一章・孤軍奮闘編
課長始めました
ぐっすり眠りすぎて、いつもより遅めの出勤になった。
ちょっと慌てちゃったけど、執務室について着替えれば準備はオッケー。
今日は朝から絶好調!バトルだけじゃなく、すっごい仕事してみせる!
ノボリと二人で朝礼の打ち合わせしながら、コーヒーを飲んでたら。
ノックの音がして、が入ってきた。
「、ギアステの作業服似合ってる!」
オレンジとモスグリーンを基調にした作業服の上下を着て
左腕にはボク達と同じコバルトブルーの腕章をつけて入ってきた
はちょっと照れた様に笑った。
「そっか?それにしてもここの作業服だけじゃなくてツナギもメットも
安全靴に至るまでデザインも機能性も凝ってるよな。」
「えぇ、お客様と直接関わる事の少ない職種とは言え皆無ではございませんし
デザインに関しては不快に見えず、尚且ギアステらしい物をと考慮しました。
機能性につきましては安全第一でございますので、こちらの方は私達では
よくわからないので、それならばいっその事作業員の皆様の意見をお聞きして
それぞれのご希望に添える様な物としました結果でございます。」
ノボリがの胸に付けられた社員証の位置を直してあげてる。
こういう面倒見の良い所、部下達も知ってるからかな?
シングルのトレーナーの皆は他の部署以上に面倒見が良い事で有名。
「結構危ない仕事多い。それで怪我したりしたら嫌だし、悲しい。
だから色々注文つけて発注したら、よくわかんないけど、ビックリされた。」
ちなみにダブルのトレーナーの皆は気配り上手が多い事で有名。
相手の考えを読んでその先を更に何種類、何手と考えるからかな?
「現場の意見を取り入れるって大事だけど、なかなか出来る事じゃない。
大体こういう物は消耗品だからな、これだけの良いモン揃えるなら
コストだって馬鹿にならないはずだ。
それでもきちんとやってるお前達は、やっぱ凄いよ。
だから下のモンも仕事を頑張ってその気持ちに応えたいって思うんだろうな。」
のストレートな褒め言葉になんだか照れちゃうな。
ノボリなんて顔は相変わらずの仏頂面だけど、耳まで赤くしてるし。
「皆、ギアステ…ううん、バトルサブウェイが大好きな大事な仲間。
だから皆が仕事を頑張れるようにって、出来る事をするのは当たり前。」
「えぇ、皆様が頑張って私達を支えて下さっているのですから
私達も皆様を支えて立場的にもお守りするのは当然の事でございます。」
ボク達の言葉を聞いて、は凄く優しい顔をして笑った。
「やっぱ、凄いな。 俺、こういう良い職場に出会えて一緒に仕事出来るなんて
ラッキーだと思うよ。俺もお前達や他の仲間の為に頑張るからな。」
親指を立ててボク達の前に腕を出して笑う顔が凄く頼もしいなって思った。
今日の朝礼でを紹介するけど、きっと皆とうまくやってくれそう。
「さて、今日の朝礼で、あなたを皆に紹介します。
異例の人事でございますので、皆様戸惑われるかもしれませんが、
基本、とても懐の広い方々ばかりですので、すぐに慣れていただけるかと。」
ノボリが朝礼の進行表をに見せて説明する。
ボク達がプッシュして就職したって事はすぐにバレるだろうけど
それについてどうこう言うような低レベルの人達はここにはいない。
「俺がここでは一番の新参者なんだから、むしろ他の皆の胸を借りるつもりだ。
まずは、顔を知ってもらわないと話にならないから今日はギアステ全体の
部署の場所と施設の把握と挨拶回りをやらせてもらいたいんだが。」
「入社のオリエンテーションもあるし、そのへんのサポートはバッチリだから
その後の事はの好きな様に動いてくれてオッケー。」
「何かわからない事がありましたら、施設内の事でしたらどなたに聞かれても
答えていただける様、皆様教育を受けておりますので。聞いてくださいまし。」
お互いにサポートしあえるようにって色々とそういう教育体制は万全。
これはボク達がお願いして取り入れてもらった。
ギアステがボク達の第二の家、そこに住んでいる人が家の中のこと
知らないなんて絶対おかしいって思うし。
お客様に聞かれて、わかりませんなんて言うのも恥ずかしい事。
だから大変だとは思うけど、その辺の教育は徹底させてもらってる。
「成程、確かにそうだよな。俺も一応正社員と同じ待遇なんだから
その教育受けさせてもらえるんだろうな?いや、受けさせろ。」
「元よりそうするつもりでございましたので、ご安心?をしてくださいまし。
本日より三日間は午後の3時間程を使い、新人教育を受けていただきます。
担当する者はそれぞれ変わりますが、頑張ってくださいまし。」
ノボリの言葉には頷きながらメモをとる。
何気にってばメモ魔だよね。でもちゃんと話をきいてるって姿勢が
こっちにも伝わってくるから、そう言うのってボクは好き。
「さて、そろそろ時間。二人共準備オッケー?」
ボクは時計をみて二人に声をかける。いつもだったらこんな事言わなくても
相手はノボリしかいないから良かったけど、今日は違う。
「おうよ、制服もチェック済だしいつでもいいぞ。」
「目指すは朝礼、出発進行でございます。」
三人でドアを指差して笑いながら執務室を出た。
こんな楽しい一日の始まりなんていつ以来だろ?これから毎日がそうだと良いな。
三人で肩を並べて…と思ったらはボク達より2、3歩後ろを歩いてた。
