穏やかな昼下がり、挑戦者の姿も無く少々早めのコーヒータイムを
同じ様に挑戦者のいないクダリと楽しんでおりました。
「んー、最近ずっとトレイン乗車の方で忙しかったから
こーいう時間は貴重かもしんない…あー、コーヒーが美味しい!」
「で、ございますねぇ…いつもなにかしらの業務に追われておりますので
たまにはこの様な時間もよろしいですが…毎日ではつまらないですよ?」
「あはは、そーだよね!」
「ふふっ、サブウェイマスターとしては当然でございます。」
えぇ、本当にこの様に穏やかな時間を過ごしていたのです、
しかし、インカムから聞こえてきた声でそれは簡単に終わりを告げました。
『こちらラムセスなのさ、現在職員用の武道場でとが乱闘中
誰でも良いから止めてくれると助かるのさ、ってか助けて欲しいのさ!』
揃ってコーヒーを吹き出しそうになりました。
ももどちらもリアルバトルが得意だと言っておりましたし
その体捌きはスーパーブラボーでございましたけれど…
「あの二人が乱闘とか意味が分かんないんだけど?」
「えぇ、はどちらかといえば初手は精神攻撃でございますし
も喧嘩を売られない限りは自分から手を出すような方ではございません。」
どちらも血気盛んではございますが、無意味な暴力を振るう方ではありません。
そしてあの二人は普段でも飲みに行ったり、お互いの部屋を行き来するくらい
同じ従兄弟同士な私達とインゴ達とは違い、仲が良かったはずでございます。
ともかく、まずは実際に行って確かめましょうと私達は執務室を後にしました。
「…ねぇ、コレって乱闘?」
「私、頭痛が…」
私達が武道場へ行った時には場内には職員の方々が集まって
武道場を遠くから取り巻くようしております。その中に入って前に出れば
その中心には件の二人が何か言いながら、ブラボーな技を繰り出し合い
互いを牽制しあってる最中でございました。
「大体テメェのやり方はワンパターンなんだよ!
パワー重視でゴリ押し?ダブルバトルを舐めんじゃねぇっ!!」
「お前だって、初手に状態異常の技とか馬鹿だろう?
シングルはガチ勝負が醍醐味なのがわからないのか!!」
どうやらバトルについての意見の食い違いでございましょうか?
それにしても互いの立場が逆な様な気がするのですが…
「ラムセス!コレってどーいう事?」
「ボス達まで巻き込んですまないのさ、いつもの様に接待を要請したら
たまにはトレインを取り替えようかって二人が言い出して乗ったのさ。」
「つまりがダブル、がシングルに乗車したのでございますか?」
「そうなのさ。それで終わった後にお互いのバトルレコーダーを見せ合って…」
「あー、その先はわかったから言わなくて良い。
どーせバトルスタイルにいちゃもんつけられて、げきりんになったんでしょ?」
ラムセスが頷くのを見て、クダリがこめかみに手を当てて首を横に振ります
その間も二人は激しい攻防を繰り広げており、更にエスカレートします。
「大体なぁ、テメェは昔からそうなんだよ!なんでも簡単にやりやがって
出来て当たり前みてぇな顔しやがって!出来て当然じゃねぇ!
人の意見なんざこれっぽっちも耳を貸せねぇ態度が気に入らねぇんだよ!」
「…そこまでいいやがんのか?!俺も言わせてもらうぞ!
お前のいっつも取り澄まして全てお見通しってツラがマジでムカつくんだよ!
その癖、予想外の事が起きれば人一倍テンパりやがって…
どれだけ俺が尻拭いしたのか、わかってて言ってるんだろうな!」
あぁ、かかと落としをハイキックで受ける等信じられません。
今まで誰も止めなかったのかとラムセスを問い詰めれば、カラテ王の方々が
止めに入ったそうでございますが、二人にあっという間に蹴散らされたとか…
それであちらの隅でバトルガールの方々が倒れた彼等の介抱をしてるのですね。
「仕事でもそうだ!次から次へと手当たり次第道具を買うんじゃねぇ!
必要経費で落とすのも限界があるってのがわからねぇのか!」
「使い勝手の良い物に切り替えて何が悪い!作業効率だって上がってるんだ
十分に採算はとってる、職人は道具に金を惜しまないモンだろうが!」
の中段突きがの鳩尾に決まり、上体が崩れ落ちましたが
すぐに体制を立て直し、カウンターとばかりに足払いを決めております。
これはすでに、当初の目的を無視してただの殴り合いになってるのでは?
