二章・初志貫徹編番外 -保全管理課の家計の事情-

二章・初志貫徹編 番外

保全管理課の家計の事情



が退院して、職場復帰してから間もなく

執務室で保全管理課の三人が、何かが書かれてる紙を見ながら話し合ってた。



「やっぱり、これは三人で定時上がりで直行するしかねぇな。」



「だよねー。、取り敢えず今日の現場は終わってるし

報告書も出来上がってるんだけど、それって許可できる?」



「許可も何も、俺も行かないと駄目だろう。」



ボクとノボリは顔を見合わせて首を傾げちゃった。

だってさ、三人共顔がすっごく真剣なんだよね。

一体何の話なのか、とうとう我慢できなくなったみたいでノボリが聞いた。



「三人共、その様に真剣に話し合ってらっしゃいますが

何か問題でも起きたのでございますか?」



「あぁ、仕事中すみません。問題は起きてはいない…よな?」



「まぁ、問題は現地に行ってから起きるかもしれねぇ…じゃねぇや

しれないけどね。なんてったって次の日からの食糧事情に関わるし?」



が答えてくれたんだけど、それでも意味がさっぱりわかんなくて

二人で更に首を傾げてたら、が三人で真剣に見てた紙をボク達に見せた。



「…これって、近くのマーケットのチラシ?」



「あぁ、ここは生鮮食品が手頃な値段なので有名でございますね。」



「やっぱりボス達もここで買ってました?んで、ここを見て下さい。」



が指さした場所には明日から店内改装の為、暫く臨時休業するって

そんな内容が書かれていた。

そして、在庫処分価格!って大きな文字で色々な物が安くなってた。



「あのね、三人に聞いても良いかな?

うちのお給料じゃ生活が苦しかったりしてるの?」



委託業者だけど、三人共それなりの給料はもらってるはずなんだけどな。

それでも、こんなスーパーのチラシで真剣に話をするんだから

色々と足りなかったりしてるんだろうか?

それだったら、給与の改善も考えなくちゃなんないんだけど。



「「「は?」」」



三人がさっきのボク達みたいに首を傾げてこっちを見てるけど

ボク、そんなに変な事言ったかな?言ってないよね??



「クダリはスーパーの安売りチラシを真剣に見ている貴方逹を見て

そう判断したのでございます。まぁ、安い物を買いたい気持ちを

私は理解できますが、そこまで真剣になる事でもございませんでしょう?」



「お給料は十分すぎる程頂いてますけど、それとこれは別問題でしょう?」



「まぁな、だがの言う通り、それとこれは別問題だろう。

二人共、肝心なのはここの店舗が明日から暫く休業するって事で

今日中に生鮮物は全部売り切るだろうって事なんだぞ?」



「元々俺達は仕事をしなくても十分生活出来るだけの金は持ってるしね。

って、そんな事よりもいつもの値段分で倍、いや…それ以上か

物が買えるって事が肝心なんだ。凄く大事な事だと、二人は思わないのかな?」



「「へ?」」



今度はボクとノボリの声がハモっちゃったよ!

確かに三人共よく食べるとは思ってたけどさ、それってどうなの?

んで、サラッとが凄い事言ってるんだけど、それもどうなの??



「だって絶対凄く安くなると思うんですよ?

これはもう買いに行くしかないでしょう!目指すは冷凍のできる物!

そうすれば、色々とストックできますしねー。

私も入院している間に食材を結構駄目にしちゃってて、ストックとか

色々としておきたかったんで、これは絶好のチャンスなんです!!」



「俺も仕事が忙しくて買い出しに行く暇がなかったせいで

自宅のストックを使い果たしちまったしな。

それで、俺は肉担当で良いんだよな?

豚でも牛でも鶏でも、どの部位でも別に問題は無いんだろう?」



「あぁ、俺もに飯作ってたからストックが切れてるんだよね。

それじゃあ、魚介類の担当をさせてもらうよ。

白身魚や場合によっては大物丸ごと買いもする予定だからね。」



「私は野菜担当するよー。冷凍可能か、長期保存できるのか?

その辺の判断はどーんと任せて!

んで、メインの保存場所はうちの冷蔵庫だけど、入りきらなかったら

二人の冷蔵庫にも入れてもらうって事で良いんだよね?」



あー、そう言う事か。色々と冷凍してストックしとけば

いざって時に食材が足りなくて困る事は無いもんね。

ボク達の仕事は残業しちゃうとマーケットが閉まってる事も多いし

それが続くと自炊には結構大きな影響出ちゃったりもするから納得した!

でも三人の顔がなんだかバトルしてる時みたいなのは、どーしてなんだろ?



「成程、如何に大量に尚且つ数多くの食材をゲットできるか?

他のお客様との争奪戦…つまりはバトルでございますね!

三人共、私も是非参加したいのですがよろしいでしょうか?」



うわー、ノボリの顔もバトルの時みたいになってるよ!

ちょっと待って!買い物がバトルと同じとか意味わかんないんだけど!



「流石は家事力の高いノボリさん!そうなんですよ、これはバトルです!

