二章・強者達の夢の競演編 番外
若き助手、旅立ちを見送る。
アララギ博士から頼まれて、旅立ちのポケモンを連れてきたんだけどお
その人達が大人だったから、ビックリしちゃった。
どっちもイッシュでは見ない様な感じで、ベルわかったもんね。
この人達がトウヤくんの言ってたさんと…んとそのお友達?
さんはトウヤくんの初恋の人って聞いてたから、どんな人なのかなあって
すっごく興味あったんだけど、可愛い?そんな感じかなあ。
「博士ー、ポケモン達を連れてきましたけどお…
ホントにこんな事して、大丈夫なんですかあ?」
「はいはーい、ベルちゃんは心配しなくても大丈夫!
今、色々と話を聞いてたんだけど、更に納得!
この人逹はね、イッシュじゃ初心者になるかもしれないけど
実際はマスターランクのトレーナーなのよ?
それはバトルだけじゃなくって、ポケモンに対してもって事なの。
二人に紹介するわね、彼女はベル。私の助手をしてもらってるわ。
ベルちゃん、三人はトウヤ君が話してたさんとさんとさん。」
「あー、やっぱり!そうじゃないかなあって思ってたんですよお。
初めまして、ベルですう!まだまだ新米ですけど、よろしくですう!」
普通、ここにくるトレーナーさん逹ってば皆これからの旅に
緊張してたりとか、不安そうにしてたり?後ワクワクしてソワソワしてるけど
やっぱり大人だから、皆すっごく落ち着いてるよねえ。
んで、さんって殿堂入りを辞退したトレーナーさんだよね?
チェレンくんがここにいたら、バトルしてくださいって騒いだんだろうなあ。
「さーて、まずはさんからで良いかしら?
水タイプが希望なのよね?この子なんだけど、どうかしら?」
ボールからミジュマルが出てきたんだけど、様子がちょっと変?
周囲をキョロキョロして、さんを見たらすっごいビックリして
ベルの後ろに隠れちゃったあ!
「うわわ、ミジュマルーどうしたのお?
キミってば、早く旅に出たいって張り切ってたでしょお??」
隠れてたミジュマルを抱っこして、さんの方に向けたんだけど
そうしたら、すっごい大きな声で泣き出しちゃったよお!
「ベルちゃん、ストップだ。
この子は俺のパートナーになりたくないんだ、無理をさせちゃダメだ。」
「…ねぇ、もしかしたらこの子は大人が嫌いなんじゃないのかな?
それか男の人?もしくはどっちもだったりして??
ちょっとごめんねー。ミジュマル怖がらないでね、大丈夫、何もしないよ?」
さんがわたしの腕に抱っこされたミジュマルにゆっくり近づく。
それから、ゆっくりと頭を撫でたんだけど、いつもより緊張してるかも?
「あー博士、多分この子大人も苦手です。んで、男の人はもっと苦手です。
原因とかって心当たりありますか?なにか嫌がる事をしたとか?」
さんもミジュマルの様子に気がついたみたいで、ちょっと撫でてから
すぐに離れた。博士がわたしを見て心当たりは?って顔してるけどお…んー…
「あ!この子つまみ食いをして良くお腹を壊してたんですよー。
その度にポケモンドクターに診てもらって、お薬を飲まされてたんだけど…」
「恐らくは、それが凄く嫌でトラウマになってるのかもしれないね。
このミジュマルは大人の男は嫌な事しかしないって、思ってるよ。」
「あららー、こんなケースは殆ど無いんだけど…困ったわね。
さん、貴方位のトレーナーならこの子の誤解を解くのは簡単でしょう?
今は大変だと思うけど、旅をしているうちに大丈夫にならないかしら?」
「…結論から先に言えば、パートナーになるのは難しいです。
確かに、普通に旅をしている最中に出会ったポケモンであれば
時間をかければお互いに信頼しあう事は難しい事じゃありません。
でも、この子にとっても俺にとっても旅立ちの最初のパートナーになる
そういう意味での繋がりは最初のインスピレーションが大事でしょう?
