キリ番 13000
年の初めの試しとて 2
おせち料理を作る!そういって用意された材料が次々と下ごしらえされており
私とクダリは三人の動きを食い入るように見ておりました。
「、これは何?」
「これは干ぴょうっていってな、こっちのもどしたみがき鰊を
同じようにもどした昆布でこうやって包むだろ?それを縛るのに使うんだ。」
「へぇ…あ、それってノボリが買った漢方薬だよね?
それをどーするの?ってか砕いちゃうの?!ふーん、それでオッケーなんだ…
、その黒い塊って何?鉄たまご?これで鉄分補給とかどーやって?!」
「砕いたクチナシの実をこーやってガーゼに包んでさつまいもと一緒に煮ます
煮あがったさつまいもはそりゃー凄く綺麗な黄色になるんですよー。」
「これは黒豆の色を綺麗にするのに使うんだ。
黒豆の皮の色素はアントシアン系の色素でな、金属イオンと結びつくと
色が鮮やかになる性質があるから鉄と一緒に煮れば良いんで使うんだぜ?
柔らかく煮るには重曹…ベーキングソーダってベーキングパウダーの材料を
普通は使うんだが、それだと苦味が出ちまうから俺は使わない。」
見たこともない材料が並べられ、その手順もはじめてのものなので
クダリが興奮気味に次から次へと質問をしておりますが、仕方がありませんね。
私も先程からが人参を綺麗な花の形に切っているのを見ておりますし?
材料が届いてからこうして仕事が終わった後に集まって食事を取りながらの
おせち料理の準備をしておりますが、楽しいですね。
知らないことを経験できるという以外に、彼らの意外な一面を見れました。
例えば、はあまり料理をしないと言われてますが味覚が一番鋭いらしく
もも作った料理全ての味見を彼に一任させておりますし。
はアパートからなにやらノートを持ってきており、それを見せてもらえば
今迄料理したレシピを全部書き記してあるのだとか。
一般的な料理の調味料の量が何度か書き換えられているのは自分で作ってみて
その方が良いと判断したからだとか、研究熱心なのは流石でございます!
一方は、キッチンスケールを使用せず次から次へと料理を作っており
大丈夫なのかと聞けば入れる調味料の比率は変えてないとか…
その様なアバウトさで大丈夫か不安でございましたが、いつもなのだと聞いて
ふだんの料理の美味しさを知っている私にとっては二度ビックリでございます。
それだけではなく、おせち料理のそれぞれの料理の意味を書いたものを見て
そちらの地方での位置づけに大変感銘を受けました。
「子孫繁栄、商売繁盛、家内安全…全ての料理に意味がございますのですねぇ
そしてどの料理にも何らかの工夫がされており、驚いてしまいましたが
以前が食は文化だと申してましたのをこれを見て納得いたしました。」
「縁起物って俺達は言ってるが、確かにそうかもしれねぇな。
でも決して美味いもんじゃねぇから、今じゃ全部作って食べる方が珍しいんだぜ
他に美味いもんが沢山あるから無理して食う必要もねぇってか?」
「えー、でもこーいうのって伝統って言うんでしょ?続けるべきだと思う。」
「作るのに手間暇かかりすぎですからねー、昔は女の人が仕事をしてなかったし
その時はこーやって作れたかもしれませんけど、今の時代全部を作るのは無理!
だからどーしても出来合いの物で済ませる方が多かったり、作らなかったり?
後、シンオウじゃおせち料理は大晦日って12月31日に食べちゃうんですけど
他の地方じゃニューイヤーが過ぎてから食べる事になってますしねー。」
「それだけじゃないだろう?大晦日に、これでもかってオードブルとか並べて
飲み食いするのはシンオウ地方独特らしいぞ。」
「それでは、今回のこの料理…おせち料理以外があるのはシンオウ流で?」
地方によって食習慣が異なるのは知っておりますが、実際に体験できるとは
これも彼等と知り合った賜物でございますね。
「まぁそういう事だ。てめぇらも大晦日…12月31日は絶対参加だからな。
流石にこんだけの量はいくら俺達が結構食うって言っても無理だ。」
イッシュではニューイヤーといっても平日扱いでございますが
あちらでは祝日の為、公共の施設は殆どが休日になり交通も便が少ないとか
そういう違いを知る事も新鮮でございます。
「あはは、そーいう事なら喜んで呼ばれちゃう!」
「ふふっ、私も!で、ございますっ!!」
あぁ、今からその日が大変待ち遠しく思います!
