序章
部下の部下に対面する上司達
クダリが馬鹿な事をしたお蔭で、との距離が縮まり結果オーライでした。
それにしても、口では良い人ならそれで良いとか言っていた癖に
何をやらかそうとしたのか…あの子は色々考えすぎて行動が突飛になります。
でも、なんでしょう…私もクダリも色々と抱えていた物から解放された
そんな感じでとてもスッキリしております。
ポケモンとの付き合いでしたら自信がありますが
どうも人が相手になると、お互いにもうダメダメですからね。
「お前等そろそろ寝ないとまずいんじゃね?って、オイ、それはなんだ?」
バルコニーで喫煙されてたがリビングに戻ってきて私達を見つめます。
リビングはテーブルを押しやり、広くした後に布団を3つひいてます。
「あのね、ボク達と一緒に寝たいなー?なんて思った!
よく雑魚寝するって言ってたから、ボク達もやってみたい!」
えぇ、もう遠慮はしないという事でクダリがまたまた暴走したのです。
そう言う私も強く止めなかったという事では暴走してるのかもしれません。
「俺はそれでも別にかまわないが…まだ寝ないぞ?
と色々話したい事もあるし、煩くて眠れないと思うんだが…」
「私達、ちょっとハイテンションなので、眠気も吹っ飛んだのでございます。
なので、眠くなったら寝ます。は気にしないで下さいまし。」
「うん、ボク達どこでも眠れるから問題ない。
あ、ボク達がいると話せない事?だったらボク達部屋で話し終わるまで待つ。」
二人で枕を抱えての前で正座して返事を待つ様子は
他の方が見ると卒倒モノでしょうね。でも、そんな事は知りません。
私、に関しては好き勝手にさせていただく所存ですので!
「クダリ、気を使いすぎ。 別に聞かれて困る事はないから…
お前らが良いなら別に良いんだがな。ただ、ドン引きするなよ?」
はて?ドン引きとはどういう意味なのでしょう?
私達が頷くと、はライブチャット画面を開きます。
すると、すぐに応答があり。先程見たさ…いえ、が
こちらに手を振っておりました。
『連絡くるかなーって待ってたんだけど、大当たりだったね。
そんで、住む所とか決まった?住所わかったら教えてね。荷物送るから。
って、今どこからチャットしてるの?凄く高級そうな家なんだけど?』
「あぁ、色々手違いで宿取れなくてよ。んで上司の…いや、ダチの家に
泊まらせてもらってるんだわ。」
ダチ…初めて言われた言葉ですが嬉しいものですね。
がそう言うと画面越しに驚いた表情が映りました。
『上司さんって今日会ったばかりでしょ?珍しいね。
私、てっきりどっかで女の人引っ掛けて転がり込んだのかと思っちゃった。』
「なっ…!!お待ちくださいまし!
女性がそんなはしたない事を言うものではございません!」
ケラケラと笑いながら当たり前のような発言のあまりの内容に
私思わず画面に向かって指差しして叫んでしまいました。
クダリもも、そして画面の向こうでも驚き固まっております。
…私…やっちまいました…ど、どうしましょう!!!
「こんばんは、はじめまして。ノボリがゴメンね?
ボク双子の弟のクダリ。どっちもの友達で上司。よろしくね?」
横からクダリが出てきて画面に向かって手を振っております。
固まっていた雰囲気も同時になくなって、ナイスフォローでございます!
いけません。私もキチンと挨拶しなければ!
「改めまして、私サブウェイマスターのノボリと申します。
先程は失礼致しました。しかし!貴女様もあの様な発言はお辞めくださいまし。」
「ノボリ、お前堅苦しすぎ。に女を求める方が間違いだぞ?
つうわけで、、こいつらが俺らの上司になるわけだ。
ついでに俺のダチな?凄ぇ面白くて良い奴等だから。」
から紹介されて、私とクダリは画面に向かって一礼します。
こらクダリ、手を振るとか子供みたいなのでやめてくださいま…って
も笑顔で手を振ってるとか、ノリノリでございますね。
なんでしょう、この方はの友人だからなのでしょうか?
どのような場合でも苦手意識の強い女性であるのに、全く気になりません。
『サブウェイマスターさんの話はトウヤ君とトウコちゃんから聞いてる。
凄くバトルの強い人達で、お兄さんみたいに良くしてもらってるって。
あの子達、まだ色々と心が柔らかくて傷つきやすいから
ちゃんと守ってくれる人が傍にいて良かったなって思ってたから覚えてたんだ。
そっか、バトル施設だったら結構大きい企業だもんね。
そりゃだけじゃ無理だわ。』
「私もお二人から貴女様の事を聞いております。色々とトウヤ様が
お悩みになられたのを手を差し伸べて頂いたと感謝しておりましたよ?
