-序章・肉食男子達の晩餐会-

序章

肉食男子達の晩餐会



仕事が終わって、ボクとノボリとで近くのデパートまで来た。

さっき言ってた細々した物を買って領収書もゲットする。

次に、不動産屋に行って部屋を見せてもらった。

諸々のチェックをして、問題なかったから契約して鍵も受け取った。

これで、今日のやる事全部終了。後は晩御飯に向けて出発進行!!


ちょっと小道に入ってからしばらく歩くと、お店に到着。

木製のアンティークなドアを開ければ中からはクラッシックジャズの音

マスターに指を3本出してみせたら、視線で席を教えてくれてそこに座る。

この店はテーブル席は全部ちょっとした仕切りで区別されてるから

他の人をイチイチ気にする必要も無くて、ボク達のお気に入りの店の一つ。

ウェイターがすぐにメニューを持ってきてボク達はそれぞれオーダーする。

食事が来るまでの間って事でボクとノボリはビールを頼んで

はちょっと年代物のシングルモルトをロックで頼んでた。

お酒強いんだ?って聞いたら二日酔いした事が無いんだって。羨ましいな。



「落ち着いた感じでいい店だな。それに酒も良い物だしてるから、

俺もお気に入りの店って事で、結構頻繁に通う事になりそうだぞ。

……あっ…っと、二人共悪ぃがタバコ吸ってもいいか?」



胸ポケットからタバコを出して、火をつける瞬間に手を止めてボク達を見る。

こういうマナーをキチンとしてる所とかやっぱりは大人だなって思う。



「ボクは吸わない。でもノボリが吸うから平気。全然オッケー!」



「えぇ、私もご一緒させていただいてよろしいでしょうか?」



ノボリも胸ポケットからタバコを取り出した。

最低でも朝と寝る前にノボリはタバコを吸う。よく知った従兄弟に比べれば

その本数は全然少ないけど、吸わないボクには何が良いのかサッパリ。

後、ポケモン達に煙が行くのはダメって、部屋の中では絶対吸わない。

バルコニーに出て吸ってる。そこまでしても吸いたいのかな?



「ノボリが吸うってのはちょっと以外だったな。クダリが吸わないのは納得。」



「クダリはお子ちゃまでございますので…私も気分転換と申しますか

ちょっと一息つきたい時位ですのでそれ程本数は吸わないですけれど、

勤務が終わって着替えた後は喫煙スペースに全速前進で向かいます。」



「ノボリ酷い!それにその後でクラクラきて、いつもノボリ座り込む。

だけど、それでもタバコは離さない!」



「それがまた良いんだよ。?あー、仕事頑張った、うめぇ!って な?」



「で、ございます。」



朱色の光が付いた後に紫煙が店に広がってく。スローナンバーなジャズが

流れている薄暗い店の仲で、何気ない会話で笑い合うボク達。

なんかこういうの、すっごく良いな。


仕事を離れた所でもボク達は結構気を遣う事が多い。

ちょっとした言動でも足元をかっ攫おうって人もいるから仕方ない。

カミツレとかアーティと一緒にご飯食べる時とかは違うけど、

今度は別な意味で気をつけなくちゃいけない。マスコミとかマスコミとか?

前に、ボクが荒れてて片っ端から女の子の誘いを受けてた時があったんだけど、

それを心配したノボリがカミツレに相談した事があったらしい。

そしたら密会?熱愛!とかってスクープされちゃって、どっちも大変だった。

だから、こういった何も気にしないで普通でいれるって事が、すっごく新鮮

他愛のない会話を楽しむってこういう事なんだろうな。うん、楽しい!


そうして笑ってたら注文した料理が次々と運ばれてきた。

ボク達も人の事言えないけど、ってホントよく食べるよね?

それもすっごく美味しそうに食べるから、見てるこっちも嬉しくなる。



「このスペアリブ、スパイスのブレンドが絶妙で美味い!」



「こちらのシーザーサラダと共に召し上がるとより一層味が引き立ちますよ?」



ノボリが自分の皿をの前に差し出す。何もためらわないでフォークで

それを口の中に入れたら、すっごい幸せそうな顔になった。

横でノボリもそれを見て笑ってる。ボクもに食べてもらおうっと!



「こっちのローストビーフも美味しい。バゲットにのせて、ホースラディッシュの

ソースかけるともっと美味しくなるから食べてみて!」



少し厚めに切られたバゲットの上に備え付けの野菜とローストビーフをのせて

上からソースをかけてに渡した。



「うおっ?!この肉もだけど、パンも美味い!

後、このソースも辛味だけじゃなく複雑な風味があっていいな!」



良かった、気に入ってもらえた!同じものを作ってノボリにも渡した。

ノボリも気に入ったみたいでボクに親指立てて笑った。



「俺の食ってるこのステーキも美味いぞー。

焼き加減が最高で、口に入れた時に肉汁がブワッと広がって

ソースの味と絡まるんだよ。ホラ、ちょっと食ってみろよ。」



そう言っては豪快に肉を切り分けてその上からソースを掛ける

それぞれの皿に渡されたお肉を、ボクとノボリは口に入れてみた。



「ブラボー!この口一杯に広がる肉汁とソースのガーリック風味が

絶妙でございます!!この次来た時は、私もこれを頼んでみますね。」



「このソースのフライドガーリックがすっごく良い!