そして、その日…12月31日がやってまいりました。
料理はほぼ出来上がっておりますが、まだ若干残っているとの事で
私とクダリは是非といって手伝わせていただきました。
「うわー、これがあの漢方を入れたさつまいも?すっごく綺麗な色!」
「ふっふっふー、でしょ?これをまずはマッシュしてから2回裏ごしします。
そうすると口当たりが滑らかになってもっと美味しくなるんですよー。」
「それならボクにも出来そうだからやらせて?えっとポテトマッシャーでっと
こんな感じでオッケー?うわー、ちょっと面白いかもしんない!」
「、これはプリン…とは違いますよね?」
「あぁ、これは茶碗蒸しっていってな俺等は大晦日に必ず食ってたんだよ。
材料はシンオウ地方じゃこの栗の甘露煮…シロップ煮をいれるのがメジャーだ。
材料をこうやって器にいれてから、出汁を合わせた玉子を注いで蒸すんだよ。
最初強火にして、表面が白っぽくなってから弱火でじっくり火を通すから
プリンを作る時と似たようなモンじゃねぇのか?」
「…で、ございますねぇ。火加減は私が見ておきましょうか?
プリンなら私得意でございますので、お役に立てるかと!」
そうして出来上がった料理は品数もさることながら、とても豪勢でございます。
特に重箱という容器に入れられたおせち料理は以前画像でみたままで
手をつけるのが勿体無い、そう思っても仕方がないと思います。
「まずは料理もだが今年一年お疲れさん!今日は一年間あった事をサカナに
日付が変わるまで飲み食い続けるからな。んじゃ乾杯!」
「「「「乾杯!」」」」
の言葉の後、乾杯をしてから年越し(シンオウではそう言うそうです。)を
早速始めますが、私…どれから手をつければ良いか非常に迷います!
「ノボリさん達は好き嫌いとかなかったですよね?
でも初めて食べるのもあるしダメだと思ったら我慢しないで下さいね?」
が料理を取り分けて私とクダリに渡してくださいました。
まず私は自分が手伝った茶碗蒸しをいただくといたしましょうか…。
「これは…それぞれの食材の味を栗のシロップ煮が優しく包む様な…
そしてプリン状の玉子がとても口当たりがよろしゅうございます!」
「それは卵の生地を何度も裏ごししてるからそうなるんだぜ?」
「それはプリンを作る時と同じでございます。ですがそれがこの様に
食事のメニューとして成立するとは、スーパーブラボーでございますっ!」
それから後はひたすら食べて驚き、解説をうけて驚きつつ納得の繰り返しで
私もクダリも口を休める暇などないかの様に動かしっぱなしでございました。
「うわー、このエビってオマールより小さいけど味が濃くて美味しい!
が作ってた昆布巻きも中に魚がまるごとはいってるのに骨まで食べれる!
味も甘いのにしょっぱい?すっごく不思議だけど美味しいかもしんない。」
「それはシンオウから取り寄せたシマエビでな。味が濃いんだよ。
昆布巻きは何日もかけて煮詰めてるから中に味がしみてるし柔らかいだろ?
手間はかかるんだが、こうしてじっくり煮込む位なら俺でもできるからな。」
「の黒豆は相変わらず凄いよね。シワシワじゃないしやわらかいし?
後、クダリさんが手伝ってくれた栗きんとんも口当たりの柔らかさが完璧!」
「ホント?どれどれ…うわーすっごく滑らかでしっとりしてて美味しい!」
「黒豆は水の性質が違うから心配だったんだが上手く出来てホッとしたぜ。
これができるなら、てめぇの好きな煮豆も作れるんじゃねぇか?」
食べても食べても減る様子を見せない料理に残す心配をすれば
あちらの地方ではニューイヤーは料理をしないで残ったこれらを温め直して
食べたりするのだとか…成程、それでこれだけの量なのでございますね。
ある程度食べ進めていると今度はそれぞれの前に小さな箱をが出しました。
中を開けてみればそれはおせち料理のミニチュア?ですがどうも様子が違います
「それは口取りってシンオウじゃ年越しや元旦に食うお菓子なんだ。
俺は甘すぎてあまり得意じゃないんだが、縁起物だから仕方なく食ってる。」
「の残りは私がもらうから食べなくてもオッケー!
和菓子…って向こうのお菓子なんでお二人の口に合うかどうか…」
手にとったのはエビの形をしておりました。恐る恐る食べてみれば味は甘く
以前食べた事のある饅頭と言われるものに近い様な気がいたします。
「うわー、ホントにすっごく甘い!
