトゲキッスとカイリューを出した。

カズマサはトゲキッスを見て興奮していたがさっさと行くぞといって

トゲキッスの背中に乗せる。

大きな荷物はカイリューが持ってくれるから俺は割れ物を持つだけだ。

上空に上がり、頭の中の地図を確かめながらカイリューに指示を出す。

後ろからはわーとかすげーとか言うカズマサの声が聞こえて笑っちまった。


目的地について俺は自分の部屋…1階の右端のドアを鍵で開けた。

中は綺麗に片付いていて、ザッと掃除機を掛けてから荷物を入れる。

電化製品のスイッチを入れて異常がないか確かめている間に

カズマサがフローリングを水拭きした後、カーペットを敷いてくれた。

ある程度セッティングが終わった頃にノックが聞こえてドアを開ければ

キャメロンともう一人が立っていた。



「ヤホー、引越シ祝イニ トッテオキノウィスキー 持ッテキタヨー

コッチハ トトメス 彼ハ ノ隣 オレハ上ニイルカラ ヨロシクネ!」



「キャメロンに引っ張られてきたけど、大丈夫かな? 

ぼくはトトメス、隣同士になるから仲良くしてくれると嬉しいな。」



「酒は大歓迎だぞー! トトメス…でいいよな?俺の事もでいいからな

こちらこそよろしく頼むよ。まぁ、入ってくれ。あ、靴は脱いでくれな。」



中に招き入れて酒飲みながら、俺とカズマサはまだ飯を食っていないって

言ったら、トトメスが自室からおすそ分けといってピラフを持ってきてくれた。

米の飯に喜んでいると近くの家電量販店に炊飯器が売ってるらしい。

よし、明日買いに行こう!やっぱ米食わないと腹に力が入らねぇ!


しばらく4人でギアステの話やバトルの話をしてたら、ノックの音がした。

ドアを開けるとノボリとクダリがエコバック2つ分位の荷物を持って立っていた。



「ボク達御飯まだだからここで食べようと思って、色々買ってきた!

あ、皆来てたんだ。沢山買ってあるから、一緒に食べよ?」



「先程お話したワインもございますよ?あとは適当に買ってあります。

日持ちのする物を選んだので、余った分はが貰ってくださいまし。」



デリで選んだ惣菜やパストラミのサンドウィッチ(美味くて有名らしい)や

ちょっと値段のはりそうな缶詰なんかをテーブルの上に広げる。

俺は人数分の皿とフォーク、ワイングラスは無いからタンブラーを出す。

気分はちょっとした宴会みたいなノリになって皆で飲み食いを始めた。



「そう言えばもう一人入ってくるって聞いたんだけど、どんな人なのかな?

の所の社員さん…って呼んでいいのかな、興味があるね。」



トトメスがアンチョビーのカナッペを口に入れながら聞いてきた。



ッテ女ノ人ダヨネ? デモ ココニ入ルナラ 色々ト問題アルカラ

オレハ心配ダナー。最悪ナ ケースダト 潰サレチャウヨ?」



「ですよね、ボクが知ってるだけでも何人かの女性職員が潰されてます。

ボス達、さっさと恋人作るなり結婚するなりしちゃいませんか?

そうすれば問題は解決するんですよねぇ…」



こいつらの取り巻きっつーのか、女どもってのはそんなに凄いんだろうか?

ある程度は想像つくが、そこまで多いならこれは問題視するべきだろう。



「ボクだって結婚したいよ?でも彼女を作る段階で皆ダメになる。

会えない時間が多すぎて、私と仕事どっちが大事?!とか言われちゃったら

もうダメ、一気に冷めちゃうもん。」



「私もあの媚を売るような言葉や態度には辟易しております。

上辺だけ取り繕ってもそんなものはすぐにモロバレルでございます。

結婚以前の問題で、私は女性とお付き合いすること自体考えておりません。」



クダリはともかく、ノボリは相当重症だな。

このままだと職場全体に影響が出ちまうだろう。いや、もう出てるのか。



「ノボリとクダリはこのままそれをほったらかしにするのか?

そこまで色々と問題があるなら関係者を何らかの形で処分すべきだろう。」



「それがね、誰が首謀者で共犯者かわかんない。

大体の見当はついてるよ?でも確証がないから問い詰める事もできない。」



陰湿極まりないってやつだな。だがそういう状態が余計にそいつらを

増長させているんだったら、いい加減動かないとまずいだろうが。



「ノボリ、クダリ、お前達はその首謀者と関係者がはっきりしたらどうするんだ?

ギアステの最高管理者としての意見と個人としての意見両方を聞きたいんだが。」



トトメスが俺にハイボールを作って渡してくれた。ありがとなと、礼を言うと

気にするなと笑われた。何気によく気がつく奴だよなぁ。



「ボク個人としては、もう放っておいて欲しい。

そんな事をする人をボクは絶対好きになんかなれないから。

サブウェイマスターとしては懲戒解雇する。これって究極のパワハラだから

法律上でも問題ない。その位ボク、怒ってる。いい加減にして欲しい。」



「私もクダリと同じ考えでございます。本来でしたら男女区別なく

社員一同お客様のために誠心誠意協力し合って働かなければなりませんのに、

著しくギアステの規律を乱す以外のなにものでもございません!

原因が我々にもあると言われる事すらマジで勘弁、いい迷惑でございます!」



二人の言葉に、他の3人が揃って頷く。

成程ね、それだったら話は早いかもしれないな。



「まぁ、の心配は必要ないかな。それに明日くるがそれを

黙って見ているわけないし。勿論、俺もやられたら倍返し以上が基本だしな。

一応はこちらから仕掛けるつもりは無いが、向こうが喧嘩を売ってきたら

徹底抗戦して、完膚無きまでに叩き潰す。むしろ、これを機会に

ギアステの中の膿を全部出し切っちまった方が良い。」



「ソウイウ事ガ出来ルナラ オレ達職員ハ 全員デ協力ヲ スルヨ」



キャメロンの言葉にトトメスもカズマサも頷いた。



「まずは、が来てから話をしてあいつの意見を聞いてみる

こういった事に対抗する方法を考えるのはあいつの方が上だから

相手に付け入る隙なんざ全くない位のとんでもないやり方で潰すはずだ。」



より上とか…うん、ボク想像したくないかも。」



「「「「同感(ダネ)(ですね)(だなぁ)(でございます)」」」」



お前達は俺のことをなんだと思ってるんだとツッコミを入れれば

新種の格闘ポケモン!と即答されて皆で笑っていやがるし…

でもが来たら、俺がどれだけ優しいかがはっきりするだろうな。

まぁ、俺なんかあいつの足元にも及ばないってのは今は言わないでおく。