こんなに嫌がってる子を連れてはいけません。この子の為にならない。」
「そっかー、今用意できる水タイプのポケモンはこの子だけなのよ。
でも、そういう事なら無理よね?どうしようかしら…」
ミジュマルをボールに戻しながら、博士は困った顔しちゃってる。
でもミジュマルにはこれで良かったんだよね?
ポケモンの気持ちとかがわかるなんて、三人とも凄いなあ!
「正直、卵の状態でも俺は別に構いません。
孵化作業も何度もやってますから、問題はないんですが…」
「旅立ちのトレーナーが来るのは、まだまだ先の話だったから
卵すらできていないのよ…、本当にごめんなさいね。」
そういえば、ダイケンキの所にはまだ卵ができてなかったもんねえ…
卵ででも良いからって、水タイプにすっごくこだわりが強いんだなあ。
「あ、ダイケンキの?ダイケンキってばトウヤくんが持ってるかもお?」
「ちょっと、ベルちゃんそれ本当?!
もし卵があるなら、さんに渡す事って出来ないかしら?」
「んと、ちょっと待ってください。ライブキャスターで聞いてみますう。
……あ、トウヤくん?今ちょっと話したいけど大丈夫かなあ?
うん、ありがとね!んとねえ、ミジュマルの卵って持ってないかな?」
ちょうどボックスに1個だけ、孵化作業の終わったタイミングで生まれた
ミジュマルの卵があるんだって。理由を話したら、即良いよ!って。
トウヤくんてば、オレの子がさんの旅立ちのパートナーに…なーんて
すっごく感動してた。その位尊敬してる人なんだねえ。
でも、これで問題解決できて良かったなあ!
「はーい!それじゃあさんの子を紹介するわよ?
この間お話した通りなんだけど、ホントに頼んでも良いのかしら?」
「はい、私でよければ。でもまずはポカブとちゃんと話してみたいんです。
もしかしたら、の時みたいに私じゃ嫌とか言うかもしれませんし…。」
次にのポケモンの番になったんだけど。
はほのおタイプの子を希望してて、博士がそれじゃあって
ホントはダメな事をお願いしたんだもんねえ…大丈夫かなあ…。
ボールから出てきたのは色違いのポカブ。
この子結構前に生まれたんだけど、一般のトレーナーさんに預けられなくて
結構長くこの研究所にいるんだよねえ。
前は、後から生まれた子達が次々に旅立つのをみて、悲しそうにしてたけど
今はもう、あきらめちゃったって感じでちょっといじけてる。
「…カブ。」
あー、やっぱりさんを見ても知らんぷりしちゃったあ。
さんもポカブを見たまま固まってるみたいだし。
これじゃあ、さんとおんなじでパートナーには無理かも?
「かっ…可愛い、可愛い!かーわーいーいーっ!!
きゃーん!この体型とキリッとした目元とか格好良すぎでしょー!
ほのおタイプって目力が凄いんだよねー!手とか足とかしっかりしてる!
うわーい、照れた顔もマジ可愛い!、天使だよ、天使がいるよ!」
ポカブの周りを踊る様にしてさんはクルクル動きながら
ベタ褒め?そんな感じになっててビックリしちゃったあ!
ポカブも最初は驚いてたんだけど、こんなに褒めてくれるさんに
悪い気はしないみたいで、照れてるしい。
こんな素直なポカブを見たのは始めてだよお!
「ポカブ、ギュってしたいんだけど良いかな?
あ、嫌だったらはっきり言ってね?私は貴方の嫌がる事はしたくないんだ。」
しゃがみこんでポカブに両手を広げたさんの腕の中に
ポカブはおずおずと近づいていった。
さんはまるで宝物みたいにポカブをそっと抱き上げてから
頬ずりして、すっごい綺麗な顔で笑ってる。
この人って、ホントにポケモンが大好きなんだなあ。
「博士、うちの子にこの子を紹介したいんですけど
ちょっと大きい子なんですよねー。出しても大丈夫ですか?」
「ホエルオークラスじゃないなら大丈夫よ?」
「ありがとうございます!リザードン、貴女の小さい時を思い出しちゃった
出てきて、ご挨拶して欲しいんだけど良いかな?」
出てきたリザードンを見て、ビックリ!だって雌でそれも色違い!
リザードンの雌って、すっごく少ないのに色違いとか更に稀少だよねえ!
