2015 White Day
恋は戦争
を好きだって気がついて、一緒にいる所をマスコミに見られて
五月蝿いから本気だから見守ってって連中には言って、本人には
周囲をウロウロされるのが面倒だから協力してねってお願いしながら
ボクの気持ちを知ってもらおうと悪戦苦闘してからかなりの時間が経ってる。
どうやらはボクの気持ちに感づいてるっぽいんだけど
恋愛事を避けまくってる彼女はそのまま友達づきあいのままにしようとしてる
それがわかって、ボクがに手加減なしのバトルをする事に決めてから
機会を伺ってはいるんだけど、なかなかタイミングが掴めないでいる。
は相変わらず、あちこち仕事場を飛び回ってるし
ボクもバトルや書類で忙しくて、二人で話をする時間もない。
でも焦っちゃ駄目。ここはジッと我慢の時、耐えるよ?堪えてみせる。
就業時間も過ぎて、とは仕事が終わったみたいで帰り支度してる。
ボク?書類を終わらせるまでは帰らないよ、上司なら当然!
「それじゃ、お先に失礼します。
ボス達、あんまり残業ばかりしないでキリの良い所で帰るんだぞ?」
「たまには家でゆっくりするのも大事な事、忘れちゃ駄目だね。
あ、そうだ…白ボスは先月のバレンタインデーの時にから
チョコレートをもらいましたよね…それも個別に?」
「うん、皆でって食べたクッキーの他に、トリュフ?もらったけど。」
達の地方ではバレンタインデーは女性がお世話になった人とかに
チョコレートを配ってお礼をする日でもあるんだって聞いた。
ギアステは女性職員が少ないし、は色んな部署と仲が良いから
あちこちにチョコクッキーを配ってて大変そうだったから覚えてる。
で、その後仕事が終わって帰るときになんだか疲れてるよって言われて、
こういう時は、甘い物を補給して頑張れってトリュフをもらったんだ。
「職場に配るチョコレートを義理チョコ
個別に渡すチョコレートは本命チョコや友チョコって言うんだよ。」
「ちょっと待って、ねぇ…、それって…。」
「全面的に応援するって言っただろうが、これは俺達からのプレゼントだ。
それをバトルに活かすかどうかはクダリ、テメェ次第…だろう?」
うわ、その笑顔がすっごく悪人顔でドン引きそうだよ!
でも、すっごい情報もらったかもしんない。
横でもおんなじ顔して笑って、それじゃあって帰っていった。
「ふふっ、これはもう我慢してる必要はなくなったかもしんない!」
「クダリ、私は何も出来ませんが悔いのない様にひた走ってくださいまし。」
ボクの頭の中に何パターンものシナリオが浮かび上がる。
それぞれの良い所をつなぎ合わせて、相手の動きを考えてどうするのかって
パターンをいくつも考える。なんだか、これってバトルと同じ。
「バトルは本気じゃないとつまらない…でも恋愛も同じかも。」
「おや、上手い事をおっしゃいましたね。
ですが恋愛はどちらかが勝利すれば良いものでもございませんよ?」
ノボリも恋愛経験はそれなりにあるもんね、確かに勝利はない。
でも、相手の心をゲットする事がそうじゃないのかな?
はボクに個別にチョコレートをくれた。
これは戦況をこっちに少し有利に進める材料になるはず。
の気持ちが友達だっていうなら、ノボリにだってチョコを渡すはず。
でも貰ったのはボクだけ、これって少しは期待できるよね?
今日の分の最後の書類にサインをして、処理済みのボックスに入れて
ボクはデスクの上を片付けて立ち上がる。
ノボリも終わったみたいで、同じ様に席を立ち上がった。
「さて、帰ったらボクはこれからの作戦をシミュレーションしなくちゃ。」
「そうでございますね。なんにせよ今後が楽しみではございます。
クダリ、私は良い知らせしか聞くつもりはございませんからね?」
「あはは、それってすっごいプレッシャーかもしんない!
でも、いい結果を待っててほしい。」
じゃあ、家に帰ったら爪とぎでもさせてもらおうかな?
次の日、ちょっと早めに家を出てギアステに向かう途中で
前の方をが歩いていた。声を掛けようとしたんだけど
ボクより先に声をかけた相手がいた。
「おう、!ちょーどえぇ所であったわ。
今日はホワイトデーやからな。わしからのお返しや。
カミさん手製のクッキーやけど、味は保証するで?」
「おはようございます、クラウドさん。
うわーい!そういえばクラウドさんはホワイトデーって知ってますもんね。
奥さん料理上手って聞いてますよー。ありがとうございます!
