序章
悩みと絆とイタズラと
「あれ、こんな所でなにしてるの?」
車両がゆっくりとホームに停まって、ドアが開いたからボク達が先に出て
トウヤとトウコを送り出そうとした時に、荷物を持ったの姿が見えた。
「おう、お疲れさん。ってお前な、仕事場作るのに荷物移動があるなら先に言え!
他の職員さん達だって忙しいのに更に迷惑かけちまうだろ。」
「ボク達、全然大丈夫ですよ。楽しい話も沢山聞けたし。」
カズマサがダンボールを3つ抱えてニコニコしてる。何気に力持ちだよね。
「カズマサニ 張リ合エル方向音痴ガイルナンテ、オレモ信ジラレナカッタヨ
デモ 帰巣本能ッテ笑エルヨネー」
「いや、キャメロン、突っ込む所はこそやないで。
そもそも、それが間違いやっちゅうねん。って、ボス達お疲れさんです。
お、そこの双子はバトルはどうやったんや?」
キャメロンとクラウドも後に続いてやってきた。
そっか、あの部屋はシングルトレーナー関係の書類とか置いてる場所だった。
でも皆もうとすっかり仲良くなっててビックリ!
ってばなかまづくりとかポケモンの技でも使えるんじゃないの?
「明日にでもリベンジにきますよ。ねっ、トウヤ!」
「おう、今回は運が悪かっただけです。それにしても凄い荷物ですねー
良かったらオレも手伝いましょうか?」
トウヤがに向かって手を差し出したけど、笑って首振った。
「お客様にその様な事はさせるわけにはいきませんよ。お気持ちだけ
有り難く受け取らせていただきます。って、君がトウヤ君か。」
「え?オレの事知って…ますか、やっぱり。」
トウヤの顔がちょっと歪んだ。トウヤ英雄様って言葉好きじゃない。
さっきの車両の中でも聞いたけど、結構傷ついてたんだな。
自分はそんなに凄くないっていつもボク達に言ってた。
ここはそんなの関係なく対等に扱ってくれるから好きなんだって。
「自分の名前が独り歩きしてやりきれない気持ちはわかるが、
君は自分のやった事を後悔してるわけじゃないだろう?堂々としてろよ。
自分の信じた事をやった結果がそうなっただけ、そう思えばいいんだよ。」
が凄く優しい目をしてトウヤを見てる。
こういう所、すっごく大人だよね。あ、外見若く見えるから忘れてた年上だった!
「過ぎちまった事、やっちまった事をグダグダ悩むのは年寄りになってから
やればいいんだよ。今は前だけ見て突っ走れ、少年!」
あれ、この言葉ってさっきが言ったってのと同じ?
の方がざっくりアバウトに言ってるけど意味は同じだよね。
そう言ってはトウヤの頭を撫でた。下を向いてるけど、トウヤ耳赤いよ?
横でトウコが凄く嬉しそうにしてた。
ノボリもいつもより表情が穏やかで…良かった、さっきの怒りは消えたみたい。
そんな様子で見つめてる。すっごくトウヤ達のこと心配してたもんね。
「トウコ様、トウヤ様、こちらは新しくこちらの職員になりますです。
彼は先程お話にあがった様のご友人でもあるのですよ?」
「あ、そういえばさんの部屋にある写真の中にいた人だ!
初めまして、トウヤと双子やってます。トウコです!」
「そっか、だからさんと同じ言葉、言ってくれたんですね。
ありがとうございます、トウコと双子やってるトウヤです!」
「双子ってやるものか?俺は、ここで働く事になったんで
見かけたら気軽に声かけてくれよ?」
、2人のお兄ちゃんみたい。でも2人とも嬉しそうにしてるから良いや!
「さん、やっぱり少し手伝わせて下さい。
オレ、さんの事とか知りたいんで、色々情報教えて下さいよ。」
「…トウヤ、の事好きなの?」
ボクわかっちゃた!ニヤニヤして聞いたらトウヤってば顔真っ赤にして
そんなんじゃモロバレルじゃん。
「トウヤ、向こうで好きです!って言っちゃったもんねー。玉砕したけど。」
うわー、トウヤってば行動力ある!でも振られちゃったんだ…って待って!
、ボク達との方が歳近い!トウヤと付き合ったら犯罪になるじゃん!
「あれか?彼女になるんじゃなくて彼女が欲しいって言ってなかったか?」
が苦笑いしてる。え?ってソッチの趣味のある人なの?!
「彼女というか、嫁が欲しいって言ってましたよ。
自分がバリバリ稼ぐから家の事とか全部やってくれる人か欲しいって。」
なんかね、に続いて色々ツッコミ所がありすぎてどうしようって感じ。
なんだっけ、こういうのって…類は友を呼ぶ?朱に交われば紅くなる?
「失礼ですが、その…いわゆる家事の出来ない方なのでございますか?」
珍しくノボリがこの手の話題に食いついてきた。ノボリ女の人苦手…ううん、
むしろ嫌いかもしんない。ボク達こういう立場にいるし、独身だし
見た目だってそんなに悪くない。だから色々女の人がうるさい。
そしてそれは、仕事場でも同じ。だからボクもノボリも女性職員には
自分からは絶対近づかない…って、今度ばかりはそうはいかないけど。
どうしよう、潰されちゃうかもしんない。
そうしたら、の事凄く大事にしてるから絶対怒っちゃう。
仕事辞めるかもしんない。それだけは絶対阻止しなくちゃ!
「さん、すげー料理上手ですよ?」
「うん、なんだろ懐かしい味がするんですよ。…あれだお母さんの料理!」
大好きなの名誉を守ろうとしてるのかトウヤもトウコも必死すぎる。
二人に詰め寄られてノボリちょっとタジタジになっちゃったよ。
「あいつ、自分の事には全く無関心なんだよ。
だから一人だと飯も食わないとかそんなのしょっちゅうでさ。
よくオレと…俺の従兄弟でダチなんだけどに怒鳴られてたっけなー。」
懐かしそうに思い出して笑ってるの顔が綺麗に見えた。
そういう強い絆を持った相手がいるっていいよね、羨ましいな。
ボクにはノボリがいるけど、それは双子だから強い絆なのは当たり前。
そうじゃなくて、なんて言えばいいのかな?そう、ポケモン!
ボクとポケモン達との絆みたいなのを持ってる人ってノボリだけだ。
ボクにもそんな人が出来るといいな。それがだったら嬉しいな。
そんな事を考えてたら、前の方でクラウド達がを呼んでた。
「おう、今行く! 二人共の情報だったら5日後にやるよ。
またどうせバトルしに来るんだろ?」
、それって情報って言わない!5日後にこっちに来るって言ってたから
って、凄くいたずらっ子みたいな顔してるし。横でノボリも口元抑えてる
隠してるけど絶対笑ってる!うん、こういうサプライズならボクものるよ!
「もう時間も遅くなった。だから早くに帰らなきゃダメ。
今日のバトルのリベンジも、ボク達待ってるから会いにきて?」
ボクが首を傾げてお願いすると二人は納得してくれたみたい。
これ、ボクがやると効果はバツグンなんだって!クラウドが言ってた。
「バトルは私達の心のご飯です!勿論、しばらく通い詰めますよー」
「勿論だぜー!お二人共、今度はオレ達がメッタメタに負かしてやります!
覚悟しておいてくださいね!」
ボクとノボリは二人同時に一礼する。
「「またのご乗車、お待ちしております!」」