2015 White Day
恋は戦争
「スタッフオンリーの場所にまで入って、キミ達は何がしたいの?
ボクとの事を面白おかしく書きたいんだろうけど、させないよ。」
ゴシップ記者の連中がボクの顔を見て、顔色を変えた。
だろうね、一応スマイルは貼り付けてるけどボクは笑ってない。
「今日はの地元じゃホワイトデーって言ってバレンタインデーに
プレゼントを受け取った人達がお返しをする日。そんな事も調べてないの?
薄っぺらな記事ばかり書いて、下調べもしてないとか質を疑っちゃう。」
「くっ、読者はそんな情報望んでませんからねぇ…
肝心なのは今お二人がどうなってるかですよ。それで、どうなんですか?」
「私達の調べではお二人は同じマンションに住んでいますよね?
お互いの部屋に行き来する関係…って事で良いんですよね?」
「正式に結婚はしない事実婚って形をとってるんですか?」
はぁ?!この期に及んでまだそんな事を言えるの?
結婚も事実婚もないよ!恋人でもないから既成事実もあるわけ無いってば!
そう言ってやりたいけど、そうなるともっとうるさくなるのが目に見える。
でも、これ以上に迷惑かけるわけにもいかない。
これはもう、暴露しちゃった方が良いかもしんないんだろうな…
「あのね、ボ…「ほーんと、馬鹿な連中に付き合うのは大変!」?」
もう良いやって思って、ありのまんまをぶっちゃけようとした時
後ろに庇ってたがクスクス笑って前に出てきた。
そしてライーターの顎に手をかけてスっと目を細める。何…こんな顔見た事無い
「私とクダリボスとの間に何があるかなんて、教えるわけないでしょう?
イッシュじゃどうなのか知りませんけど、私のいた地方では恋は秘め事
そうそう周りに見せつけるものじゃないんです。あなた達が頑張ったって
私もクダリボスもそう簡単に尻尾を掴ませるとでも?笑っちゃうわー」
「という事は全てを認めるんですか?」
ちょっと待って、ってばどーしちゃったの?
そんな事いったら連中の思うツボだってのがわかんないわけじゃないでしょ!!
ほら、すっかり食いついちゃったじゃない!でもはそんな連中を前に
まるでバトルをしてる時みたいな顔で笑った。
「馬鹿ですか?って馬鹿だから聞くんですよねー。
察しろって言葉知ってますかー?空気読むってでき…ないか、馬鹿ですもんね。
素直に言うとでも?ダブルとマルチが得意な私達を甘く見過ぎてますよ。」
恋愛事にはすっごくシャイだと思ってたボクが間違ってたのかな…
今のは男の人を手玉にして遊んでるような余裕すら感じる。
あぁ…が恋愛は惚れた方が負けって言ってたけど本当かもしんない
こんなも良いとか思うボクはそういう意味では負けてるんだろうな…
でも負けっぱなしにはならないよ?ダブルのサブウェイマスターを舐めないで
「、その辺にしてあげて?キミの言葉ってストレートすぎる。
一応お客様なんだから、そんな言葉遣いはしちゃダメ。わかるよね?」
「ふふっ、そうでしたね。すみません、クダリボス。」
いきなりボクとの雰囲気が良くなったから、連中がビックリしてる
うん、途中でがやろうとしてる事がボクにもわかった。
はこーやって連中をかく乱させるのが目的だったんだよね。
後からきたノボリがこの状況に凄く驚いてたけど、すぐに察してくれた。
「クダリ、、今はまだ仕事中でございますよ?
仲がよろしいのは結構でございますが、家に帰ってからにしてくださいまし。
お客様、私…そちら様の上役の方と懇意にさせていただいております。
これ以上何かされるおつもりなのでございましたら、こちらも考えますが?」
ノボリ、確かにここの上役とは結構顔合わせてるけどさー…
それはトレインに乗ってるお客様だからで、懇意にしてるとは言わないよ?
