三章・指差確認準備中! 番外編
少年少女のはじめの一歩
ポケモン協会とさん、さん、さんのイザコザが終わった後
一緒にご飯を食べようと言われて初めてさんの家に行った。
勿論オレだけって訳じゃない、それでもドキドキしたのは内緒だ。
でも、この面子って凄すぎるんじゃないのか?
アデクさんとシロナさんはチャンピオンで、アララギ博士は凄い学者で
廃人の頂点なんて言われてるサブウェイマスターだけじゃなく
ユノーヴァ地方?のサブウェイマスター…サブウェイボスだっけ?
んで、サブウェイマスターとサブウェイボスは従兄弟同士だっていうし
(確かに結構似ていると思ったけどな!)
さん、さん、さんはマスターランクのトレーナーだ。
全員が笑いながら食べたり飲んだりしてて、普段の知ってる姿じゃなく
これが素の皆なんだろうって感じで寛いでるんだけど
本当ならオレも色々話したかったりしたんだけどそんな気になれなかった。
ポケットに無意識に手を入れれば、レシラムの入っていたボール
納得してあいつをオレから解放したんだけど…
「トウヤ様…でしたカ?伝説のポケモンを解放して寂しいデスカ?」
インゴさんって言ったかな?ノボリさんよりちょっと怖い感じがするその人は
皆の集まってる場所からちょっと離れたオレの所に来て横に座った。
うわー、ノボリさん達より背が高い?そこから見下ろす感じの視線が怖ぇええ!
「寂しくないって言えば嘘になります。喪失感がハンパないですね。」
「Hmm…失礼デスガ、貴方様はポケモンの…手持ちの死に立ち会った事ハ?」
「それは…ないですけど?」
この人は何が言いたいんだ?手持ちの死とかあっさり口にするなんて
そう思ったけど、考えてみれば今まではなかったけどこれからは?
それはトレーナーとして有り続けるなら、必ず直面する事かもしれない…
「それは幸せな事デスネ…アノ伝説のポケモンは生きているデショウ?
貴方様を待っテル…デショウ?嘆く必要は無いのデハ?」
「あー、確かにそうですね。」
どんな別れも辛いけど、オレはまだあいつに会う事が出来るって事かな?
すげーわかりにくいけど、もしかして俺を慰めてくれてるのかな?
「皆さんは強いんですね。オレはやっぱりガキなんだろうなー…」
「最初カラ大人な人間は存在しまセン。」
「大人か…オレはあんな大人には絶対になりたくない。
オレは、ここにいる皆さんの様な大人になりたいって思います。
沢山大人の嫌な部分?を見ちまって、大人になりたくないとか言ってたけど
それがそもそもガキだったんですよね。どーしたって大人になるんだし?」
オレの独り言みたいな呟きにも、真面目に聞いて頷いてるインゴさんは
オレを見下ろしてた視線をちょっと和らげた様な気がした。
「貴方様はアノ連中の様にはならないデショウ。自信を持ちなサイ。」
そう言うと立ち上がって俺の肩を叩いてから、皆のいる場所に戻っていった。
うわー、なんていうか大人の対応?でちょっと格好良いな。
そんな事を考えながらサイコソーダをチビチビ飲んでたらトウコがやって来て
「トウヤ、インゴさんと何話してたの?」
「あ?うーんと俺がちょっとレシラムの事考えて落ち込んでたんだけど
そしたら手持ちの死に立ち会った事はあるか?って…無いって言ったら
それは幸せだって言われた。んで、レシラムは生きてるだろうって
生きてオレが来るのを待ってるんだからって、慰められた…のかな?」
オレの話を聞いてから隣に座ると、トウコはクスクス笑いだした。
「私もね、エメットさん?に言われたよ。
女のコが泣くのは可愛いけど、泣くだけで良いの?だってさー。」
「うわー、すげーキツいんじゃね?」
「でしょー?何それ!ってムカついたんだけど、その後がね…
優しいだけじゃ私が傷ついちゃうから強くなれって言われたよ。
んで、近くに良いお手本がいるでしょ?ってさんを指差してね…
確かにさんってば優しいけど、強いし、私の理想だし?
