999本と1本の薔薇



様、どうぞこれを受け取ってくださいまし。」

私は恋人の前に99本の紅色の薔薇の花束を差し出しました。
柔らかな表情で微笑まれます、そのお姿すら愛おしい…
様の全てが欲しい、誰にも渡したくはないのです。

「私、これまでにも貴女様へはこの花束同様に紅色の薔薇を
差し上げてまいりました。ご存知ですか?紅色の薔薇の花言葉は
[死ぬ程恋焦がれています] でございます。
えぇ、今の私に相応しい言葉でしょう。
それと、その本数にも意味があるのはご存知ですか?」

頬を花束に負けぬほど紅く染めて首を降る様の前に
私は膝をつきました。

「1本で一目惚れ
 3本で告白
 11本で最愛
 50本で恒久
 100本で年老いても共に
 108本で結婚してください
 365本で毎日恋しくてたまらない
 999本で何度生まれ変わってもまた貴女様を愛します」

以前、私は108本の薔薇の花束を貴女様に差し上げましたね。
まだ付き合って日も浅い頃ではございましたが、私の気持ちは
その時となんら変化はございません。むしろ想いは深まるばかり…
だからこそ、いまここで再度様に私の想いをお伝えしたいのです。

「今まで、貴女様へお渡しした紅の薔薇の花は900本でございます。
そして、ここに99本のバラがあります。
99本ではとこしえの愛…の意味がございます。
様、私は何度生まれ変わってもまた貴女様を愛します。
そして、その愛はとこしえの愛なのでございます。
どうぞ、私と共にこれからの人生を歩んではもらえないでしょうか?」

胸ポケットから小さな小箱を取り出し、蓋をあけます。
そこには様の誕生石があしらわれたリングが収められております。
花束を様へお渡しして、私はその左手の薬指にリングを嵌めました。

「どうぞ、私と結婚してくださいまし。」

花束に顔を埋めるようにしながらもしっかりと頷かれた貴女様を見て、
私、思わず抱きしめてしまいました。
薔薇の香りの他に、様の香りが私を包み込んで、私、幸せでございます。
愛らしい唇に触れるだけの口づけを落とせば、私の腕の中へ顔を埋めてしまい
その表情は見えませんが、耳まで真っ赤でございますよ?
その姿がなんとも言えず…その…愛らしさに惚れ直してしまいまして…
ポケットから同様の紅色の薔薇を1本取り出しました。

「この1本は私の妻となる様に…その再度一目惚れいたしましたので。
これで、丁度1000本の薔薇になりますし…ね?」

お互いの顔を見合わせてホッコリと笑いあえば、バラの香りが広がります。
今宵は2人でこの香りに酔いしれるといたしましょうか?









  -MOIRA- の緋那様へ、相互記念品として押し付けました。
イメージは我が家の長編ノボリさん(女性苦手)とのお話です
色々テンパったのかカッ飛んでしまってます。これ、なんて偽者?(汗)