まぁ、嘘は言ってないし、そんな事をこんな連中に言い直す義理もないしね。
ノボリの仏頂面は連中には効果が抜群だったみたいで、逃げていった。
後に残ったボク達はなんだか凄く疲れちゃって同時に溜息をついちゃったよ。
「、こんな風に巻き込んじゃってゴメン…
ボクがこんな事したからにまで嫌な思いさせちゃった…本当にゴメン。」
「私も謝らせてくださいまし。、不愉快な思いをさせましたね。
今後この様な事にはさせません。本当に申し訳ございませんでした。
私は連中が出て行ったのかを確認してきます。二人は休憩してくださいまし。」
ノボリがボクとの肩を叩いてからエントランス方面に向かってった。
残ったのはボクと。さっきからボクはを見てるんだけど
その顔からは何も読み取れなくって凄く焦ってる。怒ってる?呆れてる?
何も言えなくて見つめるだけのボクを見て、がスっと目を細める。
「クダリボス…あー、もう白ボスで良いですね。
呼びなれない言い方って結構疲れるんでー。これからどうしますか?
このまま茶番を続けますか?それともやめますか?私はボスに従いますよ?」
「…それってどういう意味?」
「どういう意味もないですよー。そのまんまです。」
顔つきが普段のふんわりしたのとは違う、バトルの時と同じだけど、どうして?
マスコミへのお芝居を茶番って言ったその意味は?
駄目だ、すっかり相手の…のペースにのまれちゃってる。
これはバトルなの?…はボクにバトルを仕掛けてきてるの?どーして?
落ち着け、ダブルの得意なサブウェイマスターが先読みで負けちゃ駄目だ。
「その事についてはここで話す事じゃない。
あのね、何時になっても良いから仕事が終わったらボクの家に来て欲しい。
そこでちゃんと…これからの事を話した方が良いと思う。」
大きく深呼吸をして、気持ちを落ち着けて、いつもの様に、いつもと同じに!
そう自分に言い聞かせて、を見てスマイルしたけど…できてるよね?
もボクに負けない位のスマイルを見せたけど、これは違う。
いつもの見てるこっちがほんわかする様なスマイルじゃない。
「私としてはここで決着つけても良いんですよ?
今のこの状況、私よりも白ボスの方が不利になってると思いませんか?」
「ボクが不利に?」
「あのですねー、こんな事をしてたら本命の彼女さんが現れた時困るでしょ?
それは私にも言える事ですし、みすみす出会いのチャンスを潰しちゃうとか
そんな勿体無い事してたら駄目だって意味ですよ。」
いきなり頭を殴られたみたいなショックを受けた。
そうだ、ボクはを好きだけどは?実は誰か好きになってるとか?
待って、それじゃあが教えてくれたチョコの意味がわかんなくなる。
はボクの事好きだと思ったけど、ボクの読み間違いだったの?
「、誰か好きな人が…いるの?ねぇ、その人って誰?
ボクや皆も知ってる人?もしかして、ボク達の中の誰かだったりする?」
ボクの質問が意外だったみたいで、はちょっと驚いてからケラケラ笑う
あー、この顔のは要注意だ。絶対に本音を見せないぞって書いてあるよ!
バトル中、何度この顔に騙されたか…そーいう意味ではキミは悪女だよ!
「なんで白ボス相手に恋バナしなきゃなんないんです?
あの連中にも言ったけど、恋は秘め事なんですよ?胸の内で温めて
相手をそっと想う…うちらはそういうのを美徳にしてるんですからね。」
「ノボリとおんなじ事言ってる!ボクにはそーいうのがわかんない。
好きって気持ちは伝えなくちゃ意味がない。まずはそれからでしょ?」
立ち話もなんだし、執務室で一緒に休憩しよっかって事になって
歩きながらそんなやり取りを繰り返す。
ボクはちゃんとに伝えてるよ。手段はちょっといただけないけどね。
「そりゃそーですよ。伝えてナンボですからねー。
でも、伝え方はそれぞれですよね。普段の行動に紛れてコッソリと…とか
後は…何かにカムフラージュして……とか?」
…それってボクの事言ってる?やっぱりはボクの気持ちを知ってるっぽい
じゃあ知ってるのにどーして応えてくれないんだろう?