ふと隣を見ればクダリの姿が見当たらず、どこに行ったかと見回せば
職員達と共にどちらがこのバトルに勝利するのかを賭けている様子…
「クダリっ!上司である貴方がそのような真似をすれば部下に示しが
つかなくなるでしょうっ!!いい加減にこの様な無意味な争いを止めなくては…
しかたがありません、行きますよクダリ?」
「ちょ、ボクまだ死にたくない!あの二人の間に入ってもカウンターで
一撃で戦闘不能になっちゃうってば!無理、ボクには絶対無理っ!!」
そんな事はございませんと言い返したいのですが、この二人の間に割り込む…
それは彼等の攻撃を受けると言う事になり、こちらも無傷ではいられないでしょう
「あぁ、どうしたら良いのでございましょう…」
「あのね、もう好きにさせれば良い…「ワケないでしょうっ!」…だよねー!
わかった、二人でせーので行っちゃおう?ボクは、ノボリは?」
「リアルきあいだまを喰らわない事を祈りましょう…では…」
「うわーい、ラムセスさんのインカムで何事?って来てみれば
随分派手にやらかしちゃってくれちゃって…んで、両ボス…原因は?」
行きますよ!と言って動こうとした時に後ろからに声をかけられました。
私とクダリ、そしてラムセスが二人の状況を説明すれば、肩を落としそして…
「ふっふっふー、仕事をしないだけじゃなく他の職員の皆さんを巻き込んで?
くっだらない事で馬鹿みたいに拳で勝負?オマケに口喧嘩?」
そう言うと、あろう事かとの前に飛び出していきました。
それもひじ打ちと中断蹴りのオマケまでついております。
「おあっ?!テメェ、いきなり急所狙いとかしやがんじゃねぇっ!!」
「おまっ、使いモンにならなくなったらどうするつもりだ!」
「「 ?! 」」
慌てとが1歩後ろへ飛び下がりましたが、攻撃態勢をとったまま
は二人を睨みつけておりました。
「、急ぎで使うって発注頼んだ材料が届いてないんだけど?
、シングルトレインの天井裏の配管を保温が追いついたんだけど
あれって急ぎだよね?私はいつまで待ってれば良いのかな?」
「「 あ… 」」
「バトルスタイルなんて人それぞれで当然だよね?同じならつまんないよね?
人の言葉に耳を貸さない?私の言う事を二人は聞いた事があったっけ?
尻拭いなんてしたくない?いっつもさせられてるのは私なんだけど?」
すっかり形勢逆転…と言えば良いのでしょうか?
ももを前にモゴモゴと何か言っておりますが一蹴されております。
「そうは言ってもだな…」
「、これは俺との問題でな?」
「個人的な問題?これだけの人達があつまってて良く言えるよね!
そもそも、仕事中に個人的な事でグダグダしやがるとか何様だぁ?!
仕事道具の事だって、デボンが相手ならサンプル借りれば済むんだよ!
後、色々買ったって今迄の道具を無駄にはしてないんだ。
その辺をうまい事経費で落とすのが経理の仕事じゃないの?!」
あぁ、仕事に支障が出た時点で二人はに言い返せないでしょう。
何せ彼女は人一倍仕事への姿勢に厳しい方でございますからねぇ…
「のド正論には二人でも言い返せないんだね…」
「えぇ、私達もアレをくらって何度意気消沈したかわかりませんものね…」
どうやらとのとんでもない私闘は終わりを迎えそうでございます。
それにしても、あの二人を止めたはスーパーブラボー!ですね。
ただ…急所を狙うのは是非ともやめていただきたい!
周囲で見ている男性職員が全員思わず内股になってしまったでしょう!!
「皆さんにはウチの馬鹿上司達が大変ご迷惑をかけてしまいすみませんでした
部下である私からキツク言っておきますので、勘弁してあげて下さい。
二人とも、ボーッとしないでちゃんと謝って…仕事に戻りやがれっ!!」
の一喝に慌てた様にとは場内にいる他の職員達に謝罪し
転がる様に武道場を駆け出して行きました。
それから、歳若い職員達がの事を姐さんと呼び始めましたのを
本人はどーして?と首を傾げておりますが、私もクダリも納得しております。