2014 Just Marriage!
既婚者達の余裕、未婚者達の溜息
仕事がちょっと一段落したから、ボクとノボリで時間外だけど
のんびりとコーヒーを飲んでたら、ドアがノックされて
書類を持った総務部長さんとシンゲンが入ってきた。
ちょっと待ってね?その書類の量が尋常じゃないんだけど!
「休憩中にすまないが失礼するよ。
ボス達、職員の臨時募集について少々話をしても構わないかい?」
「トレーナー統括部デモ、臨時ノトレーナー募集ヲシタイノデスガ…」
どっちも職員募集についてって…つまりはそれだけ退職者が出るって事?
一人とか二人だったりならわかるんだけど、原因を突き止めなくちゃ
これからも同じ様に退職者が出るんじゃないのかな?
「少々お聞きしてもよろしいでしょうか?
その退職希望者様方の退職理由とは?職場に何か問題があるのでしょうか?」
「ボクも聞きたい。新入社員が仕事の理想と現実の差に耐えられなくてなら
いつもの事だから仕方ないけど、そのピークはもう終わったよね?」
「新入社員については今年は当たり年だったのか
退職者は例年よりも遥かに少なくて安心していたんだがね
今回の退職希望者は新旧関係無いのだよ。そして殆どが女子職員だ。」
ボクは意味が分かんなかったけど、ノボリはピンときたみたい。
「それはつまり、結婚の為退職したいと言う事なのでしょうか?」
「その通りだよ。本当ならもっと早くに退職届を提出するはずだったが
できれば仕事は続けたいと、相手と色々と話し合っていたそうだ。
だが、うちの施設は仕事の内容に男女差がないからね。
勤務時間、休日等色々考えると、やはり退職するしか無いらしい。」
「そっか、6月はジューンブライド。結婚すると幸せになれるって言われてる。
だけどさ、そんな事で皆幸せになれるんだったら苦労しないと思う。」
「例えそれが眉唾物であっても、もしかしたらと思うのでは?
そうですか…結婚退職でしたら仕方がありませんね。」
「えー、仕事と家庭どっちも大事じゃないの?
どーして、女の人が仕事を辞めなくちゃなんないの?ボクわかんない!」
そんな事で簡単に辞めれる様な仕事をしてる人逹じゃないと思ってたけど
やっぱり結婚ってそんなに大切な事なのかな?
ボクの言葉に三人は苦笑いしてるんだけど、仕方がないって思ってるの?
「クダリ、既婚女性はいずれは子供を産み育てなくてはなりません。
育児と家庭と仕事、これらを両立するのは並大抵の事ではないでしょう。」
「職場結婚になる人逹も多いのだがね、彼女達は夫になる相手の
サポートに徹したいと皆言うのだよ。
ここでの仕事は一般の企業と比べればやりがいはあるが、色々と大変だ
家事を分担といっても、結局は女性の負担が大きくなってしまうからね。」
「家庭二入ッテ、パートナーノポケモンノ世話ヲシタイソウデス。
孵化作業、厳選、育成ノサポートヲシテ、ヨリ良イバトルヲ提供スル。
彼女逹ハ ソウ言ッテマス。」
そっか、確かにボクもノボリと家事とか分担してお互いのサポートをしてる。
それでも時間は全然足りないって思う事がたくさんあるから
他の人もそうやって考えても仕方がないのかな?
「そう言えば、部長逹は既婚者でらっしゃいますよね?
お子様もご結婚されておりますが、その辺はどうだったのでございますか?」
ノボリ良い事言った!ってか、聞いた?
電車が好きってシンゲンは休日でもギアステに来てたりするし
家での総務部長さんなんて全然想像もつかないから、ボクも聞きたい!
「ボクノ妻ハ、車両整備デ ギアステデ働イタンデスヨ?
車両ノ事ヲ聞イテイルウチ二、親シクナッテ結婚シマシタ。
彼女ハ 結婚後ハ ボクノ整備ヲ専門二シタイト言ッテ、退職シマシタ。」
うわー、人間を整備とかシンゲンの奥さんって変わってる?
ちょっと引いちゃったけど、車両愛ではシンゲンと良い勝負だったなんて
総務部長さんが言ってるから似たもの同士?
「私も妻とは職場結婚だったね。人事にいて、とても気のつく
素晴らしい女性だったよ。ライバルも多かったから最初から諦めてたが
気がついたらいつも隣にいるようになってね…。
元々仕事第一と独身の時から貫き通していたから、結婚は出来ないと
そう思ってたんだが、家の事は全て任せて欲しいと言われて結婚したよ。」
「…総務部長さん、それって惚気けてる?」
「そう受け止められても構わないよ。事実、私は妻を愛しているしね。」
その笑顔をみてちょっとムカついたなんて言えない。
なんだっけ…こー言うのをリア充爆発しろ!って言うんだよね?
