11月22日は良い夫婦の日! 2014
Soul Mate
休日を利用して恋人のがイッシュからユノーヴァに来ました。
幸い私も休日で天気が良かったので都会の喧騒を離れようと
ベーグルやスコーン等を用意して向かったのはハイルツリーの近くでした。
「うわーい、空気が美味しいぞー!」
「今時期は花々が綺麗に咲いて見頃でございますね。」
大きく伸びをして、用意したシートに座りながら周囲を見渡せば
色とりどりの花々、木々の間を煌きながら降り注ぐ日差しが心地良く
二人で何をするでもなしにのんびりとしておりました。
「そーいえばインゴさんはハイリンクをした事ってあるんですよね?
違う世界にいる自分と出会うってどんな感じですか?」
「…そうですね、相手の考えている事が手に取る様にわかるので
非常に気まずさを感じます。それは向こうも同様になのでしょうけどね。」
「別世界のインゴさんかー、ちょっと見てみたいですね。」
「会ってどうするのです?目の前の私だけでは不満ですか?」
「まさか!ちょっと興味がわいただけですよ。って、この光は…?」
「これは…ハイリンクの光、別なニンバサシティへの扉が開いた…?」
私達のいる場所はハイルツリーから少々離れておりましたが、
それでもその光は私達を包み込む様にせまってきました。
「ちょっと待って、私がハイリンクなんて有り得ないっての!」
「どちらにしても、拙いですね…。、私に掴まっていなさい。」
が私の腕に触れた瞬間に眩いばかりの光が私達を包みました。
これは私だけではなく、もハイリンクするのでしょうか?
目を閉じて、華奢な身体を抱きしめた時に光がはじけ浮遊感が襲い
二人で宙に浮いた状態の身体を無事に着地させ、周囲を見渡せば
「あれはハイルツリー?でもさっきまでとちょっと違うかもしんない。
これって私までハイリンクしちゃったって事なんでしょうか…。
でも別な世界にも私がいるなんて考えられないんですけど…バグとか?」
「何を指してバグと言っているのか知りませんが
恐らくは別世界のユノーヴァの様です。ミッションは…バトルですね。」
二人でミッションの確認をすればバトルミッション。
にも反応をしたので、この世界にもがいるのでしょうか?
「私のミッションもあるとかマジか!でも私みたいな特殊な人間が
こっちの世界にもいるなら、是非会ってみたいかもしんない。」
ハイリンクではなく、かなり異質な状況で別世界から来た彼女と
全く同じ境遇の人間が存在する事事態が信じられないのですが
ハイルツリーは間違いなく彼女にもミッションがあると告げております。
「せっかくの二人揃っての休日を無駄にしたくはありません。
、取り敢えずギアステーションに行ってみましょう。」
ボールからそれぞれに飛行タイプのポケモンを呼び出して飛び立てば
見た事のある風景の中にもどこか異質な物が感じられます。
いきなり街中の着地では目立つので、人気のない場所で降りて歩けば
見なれた建物…ギアステーションが見えてまいりました。
「おー、外観もなんだかちょっと違う様な?」
「お前は随分呑気ですが、この状況を理解してるのですか?」
どことなく楽しそうに周囲を見ているを睨めば肩をすくめて笑い
それから私の腕をとって歩き出しました。
「勿論ですよー。ちょっと冒険みたいでワクワクしませんか?
私一人だったら不安だったかもしれないけど、インゴさんと一緒だし
こーなったら思い切りこの体験を楽しんじゃおうかなって。」
つまりは私と一緒で嬉しい…そういう事なのでしょうか。
可愛らしい発言に、二人きりであれば間違いなく口付けてます。
エントランスに入って周囲を見ていれば、スーパーシングルのホームから
見慣れたコートが視界にはいりました。
「…あれってインゴさんですよね?なんだか不思議な感じがする。
って、ちょっと待ってあれって…ちょ、ヤバイでしょーっ!」
そう言って駆け出した追って別世界の自分の元へ向かえば
彼の背後にはナイフを手にした男の姿が…これは危険な状況です。
しかしこちらの私はその存在にまだ気がついていない様で
私達の姿をみて驚いて立ち止まってしまいました。
「こっちのインゴさん、後ろ後ろ!って止まらないっ、うりゃーっ!!」
「世界が違えどギアステは神聖な場所、傷害事件は勘弁でございますっ!」
ナイフを持った男に私と、ほぼ同時に蹴りを入れれば
面白い様に吹き飛ばされてぐったりとしてしまった様子。
そのままが男のナイフを持った方の手を踏みつけたので
私が凶器を取り上げて、男の腕を捻りあげて押さえつけました。
「貴方様方は…あぁ、今はそんな事を言ってる場合ではございませんね。」
「今は私達の事よりこっちが先です、どーせ負けた腹いせとかでしょ?