真似するだけじゃ駄目だとも言われて、どーしろって?って聞いちゃったよ。」
二人でエメットさんを見れば、シロナさんに猛アタック中?で
とてもそんな事を言う様な人に見えないよなって二人で笑っちまった。
「んで、どーしろって言われたんだ?」
「んとね、自分にしか出来ない事が必ずあるからそれを見つけなよ!だって。
だから考えちゃったんだよね、私に何ができるのか?何をしたいのかって…
ほら、チェレンはジムリーダーとか先生になったし、ベルも学者のタマゴで
今すっごく二人とも頑張ってるじゃない?じゃあ私は?って考えちゃった。」
あー、それはオレも時々考える。
一緒に旅をしてた仲間はそれぞれに自分達のやりたい事を見つけて頑張って
それに向かって着実に進んでるのにオレはナニやってんだ?って
今まではそんな事考えるのはまだ先で良いやって思ってたけどなー…
オレと同じ感じでいたトウコは、グラスにはいったミックスオレを見ながら
「私ね、人とポケモンが仲良くしてるのを見るのが好きなんだよね。
だからお互いの絆の見せ合いみたいなバトルも大好きなんだ。
だけど、中にはポケモンに酷い事する人もいるじゃない?それが許せない…
そういう人達からポケモンを助けてあげたいって、ずっと思ってたんだ。」
そうだ、トウコはバトル好きも確かだけど、それ以上にポケモンが大好きで
さんのネイティの話を聞いて凄く怒ってたっけ…
「トウヤ、私はポケモンレンジャーになりたい…
そして困ってるポケモンを助ける手伝いをしたいんだ。
今日の事でも考えたんだ、人間ってなんて自分勝手なんだろうって…
そんな人達を許せないってのもあったから、ジュンサーさんもありかな?って
迷ってたんだけど、人を捕まえるよりポケモンを助けたいって…」
そう言うと、グラスの中のミックスオレを一気に飲んで立ち上がって
「うし、やる事は決まった!これからは目標に全速前進しちゃうもんね!!」
和やかに話してた皆の視線が一気にトウコに集まった。
お前ってば、アツくなるとそーやって見境なくなって後で慌てるよなー…
やっぱり今もしまったー!って感じでワタワタしちまってるし?
「お、随分威勢が良いね。でもそれがトウコちゃんらしいけど?」
「あ…えっとですね、ちょっと将来の希望?なんて見つけちゃって??」
「成程、何をするんでもトウコちゃんなら頑張れると思うぞ?」
「あ、ありがとうございます…さんにそう言ってもらえると
ホントになんとかなりそうな気がしてきたかも…うん、頑張りまっす!」
「うんうん、んでその希望って?ちょっとお姉さんに教えなさい!」
「えーっとここで言うのは恥ずかしいのでちょっと…
あ、でも後でさんにはコッソリ教えますね?」
さん達に色々声をかけられて、それにしどろもどろになって答えてたけど
その顔はバトル前みたいに目がキラキラしてる…
他の皆にも色々言われていじられてるけど、その目だけは変わってない
「ふふっ、なんだかわからないですが頑張ってくださいまし。
トウヤ様は?何か将来の希望はおありなのでございますか?」
「うおっ、オレですか?」
いきなりノボリさんに話をふられちまって変な声がでるとか恥ずかしすぎだろ!
将来の希望かぁ…オレがやりたい事っていったら
「オレはやっぱりポケモン達と一緒にいたいんですよね。
お互いの絆を深めて、オレと同じ様に思ってる人達にもなにかしたいなぁ…」
「トウヤらしい!それならポケモン協会…っていってもさっきのアレじゃねー
ブリーダーとかは?育成とかは得意分野だと思うけど?」
「クダリさん、オレが育成すると廃人仕様になりますってば!