後、ここはバトルサブウェイと申しまして、地下鉄でバトルをする施設。
それだけではなく、一般の地下鉄としても存在しておりまして
イッシュ地方全域を網羅しております。」
『地下鉄でバトル?!凄いねー!でも私乗り物酔い酷くて想像しただけで無理!
あ、仕事はちゃんとするのでご安心を!これから宜しくお願いしますね。』
あの二人がその様な事を言っていたとは…なんだか気恥かしさでいっぱいです。
ふと我に帰って横を見ると、とクダリが頬杖をついてこちらを見ています。
あ…私、またやってしまいました!
再度固まってしまった私の肩に手を置いてが画面に向かいます。
「話は終わったか? 住む場所は事務所兼住居って事で契約してきたぞ。
お前が負担する家賃0になりそうだ。住所は…メールで送ったからな。
んで、そっちはなんとかなったのか?」
画面の向こうの顔つきが今までの柔らかい感じから一変しました。
これは…トウヤ様のバトルレコーダーにある表情と同じですね。
『なんとかしたんだよ。あの後ゴタゴタして大変だったんだけどね。
シロナさんも丁度戻ってきてて、会長と3人で話しあったさー
こっちはいつ交代してもいい様にって、最初から色々基盤作ったり
マニュアルとか作ったりしてたからね。
結局はずっと手伝いって名目で育ててたヒカリちゃんが後継したよ。
バックのサポートは四天王がする事になってるから問題ないよ。』
「結局は無敗のまま引退ってなるのか?凄ぇ功績作ったな。」
サラッと言ってる内容が凄すぎです、。
しかし、その様に強いトレーナーでしたら是非ともバトルしてみたいですね。
『バトルの腕前だけでいうなら何人かいたんだけどねー、
チャンピオン…代理でもさ色々と他の事が多いからね。
任せられる人がいなくってここまでやっちまったい!って感じだよ。』
「ま、なんにせよお疲れ!こっちに来ても色々とやる事多いからな
その点は覚悟しろよ?んじゃ、早速仕事の話に入るがいいか?
まずは作業服一式は支給してもらえるからサイズは前と同じでいいな?
作業部屋はお前の材料置き場と俺の材料置き場の2箇所確保した。
部屋が隣同士で発注品の受け取り口からも近いから楽だぞ。
んで、事務処理については俺が専用のパソコン支給されたから
それで事足りると思う。もしダメなら俺のノートパソコン使えば良い。
それとな…」
説明された物を全てメモしながらは頷いておりますが、
私やクダリには専門用語が多すぎて何が何やらサッパリでございます。
そんな事を考えておりましたらクダリが傍に来ました。
「ノボリ、女の子…じゃないか、女の人と普通に話してたね。」
ニヤニヤとしたその笑いはやめて下さいまし。
確かに、私も普通に話せておりましたので、自分でも驚いております。
「えぇ、ですがなんと申しましょうか…彼女には女性らしさが無いと
言いましょうか…そういう物を感じていないからだと思います。」
「何気に失礼な事言った。確かにあんな事、普通の女の人は言わない。
でも、普通にしてたら結構可愛いと思うけど?」
私は改めて画面に写っている顔を見てみました。
ウェーブのかかった長い黒髪とイッシュでは見ない顔立ちは
どこか柔らかく儚げでもありますが、その黒目の大きな黒曜石の様な瞳が
その雰囲気を否定するかの様に生命に満ち溢れております。
私は可愛らしいと言うより、純粋に綺麗だなと思いました。
それにしても妙に食いついてきますが、どういう事でしょうか?
「あなたは何を言いたいのです?彼女は私達の部下になる方ですよ?」
「でも、ノボリが普通に話せる女の子ってすっごく貴重!
だからね、部下ってだけじゃなくて、みたいに友達になれないかなって
ノボリはどう思う?」
達はまだ話が終わっていないようですね。
それにしても女性と友人関係でございますか…そんな事考えもしませんでしたが
今までの女性の様に私達に特別な目を向ける事のない彼女でしたら
それも可能かもしれません。
「そうですね。私達の知っている女性とは違うタイプなので可能かと…
しかし、そんな事をすれば彼女自身に色々と厄介事がきそうで心配です。」
想像しただけで背筋がうすら寒くなってしまいました。
クダリも私の言葉にそれを思い出したようで難しい顔をしております。
気の良い方の様ですので、そのままこちらに溶け込んで欲しいのですが
それは大変難しい事でもあるでしょう。
私達がそんな話をしていた時に、ちょうどがその話を彼女に
振っておりました。
「…っつう訳でさ、こいつら結構モテるから、お前が来ると色々と
やられちまうと思うんだよな。其の辺は俺もフォローするけどいけそうか?」
『発情期の雌が揃いも揃ってお目当ての雄をゲットしようとして
他の雌を排他するってのは仕方が無い事だよねー。
まして、そんなにハイスペックな雄なら尚更躍起にもなるか。』
「お待ちくださいましぃいいいい!は、発情とか雌とか…
普通にサラッととんでもない事を言わないでくださいまし!」
一瞬で顔から火が吹きそうになりました。
今なら私画面に向かってオーバーヒートを使えそうです!