ポカブってば、いきなり出てきたリザードンにビックリしたみたいだけど
リザードンはすっごく優しい目をして、ポカブをさんから受け取って
抱っこしてから頭を撫でたんだ。まるでお母さんみたいだなあ。
ポカブもなんだか気持ちよさそうにしてる。
さんにむかって、リザードンは鳴き声を上げてて
それにさんが、やっぱりとかいってうんうんって頷いてて
ポケモン達の言葉がわかってるみたいで凄いなって思っちゃったあ。
「あららー、この子も色違いなの?だけどとてもよく育てられてるし
とっても貴女に懐いているみたいね。」
「私の大切な家族です。ポカブ、色違いは珍しいって言われてるけど
そんなのは大した事じゃないと思うんだ。
このリザードンだって、色違いだけどそんなの関係ない。大切な家族。
私は貴方がとっても好きになったから、これからの旅を一緒に頑張りたい。
私の家族になって欲しいなって思うんだけど、どうかな?」
「カブ、カブーっ!!」
リザードンの腕の中にいるポカブに向かって手を広げたさんに
今度は、すっごい勢いで飛びついて擦り寄って甘えちゃってるう!
生まれてからずっとこのポカブを見てきたけど
こんなに喜んでるのを見るのは始めてだよお。
それだけ、ポカブはパートナーと旅に出たかったんだね、良かったねえ!
「はーい!この調子だとうまくいったみたいで安心したわ!
さん、この子の事よろしくお願いね?」
「お願いするのは私の方です。
ポカブ、これからはずっと一緒だよ?よろしくね!」
「カブ!!」
こんな素敵なトレーナーさんのパートナーになったポカブは幸せだねえ!
トウヤくんが、さんを好きになった気持ちがちょっとわかるかも?
さんと、さんも自分の事みたいに嬉しそうにしてる。
この人逹もポケモンがとっても好きなんだなあ。
「さてバタバタして申し訳ないんですが、仕事を抜けてきてるんで
これで失礼します。急なお願いでしたのに快く引き受けてくださって
本当にありがとうございました。」
「イッシュ図鑑のお礼も、すっかり遅くなってしまって
おまけに、こんなついでみたいな形ですみません。」
「はいはーい、そんな事は気にしちゃダメよ?
ここは旅立ちの場所よ?どんな形でもポケモン達と一緒に
これから頑張ろうって人は、いつでも、誰でも大歓迎なんだから!
ベルちゃん、貴女も会いたいって言ってたから会えて良かったわね!」
「トウヤくんとトウコちゃんの話を聞いてて
すっごく会いたいって思ってたから、会えて良かったですう!
私はこれから博士のおつかいでヒオウギタウンに行くので
その途中で、また会いに行っても良いですかあ?」
お仕事をしながら、ジムを巡るなんて大変そうだなあって思ったけど
私のお願いを三人は笑いなから良いよって、言ってくれた。
「全然構わないよ。そうだね、連絡をくれれば時間を空けておくよ。
それで構わないよね、課長。」
「俺等は仕事であちこち移動してるからな、それは主任に任せる。」
「うんうん、ポケモンの事とか旅の時の話とか聞きたいかも!
待ってるから、絶対に来てね?」
「はい!」
「それでは、私達はこれで失礼します。
うわーい、戻ったらさっそくボス達にお披露目しなくちゃ!
うちの子の可愛さに戦闘不能になれば良いよ!」
「ふふっ、ボス逹なら有り得るかもしれないね。」
「そこからポケモン談義になりそうだが、それは駄目だぞ?
まずは仕事を片付けて、それからなら構わないけどな。」
これから空を飛ぶでライモンシティに戻るみたいで
それぞれにポケモンをだしたんだけどビックリ!
さんのリザードンだけじゃなくって
さん?のボーマンダも色違いなんだ!格好良いなあ!
さんのカイリューはすっごく強そう!
羽ばたく音が聞こえて、すっごい風が巻き起こったと思ったら。
あっという間に三人とも小さくなって見えなくなっちゃった。
いつもとちょっと違うけど、旅立ちを見送るのはいつもワクワクする。
さんとさんならきっと凄い旅になるんだろうなあ。
そのお手伝いを、ちょびっとだけど出来て、嬉しかったよお!