ちょっと前ならポケモン協会も考えましたけど、今はごめんですね。
つーか、そんな大げさな感じじゃなくて、もっと身近でそれを感じたいし?」
「トウヤならジムリーダーでも良いと思うが?その素質は十分にある。」
「オレはそんなすげー奴じゃ無いです。」
「ポケモン図鑑をコンプリートしたキミなら博士も行けるわよ?」
「あら、それは良いわね。」
「うわわ、それは無理です!それにオレはポケモンを知りたいんじゃない。
ポケモンと一緒に何かしたいんです。だから…あ…」
凄い人達に色々言われてオレもすっかりテンパっちまったけど
オレのやりたい事がみつかったかも…しんない?
「Ahー、ソレなら良い場所知ってるヨ!」
「デスネ。」
「クダリ、私…今、スーパーブラボー!な提案を思いつきました。」
「あのね、ソレはボクも思った。ってかコレしかないよね?」
サブウェイマスターとサブウェイボスがすげー良い顔でこっちを見てるし
んで、この後何を言うかってのは
「「「「バトルサブウェイにおいで(よ)(ヨ)(ナサイ)(なさいまし)!!」」」」
ですよねー!おんなじ顔が2組でおんなじ表情ってのがすげー!!
これには全員で思わず笑っちまったし、ってか言ってる本人達もなのか?!
でも、本当にあの場所ならオレの希望にピッタリだと思う。
「ギアステのバトルトレイン部門はいつでも人材不足だしね。
トウヤ君ならバトルだけじゃない、他の対応もしっかりできそうだし?」
「だな、あれだけの規模なのにバトル事業部のてつどういんがあの人数だ。
それぞれがやり手で一癖も二癖もあるが、トウヤ君なら問題はないだろうな。」
「あはは!それぞれのトップ達が揃って勧誘するとか、トウヤ君ってば
超有望株だったりして?いっそトップを狙っちゃえば良いかもね!」
「さん、それグッドアイディアです!トウヤ、妥当サブマスから
目指せサブマスに変えちゃえ!ヤッチマイナー!だよ!!」
「トウコ、それはここで言うべき事じゃないだろー!
でも、オレがバトルサブウェイにって…できるんでしょうか?」
公共事業と娯楽施設の両方なあの場所はすげーハードルが高いって聞いてる。
正職員として入社するのは至難の業で、働き続けるのはもっと大変だって…
そんな所にオレが入れるのかちょっと不安になって弱気になっちまったけど
「出来るノカ?ではアリマセン。」
「ウンウン、やる…デショ?」
「えぇ、何事も強気で攻めるのがトウヤ様でございましょう?」
「ノボリの言う通り!あのね、どんな夢も、なりたいなぁ…じゃ駄目。
絶対になるんだ!そー思う気持ちが一番大事だと思う。」
そうだ、どんな時だって強く願う事が大事だって
今まで色んな経験をして、それが一番大切だってわかってたはずだ。
「トウコ…オレもやりたい事みつけたかもしんない。」
「うん、私もみつけたばっかりだからさ…一緒に頑張ろうよ!」
今迄何かする時は必ず一緒だったけど、今回ばかりはそうはいかないか…
でも、それでオレとトウコの間が遠くなるとかってのは絶対に無い。
オレ達の絆はそんなもんじゃ簡単に無くならないってわかってるから…
「おう!んじゃオレ達のやりたい事に向かって?」
そう言って立ち上がったオレの隣にトウコも立った。
こーいうコンビネーションってかそういうの?はやっぱこいつとだからだよなー
「「 出発進行っ!!」」
二人でいつものサブウェイマスターのポーズをとったら、全員に笑われた。
ノボリさんとクダリさんはオレ達の隣に立ってポーズのダメ出しするし。
エメットさんはユノーヴァにおいでって勧誘?してくれたし。
インゴさんは All aboard?出発進行を向こうの言葉で教えてくれた。
自分のやりたい事が見つかって、本当に子供じゃいられなくなった気がする。
どんな大人になりたいかってのもハッキリしてんだし、そっちも含めて
頑張って前に進んで行けたら良いな…いや、進んでみせるぞ!