横でクダリも顔を真っ赤にしております。
「ちょ、ボク達雄?いや、確かにそうだけどそれって酷い!」
怒るところはそっちでございますか!
と言えばそんな私達をみて爆笑しております。
「なんだったら、お前も参加して他の雌を蹴散らせば良いんじゃね?」
「ー!何を恐ろしい事を言ってるのでございますか!!
私思わず、自分にリボンがかけられていてその目の前で
女性たちが無差別バトルを繰り広げる様を想像しました。
その様な阿鼻叫喚な図など見たくもございません!」
クダリもその様子を想像したようでございますね。
両腕をクロスさせて、自分を抱きしめる格好で怖い怖いと呟いております。
『あはは!ノボリさんでしたっけ?には黒レースのゴージャスなリボンが
似合いそうですね。んで、クダリさん?には白のフリフリのリボンとか。
でも、まぁ…私は発情する気も予定もないので、その案は却下だね。
まぁ、まだ人間としての理性が働いてる相手なら話し合いでもするけど…』
「、そんな事通じるような相手じゃない。
ホントに色々と危ないから!そんなのんびりと構えていられないから!」
のほほんとした様子の彼女が写っている画面にクダリが指を差して
ツッコミをいれております。えぇ、全くその通りです。
『仕事の邪魔になるような、困った雌には実力行使で躾しますよ。
くだらない事につきあってやる程、私は心が広くありませんので。』
親指を立ててこちらに挑戦的な笑みを浮かべる様はと似ておりますね。
なんと言いますか…マジ、男前でございます。
このご様子だと、本当になんとかしてくれそうな気がしてきました。
「格好良い!凄く男前すぎる!」
「おうよ!伊達に達と長年付き合ってませんよ。この人モテるから。
心配しないで、完膚無きまでに叩き潰してあげますよ。」
クダリが両手を組んで画面をみております。
えぇ、斯く言う私も、同じ様に拝み倒したくさえなりました。
『まぁ、なんにせよ全部はそっちに行ってからの話だね。
時間も時間だし、今日はこの辺で落ちようか。
、私これからずっと家にいてパソコンつけてログインしとくから
何かあったら色々連絡ちょうだい?』
「おう、わかった。取り敢えず伝えたいことは伝えたから。
また何かあったら連絡する。んじゃな。」
お互いに画面に手を振り合ってから終了ボタンをが押して
パソコンの電源も落としました。
「こんな遅くになって大丈夫か?悪ィな、付き合わせちまって。」
「全然オッケー!。、って凄く面白いね。」
クダリが笑いながら布団に入る準備をします。それに続いて
私達も同様に布団へと入りました。
「だから、ドン引きするなよって前もって言っておいただろ?
後、あいつに女性の定義を当てはめるのも無駄だって。」
を間に挟むようにしてそれぞれに布団に入った後も
まだ眠気が来ない私達は先程の様子を色々と話してました。
「確かに、ですがあの様子でしたら例の問題も何とかなるかもですね。
私、その点についてだけはひと安心いたしました。」
えぇ、あのご様子でしたらきっと大丈夫でしょう。
何やら確信めいた予感がしております。そしてそれは外れはしないでしょうね。
今までの女性とは全くタイプが違いますので、私もなんとかやっていけそうです。
「色々と仕事的にも、ネタ的にもやらかしてくれるからな。
見ていて飽きないし、面白いぞ?まぁ、来るのを楽しみにしててくれよ。」
その後お休みといっては布団に潜り込んだのでこの話はこれで終わりました。
気がつけばクダリも眠ったようで小さな寝息が聞こえております。
私はそれを耳にしながら眠るべく目を閉じました。
今日は色々な事がありました。そして色々な感情が私を支配しました。
それもこれも全てはとの出会いが全ての発端でございました。
この出会いが私とクダリに新しい風を送り込んでくれる
そして更なる高みへと引き上げてくれるものであって欲しい。
そう願ってやみません。
だんだんと忍び寄る睡魔に身を任せ、今日はこのまま眠りましょう。
素敵な夢がみれるともっと良いですね。