そんなくだらない事考えるならパーティを一から組み直して出直せっての!」
「彼女の言う通りでございます。貴方もお客様より先に歩くなど無用心。
バトルトレインの頂点ならば何かと恨みを買う事もございますでしょうに。」
「その通りでございますので耳が痛いですね。
…こちらインゴでございます。危険物所持の人物を取り押さえております。
場所はスーパーシングルホーム寄りのエントランス、係の者は速やかに
こちらへ来て対応するように、以上でございます。」
インカムを使って保安部へ連絡をしたのでしょう。
まもなく屈強な男達が駆けつけ男の身柄を拘束して連れて行きました。
それらを確認した後、こちらの私がゆっくりと私達に向かい合いました。
「危ない所をありがとうございます。失礼ですが貴方達は?」
「えーっと、こーいう時ってなんて言えば良いんですか?」
「ありのままでよろしいのです。私、貴方様と同じくインゴと申します。
彼女と共にハイリンクをして、こちらの世界にまいりました。」
「です。」
二人で名乗れば、少々驚かれた後私達に交互に視線を彷徨わせましたが
を見て、一瞬その視線が和らいだのを私は見逃しませんでした。
「ハイリンクでございますか…あぁ、立ち話もなんでございますね。
詳しい事は別室にてゆっくりとお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」
トラブルの後という事もあり、周囲には野次馬が集まっております。
そして、私とこちらの私をみて何事か囁く様子に少々うんざりしていたので
彼の提案に私達は意義を唱えるつもりもございません。
応接室に通されればこちらのエメットもやってきました。
その表情やしぐさは、やはり少々見慣れた彼のものとは違います。
一通り状況を説明している途中でこちらのエメットはバトルに呼び出され
室内に私ととこちらのインゴの3人になった時に
「状況は理解いたしました。失礼ですが様は貴方様の妻で?」
「いやいや違います!妻とかそんなんじゃないですってば!」
「お前は…そこは全力で否定する場ではありません。
今は違いますが、そう遠くないうちにその様にいたします。」
恋人の関係になっても以前の延長の様なつきあいでございますが
私自身の気持ちはずっと前から決まっております。
私の言葉に困った素振りをみせるのは、決して私が嫌いだからではなく
彼女の過去が誰かを愛する事、自分が愛される事を否定しているからでしょう。
「ふふっ、そちらの私も愛しい存在を手に入れるのに苦労しているのですね。
状況は理解いたしましたが、確認させていただきます。
様は特殊な事情で別な世界のご出身…なのですね?」
「はい、こんな話信じてもらえないかもしれませんがその通りなんです。
ぶっちゃけ、自分でも有り得ないって思ってますからねー。」
「…お前が残るのなら私も残ります。拒否権はお前にはありません。」
ミッション切れを待つしかないのか等呑気な事を呟いておりますが
見知らぬ世界にお前一人を私が置いて戻れるわけがないでしょうに。
本当にお前は今も変わらず自分の存在を過小評価しすぎです。
そんな私達のやり取りを見ながら、こちらの私が目元を和らげると
「その必要はございませんかと…
様のハイリンクのお相手は恐らく私の妻だと思われます。」
「「妻?!」」
と同時に驚いてその顔を見ていると、彼はやおら手袋を外して
左手を私達に向けました。薬指にリング…こちらの私は妻帯者でしたか。
「ちょっと待ってくださいね。えっとこっちのインゴさんが結婚してるのにも
すっごくビックリしてるんですが、その人が私の相手って…」
「彼女も貴女様同様別な世界から来たそうでございます。
ハイリンクとは似ておりますが違いますので、その点でも同じでございます。
それに…貴女様と妻は雰囲気がとても良く似ているのです。」
「別な世界から…もしかして誰かと一緒に来たとか?」
「いいえ、彼女はこちらの世界の自分と入れ替わったのではと言っております。
気がついたときにはこちらの世界の…シンオウという所にいたそうです。」
別世界から来たというのにも驚きましたがシンオウという場所まで同じ
これはの相手が彼女だと推理する要因になります。
「それはひどく寂しい思いをされたでしょうね。
それで私のミッションはバトルなんですがそれは大丈夫でしょうか?」
元シンオウのチャンピオン代理を務めたを相手にバトルするには
素人では少々可哀想かもしれませんね。
ですが私達がミッションをクリアする条件なので飲んでいただかなくては
「その点は問題ございません。彼女はシンオウのバトル施設におりました。
そこで非公式ではございますがトレーナーの足止め役をしておりましたし
私もバトルをした事がございますがスーパーブラボーな内容でございました。」
「おー、こっちの私もバトル好きとかちょっと嬉しいかも!
それじゃあ早速バトルを申し込んじゃいたいんですけど、良いでしょうか?」
その点まで同じ…当人たちは普通のハイリンクの概念からはみ出してるのに
そこまで共通する部分があるというのは非常に興味深いですね。
この分ではそれ程しないうちに元の世界に戻れそうなので安心しました。
「…その事で少々ご相談があるのですが、インゴ様は明日は勤務ですか?」
「いえ、私達は今日と明日は休日でございます。」
「それでは私の家にいらしていただけないでしょうか?
様に別な世界にいた者同士、妻と話をしていただきたいのです。
結婚してまだ1年と少々、ユノーヴァに彼女と親しい人間は少ないので
色々と寂しい思いをさせてしまっているのでございます。」
「うわーい、奥さんすっごく愛されてますねー!私は別に構いませんけど…」
そう言ってが私を伺うように見つめます。
愛しい存在の心の憂いを取り除きたいと思うのは男なら当然
反対する等野暮な真似を私がするとでも思っているのなら心外です。
「私は別に構いません。お前の好きな様におやりなさい。」
私達の返答に満足したようにこちらのインゴ様が目を細めました。
そしてライブキャスターでメールを…恐らくは奥方様にでございましょう送れば
すぐに返信があり、その内容を確かめて更に目を細められました。
「妻も是非お会いして話がしたいそうでございます。
私はまだ業務が残っておりますから、地図をお渡しいたしますので
よろしければ先に行って妻とゆっくり話をしていただけないでしょうか?」
彼の提案に二人で頷くと、ポケットからメモ帳を取り出し
家までの地図を描いて私に差し出しました。
それを受け取り、そのまま私達はギアステを出ます。
「いやー、こっちの世界にも私がいるとか…世界は広いわー。」
「お前に似ていると言っていましたので会うのが楽しみですね。」
地図通りに歩いていけば途中に花屋があり、手ぶらもなんでございますから
花束を買って手土産にするとしましょうか。
別な世界の私が愛している存在はどの様な人物なのでしょうか
お会いできるのが非常に楽しみでございます。