やっぱりボクじゃ相手としては不足なんだろうか?ダメ…なのかなぁ……
隣を歩くの顔からは何も読めない。読み取らせてくれない。
執務室に二人で入れば、とが先に休憩してた。ノボリは…まだみたい。
がお疲れ様って言いながらボク達にそれぞれ飲み物を渡してくれて
そのまんま応接スペースのソファーに皆で座って休憩を始めたんだけど
すっかり話を続ける雰囲気じゃなくなっちゃった。
「しっかし、マスコミってのはどこでも煩くて仕方ねぇな。
はシンオウでもかなり張り付かれてたろ?思い出したんじゃねぇか?」
「まぁね…おかげで対処法には困らないけどさ、そんなスキルいらねー!だよ
私のチョロネコとレパルダス舐めんなよって感じ?」
「あんまりやりすぎるなよ?俺等はここではただの職員なんだからな。」
「ってシンオウでそんな事されてたの?」
それは初耳、だから連中をあんな風にあしらえたのかな。
その後での武勇伝をとが面白おかしく教えてくれたけど…
それは今のからは全然想像もつかなくて逆に混乱しそーになった。
戻ってきたノボリも参加して、そのまんま休憩時間が終わる。
「さーて、残りの仕事をサクッと終わらせて目指せ定時帰りしましょーかね
白ボス、さっきの話、途中でしたけど…どーするんですか?」
「え?あー、そうだった。あのね、やっぱりボクの部屋に来て欲しい。
ボクも今日はそんなに仕事が忙しくないから定時で帰れそうだし、家についたら
メールするから、それから来てくれると嬉しいかもしんない。」
「ほいほーい、了解しましたよー。んじゃご飯作って差し入れしますんで
黒ボスと一緒に待っててくださいね。それじゃまた後でー。」
そういって、ボク達に手をヒラヒラ振っては執務室を出て行った。
残ったボク以外の皆は話が見えなくって、どーしたのか聞いてきたから
ライターの連中が行った後、二人で話した事を教えたら
「私、その様な場所に同席するのは非常に気まずいのですが…」
ノボリが困った様に、いつも以上にへの字口にして呟く。
それとは正反対にとはなんだかニヤニヤしてボクを見てる。
「、、言いたい事があるなら言えば良い。ってかどーすれば良い?」
「ダチとして言わせてもらえるなら…もう体当たりかますしかないだろう?」
「当たって砕けろって言うだろ。クダリの場合は砕けるかどうかわからねぇが
遠まわしなアプローチ…でもなかったが、マスコミに格好つけてってのは
いい加減やめる時期がきてるんだろう。アイツだって馬鹿じゃねぇからな。」
つまり、もう下手な小細工はやめろって事なんだろうな…
正直言って勝率は五分五分…その位、はわからせてくれてないんだ。
戦略と先読みはお互い様だし、ボクが有利なのは恋愛の経験値位しかない。
「わかった、覚悟を決める。駄目だった時は…慰めてね?」
「なんだ、クダリらしくねぇな。今からそんなのじゃ先が思いやられるぜ?」
「全くだ、ノボリの部屋で祝杯の準備をしておくからな。頑張れ!」
「そうでございますねぇ…そのまま一夜を過ごされるのも構いませんよ?
その場合私達だけで祝杯を上げさせていただきます。」
「あはは、そうなったらすっごく嬉しいんだけどね!うん、頑張るよ!!」
3人からすっごいパワーもらった!グチグチ悩むなんてボクらしくないよね。
ちゃんと真正面かぶつかろう…当たって砕けた時の事なんて考えない。
目指すは勝利、に向かって出発進行!