2014 Merry Christmas!
A kiss under the Mistletoe
「ごめん!すっごく待たせちゃった!!」
待ち合わせ場所にって指定したカフェはすでに閉まってて
はその近くの街灯に寄りかかってタバコを吸ってた。
「いえいえ、お仕事大変だったんですよねー。
無理して外で会わなくったって良いのに…いや、それだとうるさくなるか…。」
ちらりとの視線が流れた方を見れば、建物に隠れてる人影がある。
うん、多分マスコミの人だと思うよ?んで、ボクの後をつけてきた人達もいる。
でも今はカムフラージュなんかじゃなくって、ちゃんと付き合ってる!
それはすっごいバトルだったのを知ってるはずなのにな…
んで、ボクは約束通りちゃんとこのバトルに勝ったって報告したのに
初めてのクリスマスだから、ボク達の親密度を知りたいんだろうな。
「あのね、ボク、お腹空いた!いつもの所で悪いんだけど、ご飯食べよ!」
「あ、知ってました?あのお店今日限定の特別メニューがあるんですよ?
んで、デザートもらしいってが情報源だから間違いないと思いまっす!」
ホントはきちんとしたホテルでディナーを予約したかったんだけど
はそーいうのがあんまり好きじゃないみたい。
ボクも堅苦しいのは好きじゃないからオッケーなんだけどね。
「うわーい、このスフレのチーズケーキ美味しい!」
「こっちのオペラもすっごく美味しいよ?食べてみてよ!」
お互いにケーキを食べさせあうとか、傍から見れば熱愛中に見えるんだろーな
でもね、これがボク達の通常運行なんだ。
甘さなんて微塵もない、フレンドリー…すっごくフレンドリーなんだよ!
が食べ終わった後のフォークを使ってボクもケーキを口に運ぶ。
間接キスなんてキスにカウントすらできないけど、それでもすっごく嬉しい。
食事が終わって、外を見れば観覧車がすっごく綺麗にライトアップされてる。
あれなら乗り物酔いが酷いでも大丈夫だから向かう。
ボクが手を出せば素直にボクに手を差し出してくれるのが嬉しい。
そのまま恋人繋ぎをすれば手の小ささと冷たさにビックリした。
「うわー、クダリさんの手って大きいんですね!」
「忘れてるかもしんないけどボクも男!あのね、が小さすぎだと思う。
ってか、冷た過ぎでしょー!こうしてっと…これなら寒くない?大丈夫?」
冷え切っちゃってる手をボクのコートのポケットに手を繋いだまま入れる。
そーする事で密着度もアップするし、ボクにとっては嬉しい事だらけ。
観覧車に着いてもポケットの中の手はそのまんまで乗り込む。
向かい合わせに座ったボク達は、そのまま暫く外の景色を楽しんだ。
「そだ、これクリスマスプレゼントなんですけど受け取ってもらえます?」
「ボクに?受け取る!ってか、全力で強奪する!!
中身は…うわーちょっと待って、これすっごく格好良いかもしんない!!」
小さな包みを開けてみればカラーチップとカフス、ネクタイピンのセット!
ボクはシャツを愛用するから襟元のアクセントを付けたい時にこれは良いかも
カフスもネクタイピンもフォーマルにもカジュアルにも合わせやすそう。
「結構贔屓にしてるお店で見かけて、クダリさんに似合いそうだったから
レジに全速前進しちゃいました。ちょっと動かないでくださいね?」
そう言って、箱からカラーチップを取り出すと
はボクのシャツの襟先にそれをつけてくれるのは良いんだけどさ…
すっごく距離が近くて、ドキドキしちゃうんだけど?
「ちょっとクダリさん上向いててもらえますか?そう、そうです。」
顔を上に向ければ、はすっごく近くまで近寄ってきた。
吐息がボクの喉にかかる位近いのに、は全然気にしてないし…
溜息をついて上を見れば、観覧車の中がいつもと違ってた。
そっか、こんな日に乗るのなんてカップルが多いからなんだろうな。
「ほいっとな!うん、イケメンさんは何をつけても似合うぞー。」
「が選んでくれたんだもん、似合わないわけないでしょ?
あのね、ボクもプレゼントあるんだけど受け取ってくれる?これなんだけど…」
「なんでしょ?って、口紅?」
「うん、まずはそれが1つ目!イッシュのクリスマスはプレゼントは1個じゃない
いくつでも、あげたいって思えば贈ってオッケー!」
「うわーい、すっごく綺麗な色!こういう色ってつけたことないから新鮮です。
………どうでしょう?似合います?ってか口紅に負けそうなんですけど!」
普段は仕事の関係もあってほとんどは化粧をしない。
だからなのか、淡いローズ系のその色が余計に目立って…うん、すごく綺麗だ。
ボクは吸い寄せられるようにその唇にそっとキスをした。
それからゆっくりと唇を離せば、が恥ずかしそうに下を向いちゃって
「口紅…ついちゃってますよ?」
ボソボソと言ってる声がなんだかすっごく可愛くって笑っちゃった。
そうしたらジト目でボクを睨んでるんだけど、全然怖くなんてない。
「ボクもお揃い!似合う?」
「…えぇ、とっても!ってかこんな所でキスとか勘弁してください!
