キリ番10000 -The biter is sometimes bit.─ 自業自得 ─ (前編)-

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  The biter is sometimes bit.─ 自業自得 ─ (前編)  



今日は挑戦者の数も少なくて、職員から来る書類も少なくて
珍しいくらい平和な一日になりそう。
ボクもノボリものんびりと書類整理をしながら、この分だと定時上がり?
なんて笑いながら話をしてたんだ。

午後休憩になって、保全管理課の皆が戻って来た時に
がポケットから小さな箱を取り出した。

「いっつも午後休憩のお菓子をノボリさんとかに任せっぱなしは
ちょっと問題かと思いましてー、今日はコレ食べませんか?」

「おや、チョコレート…トリュフとは手作りでございますか?」

「てめぇが菓子作りなんざ珍しいな、明日は大雨じゃねぇのか?」

「でもすっごく綺麗に出来てる!丁度一口サイズで良いかも?」

「この位の量なら俺も食えるし、遠慮なくもらうぞ。」

そう言って全員がチョコを手にして口に入れたんだけど…

「「「「!!!!」」」」

全員が顔を真っ赤にして、コーヒーサーバーに向かったよ!
だってさ、これ表面はすっごく美味しいチョコなんだけど

中身がこれでもかってマスタードなんだよっ!!

全員涙目になりながらを見れば、してやったりの満面の笑顔で

「にょほほーっ!いっつも色々やられてますからねー。
たまーにはしっぺ返し?しなきゃって思ってたんですよ。やったねっ!」

「やったねっ!じゃないだろう!!自分は…食ってないのかっ!」

「て…めぇ…良い度胸じゃ…ねぇかっ!」

「何とでも言いやがれですよー、さて…復活される前に逃亡…って
ぎゃー、黒ボス離してくださいってば!私まだ死にたくないんですっ!!」

「辛い物が好きな私を舐めないでくださいまし?
ですが私とて無傷ではございませんので、報復は受けていただきますっ!」

ノボリはの手からチョコレートを取り上げると、ボクに投げた。
あー、これはボクが引導渡すって事なのかな?
いい年した男達がそろって押さえつけるってのもどうかと思うんだけど。
助けないのかって?そんな事したらつまんないでしょ?

に選ばせたげる。自分で口を開けてコレを食べる?
それが嫌なら…無理矢理その口こじ開けてすっごい口移しするけど?」

「喜んで食べさせていただきまっす!!」

チョコレートを口の中に入れる時、指が唇に触れた
それだけでドキドキしちゃうなんて、自分でも煮詰まってるって思う。
当然もコーヒーサーバーに猛ダッシュした。
涙目な顔がそそられるなぁって、その指をペロリと舐めながら見てたら

「ぐはーっ!ノボリさんのダメージが低すぎたのは計算外でした…
本当なら猛ダッシュすれば逃げ切れるはずだったのに…。」

「私、甘味も辛味も好物でございます。
それでもこのマスタードは通常のものより辛味が強く感じたのですが…」

「カントー地方でおでんってポトフみたいなやつに使う和辛子を
更に混ぜ込んでるんです。こっちの方が後に残らないけど辛いんですよ。」

「そんな知識は別に今は必要ないと思うぞ?」

「だな、…テメェは覚悟できてんだろうな?」

「にょほほー!できてるわけないでしょう!!って事で
私は仕事場に戻りまっす、皆の面白い顔が見れたから悔いは無いのだっ!!」

ニヤリと笑いながらそれだけ言い残して、は執務室から出て行った。
あー、が二人でボソボソ話をしてる。んでノボリに手招きしてる

「あのね、ボクだけ仲間外れとかすっごく傷つくんだけど!」

「貴方には一番大事な役目を差し上げますよ、クダリ。」

「白ボスは相変わらずと進展ナシなんだろう?
そろそろ本気でいかないと、またマスコミに騒ぎ立てられると思うぞ?」

マスコミにボクとの仲が騒がれたから片思いって発表した事がある
にはカムフラージュなんて言ってたけど、むしろあっちが本音で
それから色々頑張って、もボクを好きだってわかったんだけど…

「ボクだって進展させたい!でも相手は…仕方ないでしょ?」

って、口では色々凄い事言うんだけど実は凄い恥ずかしがり屋!
んで、自分の気持ちを隠すのが上手いから、ホント困ってたりする。

「今回、ちょっとばかりカチンと来たからね。
二度とそんな気を起こさない様にして、白ボスにいい目を見せてあげるよ。」

「いい目はみたいけど、泣かせたら許さないよ?」

ボクの言葉に三人が揃って大丈夫って言いながら笑ったんだけど
その笑顔がすっごく悪人面で、嫌な予感しかしないよ!!