これって、お肉だけじゃなくて他の野菜とかでも合うかも!!」



ボク達の様子を見たが嬉しそうにしてグラスに残ってたウィスキーを

飲み干した。丁度ウェイターが来てってばこんどは違う種類のお酒を

オーダーする。ホントにお酒に強いんだな。顔色とか全然変わってない。



「そういえば、は明日から仕事をするとおっしゃいましたが

定時出社と言う事でよろしいのでしょうか?」



ナプキンで口を拭きながらノボリがに聞いた。

そうだ、明日から出来そうな所は手をつけ始めたいって言ってたっけ。



「あぁ、その事なんだがな。やっぱちょっと保留でいいか?

今後の事を、もうちょっとキチンと段取りしときたいんだよ。

俺の部屋もまだ行ってない…つうか、俺さ、社員寮の鍵ってもらってたか?」



「あーっ! ゴメン!! ボク、渡そうと思って忘れてた。

どうしよ、今日寝る所はポケモンセンター?」



ボクの馬鹿ーっ!コートのポケットに入れておいてすっかり忘れてた!

横でノボリが絶対零度の視線でボクを見てる…今のボクには一撃必殺だよ!



「いや、回復させるポケモンと一緒に荷物預けただけだ。

戻ったら部屋も頼んで泊まらせてもらうから、気にすんな。」



、ここライモンシティは、娯楽施設が多数ありまして。宿泊施設も

多数ありますが、この時間からですとほとんどが満室になってると思います。」



にゴメンっていっぱい謝った、ノボリも一緒に謝ってくれた。

気にすんなって言ってくれたけど、これはボクのミス!なんとかしなきゃ!



「まぁ、野宿でもなんでもするさ。」



「この辺は決して治安がよくありません。なのでそれは大変危険でございます!」



うん、ボクもその案は即却下する。

結構リアルバトルも得意って言ってるけど、それでもダメなものはダメ!



「お詫びにボクの家に泊まって!ちょっと散らかってるけど野宿よりマシ。

それに、今日買った荷物、ボク達の部屋で預かってる。」



「それが宜しゅうござます。それでしたら朝一で鍵もお渡しできますし。

あれだけの荷物ですので、手分けして持っていかなければ無理でございます。」



ノボリ、ナイスフォロー!!そろそろ時間的にも家に帰らないと

明日の仕事に支障が出そう。だからすぐに出発進行しときたい。



「いや、流石にここまで色々良くしてもらって、これ以上は悪いから。

これがシンオウだったら馴染みの店のコの部屋に転がり込めるんだが…

さすがに今日いきなりっつーのは…まぁ、できなくもないけどなぁ…」



ちょっと待ってー!今聞いちゃいけない事を聞いちゃった??

ノボリの顔が赤いけど、酔っ払ってじゃないよね?ボクもなんか

顔が熱くなってきた。



「その様なはしたない真似など言語道断でございます!

そんな事をされる位なら、私達の所に引きずってでも泊まっていただきます!」



ノボリ、はしたないとかってどうなの? 今にも胸ぐら掴みそうなくらい

詰め寄ってる。お説教モード入っちゃったのかなって心配してたら

は笑ってノボリの頭を撫でてた。



「はしたないとか、どこの乙女だよ? ギブアンドテイクでいいんだが、

後腐れなくとなると、結構めんどくさいからなぁ…

まぁ、ノボリもそんなに目くじら立てんなよ。俺もいくら肉食系を自負してても

その位はちゃんとわきまえてるから。」



ってもしかしてシンオウじゃ、凄く遊び人だったのかな?

でも、遊び人って言うとすぐ思い浮かぶあの2人みたいな雰囲気じゃないのに。

肉食系ってボクもノボリもそうだけどさ、でもちょっと違うと思う!



「今言ったことは聞かなかった事にする。だから、今日は家に来て?

ボク達そろそろ帰らないと明日の仕事に支障がでちゃう。」



頭を撫でられた事なんて殆どないノボリが固まってたから、

ボクが話を進めちゃう。うん、そろそろ帰らないとホントにマズイかも。



「あぁ、もうこんな時間だしなぁ…。一度ポケセン行ってダメ元で聞いてみる。

それで、やっぱりダメだったら悪いけど泊めてもらっていいか?」



がノボリの頭から手を話して僕の方を見たから、やっとノボリ

正気にもどったみたい。ちょっと恥ずかしかったのかな視線が泳いでる。



「も、もちろんでございますと最初から言っております!

では、ここの会計は私が済ませておきますので、クダリはと一緒に

ポケモンセンターでのポケモンと預けていらっしゃる荷物を持って

帰ってきて下さいまし。私はその間に風呂とベッドの準備をしておきます。」



「了解!んじゃ、ポケモンセンターへボクと一緒に出発進行!」



ボクはノボリに敬礼して、の腕をとって席を立った。

も立ち上がって笑いながらノボリに敬礼してた。

そう言えば、誰かを部屋に泊めるなんて初めてかもしんない。

そう考えるとちょっと…ううん、すっごくワクワクしてきた!