序章
上司になった二人のその後
いつもの変わんない車両の中だけど、今日はちょっと違った。
最終車両の前の方にはボク達の控え室が作られてて、大抵はそこで
書類を持ち込んだり、売店で買ったお弁当食べてたりするんだけど。
「クダリ、こちらは明日の午前中にこちらに届くそうです。
後、こちらの細々とした物についてはどうしましょうか?」
さっき、からもらった必要機材とか書かれた書類を見ながら
あっちこっちに手配をしていく。
確かに急いだほうが良い所もあるけど、今日契約して明日からとか
あ、正式にはもう一人来てからの仕事始めなんだけどさ。
準備する方としては大変!でもなんか面白い!!
「部屋の方も隣同士で目処がついた。今手の空いてる職員に頼んで
中の物とかアチコチに振り分けて片付けてる。」
確かにはここにプラスになる人材だけど、ボク達結構…ううん、
かなり強引に引っ張っちゃった。
ボク達が最高のバトルが出来る様にっていつも頑張ってボク達の分まで
他の仕事をしてくれてる部下達にあんまり負担かけたくないから
出来る事はボク達でやってるんだけど…
「でも、この冷凍包丁と裁縫用のハサミ(右用、左用)とかってナニ?
これは後からに買って貰った方がいいかもしんない。」
他にもある何に使うか良くわかんない物の所にもチェックをいれて
ボク達は一度書類を備え付けの小さな机の引き出しにしまった。
『ボス達、そろそろチャレンジャーが近づいてますので準備願います。』
「「了解(しました。)」」
インカムからオペレーターの声が聞こえると同時に前の車両から聞こえる音も
段々近くなってきた。あの子達なら途中下車しないと思うから準備を始める。
「本日はこれでバトル車両の運行は最終になりますし、いっその事
私達の仕事が終わった後で一緒に買いに行ってはどうでしょう?」
ノボリがネクタイを締め直しながらつぶやいた。それ、いいかもね。
ボクも鏡をみてネクタイと帽子のチェックをする。
心の乱れは制服からなんて誰かが言ってたけど、こういう事はキチンと
しなくちゃいけないもんね!
「どっちみち、このバトルが終わったら聞いてみるつもり。
ノボリ、不動産の方の契約はどうするの?後、のデスクの配置とか
パソコンのセッティングの手配とかは出来てるの?」
「えぇ、デスクとパソコンについては恐らくもう私達の執務室に届いてるかと。
配置とセッティングについてはクラウドがして下さってると思いますよ?」
ノボリ…その片方の口元だけ上げて笑うのやめた方がいい。すっごい悪人面!
それでクラウドを執務室に残したんだね。グッジョブだよ!
クラウドはすっごく面倒見が良い。それに細かいところまで気がつくから
ボク達もいつも色々助けてもらってる。クラウドもの事気にってたみたいだし
きっと今頃は軽口叩きながら色々と世話を焼いてるんじゃないかな?
「クラウドだったら任せて安心!今日は書類の残りも少ないから
不動産の契約も今日行っちゃう?」
一般のシートに並んで座ってベルトについたボールをひと撫ですると
中からそれぞれ、元気な返事が返ってくる。もう少し待っててね。
「担当者の話では即入居可能な状態らしいですよ、けれど一応チェックを入れる
必用はあると思いますからそうしましょうか。の制服は明日中には
用意できるそうですが、さ…彼女の分はどうしましょうか」
ノボリ女の人を呼び捨てにした事ないから言いにくそう。
ここにも女性職員はいるけれど絶対名前で呼ばない。すみませんとかあのって
言って誤魔化してた。でも今度はそうはいかないと思うよ、どうするノボリ?
「こっちに来てからすぐには仕事…の友達だからするかもしんないね。
うーん、に聞いてもらえばいい?」
「それが一番無難ですね。それにしてもまさかシンオウのチャンピオン代理とは
私、それにも驚きましたが、が普通にあちらの会長と話してたのにも
更に驚きました。一体彼は何者なんでしょうね?」
あれは普通に話してたって言わないと思う。むしろ脅してた?
「ボクに聞かれてもわかんない!でもがいい人なのはわかってる。
じゃなきゃ、いくら自分がやった事のある仕事だったからって、わざわざ
申し出てまで修理とか手伝わない!ボクみたいなお兄ちゃん欲しい!」
「…私が兄ではなにか不満があるのですか?よろしい、わかりました。
今日はその辺りを後ほどじっくり聞かせてもらいましょうか。」
ぎゃー! ノボリのお説教長くて嫌い!!
「今日はこれからやる事いっぱいある。仕事終わってからも出かけるなら
もっと時間ない!そんな事聞いてる暇あるわけない!」
「私との話がそんな事ですか…あなたは私の事をなんだと思ってるのですか!
そもそもあなたがもっと書類整理やバトル以外の仕事もきちんとしていれば
私だって口やかましくは言いません。誰が好き好んで言うものですか!
知ってますか?私の事、一部の方は白ボスのおかんと呼んでるそうですよ?
性別まで無視ですとかいい加減にしやがれ!…でございますっ!
後程と言いましたが前言撤回、今この場で聞かせてもらいましょうか!」
うっわー、ボクの馬鹿ぁあああ!つい思ってた事ストレートに言っちゃった。
ノボリ、口調変わってる。これマジでマズイ。でもここは地下鉄、密室空間。
逃げ場なんてない。ボク終了のお知らせキター!
席を立って腕を組んで見下ろしてるノボリの顔、怖くてまともに見られない!
くろいまなざしと、かげふみのダブル効果でボク完全に追い詰められてる。
「元々仕事は出来るのに、ギリギリまでしようとしないその態度が駄目なのです!
私が努力した以上の成果を見せる事ができるくせに貴方はやろうとしない!
そもそもがですね!…非常に不本意ですがどうやらお説教はここまでの様です。」
ノボリが舌打ちした後に前の方を見た。もしかして、ボク助かっちゃった?
前の車両で爆音が聞こえて、それが静まってしばらくしてから
連結ドアが開いてよく知ってる顔が見える。待ってたよトウヤとトウコ!
ここからは集中してすっごいバトルお礼代わりに始める!!
普段の顔に戻ったノボリも流石にバトルにまで支障を出す事はしないだろうし、
なによりノボリ、結構単純。すっごいバトルができたらさっきの事なんて
きっともう気にもしてないはず。ボクもノボリが気に入るような
すっごいコンビネーション見せなきゃ。
後ね、ボク、みたいなおにいちゃん[も]欲しいんだからね。
ノボリがボクの大事なお兄ちゃんなのは当たり前なんだから!