奥さんにもお礼を言っておいてくださいね?」
「ホワイトデーの話はトレーナー統括部でしたからな
他の連中もなんか持ってくるかもしれんで?」
「うわわ、そんなつもりじゃなかったのに…」
「まぁ、貰えるモンは有り難く貰っとけばええやろ。」
うん、クラウドは既婚者だし別に大丈夫。
でも、ホワイトデーを他の職員も知ってるなら
と二人になるチャンスは減っちゃう…。
そのまま執務室に行って、着替えて朝礼をすませる。
終わってから戻る途中のエントランスで…
やっぱりは何人かの職員と話をしてた。
それとホワイトデーのお返しも貰ってるみたいで嬉しそう。
「…」
「…クダリ、この前も言いました。余裕の無い男は?」」
わかってる、でも頭でわかってたって気持ちも同じにはならない。
恋愛とバトルの違いはこういうところなのかもしんない。
バトルでなら、ボクはいつだって冷静でいられる。
でも恋愛は冷静になろうとしても、こういうちょっとした事が切欠で
あっという間に感情的に暴走しそうになっちゃうんだ。
「わかってる…うん、わかってるよノボリ。」
大きく吸った息を吐き出しながら、つぶやいてみる。
うん、まだ大丈夫…と思ったけど、別な問題が発生したかもしんない。
エントランスの逆側に、なんだか見た事のある姿がウロウロしていた。
「ノボリ、あれ見て。」
「…あれは…あまり評判のよろしくないゴシップ誌のライターですね。
クダリ、わかってらっしゃるとは思いますが、気をつけてくださいまし。」
多分ボクとのその後をスクープ?しようとしてるんだと思う。
これはノボリの言う通り気をつけた方が良いかもしんない。
「一応とには言っておく。に何かしたら許さない。」
「えぇ、私は他の職員にも一応声かけをしておきます。
は私逹の大切な部下でございます。全力でお守りしますとも!」
取り敢えずは…良かった、仕事を始めたっぽい。
仕事中のは、邪魔をされるのが一番嫌いだって皆知ってるから
声を掛けて近づく真似をする人間は、ギアステにはいないもんね。
むしろゴシップ誌の記者が声を掛けて、にコテンパンにされれば良い!
職員の皆にマスコミがウロウロしているので、注意する様に呼びかける。
皆、マスコミにはあんまりいい印象を持っていないみたいだから
すっごい一致団結?そんな感じで連中をマークしだしたんだ。
『こちらクラウドや、ミネズミは現在景品交換所付近をうろついとる。
施設内の撮影は禁止やから、変な真似しとる様なら直ぐに対応させてもらうで。』
『こちら整備班、ミネズミは現在食堂で食事中。
何かやらかすってなら、こっちもフォークとナイフで応戦するぜ!』
うん、連中の行動が逐一インカムから流れてくる。
これだったら、なにかあっても直ぐに対応できそうで良かった!
それからしばらくは動きも無くって、諦めたのかなって思ったんだけど…
『こちら保全管理課のでっす!えっとミネズミさん?
なんだか、スタッフオンリーの通路付近をうろついてるんで
ちょっと注意しておきますねー。以上!』
ちょっと待って!連中の目的はとボク。そんな事したら思うツボだってば!
だけどボクは今、スーパーダブルの待機中で動けない。
ノボリもシングルの待機中で動けない。
どうしようって、思ってる時にインカムからとの声が聞こえた。
『こちら保全管理課の。現在スーパーダブルに乗車中。
申し訳ないけど、チャレンジャーには途中下車してもらうつもりだよ。
白ボス、折り返し次第そちらに向かってください。』
『こちら同じく、シングルも同様にお帰りいただきます。
黒ボス、下車したらすぐに白ボスのフォローお願いします。』
いつもならストッパー役の二人が同じ車両に乗ってたなんてラッキー!
急いで戻って、の所に行かなくちゃ!
のおかげ(担当車両を交換してもらって瞬殺でしたみたい)で駅に着いた。
連絡を受けた場所にやっぱり連中はいてと押し問答?してるみたい
「だからそれは遊びだって事ですよね?」
「クダリさんは、はっきりと貴女が好きだって言ってるのに
さっきから見ていれば、他の男性職員と随分親しげにしてるでしょう?
おまけに色々な物をプレゼントされたりして喜んじゃってるし
それって、クダリさんの事を弄んでるんじゃないんですか?」
…なにこれ、がすっかり悪女っぽい感じにされてる。
ボクを弄ぶ?弄ばれた事すらないよ!むしろその位して欲しいよ!!
ボクが連中に声をかけようとした時に、がすっごいニッコリと笑って
連中を交互に見た。あ、これは知ってる。のすっごく怒った時の癖。
「お客様ですので、こちらもその様に応対させていただきますが
これは、私とクダリボスとの間のプライベートな事でございます。」
「そこを聞かせてもらいたいって言ってるんですよ?
現に二人は同じマンションに住んでますよね?その辺についても
詳しく報告していただきたいんですけどねぇ?」
「既に、イイ関係って事でよろしいんですよね?」
の顔色が変わった。あ…今、ブチッでキレたのかもしんない。
だけどね、それより先にボクがキレちゃった。
「ここってスタッフオンリーの場所なんだけど、どうして一般の人がいるの?」
例えゴシップ記事のライターでもお客様だからって我慢してたんだけど
もうやめる、を傷つける連中は絶対に許さない!