キスの瞬間、なんだか外が一瞬光った気がするんですけどそれって…」
「うん、多分マスコミの人が写真を撮ったんだと思う。」
やっぱりも気づいてたんだ。でも、前と違って恋人同士なんだもん
キスしたって全然問題ないと思うんだけどな?
「公衆の面前でキスとか慣れてないんで!うわーい、顔から大文字?
いやいや、オーバーヒートで自滅しちゃいそうなんですけど!」
両手で顔を隠して首を横に振るの身体を抱きしめたらぎゃー!って叫ばれた
あのね、そこは黙ってボクの胸に顔を埋めて恥ずかしがる所だと思う。
「、これってなんだかわかる?」
「ほえ?あ、こんな飾りがついてたんですか。
クリスマスなら柊…うんにゃ、トゲトゲしてないな…これって何なんですか?」
やっぱりは知らなかったんだ。それじゃあ、すっごい解説始めちゃおうかな!
ボクは何本かの緑の葉の茂った小枝を束ねたそれを指差してから
「あのね、これは宿り木の束!イッシュじゃクリスマスの飾りには欠かせない!
それでね、この下では女の人は男の人からのキスを拒否しちゃ駄目。」
「なんですと?!ってか、そんな風習とか私は知らないんですけど!」
「自分の勉強不足を言い訳にしちゃダメ。この下でキスを拒むと翌年は
結婚できないって言い伝えがある。すっごく縁起が悪いからやめてね?
ボクとしては、それはなんとしても阻止させてもらうから。
それじゃなきゃ、これ…渡せなくなっちゃう。」
そう言って、ポケットからもう一つ小さな箱を出す。
ラッピングを外せば、何が入ってるかすぐわかるそれを開けた
「クダリさん…」
「まだ付き合いだしてそんなに経ってないのはわかってる。
キスだって今のが初めてだけど、そんなの関係ない。ボクの気持ちは決まってる。
が好き。今もその気持ち変わんない、ううん…もっと好きになってる。」
箱の中身はムーンストーンのついた指輪。
白い色はボクの色。だからに付けてもらいたくて選んだんだ。
あぁ、やっぱりちょっと困ってる?
確かに性急過ぎかも?でもね、がそう思うのなんて想定内なんだよ。
「これはエンゲージリングじゃない。
にはボクっていう恋人がいるんだよっていう意味の指輪。
だから、こっちの…右手の薬指につける為に選んだ物なんだけど…
はこれを受け取ってくれる?ボクが恋人だって公言できる?」
どんな小さな表情も見逃さない様に、そのままの顔を見つめ続ければ
呼吸3つ分位の沈黙の後で、がコックリと頷いてくれた。
「クダリさんの気持ちを受け止めたのはギアステ中の皆さんが知ってるから
今更って気もしますが、私は別にお付き合いを隠す気はありませんよ?
ってか、マスコミに張り込まれてるのにそれは無理でしょう?」
「あはは!確かにそうかもしんない。それじゃこの指輪は…っと」
箱から指輪を取り出しての右手の薬指にそっとつける。
それからギュってを抱きしめた。
「エンゲージリングはのいた所は給料の3ヶ月分なんだって?
ボク、すっごい指輪探すからもうちょっとこれで我慢しててね?」
「その情報元は誰ですか?!いやいや、サブウェイマスターの給料の3ヶ月分とか
とんでもない代物になりそうなんで駄目ですよ!」
「えー!」
「えー!じゃないですってば、そんな可愛く首を傾げてもダメですっ!」
「…わかった、でもその代わり今からキスしてくれる?」
そう言って宿り木を指さす。は習慣とかそーいうのに弱かったりする
あーとかうーとか言いながら、それでも覚悟を決めたって感じで
ボクのシャツをキュッと掴んで、触れるだけのキスをしてくれた。
「ここに宿り木があるのが悪い…畜生。」
抱きしめればボクの胸に顔を埋めてやさぐれちゃったけど、それすらも可愛い。
でもね、ボクはそんなキスじゃ全然足りないんだよ?
「あのね、この後ボクの部屋に来て?キスだけじゃ足りない。
もっとチューしてギュってしたい。ってか、今夜は部屋に帰す気無いから!」
これだけ言えば、どうするかなんていくらでもわかるよね?
ぎゃー!とか色気のない返事が聞こえたけどそんなの知らない。
そんな感じで観覧車を降りた時には、マスコミに周囲を囲まれちゃったけど
別に隠す必要もないからってボクはの右手を皆の前に見せた。
色々聞かれたけど、これが一番効果があったかもしんない。
まだ何か言いたそうにしてる人達の横を、ボクは満面の笑みで通り過ぎる。
明日はお休みだからずっとと一緒にいれるから嬉しいな!
注意:掲載されている作品のお持ち帰りはリクエストされた方のみです。
百々様のリクエストでペ天使クダリさん設定で初めてのクリスマスでした。
お付き合いを始めてすぐのクリスマスでクダリさんが暴走しちゃいました。
宿り木の習慣は実際に似て非なるイッシュ地方に存在しております。
指輪をつける場所もそうなんです。
元々いい歳してるから、遊びのお付き合いなんて考えてもいないクダリさんは
きっとこれからもあの手この手で夢主さんを翻弄して丸め込んじゃいそうですね。
百々様、リクエストありがとうございました!