なんで?って思ったけど、そっかここは仕事場ではそう言うのを
キチンと区別する人だった。
すれ違う人達にそれぞれに挨拶を交わして、ミーティングルームへと入る。
そこには既にほとんどの部署の代表が集まっていた。
ボク達が前方の定位置についたら朝礼は始まる。
それぞれの部署から今日の連絡事項が次々と報告されて、ボク達は頷く。
すべての報告が終わった後、ノボリが一歩前に出て全員を見渡した。
「近々、ギアステーションに施設設備保全管理課を新設いたします。
今までは外部業者に委託しておりました修繕、保全等をこちらの課で
全て引き受ける事になります。勤務者は二名ですが、、こちらへ。」
はノボリに呼ばれると、周りに一礼してからボク達の横に並んだ。
ボクも一歩前に出て二人に並ぶ。
「が新部門の課長。もう、施設の修理をひとつ昨日のうちに終わらせた。
委託業者の形でここギアステと専属契約したけど、扱いは正社員と変わらない。
皆から色々修繕とかの要請きてる。それ、全部やってもらうから。
皆もに協力してあげて?」
周囲の反応を見渡しながらボクが話した。特に皆の雰囲気に変化はなかった。
あ、ボイラーの管理者がガッツポーズしてる。そっか昨日も言ってたもんね。
「では、。なにかありましたらどうぞ。」
ノボリに促されてが一歩前に出て一礼する。
普通の人はこれだけの人数を前にすると結構緊張したりするんだけど、
それが全然感じられない。ボク達と話す時より少し低めのよく通る声が響く。
「この度、こちらの施設と専属契約をしました と言います。
シンオウ、カントー、ジョウト、ホウエンで施設設備関係の経験があります。
イッシュ地方は初めてですの色々と違いがあるかもしれませんが、安全、快適に
使用していただくと言う事に変わりは無いと思ってます。
仕事の内容上、皆様の関連する場所へお邪魔する事もあります。
何か問題があるようでしたら、遠慮なくすぐに申し出て頂けると助かります。
これからどうぞよろしくお願いします。」
流れるように言葉が出されて、終わった後にもう一度一礼して後ろへ下がる。
ノボリがを見ながら、色々付け足しをはじめる。
「もう一名につきましては、現在こちらへ向かう準備中ですので着任と同時に
部門の業務を開始する予定になっております。
それまでの間、には新入社員と同様の研修をしてもらい、尚且
各設備の点検、問題箇所の割り出しと修繕計画の作成等をしてもらいます。」
「ボク達に来てた修繕関係の書類はが全部把握してる。
今度から、そういう書類は全部に渡してね。」
「では皆様、本日もよろしくお願いいたします。」
「皆で頑張ってすっごい仕事しようね!」
ボク達が締めて朝礼は終わり、随時解散になったんだけど
総務部の人がボク達の所にきてのオリエンテーションの予定と
新人教育についての進め方を聞いてきたので一緒に考える。
一通り予定が組み込めたので話は終わって、の方を見たら
結構な人が周りに集まっていた。
「…あぁ成程、それはエアコンの種類を見てみないとわからないですが
その調節だったら結構簡単にできると思いますよ?
えぇっと水回りの結露については換気とその場所を見てからになりますね。
コンセントの増設は割り当てられたアンペアの範囲内だったら可能です。
一応、今の話を書類にして俺の方にいただけませんか?
俺の部署…部屋はボス達の執務室をお借りしていますので、そこに…はい。」
もう仕事してるの?ってちょっと驚いた。
色々な部門の割と上の方の人たちが朝礼に参加することになってるから
これはいい顔合わせになったのかな?が笑顔で対応してる。
他の人達の反応も凄くいい感じで時々笑い合ったりもしてる。
ある程度話がついたのかお互いに一礼しあって別れてた。
がメモを片手に僕たちの方へ向かってくる。
「もう、仕事の話?でもボク達の所に書類来てない話もあったような…」
に聞いたら、苦笑いしてた。
なんでも、すぐにって問題でもないし自分達が要望してボク達に
余計な手間とお金をかけさせたくなかったんだって。
「多分、こういった小さな要望みたいなのは今後こっち回ってくるとは
思えないんで、其の辺は世間話をしながら引っ張り出して改善しますよ。」
ニヤリと悪巧みしてる様な顔のにはボク、誰も勝てないと思う。
でも、こういった小さな事でも拾い上げてもらえるのは助かるかも。
「さて、私達はこれからバトル業務が入っております。
はこの後総務へ行ってオリエンテーションを受けてもらいます。
インカムを常に装備して、終わりましたら連絡を下さいまし。」
ノボリが自分のインカムを装備しながらに色々と説明する。
こういう事はノボリにお任せ。
準備オッケーでボク達はそれぞれ仕事場へ向かう。
ギアステ…バトルサブウェイは実は就職するのも難しいけど
仕事を続けるのも結構難しい。
忙しくて、自分の時間も無くなるし、いつもサービス精神でスマイル必要。
だから憧れだけで入った人達は現実との差に長くはここにいられない。
ホントに好きな人じゃないと務まらない。でも、ボクはそれで良いと思う。
の場合は扱いが特例。でもその辺の条件は皆と一緒。
仕事は好きなのはわかってるから、まずは慣れて欲しいな。
そして、ここを好きになって欲しいな。頑張ってね、。