それから、二人の子供が結婚した経緯も教えてくれたけど
最初は遠距離恋愛だったって聞いた。それでも気持ちが変わらなくて
シンゲンの娘さんが仕事を辞める形で結婚したって。
うん、やっぱりリア充爆発しろ!で間違ってないと思う。
「結局は女の人にとって、結婚は仕事より大切って事なのかな?」
「クダリ、それは人それぞれでございましょう?
更に言うなら、私達は職場にいなくても仕事の延長でございます。
総務部長の奥様の様な、家の事は任せて欲しいと言う女性と会うなど
それこそ奇跡に等しいかもしれませんよ?
私達は結婚する事は大変難しい…あぁ、言ってて寂しくなってきました。」
「ちょ、やめてよノボリ!ボクは結婚したいって思ってるんだからね!
ボク達の仕事を理解してくれて、サポートしてくれて
そばで笑っていてくれればそれで良いって思ってるんだけど…
そーいう女の人って、いないのも事実かもしんない。
ボク、仕事と私どっちが大事なの!っていっつも言われて別れたっけ…」
「私もその様に聞かれ、仕事と申しましていつも別れます。
そもそも、その様な事を聞く事自体が私達の仕事を理解しておりません。
結婚する以前に、お付き合いを続けるのも不可能でございます。」
二人で元カノとの別れた原因を話してたら暗くなってきた…。
そもそもボク逹は家と職場の往復しかしないから、出会いも少ない。
取引先の企業の社長令嬢?そんな子との付き合いを勧められた事もあるけど
正直いって、自分逹の生活スタイルを変える事をしないし、するつもりもない
だから、普段の生活の話をしたら、話は無かった事にって言われるし…
二人から書類を受け取って、ボクとノボリは同時にため息をついちゃった。
どっちみち、人数的に厳しくなるなら募集はしなくちゃなんない。
取り敢えず契約社員として募集をかけて、もし継続する意思があるなら
次年度の募集の時に応募をすれば、考慮するって事にした。
「私、そうそう難しい条件を言ってはいないと思うのですが…。
家庭の事にしても、全部任せるつもりはございませんし?
私と私の仕事を理解して、共に支え合いながら人生を送りたい…
たったそれだけなのですけれどねぇ…」
「ボクだってだよ?ボク達の両親ってすっごく仲良しだった!
いつでも、何をするのも一緒!って感じだったし
ボクも結婚したら、両親みたいに仲良しでいたいと思ってる。」
「ふむ…要はボス逹の仕事を理解してサポートのできる人物だね。
バトルやポケモンにおいて、ボス逹と同じ位に造詣が深い女性ねぇ。
それはそれで、かなりハードルが高いと思うのだが…」
「…ソノ様ナ女性ナラ、心当タリガアリマスヨ?
幸イ、特定ノ相手ガイル話モ 聞イタ事ガアリマセン。
気配リモ大変素晴ラシイデスシ、女性トシテモ十分魅力的ダト思イマス。」
「「え?」」
シンゲンの言葉に、ボクとノボリは思わず食いついたよ!
だって、バトルもポケモンもボク達と同じ位好きな人って、超廃人だよ?
それなのに、気配りも出来て女性としても魅力的とか信じらんない!
シンゲンの話を聞いて、総務部長さんがあーって顔をした。
「確かに、彼女ならボス逹の伴侶になっても問題は無いだろう。
むしろ、ボス逹にとってはプラスになる事の方が多いかもしれないね。」
「デショウ?交際スルニシテモ、職場ガ同ジナノデスカラ
愛ヲ育ム事ダッテ、ソレ程難シクハ無イト思ウンデス。」
「お待ちくださいまし!その女性はギアステ職員でございますか?!
そ、その方とは私達も存じ上げている方なのでしょうか?」
結婚なんて興味ないって顔してるけど
実は結婚願望がボクよりあるノボリが、すっごい勢いで二人に聞いてるよ!
ってか、ギアステ職員?そんな人に心当たりなんて無いんだけどなー。
一体その人は誰なんだろうって考えてたら、ノックと同時にドアが開いた。
「失礼しまーす。ボス逹、色々と書類を預かってきましたよー。
ってうわわ、お取り込み中でしたか?!ごめんなさい、後から来ますね。」
「ストップ!別に取り込み中なんかじゃない。
ってか、書類を持ったままどこかに行かないで!それボク達にちょーだい。」
いつも通りのんびりした感じで中に入ったけど、この顔ぶれを見て
すっかり慌てたが、執務室を出ようとしたのを必死で止めたよ!
