二章・強者達の夢の競演編 番外
どんどん前へ!
ホドモエでのエキシビジョンマッチが終わった後
オレとトウコはいつも通りバトルサブウェイに入り浸るつもりだ。
あの凄いバトルを経験して、オレ自身なんだか色々勉強になったし
トウコも、観客席で見ていて色々考える所があったらしい。
オレ達にとって、これからのバトルにプラスになるのは間違いない。
「へぇー、ここがバトルサブウェイか。つーか、マジで地下鉄でバトル?
なんで脱線とかしないのか不思議だよなー。」
「…あぁ。」
「そこは最新技術を駆使して?うーん、私もよくわかんないんですけどね!
でも、普通のフィールドでのバトルだと思って挑戦すると痛い目見ますよ?」
周囲のチャレンジャーさん逹だけじゃない、職員さん逹の視線が
問答無用でオレ達に突き刺さる…まぁこの人逹を見れば
廃人じゃなくたって、トレーナーならガン見するのは仕方ないよなー。
「トウヤ、トウコ!」
あ、クダリさんがすげー勢いでこっちに来た。んで、後ろにはノボリさんも。
でも流石はサブウェイマスター?構内は走っちゃ駄目絶対!を徹底してるし。
「お二人共こんにちは!今日からまた入り浸りますんでよろしくでっす!
んで、今日はお客様を連れてきました!」
「うん、インカムで報告受けてビックリした!」
「えぇ、まさかグリーン様とレッド様がいらっしゃるとは…
お二人共、バトルサブウェイへようこそいらっしゃいました!」
それぞれに握手をして、グリーンさん逹とノボリさん逹は笑い合ってる。
流石にオレとトウコじゃこうはいかない。やっぱり大人だよなー。
「あのね、ここに来てくれたって事はチャレンジするんだよね?
マルチにチャレンジする?それともシングルとダブル?」
「シングル…」
「んじゃオレはダブルだな!マルチでもチャレンジしたいんだけどな
元々おれとレッドが組んでバトルなんて滅多にないし?
それだったら、そっちの方が色々と楽しめそうだしな!
勿論、ノーマルなんて言わないぞ?スーパーまで行くからな!」
レッドさんとグリーンさんがそれぞれに別れるのかー。
ノボリさん達とスーパーでやり合うとか、すげー観たい!
「ふふっ、私達はどの様なチャレンジでも大歓迎でございますよ?
それでは、トレインの受付方法に付いてご説明しますのでこちらへ。」
「うん、後ここでの基本的な事を説明する。」
ノボリさん逹に連れられて、グリーンさんとレッドさんが揃って
トレインのホームに向かった。
残されたオレ達のやる事っていったら、1つしかないよな!
「トウヤ君、トウコちゃん!」
「「さん!」」
「こんにちは!二人共もう受付とかしちゃった?
まだだったら、一緒にお茶でもしないかなーって思ってたんだけど…」
「「したいでっす!!」」
うわー、さんからの誘いをオレが断るわけがない!!
さんのお菓子付だって聞いて、トウコの目の色が変わったし…
こいつはさんのお菓子の大ファンだから仕方ないか。
「うわー、これって今やってるバトルですか?
レッドさんのピカチュウが凄すぎでしょー!可愛いのに強すぎ!!」
いつもなら、応接スペースに通されるんだけど今回は違った。
ノボリさん逹のデスク近くに備え付けられてる大きなモニターの前に
それぞれ椅子が用意されていて、オレ達はそれに座った。
モニターにはトレインでのバトル風景が映し出されている。
「二人共コーヒーで大丈夫かな?本当ならこんな事は駄目なんだけど
今回は二人をトレインに乗せるなって言われてるんでね、特別だよ?」
「「え?」」
「エキシビジョンマッチが終わってから、チャレンジャーが増えてな…
それで、今度はレッドとグリーンとのバトルだろう?
流石にこれ以上ポケモン達に負担をかけるわけにもいかないってんで
トレーナー部門から、トウヤ君達のストッパー役を頼まれたんだよ。」
そうだよな、こんなすげーバトルしてるならポケモンにもトレーナーにも
いつも以上に負担がかかってるはずだもんな。
「それはこっちの都合であって、トウヤ君とトウコちゃんには
全く関係のない話でしょう?二人共気にしないでね?」
「まぁ、ある意味ラッキーだと考えほうが良いかな?
普通ならこんなバトルシーン、お客様に見せる事なんてしないしね。
二人共色々勉強になると思うから、しっかり見てた方が良いよ。」
確かに、こうやって他のトレーナーの乗車中のバトルを見るのは初めてだ。
オレとトウコはもらったマフィンを食いながら、モニターに釘付けになる。
ノーマルはやっぱりって感じであっという間に撃破したし!
でも今度対戦するのは、それぞれスーパーのトレーナーだから
下手をすると途中下車だってあるのに、レッドさんもグリーンさんも
バリバリ勝ち進んでるし…やっぱり凄いよなー。
「やっぱりレッドはシングル、グリーンはダブル向きだね。」
「レッドはそうだろうが、グリーンはチャンピオンだからな
シングルにチャレンジしても面白い事になったと思うぞ?」
「でもさー準伝説級の子逹を相手にしても、それが?って感じだし
二人のポケモン達も最初は戸惑ってたぽいけど、今は楽しんでるねー。」
「ねぇトウヤ、グリーンさんもレッドさんも1戦ごとに
なんだか強くなってない?これってトレインに慣れただけじゃないよね?」
「…オレも思った。普通のフィールドでのバトルを見た事がないから
比べ様がないんだけどさ、そんな感じがするよなー。」
やっぱりトウコも同じ事思ったかー。確かに慣れてきたのもあるんだろうけど
それだけじゃない…なんて言えばいいのかな、バトルをしながら
一番自分らしいバトルスタイルを探していて、それが形になりつつある?