でもケーキとかそーいうのとは全然違うあっさり系の甘さでボクは好き!」
「えぇ、口に入れた瞬間に優しく広がる甘味が美味しゅうございます。」
その後、日付が変わる少し前に年越しそばなるヌードルをいただきましたが
これはあっさりとしていて、満腹なはずの胃袋にすんなりと入りました。
それからはテーブルの上の料理をつまみながら飲み、話をしていたら
「お、日付が変わったな。、若水汲んどいてくれ。」
「もうそんな時間か、二人共朝メシもご馳走してやるから起きたら来いよ?」
に言われて立ち上がったがキッチンに向かい、鍋いっぱいに水を入れ
それを大切そうに調理台に置きました。
何をやっているかわからず、クダリと二人で首をかしげて見ておりましたら
そんな私達の様子がおかしかったのでしょう、が笑いながら
「元旦に汲んだお水を若水って言って、シンオウに多い風習なんですよ。
これを飲むと一年の邪気…良くない事から身を守れるっていわれてるんです。
うちらはこの若水を使ってお雑煮を作って元旦の朝ごはんにするんですよ。」
いたずらっ子の様にウインクしながらいう様子に釣られて笑えば
雑煮についての説明を今度はがしてくださりました。
「各地方によって雑煮は中の具材も味付けも様々なんだぜ?
俺達は醤油ベースの汁…スープにゴボウ、人参、大根、鶏肉その他色々入れて
具沢山にして、それに焼いた角餅…ライスケーキを入れるんだ。
栄養もあるしヘルシーだからな、食いまくって疲れた胃にも優しいぜ?」
「俺等はお雑煮までが正月料理…おせち料理だと思ってるからな。
ノボリもクダリも、明日も強制参加してもらうぞ。」
連日ご馳走になるのは非常に心苦しいのでと言えば
を筆頭に三人が揃ってそれは違うんだと言います。
「これだけ料理が残ってますし、ウチラだけじゃ食べきれませんってば。
なので、問答無用でつべこべ言わずに食べさせちゃいますからね!」
そう言われてしまえばもう断ることも無理でございます。
言葉はキツいのですが、それすらも気心の知れた者同士なら気にしません。
私とクダリもその気持ちがとても嬉しくて思わず笑ってしまいました。
「うん、そーいう事なら中途半端は駄目。だから明日…じゃなくて今日?
またお邪魔させてもらうけど、それで良いんだよね?」
「ふふっ、いただきっぱなしでは申し訳ありませんからね。
料理に合いそうなデザートと、甘味の苦手なにはお酒を用意しますね。」
そう提案すれば、三人も私達と同じ様に笑いました。
去りゆく年と迎え来る年を誰かと共に過ごすとは考えてもいませんでしたが
この様な時間を持てるのなら毎年でも大歓迎でございます。
「それじゃあそろそろ時間も時間だし、明日…つうか今日か、も仕事だからな。
今年一年が良い年になりますように、あと今年もよろしくな?んじゃ乾杯!」
最後の締めの言葉もが言ってそれぞれのコップの中身を一気に飲んで
初めての年越し?なるものが終わりました。
部屋に戻ってから、私もクダリも興奮が冷めやらず寝たのは朝方になってからで
達が雑煮を食べるぞと言って起こしに来るまで爆睡していたなんて…
恥ずかしくて私の口からは申し上げられません!
注意:お持ち帰りはリクエストされた方のみとさせて頂きます。(一礼)
13000HITを踏まれたみや様のリクエストで
業務報告書設定で保全管理課キャスト、他のお正月のお話でした。
マスターさん達がカルチャーショック受けまくっておりますよ?(笑)
食べ物よりのお正月のお話との事でしたが、食べ物の話しかしてないです。
夢主さん達の出身地としている似て非なるシンオウ地方は
年末年始の過ごし方が他地方とちょっと色々違うんです。
大体は知ってたのですが、確認の意味も込めて調べ直してたら
出てくる出てくる、それも省略しようがないモノばかり!(笑)
年越し行事といって寿司とかオードブルとかおせち料理も大晦日に食べるとか
若水を汲むのとか、口取りのお菓子だとか、茶碗蒸しの中に栗の甘露煮を入れるとか
これらは全ては管理人宅の年越しの過ごし方でございます。
同じ似て非なるシンオウでも色々風習が違ったりしますので
あくまでも、ある家庭での一例と考えていただけると助かります。
でも、こんな感じで皆で家族の様にあの連中なら集まるんじゃないでしょうか?
目指したのはほんわかと心が暖かくなる様な話しですが結果は迷走してしまいました…猛省
みや様、どうぞご笑納くださいませ。尚、リテイクはいつでも受付ますので!
この度はキリ番13000おめでとうございます。そしてリクエストありがとうございました!