帰宅後暫くしてからボクはの玄関の前にいる。
手には小さな箱を持ってるんだけど、これがあの3人からのプレゼント…

インターフォンを押せば、はボクの姿を見てちょっと驚いてた

「こんな時間にゴメンネ?でもどーしても渡したい物があったから来た。」

…正確には渡す様に押し付けられた!なんだけどね。
リビングに通されるとそろそろ寝ようとしてたのかな?
いつもリビングで遊びまわってるポケモン達の姿が見えなかった。

「えっと…渡したい物ってなんでしょうか?」

何も言わずに箱をに渡す。
首を傾げながら中身をみて固まっちゃったのは仕方がないと思う。
箱の中は休憩時間にが作ってくれたのと同じトリュフ。

からの伝言、自業自得だから観念しろ!だって。」

「うわーい!流石はやられたら3倍&10倍返しって言うだけあるかも…
いやいや、勘弁して…って自業自得なんですよねー、畜生。」

リビングのソファーに座って箱を持ったままぐったりしてるけどさ
更に追い打ちかけなきゃなんないんだよね。

「中身はすっごいお酒だって聞いてる。」

「ちょっと待ってください、私はアルコールが駄目だって…」

「うん、その理由も聞いた。アレルギーがあるからって言っても
ちょっとの量だったら飲んでも大丈夫だってのも聞いてる。
それでも人前で飲まないって理由も、ボクは達から聞いた。
、酔っ払うとすっごく甘えん坊になるんだって?」

これはボクも聞いてビックリした。甘えん坊のなんて想像できない。
だけど、誰に甘えたの?ボクの知らないを知ってる男がいるの?
考えただけでそいつをどーにかしてやりたくなった。

「ボク、甘えん坊のを見たい。
ボクを好きって言ってくれたけど、そーいう雰囲気になった事ないし?」

「いやいや、そんな恥ずかしい事…「見せて欲しい。」…うっ…」

テーブルを挟んで反対側のソファーに座ってたボクは立ち上がって
の隣に座る。それだけで警戒するとか傷つくんだけどなぁ…

「ボクは今のも大好きだよ?でも色んなを見たいって思う。」

「絶対ドン引きますよ?んで嫌いになっちゃうかもしれませんよ?」

あ、そんな事気にしてたとかちょっと以外。
でもそーいうのさえいじらしくて可愛いって思えちゃう。
だってボクに嫌われたくないから見せたくないって事でしょ?

「そんな事絶対に無い!ってかもっと好きになると思う。
後ね、あんまり苛めちゃ可哀想だってノボリが救済処置とってる。
このトリュフ、2個あるけど1個は普通の中身。
に選ばせてあげる。普通のに当たったらこの話はそれでおしまい。」

達のやり方が少し強引だからって言ってたんだけど
ノボリってば何気にに甘いよね。

「…本当にひとつは普通のトリュフなんですか?」

「うん、ボクも味見したけどすっごく美味しかった!」

テーブルに乗せられた箱を前に、すっごく悩んでるのがわかる。
どっちもなしにできないかとか聞かれそうだから先に言っておこうかな?

「ボクはこの結果を皆に報告しなくちゃなんないから
を助ける事はできない。ってかボクもあのイタズラに怒ってるし?」

「うー…ちょっとしたお茶目な意趣返しなのに、心が狭すぎるぞー!」

「やられたらやり返されるって、気がつかないが悪い。
だから観念して?どっちか選んで食べちゃおうよ。」

それでもまだウダウダしちゃってるから、ボクはの肩を抱き寄せて
頬にキスしてから耳元で囁いた。

「時間もかなり遅くなってる。ボクはこのまま一緒に朝までいても
全然構わないんだけど?ってか、そっちの方が良いんだけどな。」

これでの逃げ道は塞いじゃった。
さぁ、どーする?確率は50%、そのどっちでもボクは構わない。
どっちでも作戦はちゃんと考えてあるからオッケー!
元はと言えば自分のイタズラが発端なんだから仕方がないんだよ?


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