「二人共よく気がついたね、フィールドが違う時には
それに合わせて手持ちやバトルスタイルを変えるのは基本だよね?」
「だな、ジム戦なんかだとジムリーダーによってタイプが偏る。
普通なら手持ちを変えれば良いが、サブウェイルールじゃ出来ないしな。」
「そんな事で負けてたら、最終車両までは行けないでしょ?
あの二人なら、そんな事も楽しみながら勝つと思うなー、バトル狂だし。」
確かにレッドさんとグリーンさんは、廃人って言葉よりバトル狂っぽい?
それはバトルサブウェイに来る人皆がそうだけどな!
なんだかんだで、二人共最終車両まで到達したし…
オレなんて最初の時は5両目位で途中下車したのになー、すげーよな。
「さぁ、ここから本番だね。ボス逹にあの二人はどれだけ食いつけるかな?」
「まぁ、瞬殺コースにはならないだろう。
この感じをみれば、ボス達もそこそこ満足出来るバトルをすると思うぞ?」
「なんてったって、文字通りこっちがホームだし勝って当然だよねー。」
まぁ、そう思うのが普通だよな。だけど勝敗だけがバトルじゃない。
その経過がこれからに繋がるんだから、その辺は一瞬だって見逃せない。
それはトウコも同じみたいで、マフィンを食うのも忘れてガン見してる。
ほぼ同時にスーパーシングルとスーパーダブルでサブウェイマスターとの
バトルが開始されて、モニターを二分割にしてるんだけど目が足りねぇええ!
トウコも同じみたいで二人でワタワタしてたら、さんに笑われたし…
「トウヤ君とトウコちゃんは今はマルチバトル中心みたいだけど
シングルとダブルだったらどっちが好きなのかな?
好きな方、得意な方のバトルを見て今後のバトルの参考にするのも
苦手な方のバトルをみて、自分の弱点を勉強するのも有りだと思うよ?」
「「あ、そっか!」」
どっちも見るって事は、どっちにも集中してない事になる。
ここはさんの言う通りどっちかに…シングルに絞るかな。
「黒ボスとレッド、白ボスとグリーン…どっちもバトルスタイルが似てるな
小細工なしのぶつかり合いと、トリッキーでサポート技も合わせたバトルか…」
「特にレッドと黒ボスでは境遇も似てるかもしれないね。
レッドは山に篭って、黒ボスは地下に篭って自分を鍛えてるだろう?」
「どっちもバトル狂って共通点があるけど、ボス逹はそれプラス廃人だし?
ポケモン愛では良い勝負だけど、違いはそこにあるよねー。
見てよボス逹ったら、バトルが楽しくて仕方ないって顔してるよ!」
いつもあまり表情を変えないはずのノボリさんも笑ってる。
クダリさんはいつも以上のスマイルを見せてる。
なんだろう…見てるこっちも楽しくなる、バトルしたいって思う。
それだけじゃない、ポケモン達の動きも今までと全然違うんじゃないか?
トレーナーの気持ちにシンクロするみたいに、生き生きと楽しそうで
バトルが好きだ、勝ちたいんだって気持ちがこっちにも伝わってくる。
結局バトルはサブウェイマスターの勝利で終わったけど
勝ち負けなんて問題じゃない、このバトルを見る事が出来て
オレは本当に良かったと思う。
「…今日は帰るか。」
「うん、そうだね。」
エキシビジョンマッチの後で変わったと思ってるのはオレだけじゃないんだ。
頂点に立って、自分のバトルスタイルを確立してるノボリさんやクダリさん
レッドさん、グリーンさんも何かを得て、更に高みを目指してるんだ。
オレの目標、憧れの人達との距離を近づけたと思っても
相手は更に高みに向かってて、距離が変わってない。
「オレ達も立ち止まってなんていられないです。
こうしてる間にも、ノボリさん達はどんどん高みに行っちまう。」
「うん、貴重なバトルを見せてもらえて勉強になりました!
トウヤ、私これからスーパーダブルの方も並行してチャレンジするからね。
自分のバトルがなんだか変わりそうな気がする。」
「あぁ、オレもなんて言えば良いかわかんないんだけどそう思ってる。
こんなすげーバトルを見たら、黙ってなんていられないよな!」
「おうよ!のんびりしてたらいつまでたっても追いつけないよ!
そういうわけなんで、私達は帰って自分の子逹とこれからのバトルについて
色々考えてみようと思います。ノボリさん達によろしくお伝えください!」
さん、さん、さんがそれぞれにオレ達をみて笑ってる。
頑張れ!ってお土産に残りのマフィンを持たせてくれたし。
お礼を言ってから、オレとトウコはそれでは!って部屋を出た。
今日はバトルが出来なかったけど、そんな事問題じゃない位に
すげーものをもらったような気がする。
目指す人逹に追いつくのは大変だと思うけど、前進あるのみだよな!
後から聞いた話だけど、レッドさんとグリーンさんはその後3回
リベンジだ!って言って、トレインに挑戦したらしい。
結果は、また近いうちに二人共イッシュに来るからって言ってたから
そういう事なんだろうな…。