だって、重大な話…ボク達の人生を左右するかもしれないって点では
そうかもしんないけど、他の人にとっては、仕事にとっては
別に関係の無い、どーでも良い事だもんね。書類の方が大事!
「んじゃ、気を取り直して…前の方にいかせてもらいますね?
これは車両整備班から、次の車両点検日の検査項目についての書類です。
後黒ボス、職員のベースアップについての改定案が人事課からきてます。
白ボスにはサマータイムの時刻表の訂正案を見て欲しいそうですよ?」
失礼しますと言ってから、は部長さん逹の前にきて
ボク達に預かった書類をそれぞれ渡してくれた。
いつも通りその書類には付箋が貼られていて、担当部署と担当者
それと、期日とかちょっとした伝言が書かれてある。
ホント、のこういう気配りって…ちょっと待って、気配り?
「白ボス、黒ボスどうかしました?私の顔になにかついてます?
あー、さっきまで天井裏にいたから汚れてます?」
どうやら、ノボリもボクと同じ事に気がついたみたい。
ボク達と同じ位バトルとポケモンを理解してて、気配り上手でそれから…
「ボス逹も理解したようだね。全ての条件に当てはまるだろう?
私は是非とも出発進行すべきだと思うんだがね?」
「デスネ。」
「へ?部長さん逹までどうしたんですか?私が何かやらかしたとか?
そんな事…あるわけ無いじゃ…ないかもしれなくもない?」
部長さんたちがの両隣にたって、ガッチリホールド決めちゃってるよ!
んでボク達に手を広げて、さぁどーするって感じになってるし!
「…その、そんな事につきましては、後で詳しくお聞かせくださいまし。
ふむ…確かに全ての条件に当てはまってはおりますねぇ。」
ノボリってば、その気になってる?
確かにボク達の言った条件に全部当てはまるし、が相手だったら
きっと毎日が笑ってすごせると思う。一緒にいても楽しいと思う。
だけど、だけどだよ?すっごく大きな問題を忘れてないかな?
「あのね、確かにその通りだと思うけど、問題もあるって忘れてないかな?
出発進行するにはすっごい大きな壁?障害?そんなのがある。
それも一人じゃない、二人だよ?ボク、あの二人をまとめて相手にして
勝利する自信なんて無いんだけど!」
「…あぁ、問題で障害で大きな壁でございますねぇ。
彼等を納得させるような手札は、私達の手の中には存在いたしません。
それに、当人にその気が全く無いのですからね。どうしろと?」
「最初からそんな弱気でどうするんだね。
問題や障害があればある程、燃えあがると良く言うだろう?」
「愛ノ力ハ 偉大デスヨ?」
「えっと、何かすっごい話を聞いてる気がするんですが…
一体どうしたんですか?」
ボク達の話が全然わかってないは
さっきから頭にハテナマークをつけっぱなしになってる。
ボク達と部長さんを交互に見て、首を傾げっぱなしになってる。
「ボス逹のこれから先の幸せについて少々ね…
私とシンゲンで人生の先輩として、色々とアドバイスをしていたんだよ。」
「デス。」
「うーん…なんだか良くわかりませんが
私にお手伝い出来る事があれば、全面協力しちゃいますからね?
私だけじゃなくって課長も主任も、部下として友人として
ボス逹には幸せになってもらいたいって思ってるんですから!」
「…そのお気持ちだけでも、十分でございます。」
「…うん、ありがとね?」
ほらね?自分が当事者になってるって自覚もないんだよ?
部長さん逹はの後ろで思い切り吹き出しちゃったし!
ボク達が結婚できるのはいつになるんだろう?ってか結婚できるのかな?
長編設定で総務部長さんとシンゲンさんの既婚者コンビが
未婚の白黒上司に結婚についての心構えを話す…つもりがどーしてこーなった?
結局はマスターさん達の過去の女性との別れた原因とかダダ漏れな結婚願望に
しょーがないから一肌脱ぐぜ?みたいになっちゃうとか…だめだこの職場…(笑)
巻き添えを食らいそうになった平社員さんですが意味を理解してないからセーフ?
でも、この話を後から課長と主任が聞いて爆笑したんじゃないでしょうか?
ノボリさんとクダリさんが結婚できるのはいつになるのか?
いや、その前に彼女ができるのか?二人共頑張れ!超頑張れ!!
-2014.6.3.-