恐らくお一人様幾つまでとか、そういう制限も出ると思うんで

参加する人数が多ければ多いほど有利ですからね。

ノボリさんも一緒に出発進行しちゃいます?」



「いや、それはマズイと思うよ?

ボス達はこの前の記者会見がテレビで放映されてから色々と目立ってるからね。

そんな二人がマーケットに来たら、別な意味でバトルになるでしょう。」



と手を取り合って頷いてたノボリはの言葉に意気消沈しちゃったよ!

ってか、そこまで落ち込む事なの?ボクには理解できないよ!



の言う事も、もっともだな。ボス達の分も俺等が買ってきますよ。

何か苦手な食材とかってありますか?」



「…ボク達好き嫌いは無いからオッケー!って、はそう言うけど

三人の取り分が減っちゃうんじゃないの?」



「その点はそれこそオッケー!だよ?

俺達はこういうセールとかタイムバーゲンとかに慣れてるからね。

適当に買ってくるけど、それで構わないよね?」



「えぇ、それで問題はございません。ではお願いしても?

勿論、私達の分の代金は払わせていただきますからね?

他に何かお手伝い出来る事がございましたら、行ってくださいまし。」



あ、ノボリが復活した。それもすっごく目をキラキラさせてるし!

…あのね、そんなんだから家事力高いとかオカンとか嫁がいらないとか

から言われちゃうんだよ?そんな事もわかんないのかな?

んで、そう思ってるのはだけじゃないんだからね!

今日の分の最後の書類にサインをしながら、そう思ったんだけど

口には出さないよ?だって言ったら絶対説教くらうもん。



「あー…っと、それじゃあ買い物が終わったら連絡しますので

うちに来てもらっても良いですか?

色々と小分けしたりするのに手間が掛かっちゃうんですよー。」



今、ちょっと言いそうになった?なったよね?

でも慌てて違う話をするとか、ちょっとは学習してるんだ。

あれだけ何度も地雷踏んで説教されてるから、当たり前かもしんないけど

もっと他の事も学習して欲しいと思ったボクは間違ってないと思う。


そんな感じですっごい買い出し?を頼んで、就業時間が終わったら

三人はすっごい勢いで帰った。

ボク達も、今日の分の仕事が終わったから家に帰って

シャワーを浴びて連絡を待ってたら、暫くしてからライブキャスターが

三人の帰りを告げるメールを受信した。



『大収穫ですよー!大盤振る舞いしちゃいますから、来てくださいね!』



からのメールにボクとノボリはなんだか可笑しくなって笑っちゃった。

揃っての部屋に入ってみれば、リビングには大量の袋が積まれてた。

うわー、これはマジで大収穫って言葉がピッタリかもしんない!



「ブラボー!スーパーブラボー!!

三人の息のあった連携と、素早い行動がなければこの様な勝利は

あり得なかった事でございましょう。お見事でございます!!」



どっかでよく聞くセリフをノボリが言ってるけど、使い方が違うでしょ!

ってか、ノボリの顔がすっごいバトルをした後みたいにキラキラしてて

ちょっとボクは引いちゃったよ!



「ふふーん、この位余裕ですよー。

お二人共、好きな食材を好きなだけ持って行ってくださいね!

金額はテーブルの上にレシートがあるんで、それを見て更に驚いて下さい。」



ボクとノボリは袋の中から、欲しい食材を取り出して

レシートに書いてあるその値段をみて驚いた。



「嘘…ミンチ肉がグラム1円とか有り得ない!

うわー、こっちのポテトは1個10円なの?こっちのオニオンも?!」



「サーモンが1匹丸ごとで500円とか、マジでございますか?!

白身魚の切り身が5切れ1パック200円…牛ヒレブロックがグラム10円…

ブラボー!スーパーブラボー!!でございます!!

あぁ、私も買い物に参加しとうございました!」



これだけの食材をこの値段で買えるんだったら、すっごく楽しそう!

ノボリじゃないけど、ボクも買い物に行きたかったかもしんない。

に取り出した分の食材の値段を払ったんだけど

それは、いっつもボク達が一回に買い物で使う値段の10分の1にも

ならないとか、ホントに信じられないんだけど!


キッチンでは、三人が手分けしてストック用に食材を小分けにしてる。

その手つきもすっごく慣れてるんで、ボクとノボリはビックリしちゃった!

聞けば、前から休日前のマーケットとかに行って結構買ってたらしい。



はともかく、がこういう事をするなんて

ボク、ちょっと想像してなかったかもしんない。」



今の気持ちを正直に言ってみれば、二人がそうか?って言ってたけど

普通男の人でここまするなんて、ボクはノボリ以外知らないよ?

確かに二人共結構自炊してるし、料理も美味しいし手馴れてたけど

まさかここまでとは思わなかった。



「俺等は結構食うからな。だから定価の半額セール!とか聞くと

いつもの半分の値段で買い物ができる!っていうよりは

いつもの倍買い物ができる!って感じで嬉しいんだぞ?

でも、それはごく普通で当たり前だと思ってたんだがなぁ。」



「「いや、それは違(うから!)(うと思います!)」」



の言葉に、ボクとノボリがツッコミを入れたのは仕方が無いと思う。